2017年10月29日日曜日

俺の「ブレードランナー2049」

こうも三週連続で雨に祟(たた)られるとは思わなんだ。少年野球界のみならず、老若男女洋の東西を問わず、あらゆる屋外スポーツ界に与える打撃は計り知れないはず。季節柄あり得ることとはいえ、いくらなんでもそりゃないぜって言うくらい、そんな殺生(せっしょう)な、許しておくんなさいましお代官様、的にひどい雨の予定狂いなんであった。順延、順延また順延...川崎少年野球もさることながら、宮前少年野球連盟担当事務局の労苦を思えば、その切歯扼腕(せっしやくわん)、艱難辛苦(かんなんしんく)たるや想像を絶するものがある。いつも連盟事務方の方々お疲れさまです。m(_ _)m

さて、今日土曜日はAM仕事をギリまでやってのち、PM久しぶりにフレンズへ顔を出した。小雨ぱらつきそうな雨模様。子どもらやフレンズメンバーのコーチや父母たちの顔を久しぶりに見て、なんだか旧知の友に出会ったようなちょっぴり嬉しい気分であった。オレンジ試合前に筆者は所用があって後ろ髪を引かれる思いでグランドをあとにした。明日は間違いなく台風予測。ゴンゴンゴリゴリ、ぎゃんぎゃんぴゅーぴゅー、予定は雨でまた中止だろう。

先日筆者の愛してやまない映画「ブレードランナー」のことについて書いた。その続編。
「ブレードランナー2049」ロードショウが金曜封切り。期間中に劇場へ行きたいんであるが、まだ行ける見通しは立っていない。せめて「ブレードランナー」グッズを手に入れたいと思いネットで検索したら、封切りと同時にあの「デッカードブラスター」のキーホルダーが販売されるとのこと。ブラスターとはH・フォードが劇中で使った拳銃である。ほかにも関連グッズが何点かあるではないか。筆者はいてもたってもいられず、キーホルダーとTシャツとロックグラスを注文。当日の朝10時ぴったりに通販サイトにアクセスし、この3点をカートに入れてクリック....。クレジットカード決済の入力に手間取って最終ボタンをクリックしたら、もうキーホルダーだけはすでに完売していた。たぶん全国からの一斉アクセスでこれだけはあっという間だったに違いない。

「デッカードブラスター」はブレードランナーファンの男にとっては垂涎の的、憧れのモノである。

「ブレードランナー2049」では日本製のモデルが採用されて実際の映画に使われているモノなんである。近未来なのに、このどこか洗練されていない無骨さがたまらなく良い。レプリカで8万円くらいするのに、全世界から予約待ちでいまだに即買いは不可能。
留之助ブラスター。今回作では本作よりもっと渋くモノクロ調で機械感が増していた。日本製の精巧なモデルガンが映画の拳銃に逆採用されるという稀有な例らしい。
ググってみれば延々と写真がアップされている。(本作、続編のブラスター混在)

数万円ではとても手が出ない。もっと安価なレプリカもAmazonで出ているのでいつかはゲットしたいと思うんである。ちょっとおもちゃっぽいけれど、飾って鑑賞するぶんには十分らしいから。

ブラスターキーホルダー以外のTシャツとロックグラスは今日届いた。
グラスはチープ感が否めないが、Tシャツはなかなか素敵であった。ただ製造国を見たら中国やタイとかではなく、バングラディシュ製であった。なんだかそれも「ブレードランナー」的な感じがして悪くない。
このグラスで今度はジョニ黒を買って来て飲んでみようと思う。


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2017年10月28日土曜日

小説「月に雨降る」あとがき(後編)

今回のブログも小説「月に降る雨」のネタばらしが多分に含まれます。
興ざめすること必至。閲覧注意。

さてあとがきの後編なんである。
●舞台設定
恵比寿
ヘビーユーザーなら耳にタコが出来るほど聞かされたと思うけれど、筆者の本籍は恵比寿で、若い頃3,4年ほど住んでいた。今のガーデンプレイスから歩いて2,3分のアパートであった。当時はサッポッロビール工場以外何もなく、のんびりした空気感があった。40歳前後に独立して恵比寿に設計事務所を持ち十数年頑張ってきたところでもある。ガーデンプレイスが出来て駅ビルアトレが立ち上がると、恵比寿はあっという間に大変貌を遂げた。今でも大好きな街だ。小説のメインとなるT&Dの会社がある場所は、全く迷わずこの恵比寿にしたんである。T&Dのモデルとなった会社は、前回ブログで書いたTsukioka君のいる会社で実際は千駄ヶ谷にある。筆者はここに2年ほどしか在籍していなかったけれど、楽しくて苦しくて濃密な貴重な時間を過ごした会社だった。

Bar Maki
真壁がマスターを務める恵比寿にある小さなバー。モデルとなった実在する店がある。以前のブログにその実際のビルの写真を掲載しているはず。当時筆者の事務所は西口の恵比寿神社のすぐ横にあった。この神社をはさんで同じくらいの近さにそのバーがあった。当時ほんの数回しか行ったことはなかったが(独り或いは女性と)、こじんまりとした雰囲気のいい空間で、めっちゃ寡黙なマスターがいたんである。眉間に皺を寄せて、必要なこと意外は口をきかない男だった。しかしこちらから話しかけるとにこりと笑い、朴訥に応じて案外心の通じる会話をした記憶がある。微かな地方の訛りがあったように思う。これが真壁のモデルではあるけれど、実はこの真壁という名前は、筆者が20代後半まで名乗っていた本名なんである。機会があればまたあのバーへ行ってみたい。

