2021年2月28日日曜日

期待の春に

 昔読んだ小説に五木寛之の「戒厳令の夜」というのがあった。若い頃貪るように読んだ作家のひとりが五木寛之で、「青春の門」は筆者が上京を間近に控えた高校生の頃と重なる。時代背景は全く違うけれど。さて、それはともかく、川崎市コロナ禍では戒厳令の夜ならぬ、緊急事態宣言下の昼なんである。過日川崎では区をまたいでの活動が禁じられることとなった。フレンズでは予定していた練習試合を急遽キャンセルしまくり、担当Ohmoriオヤジは慌ただしい日々となる。相手チームにも申し訳ない思いである。

各小学校でも校庭開放についてはバラバラだ。ほとんどの学校では試合禁止となっているようだ。しかし幸いに試合ができる数少ない学校の一つが西有馬小だった。今日、日曜は、お互いに対外試合がキャンセルの憂き目にあったフレンズとアリコとが練習試合ができることになったのだった。ホームはアリコ。Fはビジターとなる。公式戦ではたまに対戦するも、このカードの練習試合はいったい何年ぶりだろうか。有馬VS有馬である。ニューヨークヤンキースVSニューヨークメッツのサブウェイシリーズみたいな。

2021アリコ監督はEndohさん。Qの練習にも今だに来てもらっている。野球センスは抜群でそんじょそこらの野球経験者の若えヤツなんか足元にも及ばない、と筆者は見抜いている。それをおくびにも出さずニコニコと謙虚で温厚な男なんである。

試合経過は抜きで、冬のカラリ晴天下での写真中心にて。F先発はShunto、マスクをかぶるは主将Haruto。この大きな二人が今季のFを牽引するわけだが、いかんせん選手人数は10名。おっかなびっくりの低学年の子もレギュラーというFの台所事情。それはアリコも同様らしく11名ほどの選手の半数が3年生以下らしい。有馬の子どもたちはいったいどこへ消えてしまったのだろうか。まるで神隠しにあったように忽然といなくなってしまったと思うのは筆者の杞憂だろうか。

Masaharuの打席で久々撮れた「日向に放置された月見だいふく的グニャリボール」の瞬間。

遠近の妙。何度もここで撮っているけれど。カラーコーンと本塁打席の比較対象。

この試合Haruの打率は相当良かったはずだ。長打連発であった。アリコも頑張った。主軸の主将くんが起死回生の三塁線を抜ける鋭い打球を放つ。

Masaharuの打席でヘルメにデッドボール。1年生ならば痛くなくてもギャンギャン泣き叫ぶであろう場面。この時は気づかなかったが帰宅後Macで拡大して見ると、あの硬いヘルメがグニャリと撓(しな)っているではないか。これには驚いた。がしかし、考えてみればこの程度で粉々に割れてしまったのではむしろ目に入って危険である。少々の衝撃では割れずに柔軟にしなることで、危険を回避するわけだと推察。これは車の強化ガラスや、高層ビルの免震構造にも通底する論理である。硬いと信じ込んでいたけれど実は柔軟で、硬いのはヘルメットではなくお前の頭なのだと思い知った今日この頃、年を経てもこんな小さな発見があることは実に嬉しいことである。写真右下の赤い四角を注視されたし。ヘルメのツバが餃子の皮をひねったように衝撃を吸収して変形している。

最後にHaruの素晴らしい打撃フォーム。以前はインパクトの瞬間は前がかりだったが、今はしっかりと後ろに体重を残して、いかにも長距離打者風のフォームになって来た。兄Hiroを彷彿とさせる姿に。今年に期待したい。

試合終盤だったが筆者は仕事に戻るため中座。しかし帰宅し一杯舐めながらMacを起動し、CAD設計アプリを開いた途端に猛烈な睡魔に襲われて撃沈。猛烈な睡魔はハムナプトラの砂嵐よりも猛威を振るうのである。

...さて、時系列は戻って昨日土曜日。

Q練習の後第四からFの有馬小へ。ヘルメットを脱ぎグランドへ行くとそこにはヒッチコックの「鳥」のようなおぞましい光景が...。なんちゃって。フレンズではMaeda、Nakamura夫婦を中心にジュニアフレンズなる、幼稚園児を対象としたチームを創設したことは「晴耕雨読」で既報の通り。この中から何人が本チームに入部してもらえるかは未知数だけれど、実に素晴らしい取り組みである。選手10名、家庭数7家庭のチームとは思えない現フレンズの涙ぐましい取り組みに、身内ながら心から喝采を送りたい。

