2013年3月12日火曜日

幸楽円球場にて

とってもせで、
とにかくしくて、
まあるいになって、最後は歓喜の輪になった。

試合終了直後、スコアブック片手にカメラを放り出し、グランドに躍り出た筆者は、自然の成り行きで28番Nishinakaさんと男同士抱き合って喜んだ。その飛び出した拍子に偶然カメラのシャッターを間違って押していたらしい。自宅のMacに取り込んで初めて気がついた。画面いっぱいに写った画像は、野球に厳しい代表が拍手をしながら喜び、満面の笑顔で立ち上がった瞬間であった。

オレンジボール東京本大会。幸楽円ならぬ、後楽園少年野球場。文京区、前日WBCの大花火が打ち上がったあの東京ドーム横にある少年野球専用球場である。全くもってWBCの再現を我々が演じるとは、この時点では誰も知る由がない。グランドの土の質感が素晴らしかった。粒子の密度が高く、しっとりふわふわ、雲の上を歩いているような感触。または洗濯時にソフラン1本まるごと使い切って仕上げたバスタオルのようだ。

話は前後しちゃう。ここへ来るまでの道のりは、朝7時に有馬集合し、電車を乗り継いではるばるやって来た。クルマの案もあったけれど、万一遅刻でもしたら宮前代表として来ている以上、宮前連盟の顔に泥を塗るわけにはいくまいとの配慮で、時間が計算出来る電車移動になったようだ。我々オヤジ連中はこの程度の距離の電車移動は日常茶飯だから平気だが、慣れない子や母たちは復路ではかなり疲れきったようだった。

初戦相手は地元文京区の、東京でも屈指の強豪らしい「茗荷谷クラブ」
いやはや人口密度を考慮すれば自明の理とは解っていつつも、いざ選手の背番号を見て驚いた。「74番」の子。メンバー表を見れば77番まである。筆者聞くところによると、都内では1学年で1チーム作れるところもあるそうだ。比して我が有馬フレンズ。3年生以下は大会登録ギリの11名ジャスト。試合前の集合ではその差歴然というもの。
なんだか、開き直ってしまえばやおら楽しくなってきた。しかし、オトナの事情で宮前代表である以上「恥ずかしい」試合だけはしたくない。反して子らにはオトナのメンツなんて糞喰らえ的に伸び伸び野球をやって欲しいとも思う。

ここからは新聞記者ふうに試合詳報なんである。
初回Fの攻撃は簡単に2死を取られたあと、3番Yuiが二遊間を抜けるヒットで出塁すると、続く4,5番は四球で歩き、WPがらみで先制の1点をもぎ取る。更にKohkiのセンターオーバーの2点タイムリーで計3点。最高の滑り出し。

1回、2回裏のMクラブの攻撃はFのRuiの7打者に対し4奪三振の快投、WBC広島マエケンに肉薄する素晴らしい内容。しかして3回裏、先頭打者三振に獲るも代打9番打者に対し痛恨の四球を献上してしまう。一見泰然自若(たいぜんじじゃく)に見えるRuiだが実は繊細な神経の持ち主。一旦走者を出してしまうとどうしてもランナーを気にしてしまい、結果次打者にも連続フォアボール。盗塁、失策、適時打がらみで3失点。結果振り出しに。

続く4回Fの攻撃。主審からこの回で最終回とのコール。オレンジは最高5回または1時間で終了である。初めの打者Hjimeは三振。しかしこの日2本目の安打で出塁したAyutoが相手エラーに乗じて本塁を陥れることに成功。ふたたび1点のリード。

この回を無失点で抑えれば勝てる。
ところがセオリー通りにいかないのが少年野球の常。2個の連続エラーと2本の安打で土壇場に同点に追いつかれてしまった。
この4回の攻防にはひとつ記者が感動した場面がある。
連続安打とダブルスチールで一死2,3塁。ここで失点すればサヨナラ負けである。1番バッターに2ボールナッシング。間髪入れずNishinakaコーチが代表に何やら小声で話したのち、キャッチャーKohokiに立って捕球するよう指示。
なんと敬遠満塁策をとったんである。プロならいざ知らず少年野球では、増してや3年以下の野球では滅多に見られない作戦である。1番打者を歩かせて一死満塁とした。前進守備の内野は来た球は何も考えず本塁へ送球すればいい。2番打者の打球はサードゴロ。三塁手Shougoは躊躇せず本塁へ送球....審判のコールは「アウトッ!」ホースアウト完成、ツーアウトである。記者、じんわり鳥肌が立ったのは言うまでもない。最後の3番打者をセカンドゴロに仕留めて最終回をなんとか同点で終了。