金沢
筆者が社会人になって間もない頃、当時の会社の出張で行った。大きな展示会の設計監理の仕事で、クルマ好きの先輩がどこかから外車の二人乗りオープンカーを借りて来て、それで東京から金沢まで行ったんである。自分の尻が地面をこすりながら走っているんではと思うくらい車高の低い、かつ、いつ爆発するかわからないような中古の超オンボロ車だった。実際ボンネットから白煙が上がって、途中停車して1時間ほどエンジンを冷やしてから走った。右も左も分からないペーペーの若造だった筆者は、先輩の誘いを断ることは出来ない。今なら絶対やだ。会社からもらった往復の出張経費はまるっと儲かったけれど。
仕事で行ったので金沢のことはほとんど何も覚えていない。兼六園に寄ったことと地下にあるバーでクライアントを含めてみんなで飲んだことくらいしか。小説の中で希伊の出生地をどこにするか考えた時に、極端に北や南ではなく東京から比較的近くで、日本海側の都市のどこかが良いと思ったところ、この金沢がぽんと頭に浮かび即決したんであった。

鹿児島
龍一の日常の描写の中に鹿児島への出張のクダリがある。これは前出Tsukioka君他、当時のメンバー5,6人でプレゼンに行ったんである。小説の中の飛行機が羽田を飛び立ってから、嵐で鹿児島空港到着目前で滑走路スレスレで上昇し、伊丹空港へ避難してから再度鹿児島へ向かう一文があるが、あれは全て天地神明に誓って事実と実体験に基づいた話である。最後に女子大生と思しき女の子が出てくるが、それも本当で筆者の横に座っていた子だった。実体験に基づいて一切の創造もなく架空もなく演出もなく書いたのが鹿児島の出張話である。
また、鹿児島の社長高須麿(Takasuさん=前回ブログ参照)が東京へ来て、月地(Tsukioka君)の友人が経営する代々木の小さな飲み屋に行くが、この店も実在する。店名は小説上は「ごまかし」とした。人物名や固有名詞を考えるのは楽しいものだ。ネタばらしになるがこの「ごまかし」の文字を並べ替えると「かごしま」になるんである。

●方言
前出金沢と鹿児島の方言が出て来る。これもリアリティーを重んじようとしたためである。よく他の小説で地方の年配者が流暢な標準語で会話する場面が散見されるけれど、以前から違和感を感じていたものだった。確かにガチガチのディープな方言満載では読者が意味を理解出来ないわけで、それも仕方ないけれど、極力方言をちゃんと表記したかったんである。意味がなんとか通じる程度に。鹿児島弁は実際出張の現地でさんざん聞いていたのでなんとかなったが、金沢弁はとんと分からない。ネットで検索した。運良く標準語を鹿児島弁や石川県の方言に変換するサイトが見つかり、それで作中のドライバーとの会話を書いたんである。でもかなり怪しい金沢弁ではある。金沢出身者にツッコミが入りそうな。ちなみに野田山墓苑にいた青年は若いので、あえて標準語で話させた。
また、野田山から「赤い屋根の店」を目指すシーンを書く際には、実際iPhoneでSiriを使って探索してみたが、香林坊付近にはなかった。「赤い屋根の店」は有馬小近くにある、昔「タッチ」の実写版映画で使われた実在する喫茶店をイメージしている。そこは実際は赤い屋根ではないけれど。

●女性言葉
最初はかなり気恥ずかしい思いを抱えながら書いた。たぶん、筆者を知る読者さんならば、筆者以上に気恥ずかしい思いをして読んだに違いない。もし筆者の身近な知り合いが「女言葉」を書いて小説を書いてそれを読んだら、自分なら絶対恥ずかしい思いをするに違いないはずだ。でも男だからと言って女言葉をちゃんと書けないでは小説なんか書けないし、女流作家でも男を主人公にした小説では見事に男言葉を駆使して書いている。リアリティーを出すには恥ずかしいなんて言ってらんないわけで。ただ、悩んだのは希伊が自分のことを言うときに作中では「わたし」と表現しているが、実際の日常生活で女性はどうなんだろうか?「わたし」ではなく「あたし」と言う女性もいるわけで。書き終わった今でも「あたし」のほうがリアルだったのかなと、今でも分からない。

●ベッドシーン
前出「女性言葉」以上に恥ずかしい気分で書いたのは言うまでもない。全くこういうシーン抜きでも小説は成り立ったかもしれないが、これもリアリティー追求のためなんである。最後に再会を果たした龍一と希伊がそうならずに話が終わったらむしろ現実的ではない。これでは綺麗事で現実味を欠いた小説になるはずだ。恭子との初めてのシーンでは「終電を逃してタクシー乗り場とは違う、ネオンの点滅するビルへ向かった」とやんわりと示唆するに留めたが、ラストの希伊とのベッドシーンはもっと突っ込んだ描写にしないと完結しないと真面目に考えた。でもエロっぽくなりすぎないように、なるべくドライな比喩的言葉を吟味して書いたつもりである。読者の妄想を膨らませ、あわよくば股間も膨らませられたら本望である(^-^)

●最後に
以前も書いたと思うけれど、小説を書いて少し経った頃、QueensのSatohさんに言われた。「Teshimaさん、最近の小説、村上春樹みたいですね」と。筆者びっくりしちゃったんである。それまで全くそんなつもりはなく書いていたんであるが、瞬時にはっと思ったのだった。確かに似ているかも。模倣したつもりは全くないし、書いている最中は村上の「む」の字も頭をよぎったことはない。しかし比喩的表現や、全体のストーリー展開は確かに似ているかもしれないんであった。特に筆者の好きな村上春樹の「国境の南、太陽の西」にどことなく似ているではないか。今年改めて再読した。すっかり忘れていたが主人公が北陸へ車(こちらはBMWだったかな?)で行くところや、昔小学生の時に出会った少女を探し求める展開などよく似ているシーンがある。驚いた。空気感は全く違うがストーリー展開が似た小説を書いていたことに。それだけ氏に対するリスペクトが大きく、無意識のうちにそうなっていたのだと思う。村上春樹の一部小説はおよそ「少し変わった女、失踪または別離、男が探し求める」という展開が実に多い。これに唯一無二の村上ワールドの世界観に支配されて、他者の追随を許さぬ独自の小説世界が形成されている。

