2015年8月9日日曜日

一瞬の夏

全国大会は神宮で始まり、
今日、神宮で終わりを告げた。
独りぽつねんと、喫煙所から見上げた空には、
元気な蝉の声が鳴り響いていた。

マクドナルト・トーナメント2回戦

全国大会「マクドナルド・トーナメント」2015の二回戦なんである。
前もってお断り。連日の早起きと連日の猛暑と連日の精神的負担と連日のブログ執筆とで、今回は本当に写真に頼ってノートリミングでさっくり行きたいのだ。と言っていつも結局長文になるのが関の山なんであるけれど、今回はそうは行かぬ。絶対短く行くぞ。明日も神宮でスコアラーなんであるからして。

試合会場は町田市民球場。前日のマスコミ各紙を賑わせた新聞を持ち寄ってにっこり回し読みする。会場では白熱の試合が展開されていた。北海道南VS三重。どちらも手堅い守備のチームとお見受けした。予想通りの拮抗したゲーム。
とても素敵な美人カメラマンに遭遇。Canon一眼レフにリュックサックは商業写真のプロなんであろうか。これを盗撮と言ってほしくない。全国の男性諸氏の気持ちを代弁してのショット。
北海道の手作り横断幕が筆者の琴線に触れる。遠くから少ない人数でやってきたことは一瞬で理解出来る。私はこんなチームを応援したくなるものだ。「信じる力、仲間を、そして自分を」の文言には心打たれるものがある。



その間にフレンズは幟などの応援準備。父母たちの総合力には目をみはるものがある。
エチオピアの干ばつ被害にあった河川のように、すでに声を涸らしてしまった応援団長Iharaオヤジのアップ。なぜか右手がオネエ系のようだ。いい顔をしている。


試合前に互いにエールの交換。



あとは写真で想像を膨らませていただきたい。







地の利の良さも手伝って宮前からヤングホークス、ブルーアローズの選手たちも応援観戦に。良い勉強になるだろうし、何よりFにとっては素晴らしい味方を得た気分だ。本当にありがたいことである。
これに加えて連盟関係、チームOBの子、その親、東有馬商店街の方、学校の先生、etc....。この場をお借りし平身低頭、頭(こうべ)を垂れる稲穂のごとく、深謝なんである。




対戦は大分代表「明治少年野球クラブ」やはり堅守の全国レベルチームである。初回1点を先制されるF。もう動じないけれどこのあと延々ゼロ行進が続くのだった。

やっと出た。Yuiの左中間長打。拮抗した場面でのロングヒットはチームに活気をもたらすわけで。
続く4番Hajimeもセンター前安打。タイムリーではなかったがやっと1点を返すことに成功、1:1の同点に。




続く5回神奈川Fの攻撃。3,4番コンビの連打は得点源というメリット以上に、チーム打線にメンタルな発火点となることが重要な意味を持っている。前回このふたりの連打で勢いついたF、二死から4年生Shohmaのヒットを皮切りに打線に灯がともり、2番から5番まで全てレフト方向への連打、Yui,Hajimeそれぞれ2点タイムリーなどで4得点。ゲームは大きく動き5:1の神奈川リードに転じた。Kyohsukeのヒットには母も感涙...。







大いに湧くベンチと応援軍団。チームの垣根を越えて一体となってうねりになった。
終盤はRuiが締めてゲームセット。






終了後はもう一度応援団同士で大分代表とエール交換。
ホテルの予約や飛行機のキャンセルまたは逆に延長。本当に関東以外からの参戦代表チームには頭が下がる思いだ。なんか申し訳ない面持ちになったりする。
このへん、全く高校野球の甲子園となんら変わらないのだ。

試合後、今日の殊勲選手2名をマスコミ各社からいわゆる囲み取材。この2名は監督からの推奨によるものだ。スラッガーYuiと先発マウンドを任されて全国を相手に1失点(自責点はつかない)Kyohだった。良くここまで踏ん張ってくれた。