グランド半分ではフレンズ10名が閑散と練習に励み、かたやもう半分ではJrのちびっこ軍団が父母も含めて大勢で賑わっていたのだった。Jrは本チームを凌駕する15名ほどの大所帯。フレンズを卒団した子の弟や妹ちゃんも参加していた。

「期待の春」なんである。

「せえ〜っの!」「ハイ投げて〜」

きゃっきゃ言いながら野球を楽しむ姿に、野球のみならず本来のスポーツを楽しむ、ニンゲンの本能を彼ら彼女らに見い出して、ますます期待の春に胸が膨らむのだった。

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2021年2月24日水曜日

春はすぐそこ...か?

 北部大会QueensVSヤングの模様を写真多用のブログである。一眼レフとiPhone併用にて。今年はこのパターンが多用されるかもであるが、これまた面倒なんであった。一眼レフでの写真をSDカードでMacデスクトップの一個のフォルダに取り込み、次にiPhoneの写真がCloud上にあるのを、ワイヤレスでMacで取りに行きデスクトップへ。コードの抜き差しがないのが快適だ。マウスなんてもはやワイヤレスが当たり前で、今では昔のコロコロボールマウスには戻れないカラダになってしまった。この2種類の写真は時系列が統一されていないため、文章の経緯と共に写真を挿入するには記憶に頼るしかない訳で、実に煩雑極まりないんであった。ただでさえ長文になりがちな「晴耕雨読」BLOG、困ったもんだなんである。

ヤングはBチームの指導には多大なる実績と絶大なる評価のあるSashiki監督。

Qのノッカー29番Mochidaさん。こちらもヤング出身のコーチである。QueensとヤングはQ創設以来切っても切れない強い縁がある。今季28はフォルコンズで監督経験もあるUeshimaさん。転じて近年のQはフォルコンズとも切っても切れない縁があるのだった。YもFもどちらもQ戦士の供給源として多大なる貢献をしてもらっているのである。

Q先発はSaki。まだ経験が浅いのに捕手をやったり重責を担っているのだが、投球フォームが相当安定してきた感がある。

おっとヤングベンチの写真を見たら、ワーオ、こりゃなんてこったい。撮った時は気づかなかったが、Mac上で大きい画像で見るとベンチスタッフのお父さんたちが、マスクをしているせいか、まるで三つ子のようにクリソツなんであった。特に29、28コーチは双子の兄弟かと思えるほど顔も風貌も瓜二つなんである。今度ヤング関係者に聞いてみよう。

試合の模様は文章少なめ、写真にて想像たくましくされたし。

北部大会は数年前から大会要旨を抜本的に改革し、教育リーグ的な方針となった。ルールも敢えて緩く設定している。審判Shimadaさんもイニングの合間に捕手へ指導する。全チームの全指導者が、全チームの全選手を分け隔てなく指導するような土壌が出来つつあるように思う。6年生の慰労を目的とした南部リーグとは一線を画すわけで、宮前少年野球の南北合わせて素晴らしい棲み分けだろうと思う。

おお、美しきかな、メタルエイリアンの背骨の標本か。

試合はシーソーゲームの好ゲーム。Q二番手のマウンドは主将Tohko。Q7年生の彼女のマグネットは多分1年生の時に作ったものを今だに現存して使っている。これが理由で最終学年となった今年、全員のマグネットを一新、刷新、更新することにした。

Sakiがあわやホームランかと思えるほどの長打を放つ。満面の笑みでガッツポーズ。

Harukaの妹ちゃんが試合デビュー。バットにボールが当たるだけでも賞賛される年齢。将来はきっと、女優木村佳乃似のQ美人戦士になるだろうと想像するのは筆者だけだろうか。

試合は5:5の引き分け。Qのチーム人数的事情と、初めての試合ということを鑑みれば、ちゃんと野球になってたし、ここまで出来るとは思わず上出来だったとの指導陣からの評価だった。

コロナ禍の最中(さなか)でもなんとか試合が出来たことに、この春の希望へと重ね合わせたい。緊急事態宣言も遠くない将来に解除の見通しとなった。春めいたうららかな晴天がありつつも、それでもまだ2月、これから極寒の日もあるだろう。それでも確実に、着実に、堅実に、春という「希望の日々」がすぐそこにやって来ている気がするのだった。

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