百万年かかっても氏の神の領域には近づけないが、結果的に似てしまったことにちょっと嬉しいやら少し悔しいやら複雑なんであった。
続編とか、連作とか、次の全く別の小説とかは考えていないけれど、筆者の頭の中にいるチャッカマンがまたむっくり起き出して、あちこちに火をつけてまわることがあれば、話は別である。野球少女の女の子(または少年野球)を主人公にして、子ども目線で周囲の大人たちへのクールな視線や仲間との絆を描いた小説が書ければ面白いなと思うものの、筆者にはあまりに荷が重すぎる。重松清ならお手の物なんだろうけれど。
会社を定年退職し退職金と年金で悠々自適の生活を送れたら、日中暇に任せてとっくに次回作にかかっていると思うけれど、筆者は自営業でたぶん死ぬまで働かないと生きていけないんである。因果な商売である。

この小説を添削校正し文章削除追加し終えたら、Web上の投稿サイトに改めて掲載を考えています。その時はまた、ここでご報告したい。

長らく読んでいただいた読者の方に改めて感謝します。

筆者は過去に二匹の猫を飼ったことがある。その経験から「サチコ」の描写が成り立っている。寿命を迎えたサチコが希伊と出会うことで亡くなってしまうことも視野に入れて書いていたが、最後にそれを書いたのではこれも出来過ぎな感じがしてならない。それで金沢へ向かう前、自宅で死を間近に迎えたサチコを書いて暗喩として、その後のことは全く触れないようにした。二匹の猫の最後を看取ったけれど、今想い起こしても悲しくなってしまう。
小説の最初の部分で登場するサチコのイメージはこんな感じ。写真はネットからイメージに近いものを探してみた。(出典サイトは不明。ごめんなさい)

最後に自由が丘の奥沢神社。
鳥居にかかる荒縄で編んだ蛇。不細工な龍のような。
昨年友人の入院見舞いに寄った帰りに何気に撮った写真から、のちに材を得て、これを小説に取り込もうと思い立ったのだった。

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2017年10月26日木曜日

小説「月に雨降る」あとがき(前編)

今回ブログは小説「月に降る雨」のネタばらしが多分に含まれます。
興ざめすること必至。閲覧注意なので読まないで飛ばしてもらっても一向に構いません。

小説の「あとがき」は、作者が振り返って作品に対する簡単な思いを語る場である。誰か文芸評論家のような第三者に書いてもらうのは「解説」となる。ここでは「あとがき」を「晴耕雨読」的な体裁で書いてみちゃうんである。

●発端と展開について
何度か書いたけれど、これは全く小説にするつもりはなく、遊び半分で小説風に書いたブログなんである。筆者はごくまれに近所のファミレスに昼食を食べに行くことがある。いつものように、メニューを開くと迷ってしまい、なかなか決められないんである。チーズインハンバーグにしようか、いやたまにはパスタランチもいいな。さんざん迷って今日はパスタにしようと決めて、呼び鈴(無線ブザー、アレですね)をコチッと押す。しばらくするとウェイトレスのパートのおばさんが来て、筆者は告げる。
「え〜と...チーズインハンバーグお願いします」
最後の最後でどんでん返し。自分でも呆れてしまうんであった。
それをブログに書こうと思ったのだが、ふと、ただそのまま書いては面白くないと思い、架空の人物を登場させて、小説風にしてやれと考えたんである。それで最後にタネ明かしをして終わるはずだった。
ところが、書き終わってもそのあとのストーリーがぽこっと頭に浮かび、二回目から筆が止まらなくなったんである。今後の展開も何も全く考えずに適当にストーリーを進めて行ったんであった。自分の学生時代のバイト経験や当時の生活などが走馬灯のように浮かんでは消え、消えては浮かび、それを基本にかなりの演出を加えて話を膨らませていくと面白くなっちゃったんであった。
もともと「一度、小説を書いてみたい」という欲求が根底にあったため、焼けぼっくいに火がついてしまい、気がついたらぼーぼーに燃え盛ってしまうことになった。
売れっ子作家は連載締め切りでケツに火がつくが、素人の筆者は頭の中に棲むチャッカマンが脳のあちこちに火をつけて回っていたんである。

●ストーリーについて
起承転結は全く考えないで、筆が進むままに書いていった。ある朝希伊が家を出て行ったあと、「さてこのあとどーするか?」と初めて今後の展開を考えるようになった。今にして思うとホントにいい加減であった。徐々にいきなりパソコンに向かうのではなく、ノートにちょっと先までのストーリーの要点だけメモってからキーボードを叩くようになった。それでもまだ中盤以降のことは考えていない状態であった。

この小説は手法としてはよくあることだけれど、現在(2015年くらいから2017年)と過去(2000年前後)のタイムラグの中を、往復する形で書いた。龍一が40歳前後と18から20代前半の頃である。これがのちに筆者を苦しめることになる。舞台が現在から過去に飛んだときに、読者に「いったいこれは現在の話の続きなのか、或いはまた過去に戻った話なのか、いったいどっちなんだ、てめえ!」と、混乱させてしまうことになったはず。自分でも両方の時系列の整合性を正すのに大いに苦労したんであった。サッカー日本代表W杯出場や、桑田の「TSUNAMI」大ヒットなどの話を挿入し、時代の空気感を埋め込んでいった。簡単なのは、時系列に従って単純に過去の話を全部書いてから、後半現在の話に移行するのが普通である。しかしそれだと、後半の現在部分には「希伊」の存在が皆無になり、ラストシーンで再会しても「ああ、前半でそんな女性がいたな」と、印象が希薄になってしまう。だからほぼ全編に希伊の存在を漂わせるために、希伊がいた過去と現在を混沌とさせて、常に忘れさせないようにした。中盤真壁のBarで龍一が昔金沢に遊びに行ったことを回想させたあたりは、その典型である。龍一の希伊への想いが募るシーンなんであった。

