2016年5月21日土曜日

擦り傷タンコブ泥まみれ

神島龍一はちょっとおやすみ中なんである。中断であって終了ではない。一念発起的、発作的、情緒不安定的、やみくも的、暗中模索的に書き始めてしまった小説なんであったけれど、今とんでもない暴挙に出たことを深く、激しく、真摯に、おごそかに後悔しているんである。ズルズル書きなぐることはいくらでも出来るけれど、小説となるとそうは問屋が卸さないんであった。深い井戸の中で真上のちいさな丸い青空を見上げては、己の跳躍力の限界を嘆くカエルのように、悶々としちゃうのであった。この先どう展開すべきか、神島龍一と相談中なんである。

さて、ふたつの小学校で同時開催の運動会なんであった。今日土曜は終日仕事。昨晩クライアントから電話有り、「Tさん、すみません、土日で仕上げて月曜打合に来てもらえませんか?」なんであった。土日仕事になったとはいえ、フルタイムではない。ならばバイクを駆って、西有馬小と有馬小をほんのちょっと覗きに行くかってもんだ。五月晴れの運動会日和に終日屋根の下で仕事することほど、精神衛生上よろしくないものはない。太陽を浴びてココロの光合成を欲している筆者なんであった。体内に葉緑素が充満し、結果妖怪人間ベムのように緑色になったら本望である。

西有馬小。グランドが小さい割に人口密度が高い。筆者の息子の時とは比較にならないくらいのカメラとビデオの放列。薬物所持使用で逮捕起訴された元プロ野球選手が、拘留中の警察署から出てくる時のマスコミのカメラの群れと遜色ないんであった。

西有馬小にはフレンズの紅一点Anjuがいる。西有馬運動会に入るには校門で名前を書きネームプレートを受け取らねばならない。有馬中になればカメラチェックまでありもっと厳しいのだ。子どもの保護者でもなければ親類縁者でもなくなった身にとっては、中学のあのカメラチェックは何か、人を犯罪者と見なしているみたいで、気分の良いものではない。以前フレンズのOBを撮ってやろうと入場票に書き込む際、子どもとの関係は?という欄があって「生徒のかつて所属していた少年野球チームのコーチです」と書いたことがあったが、翌年は超面倒くさくなり、「○年神谷Hirotoの親戚」と書いて入場したこともある。今年はQueensOB、HimariやMisakiなども最後の3年生でもあり行こうと思ったけれど、この気分が嫌なのと仕事もからんで行かなかった。でも時代の流れには逆らえないわけで。

入るとちょうど3年Anjuの演目だった。3年生の中でも頭ひとつ抜けている。監督Itohの姉Megumi母も撮ってみた。ニッコニコであった。

ビギンの「海人の〜」に合わせて演技する。ほっほう、なかなかリズム感が良いとみた。バッティングもこのリズムでミートしてくれたら申し分ないのだが(^-^)


ぶんぶん、ぶるるる、ぶろろろろ〜。
バイクで今度は有馬小へ。
こちらは西有馬小に比べれば至って牧歌的だ。グランドの広さに比して人口密度は低い。フレンズ親たちに「うぃっす」と挨拶してカメラを構えていると、早速Shohの演目。

野球少年がひとたびユニフォームを脱ぐと、遠目には全くわからない。(筆者目が悪いせいもある)どーしたものだろう。ユニフォームを着ていたら遠目にも誰か分かるのに。不思議なもんである。
騎馬戦であった。何事にも「安全第一」的な世の趨勢。危険回避に重点を置いたルール。ピッカピカの真っ白なままの体操着で運動会を終えることが面白いか。筆者が親だったならば、息子がそんな姿で帰ってくるよりも、短パンを真っ黒にして、擦り傷やたんこぶのひとつでもこさえて来たほうが、よほど嬉しいぞ。ただ、教育委員会やモンスターペアレンツどもにがんじがらめになっている、教師側の忸怩たる思いも理解出来るわけで。

団体戦と個人戦なんであった。フレンズエースShohmaが最後に投じたボールは、相手打者を三振に切ってとり、審判のジャッジもストライクなんである。その一連のノンフィクション。