選手OBも多く駆けつけてくれた。彼らに囲まれながら「えーーーーと、おまえは○○だろ、そんでこっちは○○で....」と、記憶を辿ってOBの名前当てクイズ。筆者も名前がすぐには出て来ない。Nishi,Fukae,Aragane,Okada....。無理もない、すっかり子どもから青少年になっちまったんだから。


明日は3回戦、対するは新潟代表、所は再びの神宮球場。
筆者はスコアラーでベンチ入り。どんどん難しいゲームが迫って来る。今日のようなフレンズの勝ちパターンに持ち込めば勝機ありか。しかし胃が痛くなり、足がつりそうになるのは間違いない。
(やはり意に反して長くなってしまった。この1/5を目指して書き始めたのだったけれど...)
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2015年8月8日土曜日

激闘死闘の末に

高円宮賜杯全国大会初日の模様をお伝えしなければならぬ。
今日はAM4:30起き、ぐったりして頭の中に雑巾が詰まったような状態で書いている。
まずは開会式から。
神宮球場は馴染みの深い球場だ。ヤクルトVSカープ戦などで何度か足を運んだこともある。試合中グランドにカメラを向けたらマルカーノがにっこりVサインをしてくれたことがあった。筆者はカープファンなのに(^-^)(※マルカーノ....今の子は知らんだろーなあ)

遠く地方から昨年と今年オヤジの転勤でチームを離れることになったTomioka家とNishikawa家がわざわざ応援に駆けつけてくれた。嬉しいことである。OBの子たちは少し大人になった印象だった。

偶然にも球場外で今日の対戦相手、滋賀県代表「物部少年野球団」のナインたちとわきあいあい記念撮影することに。滋賀のコーチ大人たちは関西だけあって実にノリの良いテンションであった。この出会いが試合後また場外で感動の場面を呼ぶことになるとは、この時は思いもよらなかったのだが。

晴れて入場行進なんである。
おっといけねえ、筆者は名も無きいちブロガーだ。ここから先は筆者のコピーロボットに命じて写真を撮らせにグランドへ派遣した。ついでにドローンも飛ばせば良かったかな。
前年度優勝を果たし一気に全国区となった愛媛の「和気軟式野球クラブ」単に優勝したから有名になったのではない。たったの12名の選手チームで全国制覇したからだ。うちのような少人数かつ長年低迷してきたチームにも大きな希望と夢を与えてくれた。

宮城のチーム栗生スポーツ少年団。宮城と言えば震災時にはあるチームに、我が宮前区少年野球連盟から大量の新品野球用具を寄付させていただいた。今でもまだ地域によっては不遇のチームもあると聞く。是非頑張って欲しい。

第35回ということで組合せ35番クジを引いた有馬フレンズ主将Ruiが選手宣誓をする。どーにもこーにもRuiは「持っている」ヤツだ。我が子の自慢話をするのが嫌いな筆者であるが、全国の大観衆の前で立派に宣誓をやってのけたRuiを我が子のように誇りに思う。温かい拍手が鳴り止まなかった。
※動画を撮影しここでアップしようと企んだのだが、コピーロボットの不手際でピンボケも甚だしくアップは断念。

主催のひとつである東京新聞のヘリコプターが神宮上空から登場。始球式のためのボールをヘリから投下するという、粋な演出なんである。筆者、ドローンを飛ばさなくて正解だった。もしやっていたら、ヘリの爆風に怖れを成してドローンはどこかへドローンしていたに違いない。

始球式はサプライズであった。元ヤクルトスワローズの名捕手古田敦也氏が登場。会場が大いに沸いたのは言うまでもない。

時は流れて数時間後。試合会場は大田区の大田スタジアム。素晴らしい球場だ。すでにカメラはコピーロボットから筆者の手に。
ベンチの背中には母たちの思いを込めた千羽鶴....いや3,500羽の鶴で編んだ「有馬魂」
いよいよ初戦、VS滋賀県代表戦なんである。
ここからは写真が無い。そうカメラを封印しシャッターを押す手をスコアブックを記録するペンに持ち替えて、初戦のスコアラーでベンチ入りなんである。
試合経過を簡単に。