ラストシーン、オチはどうするか?正直いろんなパターンが頭に浮かんだ。長年の思い叶わず傷心のまま帰京するか?それでは書いてる筆者自身が救われないではないか。どんよりしたまま悲恋の小説で終わらせることも出来たが、それでは筆者が嫌だった。もうご存知のように龍一はほぼ半分は筆者の分身みたいなものであるから。ハッピーエンドを念頭に置き書き進めた。ラストの店名のクダリは実はかなり前から決めてあったけれど、最終回のラストに書くことに決めたのはほとんど最後に決めたことであった。最初の構想では、龍一が夜になってシェンロンを再訪してすぐに希伊から明かすつもりだったんである。最後に持って来ることで、龍一だけでなく、希伊も昔からずっと龍一への想いを秘めて過ごしていたのだということを示唆したかったわけで。

余談。龍一が昼間シェンロンを訪れたとき、何気なくバイトの女子高生を登場させた。書いた時は単なるバイトだったが、何かラストにサプライズはないものかと思案していて、閃いたことがある。「女子高生=17、18歳」....おお!この子を若い頃同棲していた龍一の娘にしてはどうか?つまり17年前希伊は妊娠していることも知らずに金沢へ来て、龍一の子を産み、育てる。17年ぶりに龍一と再会した希伊は「この子はあなたの娘よ」と。龍一にしてみれば希伊に邂逅しただけでも奇跡なのに、まさか自分にもう一人の子どもがいたなんて。
...随分迷ったけれどこのアイディアは没にした。リアルガチではなくなっちゃうからだ。身寄りのない希伊が金沢に来ていきなり子どもを産み、その後の苦労を考えた時に、現代ではあまりに荒唐無稽なストーリーであり、マンガチックな安っぽい小説に成り下がってしまう気がしたからだった。まるで一時期流行った韓流ドラマみたいに、これでもかと詰め込んで安っぽくなるような気がしたからである。もしそうなったならば、なぜ希伊は子を連れて龍一に会いに行かなかったのかが問題になる。それをこじつけで後出しジャンケンで話を考えることも出来たが、現実的な小説としては破綻しちゃうような危惧があったから、その展開はバッサリ諦めたんであった。
ひとつ間違えば昔の女のことが忘れられない女々しい男のストーカー物語。
そうならないように、スレスレで「大人の純愛物語」にしたいと思った。男でも女でも独身既婚問わず、若い頃あなたの中にも初恋の人、或いは失恋した相手を想う気持ちが心のどこかにあるはず。
あの時のあの人は今どうしているのだろう?
これがこの小説の根底に流れている。

●登場人物について
龍一は半分以上は筆者の実体験に基づいている。あとの半分は全くの創作。どこが実体験でどこからがフィクションかはつまびらかに出来ない。神島龍一という名前が最後にシェンロンの店名に繋がることは筆者も全く想定していなかった。途中から閃いたアイディアだった。筆者は高知出身ではなく山形で、野球ではなくサッカーをやっていた。高知には行ったこともない。学生時代バイトしていたのは池袋ではなく新宿で、住んでいたアパートは初台と中野坂上。江古田には行ったこともない。龍一の人格や性格は半分筆者で、あとの半分は理想的創作の姿なんである。

希伊と恭子。
これは全く架空の人物設定であり現実的なモデルとなる女性はいない(たぶん)。こんな女がいたらいいなという願望が含まれている。この二人には結構共通する人格があって、その差別化に苦労した。希伊は美人ではないけれど可愛いタイプで男を惹き付ける魅力を持った女、恭子はロン毛でスラリとした若い超美人系。書いていて筆者自身が二人に恋をしてしまったくらいである。後半龍一が恭子に理不尽な別れを告げるシーンでは、本当にもったいないと筆者は思ってしまった。書く気はないけれど、続編があるならばその後恭子はBarMakiのマスター真壁と結婚するアナザーストーリーも頭の片隅にあった。スピンオフ企画で恭子を主人公にした小説を書いたら良いかもしれないが、精神的かつ体力的に無理ってもんだ。

村井、輿路、相馬健、大乗寺義満(大城寺)、冨沢健司郎。
言わずと知れた筆者の身近な少年野球関係者がモデルである。Queensとフレンズである。名前の一部を拝借して人物名を考えた。ちょっと遊んでみたのだった。遊んだとはいえ、小説執筆に楽しさを加えてくれたバイプレイヤーであった。もちろん作中の輿路(Koshimizu監督)が監督する「宮里キューティーズ」は「宮前Queens」をもじっている。

T&Dの月地と梅川と鈴木孝雄部長。
月地は実際今でも筆者と仕事をしているクライアントである。本名はTsukioka。20歳も年下だが、実に愛すべき仕事が出来るナイスガイ。昔勤めていた会社の設計部で一緒だった。鹿児島への出張や、大丸東京の仕事では何度も会社で徹夜して、200時間残業したり死ぬ思いをしたが、彼とは楽しかった思い出も多いいわば戦友である。昨年社内の超美人セレブとやっと結婚した。梅川の本名はUmezawa。リフォーム会社の社長で筆者とは大昔の会社の同僚。彼とも今では一年に何回かは仕事したり酒を飲んだりする仲である。鈴木孝雄は実は筆者が半分入っている。龍一と孝雄は表裏一体的なところがある。

その他、登場人物。
昔の知り合いをモデルにしたり、全くの架空人物だったりする。因に鹿児島の社長高須麿(たかすま)は実在の人物で、本当に宮崎と鹿児島で多角経営をするTakasuさんがモデルである。実に人間的に魅力ある人であった。先日TBSの番組「SASUKE」を観ていたら驚いた。このTakasuさんの息子さんが出場していたんである。その師匠が「SASUKE」レジェンドの長野さん。金比羅丸船長の長野さんとは、鹿児島出張の時に一度会ったことがあった。彼の武勇伝はいっぱいTakasu社長から聞いていたけれど、ここではとても書けない。
............
さて、まだ●舞台設定や、●タネ明かし的記述は続くんであるが、よもやこんな時間にまで及ぶとは想定外。0:30。
なので続きはまた次回に持ち越しなんである。
ゴメンナサイ、なんであった。
寝るぞ!
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2017年10月23日月曜日