Kunjiや主将Kaitoも騎馬戦に挑む。

最後は運動会、体育祭の「華」であるリレー。毎年フレンズでは今年はリレーに何人選ばれた?ということが話題になる。


またバイクにまたがり、粛々と仕事に戻るワタクシなんであった。
神島龍一との対話をし、今日は小説は書かないことにした。
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2016年5月19日木曜日

小説「月に降る雨」1

「今日は何にするかなあ。AランBランもなんだかなあ、飽きちゃったしな」
メニューを見ながら、そうひとりごちたのは神島龍一の上司、鈴木部長だった。Aランとはその店の肉をメインとした「Aランチ定食」のことで、この他にも肉を魚に変えたBランチ、ついでに言えばCランチはカレーかパスタどちらかを選べるものまである。もちろんこの定食の他にもアラカルトでかなりの数のメニューが用意されている。
「定食は飽きたけど定食以外のヤツは高けえしな。なんだかなあ」
なんだかなあは、鈴木の口癖だ。以前会社の仲間と部長と数人でこのレストランに来た時も鈴木は言った。
「Aラン、Bラン、Cラン今日はどれにしよっかな。はあ、なんだかなあ」
龍一は思った。孝雄さんはいつもなんだかなあを連発する人だな。

龍一の会社は社員数80名ほどの業界では中堅どころの内装建築会社なのだが、社長の鈴木浩二始め役員の鈴木誠、総務の鈴木八重子、設計部の鈴木恭子、そして同じ設計部部長の鈴木孝雄、この他にも他部署に4人ほどいる。その昔渋谷のスクランブルで石を投げればかなりの確率でデザイナー志望の若者に当たると揶揄されたものだが、龍一の会社の「鈴木」の人口密度はちょっと異常なのだ。鈴木以外にも斉藤姓は4名、山本は3名。役員の鈴木誠のコネクションで入った工事部3課の鈴木卓也に至っては、忘年会の帰りに酔った勢いで社内のマドンナと言われた沖縄出身24歳の具志堅祥子とねんごろになり、半年の交際を経て結婚するまでに至ったせいで、希少価値の具志堅が消滅しただでさえ多すぎる鈴木が増殖することになった。そんな訳で比較的アットホームな龍一の会社では、鈴木さんと呼べば数人が返事をしてしまう環境の中、いつの間にか姓ではなく下の名前で呼ぶのが慣例となったのである。部下が上司に対して「孝雄さん」と呼んでも全く不自然ではない社風なのだ。

「孝雄さんはいっつもなんだかなあを言いますね」
一瞬怒ったような怪訝そうな色を顔に浮かべた孝雄だったが
「あっ、そう言われればそうかあ。参ったなあ」と右手で後頭部をかく仕草をしてみせるところが、いかにも憎めない昭和オヤジなのだ。
「Aラン、Bラン、Cランか。僕高知で高校まで野球をやっていたんですけど、Bランって言うとなんかベーランを思い出すんですよ」
「はあ?何?ベーランって」
ますます怪訝そうな表情で言葉を返す孝雄だった。


龍一は小中高と野球に没頭し、高知の野球でそこそこ名の売れた公立高校を卒業後、東京の中堅的な私大へ進学したものの2年の終わりに退学を決意、いわゆる大学中退組だった。サークルに入り野球は続け、夜は池袋の飲食店でバイトし、そこで知り合った女の子とつき合うようになったどこにでもいる凡庸な青年だったのだが、ある晩、郷里にいる祖父から受け継いだ果物店を細々と営む年老いた親の学費の負担を思った時、突然雷に打たれたように中退を決意した。事後報告で高知に電話で伝えたとき、父の博之に開口一番ばかやろうと怒鳴られた。しかし手短にその動機を話すと博之は電話口で絶句し無言の空気が双方の受話器の間を流れた。龍一は父のその無言によって初めて、父に恥をかかせてしまったことに気がついたのだった。本当の理由を言うことが必ずしも相手を喜ばすことにはならないと若くして龍一は悟り、ひとこと「ごめん」と言葉を伝え静かに受話器を置いた。