+++++++++++++
初回表滋賀の物部少年野球団は3番で主将でエースのAsanoくんがいきなりのタイムリースリーベースなどで2点先制。続く4番Naemuraくんも単打を連発。ちょっとキツい幕開けだったけれど、フレンズならこの点差は全く意に介さず....と行きたいところだったけれど、その後2回までHajimeの痛烈な単打1本のみ。

3裏死球盗塁WPがらみでのやっとの1点を返す有馬フレンズ。
4裏にもノーヒットで1点を返しなんとか同点に追いついた神奈川。全国の壁は厚かった。そう簡単に破れるものではないことは、エースの滋賀Asonoくんの快投が物語っていた。神奈川は打てないのだった。主砲Yuiが打席に立つと一斉に外野がバック。ほとんどフェンスギリまでバックするのだが、どうにも打ち崩せない。
2:2の同点の拮抗した投手戦の状態が息苦しい。神奈川が追いついた側なので一時はテンション上がりこのままフレンズらしい一発が出て逆転するかと思ったけれど。

そのまま互いに譲らず7回終了、まさかの「特別延長」に突入なんである。
ご存知ノーアウト満塁からである。昨年から球児の怪我を鑑みて高校野球でもこれに近い試験的な試合をやったようだけれど、賛否両論のシステムだ。

8回両チームエースの球に球威がなくなってきたのは明らか。無理もない、この炎天下での完投、互いに100球前後に至っている。滋賀Mは押し出しで1得点。無死満塁を1点に抑えたのだ。しかし経験上これはよくあること。浮かれるにはまだ早い。
案の定その裏神奈川Fも1点のみなんである。ただしこの得点は5番Kohkiの安打からだ。僅かな光明が見えた。

9回またしても滋賀Mはスクイズ成功し加点したものの1点止まり。4:3。
こうなると俄然後攻がメンタル的に有利だ。
9裏神奈川Fは1点奪取し4:4の同点とする。尚も走者を3塁に置いてRuiの右前打で試合が決まったかに見えたが、ライトからの素晴らしい本塁送球でアウト。続く打席は2番Shohgo。
ツーエンツーからの高めのボールを振り抜いた打球は痛烈な白い糸を引いてレフト前へバウンド、三塁走者Kyohが生還したんである。一瞬の静寂ののちの大歓声。
シノギを削る延長戦を制し4:5で逆転勝利。

スタンドもベンチも湧きに湧く。
筆者はスコアブックをぶん投げてOhshiroコーチとハグし監督Satohと握手。狂喜乱舞であった。
しかし、落ち着いたところで相手応援団からエールをもらい、ここで我慢していた熱いものがこみ上げ本当に涙してしまった。見ると相手ベンチでは号泣している選手たちが何人もいた。


神宮の外はまだうだるような暑さと熱さ。
笑顔で握手するフレンズ関係者。宮前連盟からも応援に大勢かけつけてくれた。
そんな中、すぐ隣りでは物部少年野球団ナインはまだ涙がとまらない。地方から出て来た多くのチームは経済的にも本当に気の毒だと思う。初日に敗れれば無情にもすぐに故郷へ帰ることになる。

物部少年野球団が整列し監督や主将から言葉をもらった。
「フレンズさん、僕らの分も頑張って絶対優勝して下さい!」
思わずまた熱いものがこみあげてきて泣けてしまった。

でも下を向くことはない。君たちは滋賀代表として立派に闘った。それは敵味方関係なくそこにいた誰もが認めていることだ。勝敗はどちらに転んでも不思議ではない展開だった。胸を張って堂々と故郷へ帰って下さい。君たちにはその価値がある。

実に気持ちのいい楽しそうで紳士で礼儀正しいチームだった。

明日土曜もこの大会は続く。2回戦は町田市民球場だ。
今日、全国の壁をひとつ乗り越えた。
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