俺の「ブレードランナー」

1982年ブレードランナーが実に35年ぶりに続編が公開される。「ブレードランナー2049」なんである。日本では今週の27日に封切りであるが、すでに米国で公開されているその観客動員数は予想外に低いものらしい。一説によれば女・子ども向けではないこと、40、50代以上の男性にファンが多く、若い人にはピンとこない...etc。筆者50代の男性である。しかも「一番好きな映画は?」と訊かれれば「ブレードランナー」と即答出来るほどのファンなんであるからして、世間の評判なんてどうでも構わない。あの映画の続編が観られるというだけでも幸せを感じてしまうんである。ロードショー期間には絶対映画館へ行って観たいと思うわけで。映画館なんてもう何十年ぶりだろうか。最後に映画館へ行ったのはいつの頃だろうか...覚えてないくらい昔である。「ET」か「冷静と情熱のあいだ」かリュック・ベッソン監督ジャン・レノ主演の「WASABI」だったか。

大昔この映画をVHSのビデオテープで借りて以来、ビデオテープ1本とDVD3本持っている。「劇場版」「完全版」「ディレクターズカット版」「ファイナルカット版」などとよくわからんバージョンがたくさんある。原作小説フィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」も読んだけれど、あまり覚えてない。毎年1,2回は観ている映画なんである。ある日突然「ブレードランナー観たくなった症候群」が発症すると、いてもたってもいられず観ちゃうのが常。今回は続編新作公開とあって、昨晩腰痛をこらえながらまた観たんであった。これで何十回観たであろうか。全然飽きないんである。

今回作はリドリー・スコットは監督ではなく製作総指揮になったが、ハリソン・フォードは健在である。一度聴いたら忘れない音楽のヴァンゲリスは今回はどうなんだろうか。ブレードランナーのテーマ曲はiPhoneにも入っている。劇中でH・フォードがジョニ黒(?)を飲むシーンで使用されているロックグラスがどうしても欲しくて、昔ネットで調べたらイタリアの女性デザイナーのメーカー品だったことは判明したが、一個数万円するので速攻諦めた。今はAmazonでも売られている拳銃のレプリカを狙っているけれど、これまた高いので逡巡している。やはりこーゆーところが女性には理解不可能なんだろうと思う。

ブレードランナーは近未来SF映画の金字塔と言われ、のちの多くの映画に多大な影響を与えた、カルトムービーの真骨頂。オカルトではない、カルトである。コアな熱狂的ファンがいる映画なんである。フィリップ・K・ディックの設定は忘れたけれど、映画は35年前に作られて、舞台設定は2019年。まさに今から2年後の地球なんである。ざっくり言えば多くの人間は地球以外の星へ移住したが、酸性雨が降りしきる荒廃した地球に残った人もいる。タイレル社によって造られた人造人間=レプリカントは超人的な肉体能力を持ち、宇宙間での過酷な労働を強いられていた。彼らは数年経つと感情が芽生えて反乱する恐れがあるため寿命が4年とプログラムされている。それに気づいたレプリカント数人が地球へやってきて、タイレル社へ乗り込み寿命を伸ばせと脅迫する。それを阻止し未然に抹殺する専門刑事班がブレードランナーと呼ばれ、その一人の凄腕刑事がH・フォードなんである。これだけだとまあ、SFではありがちなお話ではあるけれど、35年前から地球環境への警鐘を鳴らす炯眼(けいがん)、ラストシーンでは命の尊さや、人としての感情が芽生えたレプリカントの優しさに心打たれて、筆者は最初観たとき、はからずも頬を熱いものが伝って落ちた。昨晩もまた涙しちゃったんである。レプリのボスを演じたルトガー・ハウアーの鬼気迫る演技、またショーン・ヤング演ずるレイチェル(レプリカント)とH・フォード演ずるデッカード(人間?賛否両論)との禁断の恋物語でもある。

何の脈絡もなく大好きな映画ブレードランナーについて駄文を書いてしまった。一個一個のシーンについて語れば枚挙に暇(いとま)がないからもうやめる。
う、うううっ....。「ブレードランナー2049」が待ち遠しい限り。しかし明日から某クルマメーカーショールームの設計の仕事が入っていて、映画館へ行く時間が取れるか心配なんであった。

...........
話は180度変わっちゃう。
昨日(日曜)は台風の嵐が吹きすさぶ中、有馬中学へ選挙投票に行って来た。豪雨の中仕事で外出するのは大嫌いだが、のんびりと時間に追われず雨や風を感じながら散歩したりするのは決して嫌いではない。深刻な身の危険を感じない限りは筆者、台風が思いのほか好きなんである。地球が生きていると肌で感じることが出来るからだ。

帰りがけに中学校から西有馬小スタジアムを俯瞰する位置から、iPhoneで写真を撮った。
グランドはおよそ野球は出来ない状況だったが、かろうじて水泳なら出来そうなくらい水浸しなんであった。

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2017年10月22日日曜日

新しい命の誕生

ここ数日の「日々雑感」なんである。
小説の「あとがき」的な本編を書こうとするも、ある程度気合いを入れないと書けない案件ゆえ、日々の雑務に追われて怠惰に過ごしていた今日この頃なんである。オムニバス的なブログになること必至。