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小説1なんであった。名前はまだない。
昨日ファミレスで昼食を摂った時に思い立ち、突然発作的に小説の出だしだけを書いてみた。筆者個人とは全く別の創造の話であり、続編が書けるかどうかは保証の限りではない。小説のタイトルもプロットも構成も人物造形も最後のオチも何も考えずに書き出したもの。数年前にここで発作的に「サンドストーム...」とかなんとかの小説を冒頭だけ書いて、その後梨の礫(つぶて)でそのまま放置した前科があるので、今回も先は全くの不透明。
少しでも反響があれば、続きを書いてみようかと思うけれど、それこそトンネルの先は真っ暗で不透明なんである。
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2016年5月17日火曜日

厚意の行為は好意か?

大事な防犯大会2回戦なんであった。ここを突破していざ上を目指せるかどうか、いわば今のフレンズの実力が試される一戦であった、と筆者は思っていた。
しかしその前に、サンダースVSバーズの熱戦が目の前で繰り広げられていたんである。戦場カメラマンとしての血が騒ぎ、彷徨徘徊しちゃうんであった。
サンダースエースはあのGジュニアに選出されたSoraくんの弟、5年生Yamadaくんなんであった。手元でぎゅんぎゅん伸びる速球は秀逸だ。

Bの主将Yazawaくんの本塁スライディングのシーン。滑り込むと同時にセーフのアピール。一点をもぎ取るための闘志の表れであろう。ジャッジはセーフであった。

審判で言えばこちらも負けてはいない。フレンズ今年の事務局長になったToyodaオヤジ、通称トヨケン。母マネージャーの愛妻Tomoちゃんと共に、陰に日向に八面六臂の活躍を見せる。今日は一塁塁審なんであった。いつもはひょうきんにおどけてみせる彼も、こんな時は鋭い眼光で責務を全うしていた。

バーズと言えばKentaくん。相棒ピッチャーくんも苦しい試合を力投する。

サンダースには先日筆者の写真を撮っていただいたSonobeさんがいる。筆者と同じく宮前連盟の帽子を保持しているTakahashiさんと共に、サンダースの戦場カメラマンとして銃弾と砲火をくぐり抜けてきた、いわば少年野球カメラマンの同胞のようなもの。今度中東へ潜入取材の際は連絡を取っておこうか。筆者もあんなドデカイ望遠レンズが欲しいものである。早速LINEでスコアラーTsudaさんに送った。
サンダースと言うより、連盟重鎮MatsuiさんやHonmaさんはこの日は連盟として職責を全う、円滑な試合運営に腐心していた。


結果はサンダースの貫禄勝ち。「サンダースは選手一人一人が野球を実によく知っている」という話を試合後、バーズKawataさんと話した。Queensオヤジ兼バーズ28番Yoshikawaさんは試合途中からBチームへ合流のため戦線離脱。
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やっと第2戦目フレンズVSワイルダース戦なんである。しかし、筆者は前半のみスコアラーをやったので写真は後半のほんの少ししか撮ってない。


試合終盤までFが僅差でリード。このままイケルかと思ったのだが、安打数に勝るWが最終回4点を返し大逆転。


見方はいろいろだけれど、「勝てる試合を落とした」時ほど悔しいことはない。

最終回、筆者はカメラを構えてセンター後方にいた。このアングルから撮る理由は親御さんたちが普段我が子を撮る写真にはない新鮮な角度であるからで、それがブログに載ったとき「うちの子、打つ瞬間こんな表情をしてるんだ!」なんて思ってもらえたら嬉しいという気持ちがあるからなんである。また思いがけずに良い写真を撮るチャンスにもなるからでもある。逆にバックネットの真後ろから撮るのは公式戦では絶対御法度。それどころか、ネット裏に当事者チームの帽子をかぶった者がいること自体ダメなんである。他のチームの試合や、練習試合ならばまだ良しであろうか。かく言う筆者も良かれと思って今まで他のチームの試合を、ネット裏から連盟広報として撮ったことは何度かあるが、少し戒めたほうが良いのかもしれない。ネットの真裏を避けてネットの両端からならばOKなんであるが。昨年全国大会の神宮球場で本塁真裏の記者席から撮った、グランド地面すれすれに撮った写真のダイナミズムは実際素晴らしかった。

