2013年5月25日土曜日

179日めの希い


「こんにちはTです。ご心配いただいた方々へご報告します。
2歳半のMinamiが先週土曜日に無事退院いたしました。

昨年11月に急性白血病で倒れて以来、長きに渡る抗ガン剤治療で、本来は6月中旬に退院予定だったのですが、予想以上に治療が功を奏し快復が早く、1ヶ月前倒しでの退院の運びとなりました。
まだ副作用で頭は丸坊主状態ですが、本人は至って元気、無邪気に終始笑顔を振りまいておりました。

この度、みなさんにはご心配をおかけし、またメールやグランドで温かい励ましのお言葉をかけていただき、本当に感謝いたします。お陰さまでこのように嬉しいご報告をさせていただくことができました。
重ねがさねありがとうございました(^-^)

本来なら個別にご挨拶すべきところですが、文明の利器・電子郵便にてBccで送信しますことをご容赦下さいませ。
更に不埒にも近日中にブログでも記載のつもりでおります。
今後は明るい少年少女野球の未来のために、なお一層の精進を心がける所存であります。

なんてお堅い文面はこれくらいで。これにご返信のお気遣いは必要ありません。読み流して下されば結構です。またもしこのメールで初めて知ったという方には突然のことで申し訳ありません。
ご報告とお礼が言いたくてメールしました。本当にありがとうです!!!
                                T」

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以上はご心配をおかけし、励ましいただいた方のみならず、おそらくこのブログを読んでMinamiのことを知っているであろう方々に送ったお礼と報告のメールである。携帯のアドレスを知っている人だけではあるが。
うまく一斉送信出来ずに返ってきてしまったりもして、行き届かなかった方もあるやもしれず。Queens関係には2回に分けて送ろうと、半分の方に送ったところ、すぐにKasaharaさんからメールあり、Qの一斉連絡網に流してもいいかとのこと。あとの半分の方々は取りやめてありがたくお任せすることにした。

メールなんぞを送ったのは、私事なので、もしや受け手にしてみれば押し付けがましいのではと、逡巡したのであったけれど、お世話になった人にはきちんと報告すべき責任があると思ったからだった。
自分だけが浮かれているようで恥ずかしい思いもした。返信無用と書いたにもかかわらず、多くの方からおめでとうのメール。その中で以外にも周りの身近な家庭にも難病や大病にかかわっている方がいることを知った。
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姪からもメールがあった。2歳6ヶ月の子が半年間病気入院していたということは、その子の人生の1/5を闘病生活していたことになると。40歳で換算すれば実に8年間に相当するわけだ。改めてよく頑張ったねと、今から娘の家へ飛んで行ってもう一度Minamiを抱きしめてやりたい衝動にかられる。
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本人はもちろんであるが、一番辛い思いをし、頑張ったのは親であることは想像に難くない。親の愛情と努力には頭の下がる思いだった。179日間一日も休まず病院へ通った母親。病院の駐車料金が高いため車を使えず、電車の定期券で通った。同じくほぼ毎日、仕事が終わり次第現場から車で病院へ行く父親。彼はMinamiの肝心の退院の日に、相当気が緩んで安心したのか高熱を出してしまい、うつるといけないとの思いから実家に帰り寝込んでしまった。
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めでたく退院である。それはそれで手放しで喜びたい。「天にも昇る気持ち」というのを何年ぶりかで味わった(^-^)
でも。
二十歳になるまでは刺身などの生ものを食してはいけないなど、更にこれからが長い闘いが待っている。昨年病院に運ばれた夜、白血病のことを調べた。「急性骨髄生白血病」は二十歳までの生存率は楽観できるほどではないことを知っている。再発の可能性は決してゼロではない。フジTVの大塚氏の再発のニュースを知った時は暗澹たる思いであった。しかし、それで下を向いてはいけない。

Minamiよりも1ヶ月早く入院した同じ白血病の女の子がいる。年齢もほぼ同じMomoちゃんというのだそうだ。二人揃って病院で食事している写真を見せてもらった。二人ともつるつる頭で楽しそうにしていた。そのMomoちゃんはまだ病院で治療を続けている。取り残されたその子は、今晩病室でどんな夢を見ているのだろうかと思いを馳せると、どうにもやりきれない気持ちになってしまうのだった。
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子どもから大人、年齢に関わらず女性のにっこり笑顔に勝てるオトコはこの世にいない。
Minamiは特別小児病棟のアイドルだったらしい。医師看護師から絶大な人気だったとのこと。以前からその話は聞いていたのだが。
某所、S医大病院を退院の日、こんなサプライズがあるとは知らなかった。
担当の医師看護師21名の方たちからお祝いの色紙をもらったのだそうだ。

これを娘の家で見せられた。上から順番に読んでいったのだが....。
4つめを読んでいるうちに図らずも目の前がふいに滲んできてしまい、涙のカーテンで視界がさえぎられてしまった。

一緒に心を砕いてくださった周囲の皆さん、病院関係の方々に本当にありがとう。
そして、まだ病の床に伏して闘病している多くの子どもたち。暗い夜が明けてきみの、その枕元に明るい太陽の光が燦々と注がんことを切に希(ねが)う。
希望の光は誰にも等しく照らされているのだから。
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2 件のコメント:

  1. Minamiちゃんの退院おめでとうございます。数日前のブログに天にも昇る思い……③南のこととあったので、南=Minamiちゃんかなと思っていました。

    やはりそうでしたね。本当に私もうれしいです。こうなったら早く20年が過ぎてくれればよいと待ち遠しいですね。それでも油断はできないのでしょうが、その間に医学もさらに発達するわけですし。

    よく、骨折したところは骨が太くなって二度と骨折しないという話を聞きますが、大病した人は二度と病気にならないという説はないものでしょうか。

    Minamiちゃんが順調に年を重ねられますように、お祈りいたします。

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  2. 小野口純子さん、コメントありがとうございます。

    お察しのとおり、Minamiの退院のことでした。
    コメントに書かれたように、確かにこれから医学もどんどん進歩していきますよね。大いに期待したいです。

    「大病した人は二度と病気しない」説、大賛成。その真偽のほどはともかく、小さいうちに大病すると精神的に大きく成長する、というのは聞いたことがあります。
    是非そうなって欲しいものです。

    我が事のように心配して下さり、喜んでいただいて恐縮です。
    ありがとうございました(^-^)

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