1...
筆者の仕事部屋は汗と涙と泥とヘドロと煙草のヤニにまみれて、昔リフォームした時の面影はなく、壁の白かったクロスは「オフホワイト」どころか「限りなく透明に近いブルー」じゃなくて「限りなくカフェオレに近いベージュ」になっていたんである。ネットでリフォーム料金を調べてそろそろかなと覚悟していたんであるが、ふと思い立ち180度発想転換し経費節約も含めて、自分でDIYすることにしたんである。近くのコーナンで920巾15m巻きのクロスを2本購入し、原チャリで超低速走行でヨロヨロしながら持って帰った。翌日は一日空けてクロス貼りに挑戦。しかしその朝、数年に一度の割合でやってくるぎっくり腰に近い腰痛を発症。でも今後の予定を鑑みるとどうしても今日改装をやっておきたい。腰をかばいながら狭い部屋のデスクを三台移動しつつ、リビングに行ってクロスを2400ミリに何度もカット、アルミ脚立に上り下りすること数万回(ウソ)、やっと壁を貼り終えたのは夜だった。おかげで「限りなくホワイトに近いオフホワイト」に仕上がったわけで。清々しい気持ちで仕事に邁進出来そうだ。
しかし、なんである。
腰痛が悪化したのは自業自得、自明の理、火を見るよりも明らか。翌日は腰痛の悪化に加えて普段使わない筋肉を酷使したせいで筋肉痛も併発。ベッドから起きるのにゆっくり一分くらいかかる始末。立っているぶんには良いのだが、一旦椅子に座ってから立ち上がるのに激痛が走る。何かに掴まらないと立てない状況、挙げ句、靴下もパンツも立ったままでは腰が曲がらないので座ってでないと出来ないんである。乳幼児が初めて掴まり立ちをしてヨロヨロ歩くみたいな悲惨な状況なんであった。
結論。クロス貼りは素人がやるよりは業者に任せたほうが良い。しかし、意地でも明日日曜は天井のクロス貼りに挑戦。
たぶんブログで筆者の仕事部屋の一部写真を公開するのは初めてだと思う。天井とカーテンレールはまだヤニにまみれたままだけど。

2...
土曜日はQueens及び宮前連合、ヤングの川崎秋季大会。土曜の朝は6:50にAyakaの父母、Kurashige号が迎えに来てもらえる。先週も同じ状況で246をひた走り多摩川へ向かったのだが、途中で雨で中止の連絡網が入り、Uターンしたんであった。さて今回は。
苦手な早起きをして滝行を敢行し身を清めていざ多摩川へと、戦々恐々と連絡を待っていた。ほぼ予想通り雨で中止であった。実は少しほっとした。腰痛が悪化して歩くぶんには問題ないものの、立ったり座ったりがヤバい状況で、Q+連盟広報として秋季大会のカメラマンの責務を全うできるかどうか不安だったんである。ましてQ関係者に気を遣わせるのは本望ではない。
でもやはり雨で流れて残念である。なぜなら土日ともに中止が決定したので、準決、決勝は11月に延期となり、そのぶん、各チームの連合参加5年生がまた引っ張られることになり、新チーム始動に影響があるわけで。そんな中、連盟事務局Uekiさんからここ数週間の雨による決行、中止の是非のメールが嵐のように飛び交うに加えて、今日事務局の至宝Nishimuraさんからも連絡が入った。新人戦も一週間延期になったんである。それは5年生が連合に取られて新チームによる練習があまり出来ていない、或いは全く出来ていないから、少しでも各チーム事情に配慮した連盟の英断なんであった。
広報としてささやかな任務を果たしたい。すでに各チーム事務局や監督などには連絡が回っているはず。
●川崎秋季、準決、決勝は11月初旬の三連休にて実施。(その間市長杯があるため)
●宮前クラブとJrジャイアンツとの練習試合もその期間に予定されていたものの、今後の調整によって決定。
前述のように新人戦は一週間延期となった。
ここは敢えてNishimuraさんからのメールをコピペ引用したい。

チーム各位

お疲れ様です。
雨天続きで11月5日から開催予定だった新人戦を一週間延期します。
理由:川少連大会が今日・明日と延期になり、
11月初旬の3連休のうちの2日間で実施されることになりました。
5年連合の選抜チームに選出されている選手が、
自チームに戻って練習する機会が、極めて少ないか全く無いかのためです。

開幕は11月12日(日)となります。
自チーム内で共有してください。
よろしくお願いします。


事務局 Nishimura

3...4...
日々雑感的ブログ的ネタ的には、筆者の愛してやまない映画「ブレードランナー」の話や、
筆者の4人目のマーゴ誕生の話やらあるんであるが、腰痛を考えて今晩は就寝しちゃう。

金曜早朝に息子夫婦に第二子が生まれた。陣痛から12時間後の出産。人間も動物も新しい「命」の誕生には無条件で思わずニッコリしてしまうのは筆者だけではあるまい。
今日土曜日、本来ならQueens+5年連合に行って、午後は期日前投票をしに区役所へ行ってからマーゴを見に行く予定だったけれど、一日フリーになったのでゆっくりマーゴに会いに行ったんである。
赤ちゃんのあの独特の指の握り具合にはJは参っちゃうのであった。
兄となった3歳児のYuugaは産院で嬉しげに飛び跳ねていた(^-^)
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2017年10月18日水曜日

小説「月に降る雨」あとがきのまえがき

※小説「月に雨降る」の最後まで読了されてない方は、このブログを読む前に小説のほうを読んでからここを読むことをお奨めします。
いわゆる「閲覧注意」、ネタバレが含まれますゆえ。

小説「月に雨降る」が脱稿したのだった。(脱稿とは原稿を書き終えること)
この素人小説の「あとがき」を書こうと以前のブログで宣言したは良いものの、はて、どこまで書けば良いのか素人ゆえに分からないんである。ネタバレの内容まで書いて良いものかどうか。普通の小説家は書かない。なぜなら、小説世界から一気に現実世界に引き戻されて、いわゆる「興ざめ」になってしまうから。

パソコンではネットで無料の原稿用紙ソフトを探しDLして書いた。400字詰め原稿用紙、もちろん縦書きである。SNSでは横書きが当たり前だけれど、小説を書くならば絶対縦書きでないとダメなんである。パソコンで原稿用紙に縦書きで書いてのちに、テキストファイルソフトに横書きでペーストし、更にそれをブログ投稿画面でペーストするという、信じられない手間をかけてアップしていたんであった。
400字詰で約300枚だった。

