2010年11月13日土曜日

シックスセンス的会話の楽しみ

今日は所用で飯田橋へ行った。5分も歩けば水戸光圀公ゆかりの名園小石川後楽園。その向こうには東京ドームという名の巨大なビニール製の湯たんぽが横たわるところだ。
地下鉄の穴ぐらから這い出てみると昼メシ時だった。近くのCafe de Crieへ入り、パスタとコーヒーをオーダーし、紫煙の立ちのぼる領域の小さな空席へすっぽり納まる。すぐ隣の席には一組の客。40代後半の縞のシャツを着た男と50代後半の茶色い靴をはいた男、二人とも普通のサラリーマン風情だ。
年齢差はあるもののお互いかなり親しげで、タメ口で話をしている。小生の見立てによると、おそらく40代の縞シャツはクライアントで、50代の茶靴はその子飼いの業者の営業本部長といったところか。打合が終わったので昼メシでも行こうか、といった感じだ。

二人の会話が否応なく耳に入る。
茶靴「...というわけで俺はサザンの桑田だったなあ。あれのデビューは衝撃的だったよね」
縞シャツ「そうそう、それまでのバンドとは全然違ったもんね」
(懐かしくて思わず小生も彼らの会話に加わった)
私「だよね。歌番組でタンクトップに短パンで歌ったりしてさあ」
茶靴「そう!あの曲なんだっけ?渚のシンドバッド...じゃねえや」(笑)
私「それはピンクレディーだっちゅうの」(笑)
縞シャツ「あれでしょアレ、勝手にシンドバッド!」
茶靴&私「そうそうそう!」
私「確か青学の学生バンドだったんだよね」
茶靴「そう確か青山学院だった。デビューは」
縞シャツ「いやあ俺は世良公則とかチャーとか原田真二とかだったんだよねえ」
茶靴「うわあ〜世良公則!あんたのバラードだっけ?」
私「いきなり、ジャガジャン、アンタのっ♪て歌が始まるヤツね」
縞シャツ「そう、でもさ2曲目からはなんだか歌謡曲みたくなっちゃったよね。」
茶靴&私「アハハ、言える言える」
茶靴「原田真二もそういう意味ではちょっと違うかなあ」
縞シャツ「まあね、彼はちょっとアイドル路線だったからね」
私「確かに」

小生はパスタにパルメザンをたっぷりかけて口に運びながら談笑し、3人の会話はいつの間に野球の話に...
縞シャツ「...だよねえ。ところでショートってなんでショートなんだっけ?」
茶靴「ああ、あれね。なんだっけなあ、外野からもっと前に前進して短い距離で打球を捕るからショートだったと聞いたけど」
私「そうなんだ!そう言えばショートのことなんで遊撃手って言うんだろうね」
縞シャツ「アレはなんで遊撃手なのかなあ?」
茶靴「俺も知らないよ」
私「おしっ、帰ったらネットで調べてみよっと」
縞シャツ「さあて、ボチボチ行きますか」
茶靴「行きましょうか」
私「じゃあまたねえ」

縞シャツ茶靴のふたりは私には目もくれずに立ち去ったのであった。
ワカリマスカ?
上記、私「 」の部分を削除して読んでも会話は成り立っていることに気づいたでしょうか?

ブルース・ウィリス主演の映画「シックスセンス」→シックスセンスあらすじ
ここでは詳しい内容は伏せるけれど、劇中とあるレストランでブルース・ウィリスが妻と食事しながら会話をするシーンが印象的。ラストシーンの大どんでん返しは鳥肌もの。まんまとしてやられた感じで素晴らしかった。大好きな映画のひとつ。
今の3人の会話はこの映画の食事シーンと同じなんである。
実は縞シャツと茶靴の会話を隣で聞きながら、小生は心で話に加わったのだ。
私は見ず知らずの他人といきなりタメ口で会話出来るほどの、勇気もないし能天気でもない。でもこれって結構楽しい。
自分が幽霊のブルース・ウィリスになって2人の会話に参加したようなものだけど、終わってみればあの2人に妙な親近感を抱いたものだった。






さて文中の「ショートストッパー」「遊撃手」については今ネットで検索済み。次回ここでまた書いてみたい。

全くの蛇足だけれど(^^)
小石川後楽園のベンチから見上げた東京の空には、無数のモミジの小さな手のひらのフィルターがかかっていた。
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