審判のコール。「特別延長に入ります!」
記者いや、スコアラー始め両軍ベンチが慌ただしく動きはじめる。無死満塁でゲーム再開である。
3番に座ったYuiが目の覚めるような痛烈左中間を破る2点タイムリー。4番Shougoがライト線へ高々と上げる犠牲フライで、3塁走者Ruiがきっちりタッチアップでホームイン。このチームの半数は「タッチアップ」の意味すら知らない子の集団であるにもかかわらずお見事。更にダメ押しは5番Yuutaがレフトオーバーの大飛球を放ち、Yuiが悠々のホームイン。一挙4点を奪取。

特別延長ルールには、息子がいた頃現役オヤジだった筆者には苦い想い出がある。
どんなに点を獲っても油断してはいけない、危険な空気を孕(はら)んでいるのが特別延長だ。息子の時代のあの時、9回までもつれた特別延長を制していれば神奈川県大会で優勝し、上部全国大会へ行けたはずなのだった。

しかして結果は、最小1失点のみに抑えてゲームセット!
8:5で勝利した。一時薄氷を踏む展開だったが、終わってみれば歓喜の渦。試合に出てない4,5,6年の子の母たちですら涙ぐんでいた。十数年前の「特別延長」のシーンが胸に去来する。これだから少年野球コーチはやめられないのだ。

ベストプレイヤーは春季大会直前にもかかわらず小さい子の応援に駆けつけた4,5,6年生も含めてチーム全員にあげたい。
Aチーム主将6年Takuto曰く「俺たちのAの試合を低学年がいつも応援してくれてんだから、今度は俺たちが応援する番だもの」この言葉に筆者胸にグッときてしまったのであるが、Suekiコーチの弁は「言葉を替えれば、Takutoはグランドに残って練習するより、東京へ行ってみたい」という単純な理由(?)、なのかもしれない。いかにもフレンズらしい。

全員の他にベストプレイヤーは以下のとおり。もの凄い数だ。
Kyou=初回のMクラブ先頭打者の強烈なセンターライナーをスライディングキャッチで見事アウトにした。これでうちは一気にヒートアップ。
Kyousuke=普段練習では10球中1球しかフライが捕れないにもかかわらず、レフトフライをなんとか捕球し親たちから拍手喝采を浴びた。
Rui=主将としてエースとしての重圧に打ち勝ち、見事に冷静にタッチアップを決めた。
Yuuta=特別延長で貴重なそして痛烈なレフトオーバータイムリーを放った。
Kohki=先制2点タイムリーの二塁打でチームに勢いをつけてくれた。
Yui=3の2。特別延長では試合を決定づける2点タイムリーツーベース。
Ayuto=まさかまさかの2打席連続安打、1得点にからんだ。
Shougo=不動のサードで4番(?)見事に犠飛を打ち、1四球1犠飛、1打数1安打。記録的には打率10割。

我々オトナはこんなに素敵な思いをさせてくれたこの子ら全員に感謝しなくちゃなんである。

*****************************************************
今日、仕事で大宮へ。午後のあの時間、大宮ルミネで「3.11黙祷」の館内放送があった。
忘れてならじ、あの天災。
忘れてならじ、あの人災。
正直「あの日の記憶」が薄れゆく自分がいたことに自責の念。
今日のこの日。今一度心に刻んでおきたい。

がんばれ東北 「心のチカラ」
にほんブログ村 野球ブログ 少年野球へ
にほんブログ村

2013年3月11日月曜日

風雲、急!

昨日土曜のオレンジボール本大会の結果は前ブログのとおり。今日は写真編集だけでヘロヘロゆえにブログ書くまでには至らず。いずれ書きたいのでそれまでモチベーションを維持しようっと。

今日、日曜は終日仕事であったけれど、午後は歩いてすぐの西有馬スタジアムで練習試合があったから、サボってスコアラーに行っちゃったわけで。相手は野川台フォルコンズ。親しくさせてもらっている近隣のチームである。家を出た時は妙に暖かい空気を感じた。「妙だな、嵐でも来るのか?」

試合前のシートノックあたりから、ぐんぐん、ずんずん空模様が怪しくなってくる。映画「ハムナプトラ」みたいな砂嵐の様相を呈する。あっと言う間に強風が吹き荒れ、空は俄にかき曇り、風雲、急を告げる。