ゆくゆくは小説投稿サイトに掲載を考えているので、この文章を校正しなければならない。この校正作業は書いてしまってアップしてからの作業だから正確には校正とは言わないかも。小説を出版し書店に並んだあと「すんませーん、こことあそこ文章変えます。それにここも誤字脱字ありました」と言うようなものだ。この校正をするために筆者は文庫本と全く同じ体裁で出力したんである。A4サイズ縦書き縦43文字、横33行。これ一枚で文庫本の見開き2ページ分とほぼ同じ。概ね文庫本に換算して200ページ分。中編小説と長編のあいだくらいだろうか。
今は仕事の合間にこの用紙に赤ペンで校正チェックを入れているわけで。誤字脱字はほとんどないけれど、会話の言い回しや「テニヲハ」の間違い、削除するところ、書き加えるところetc、赤ペン満載なんであった。

で、「あとがき」を書く前に、自分の頭の中を整理する意味でも、今日改めて人物相関図なるものを手書きで作ってみた。普通は最初に作るのだろうけれど、筆者が相関図をメモ程度に作ったのは小説を半分近く書いてからだった。たぶんプロに言わせれば恐ろしい暴挙である。途中までは行き当たりばったり、筆が勝手に進むままに書いていたんである。「起承転結」や最後の落としどころも考えずに。途中からヤバいと気づきノートにあらすじを書き殴ってからMacのキーボードに向かうようになった。
というわけで、今回は「あとがき」の「まえがき」なんである。
「近い将来」と「さほど遠くない将来」の中間あたりで「あとがき」の本編を書く所存なんであった。
※図の鉛筆点線は登場人物が実際会っている関係性を示す。

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2017年10月14日土曜日

談笑談義談話、予報と予想

先週の川崎秋季大会の宮前勢の結果は既報のとおり。でもって、明日10/15準決勝でもし宮前が勝てば、次回連合決勝は6年も5年も全て宮前対決となるんである。過去にも優勝、準優勝を宮前がワンツーフィニッシュしたことがあったけれど、果たして今年は結果やいかに。
因に手元のYahoo!天気によれば日曜AM3時から雨がほいほい降り始め、そのまま日中ずっと70〜90%の降水確率でぎゃんぎゃん降っちゃうのであるが、果たして明日は結果やいかに。降雨量が試合是非の判断の鍵を握るかもしれぬ。

本日テレビ朝日の「陸海空のナスD」が好きで特番を観ていたけれど、二部開始まで1時間余裕ができたのでブログを書くことにした。だからちゃちゃっと行きたい。ちゃちゃっとチャーハンみたいに。それにしてもテレ朝ナスDの友寄ディレクター。笑いのセンスに加えてあの徹底した前向き志向、それに加え、世界の僻地の子どもたちに対する、真摯なジャーナリスト目線には新鮮な驚きを覚えた。更に彼の奥さんは一時期日本中の男性を虜にした爆乳セクシー料理研究家の妻があり、ますます羨ましい限りなんである。

今日はQueensとクラブJrの合同練習なんである。試合もやった。Qはそれなりの点差で負けはしたものの、勝敗よりも得るものが大きく収穫のあるゲームであったと思う。連合男子相手にミスも少なく打撃面でも外野へ長打をいくつも飛ばしていた。Sachikoは男子相手にレフトオーバーの本塁打も放ったし、投手面においても4人をテスト登板させ個々のピッチングの良し悪しを見極められた成果があったと思う。

Miyauchi母と、ダンナがいかに西島秀俊と似ているかの談笑、Jinushi父と会長の多摩川高層ビル合成写真の談義、Yoshikawa母とはダンナたちの「熊に注意」で談話。楽しくて嬉しい限り。

クラブJrのオヤジを撮る。
28番コーチはベテランOhtsukaさん。ウルフのOgasawaraさんはアメリカンノックをやっていたが、そのノック姿は名将父のOgasawaraさんを彷彿とさせるほどフォームが実に良く似ていた。フレンズからは小説「月に降る雨」の唯一フレンズからのモデルになったOhshiroオヤジ。小説では「大乗寺義満」という名前で出演している。これ、本人は知らない。
思えばこの画はいったい、なんということでしょう。
Ogasawara、Ohshiroの両氏は、高円宮賜杯全国大会の昨年三位と一昨年ベスト16のマウンドに立った投手、Taiyohくん、Ruiの父、その二人なんであった。

雨まじりのベンチはすっかり水分を吸収し、雨が上がった今でもじっとりと湿っていたんである。筆者少し座っていたが、ほどなくして順々とかつ、潤潤と、ジャージを攻め始めついにはパンツまで浸食しはじめるんであった。じっとりピタピタなパンツになっちゃう。なので試合中誰もベンチには座ろうとしないのだった。臨時スコアラーTanaka母も途中から立って記述する。

男は仕事が第一である。晴海に新装開店した店を持つ監督Koshimizuさんは、今年なかなか公式戦にベンチ入り出来ない。本人の忸怩たる思いは以前焼き鳥屋でサシで呑んだ時に十分知っている。Sohma会長もなんとかして土曜にQueensの公式戦が入るよう、切に願ってやまないのである。「Koshimizuさんが監督じゃないQueensはQueensじゃねえよ」と周囲に公言して久しい。
たとえ監督不在の試合であっても、それは普段の練習で、ひたむきな監督の指導の魂が宿っている試合なんである。Q選手も父母たちもそれは十分理解していると筆者は思うのであった。

先人たちはうまい事を言ったものだ。
「秋の空と女心」
明日は十中八九、十人十色、十年一日、七転八倒、七転八起、七難八苦で雨だろうけれど、予報は予報、予想は予想、どう荒天が好天に好転するか分からない、まるで女心のように、或いは猫の目のようにクルクル変わるのが常だから、予報の予想をするのは、もう、よそう。
明日はがっつり苦手な早起きをせねば。