センター後方からシャッターを切った瞬間、審判がこっちを指差して大声でナニか叫んでいる。よく聞き取れなかったが「....そこのカメラああ〜....」
瞬時に理解した。俺、またやっちまったか?県大会や全国大会ではセンター後方からの撮影は絶対無理なのは知っている。昨年何度か痛い思いをしてるし。第一公園ではおとなしく外野からのショットは木陰に身を潜めて撮影するんであるが(これは連盟からOKをもらっている)、各小学校グランドでは身を隠す場所がないのがほとんどだ。大師球場でもOKだった。(本当はNGなのに単に注意されないだけかな?)前の試合でもセンター後方での撮影は審判から何も言われなかった。

しかし、この試合で言われてしまったのは「審判によって裁定が違う」ことの表れであろうか。いわゆる「俺がルールブックだ!」審判によって低めをストライクに取る人とそうでない人と様々である。人間なのだしそれが個々の個性なのだからそれはそれで良いと思う。(審判によって極端に相違があるのは論外であるが)それぞれの個性によって「センター後方からの撮影は少年野球と言えどもダメなものはダメ」と厳格に規制することは間違いではないであろう。正論は正論、過去現在未来いつでも正論は正論であり続ける。
おそらくその禁止の理由は高校野球やプロなどに於ける「キャッチャーのサインを盗むような卑劣な行為の禁止」もさることながら、少年野球に於いては「バッターの子がカメラを気にして幻惑されるから」的なことなのだろうか。それならば筆者の負けである。確かにそれなら納得しちゃう。今後このアングルから撮る場合は、センター後方の更に奥の目立たない場所を確保出来た場合にのみ決行しようか。練習試合なら許されるだろうか。
「厚意を持った行為は必ずしも好意として受け止められない」のである。
とかくこの世は住みにくい。

一瞬公平性に釈然としない気持ちを抱えながらも、学習仕切れていない自分に対しての自責の念と反省の気持ちを抱えベンチへ帰ろうとした時、試合は負けの瞬間を迎えたのだった。この試合に勝てなかったフレンズにも釈然としないどんよりとしたブルーな思いを胸に。

......
さてここからは気分を変えて有馬ドームへ戻り練習。
中学OB連中が来襲。賑やかにいろいろ練習を手伝ってくれる。彼らを見て今更ながら気がついた。幼い頃に比べて中学になると、頭の大きさはさほど変わらないのに、体がぎゅんと大きくなったために、オトナになったなあと感じることなんである。小学生時分は頭でっかちの4頭身だったのが、首から下が成長して6頭身から8頭身になったりしちゃうのだった。イラストを描く時に子どもとオトナを描き分けるには子どもは頭を大きめにすれば、一発で子どもっぽくなっちゃうのであることは漫画界の常識だ。TakutoにしてもHiroにしてもオトナっぽくなったと感じるのは、首から下の体が大きく成長したからなんであった。

グランドの片隅ではバレーボールでパスラリーを楽しむ母たちの姿が。
ここ10年ほどであろうか、フレンズ母の何人かはママさんバレーチームに所属して、フレンズ以外での日夜、バレーに没頭しているんである。その人数たるやもはや「有馬フレンズママさんバレーボール部」と言っても過言ではないくらいに盛り上がっているのだ。
以前NonちゃんがフレンズLINEに皆の会話の流れで「Tさん今度、アタシたちのバレーボールも取材にきて写真撮って下さいな」とコメントがあった。

もしそーなったら、この少年野球「晴耕雨読」BLOGのサブタイトルは「少女野球Queensと、川崎及び宮前区の少年野球と、有馬フレンズと及びママさんバレーを応援し、時に個人的由無し言をほざいたりもする、うんざりするほどの写真と長ったらしい文章のオモシロマジメ的雑文集的ブログ」と、改題せねばならないかもしれない。


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