なんじゃこりゃ!なんであった。
数日来から中国の黄砂や大気汚染の報道が喧(かまびす)しいわけで、すっかり黄砂だと思った。政治的汚染問題はさておき筆者、こういう大自然の人間の叡智を越えた、大きな自然現象が大好きである。それにしてもスンゲェ〜な。

みるみる間に気温が下がる。
「気温5分でマイナス5℃」といったところか。風も強かったため体感温度としてはもっと下がったように思う。グランドのニンゲンどもは皆、そそくさと上着やジャンパーを羽織る。この体験、壇蜜ふうに言えば...「こんなの初めて♡」
美人母が多いと噂のフォルコンズ母軍団。ダブルスコアラー体制を敷いて試合に臨む彼女たちも、寒そうにみなさんマスクをしていたのが印象的であった。うちの美女軍団母たちもマスク着用の数だけは負けていなかった。みな花粉症対策のマスクだったようだけれど、今日は違う意味で役に立ったようだ。

帰宅後、仕事する前にYahoo!ニュースを検索してみたら、これは中国由来の黄砂ではなくれっきとした「煙霧」という、気象現象なのだそうだ。

夜は仕事しながら侍JAPNをTV観戦。
これまでの不安材料を払拭するもの凄んごい打撃力もさることながら、マエケンの針をも通すほどのピンポイントの熱い投球には心底参ったぞい。
オレンジボールも今日のフォルコンズ戦も、いずれブログアップしたい。
明日は打合で大宮へ。イヤんなっちゃう。
にほんブログ村 野球ブログ 少年野球へ
にほんブログ村



2013年3月9日土曜日

乾杯!有馬、なう!

オヤジ祝勝会!地元有馬、なう。
なんだかなあ〜、久々に味わうこの幸福感。
シアワセなんである(^o^)/

初戦突破!

東京ドーム…じゃない、後楽園少年野球場からナウ。

オレンジボール大会初戦。相手は先日書いたように東京のトップクラスのチーム、茗荷谷クラブ。

大接戦で同点の末、特別延長戦を制したのは果たして…。
勝ったんである!
8:5で延長戦は快勝。
今回ブログは取り急ぎこのご報告まで。
なぜなら、これを書いているのはiPhoneで帰りのクルマの中からだからヾ(@⌒ー⌒@)ノ
今晩は祝勝会でブログは書けぬわけで。試合詳報はまたいずれなんである*\(^o^)/*


☆☆☆T-Teshima☆☆☆

2013年3月8日金曜日

「走れメロス」

「走れメロス」
太宰治の代表作である。友人との約束を守るために野を駈け山を越え走りに走るも、しかして間に合わず、約束どおり心臓を切り取られるかと思いきや、裁判長がメロスの心臓を担保にした悪徳高利貸しに言った一言は「いいでしょう、心臓を切り取りなさい。しかし、血を一滴たりとも流してはならぬ」大岡裁きの典型である。(※小学生の頃の記憶なので上記ストーリーは曖昧ミーマインではあるけれど)と、ここまで書いて思い出した。序盤途中から「ベニスの商人」の話にすり替わってしまったことに。なんという失態!てへっ。メロスはちゃんと約束を果たし友の命を救ったのであった。

やっと2013年フレンズ「野球スタメンボード」の完成なんである。
なんとかオレンジボール大会までには間に合わせたかった。先日来から仕事の間隙を縫って制作に集中没頭、昨日完成。さすがにボロンボロンのケースは破棄し、新品のケースに衣替え。

今日はお台場のクライアントと打合。火急を要する図面は今日明日中に一発描いて、次は来週渋谷あたりで打合して....。帰宅したら今度は別のクライアントから電話。一週間くらいでDコーヒーショップの図面を。土曜はオレンジがあるので外せない。勢い日曜は仕事になってしまった。参ったな....。

でも昨日までに「野球スタメンボード」を完成させたのは偶然の幸い。明日からはフレンズ野球どころではなくなるわけで。
メロスは全裸で死ぬほど走って期限を守った、筆者も全裸にこそならなかったが死ぬほど走って間に合った。今年1年これでまた、こんにゃろが活躍してくれるに違いない。
ところがどっこい、スットコドッコイ。
4月には新チームの大会を控えているQueensの「野球スタメンボード」のプレートも更新制作しなきゃなんである。
参ったな....(^-^)
にほんブログ村 野球ブログ 少年野球へ
にほんブログ村