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2017年10月11日水曜日

小説「月に雨降る」53最終回

希伊は迷わず頷いて、にっこり笑って返した。
「はい。こんな私で良ければ」
しかしほんの少し顔を曇らせながら続けた。
「でも、すぐには」
希伊が迷うのには訳があった。今の店をどうすればいいのか。
「この店のこと、ここでの生活のこと。一回リセットしなければいけないわ。そう簡単にはいかないよ」
それは龍一にも十分理解出来た。共同経営なら尚更複雑だろう。龍一は言った。
「うん、物理的に難しいことはいっぱいあると思う。たぶんアライグマがこれからロッキー山脈を越えようとするくらい気が遠くなることだと思うよ」
「私はアライグマかいっ」
「うん。ただし可愛いやつ」
「だったら許す」
「うちだって息子と娘に話さなきゃいけない。でもこれはたぶん、二人とも了解してくれる自信はあるんだ。実は息子にはもう話してあって、あいつ生意気にも希伊に会ってみたいなんて言ってるくらいなんだ。家が狭ければ買い替えを考えてもいい。うちは大丈夫だと思うけど問題は希伊のほうだね」
少し考えて希伊が言った。
「この店は結構順調なの。売り上げも安定してるし。でね、もう全然思いつきだから、現実味がないかもしれないけどさ」
「うん、どうした?」
「あのね。東京に金沢のこの店の二号店を出すっていうのはどうかな」
「ほう」
「ここ半年ほど前から金沢にもう一軒店を出そうかって考えてたところなの。結婚してリュウと子どもたちと一緒に住みながら、金沢じゃなくいっそ東京に店を出すの。リュウの住んでる街の近くでもいいわ。東急の田園都市線て言ったよね。金沢のここは人を雇ってちゃんと維持しながら。翔子さんとじっくり今後のことを話さなきゃいけないけどね」
「シェンロンの東京支店か。めちゃくちゃ大変だけど、逆に面白そうだな。軌道に乗ったらゆくゆくは小さくてもいいから、法人化したほうが良いかもね。金沢と東京と神奈川を行ったり来たりするわけだ」

おそらく相当な犠牲を伴う冒険かもしれないと龍一は思った。けれど自分が会社を辞めて金沢に行けるはずもない。四十を過ぎた龍一にとって、今の仕事は脂がのって良い時期を迎えていた。難しい仕事ほどモチベーションが高くわくわくした。子どもらも転校となれば絶対嫌だと言うに違いない。結婚し自分の家へ来てくれるなら、希伊の望みは出来るだけ叶えてあげたい。龍一は続けた。
「すごく大変なことだと思うよ、絶対、想像以上に。予定外、予想外、想定外のことがいっぱい降りかかってきてさ。資金のことや物理的なことや、なんやかや」
希伊は上気した顔で龍一を見ていた。
「でもさ、俺もそれに乗った。一緒に頑張ろう。東京店の設計は俺に任せてくれ」
「ありがとう、リュウ。わたしも頑張る。それよりもまず、翔子さんと話をして、そしてリュウのお子さんに会いに行かなきゃね。あの頃は子どもや結婚に対して頑(かたく)なだったけど、今は子ども大好きだから」
「うん。当分は俺が週末金沢へ来て相談にも乗るし。たっぷり時間をかけてベストな方法を二人で考えよう。あっ、今度家族旅行がてら子らを金沢に連れて来て紹介するっていうのもいいな」
二人はソファの上でもう一度きつく抱きしめあった。

ふと龍一が言った。
「話が違うけどさ、ここの店名『シェンロンの背中』って、どういう意味なの」
希伊はにっこり笑って言う。
「あっち向いて」
「えっ?」
「いいから私に背中を向けて」
龍一が言うとおりにすると、背後から希伊が柔らかくしなやかに抱きついてきた。
「一緒に住んでた頃から私、こうするのが大好きだったの憶えてる?」
「え、ああ、そう言えばそうだっけ」
「あっ、こいつ、忘れてるな」
そう言うと希伊は龍一の肩に結構な力で歯を立てた。
「痛てて。こういう時は普通、甘噛みだろ」
希伊は笑いながら言った。
「私の実家って言うのはおかしいけど、自由が丘の奥沢神社は憶えてる?」
「もちろん。さっきも言ったように希伊がいなくなってから、俺が自由が丘に行った時に、かな江さんと一緒に話し込んだ所だ」
「そう、あそこ。そこの鳥居に蛇が絡みついてるのも知ってるよね。見ようによっては龍みたいな」
荒縄で編んだ蛇に模したものが鳥居の上に飾ってあることで有名な神社だった。あれを見て龍一は蛇じゃなく、不細工で愛嬌のある龍みたいだと思ったものだった....。
「ん、蛇みたいな龍?」
「そう、龍。ドラゴンボールに出て来るシェンロンよ。七つの玉を集めると願いが叶うっていう。そこから店名はシェンロンにしようって思ったの」
「龍の背中?」
「まだ気づかないの?龍一くん」
龍一は希伊の丸い豊かな胸のふくらみを背中に感じながら考えたが、答は手が届きそうで届かないような感覚だった。
希伊が言った。
「シェンロンは漢字で書くと?」
「確か、神様の神に、ドラゴンの龍で神龍」
あっと思った。
「そう、神島の神に、龍一の龍で神龍。シェンロンの背中よ」
希伊は一層力を込めて龍一の背中を抱きしめた。

                        了
................

全くの思いつきで小説風のブログを書いたのが、昨年の5月19日。ふざけて書きなぐっただけで次を書くつもりなど全くなかった。それが気がつけば53回分の小説に。400字詰め原稿用紙で300枚超え。

この小説をいかほどの方に読んでいただいてるのかは全く想像出来ないですが、今日まで辛抱強く読んで下さった方々には、本当に心から深謝申し上げます。一年五ヶ月の長期に渡りしかも不定期での連載ゆえに、大変読みにくかったことは想像に難くありません。

読者の方々、まことにありがとうございました。
(機会があれば批評感想など聞かせていただければ嬉しいです)

さて、近いうちにこの小説の作者の「あとがき」的な文章も書いてみたいと思うわけで。
「醜い言い訳」「悪あがき」「ネタばらし」に近いブログになること必至なんである。
2017年10月11日 記
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