宮前区鷺沼出身、イングランドプレミアリーグ、ブライトンの三苫薫。先週15日AM5:00キックオフのVSチェルシーでの驚愕のゴラッソ(単なるシュートではなく素晴らしいゴールの意)を拙(つたな)い文章力でどう伝えれば良いのだろうと、書きためらっていたのだった。現実の素晴らしいゴールをひとたび文字にしてしまうと、途端に低次元のつまらないプレーに貶(おとし)めてしまうのではないかと恐れて、筆を執るのを逡巡していたのである。いっそこのまま書かずに明日からの少年野球ブログに舵を切り直すかと思っていたが、胸のモヤモヤを放出するためにやはり書くことに決めた。この一週間三苫のこのゴールに世界中が驚き、賞賛の嵐が吹き荒れ、欧州各国の様々なメディア(TV、新聞、特にSNS)が大バズりしちゃって、普通の素晴らしいゴールなら報道は2,3日で収束するが、この三苫は一週間経ってもまだSNSで大盛り上がりなんであった。ブライトン公式SNSでは、MitomaCAM(三苫専用カメラ)も含めて、球場内の全てのカメラアングル(10数アングル)からの映像を一本にまとめた動画も公開。元イングランド代表解説者や評論家たちも諸手を挙げて称賛し、今季24-25シーズン最高のゴール候補にまで推挙されているのである。
※ブライトン公式SNS、10数アングルからの動画、圧巻である。
https://youtu.be/zJFVTvSK_XU?si=p7g2WEGurij9xzk4
さてナニが凄いかって、シュートそのものではなく奇跡の驚嘆すべきトラップ術なんである。筆者は日本代表戦もブライトン戦も三苫の魅力はドリブルもそうだが、この「神トラップ」のシーンを見たくて楽しみにしているほどだ。実際アメックススタジアム(イングランド南端のブライトンの本拠地)で三苫が凄いトラップを見せると観客も大いに沸くのである。三苫のトラップ集の動画までアップされるほど。
※以下画像はブライトン公式上記SNSから。
前半両者無得点のまま27分(だったかな)、ブライトンGKオランダ代表のヘルブルッヘンが自陣のペナルティーエリア付近からロングフィードキックする。この時(後で知ったのだが)三苫とアイコンタクトを交わしていた。実に確信犯だったのである。
蹴る直前GKの助走が始まると同時に、すでに三苫はスタートを切っている。位置はセンターサークルのあるハーフウェイラインを少し超えたあたり。三苫は自身の右肩後ろ上空に上がったボールを見ながら加速する。この時脳内三苫コンピュータは瞬時に弾道軌道と着弾点を計算し、正確な位置へギアアップし爆進する。同時にチェルシーDFも並走する。反則にならない程度に手でプレスをかけるも三苫は動じず全速力で駆け上がりながらひたすらボールだけを凝視する。
後ろからのボールを追って背走することは野球外野手でもよくあるプレーだが、このケースではボールは三苫の背後真後ろから落下してきたのである。これは筆者の見立てだが、並走するDFがいなければおそらく左から回り込んで右肩越しからボールを受けたはずだが、DFにボールを奪われないようにするにはボール落下点とDFの間に自分を位置させる必要があったから、DFへ寄せ気味に走ったため、結果ボールは三苫の真後ろから落下したことになる。いや、落下したではなく、三苫がそう落下させたに違いないのだ。相手DFはもうボールを見るよりも三苫にプレスすることしか考えてないようだった。
チェルシーゴールエリア手前でいわゆる「神トラップ」炸裂。筆者は中継アングルで観ていたので、最初はナニが起きたのか一瞬わからなかった。通常こうゆうパターンではトラップに失敗するか、ボールロストになってゴールラインに流れ相手ゴールキックに変わったりするものだ。しかし三苫は得意の右足アウトサイドに掛けて優しくボールの勢いを殺し、マイボールにしちゃうのであった。普通なら追いつくだけで精一杯、仮に足を出しても触れられずに終わるか、触れても意図せぬ方向へボールが流れるのが常だが、三苫は全力で走りながらDFにプレスを受けつつ、真後ろから高速で眼前に落下したボールを、正確無比のトラップで足元へ吸い寄せるのである。「世界中が驚愕した」というのは決してシュートそのものではなく、この神トラップに尽きるわけで。更に筆者の見立てはこの後の別角度の写真にて。
ファーストタッチでボールを制圧し、ツータッチ目で少し右へ動かし、スリータッチでキーパーとの間合いを測り、最後は右足インサイドで狙い澄ましたコントロールシュート、GKが伸ばした手をかすめながらゴール右へシュートが吸い込まれた。
この瞬間筆者は、早朝の有馬から鷺沼方面に向かって雄叫びを叫んだのであった。「ぬ、ぬ、ぬおおお〜!」と声にならない声を胸の中から絞り出したのである。現地アメックススタジアムにいたならば、叫びすぎて声帯を破壊したに違いない。シュートが決まったことや先制点を挙げたことよりも、この神トラップに感銘を受けたわけで。サッカーファンのほとんどがそうだと思う。別角度からの動画切り取りにて、その凄さを解説。
走りながら真上の脳天から降ってくるボールを見上げる三苫。軽くジャンプしつつ空中で右足を差し出す。
切り取り写真ではわかりにくいが、次の瞬間がここで筆者が言いたい事が凝縮されている。このブログの肝、真髄である。右足を出した時に彼は僅かに右足甲のアウトに当てているのである。これを真っ直ぐ前にボールを落とさず、右へ角度を変えているのだ。つまり左向きになっているDFの向きと逆方向へ(=DFの背後へ)ボールを制御し落としたわけで。もちろん右はゴール方向でもあるから、余計にプラスになる。おそらくこのトラップの凄さは、単に難しいボールを足元に収めたことではなく、次のプレーを想定してゼロコンマ何秒の瞬間に判断し、トラップの角度を変えたことにあると、筆者は思うのであった。ツータッチ目は更に右足アウトサイドで上から被せるように(これが凡人には出来ないと思う)ボールにタッチし、更に右へ、つまりDFの背後でありゴール方向へボールをコントロールする。この瞬間DFは負けたも同然。3枚目の写真では、スピードに乗った三苫がボールを右へ切り返す瞬間、DFは身体の重心が前へ傾き慌ててブレーキをかけている一枚。これで勝負はついた瞬間である。
別角度から。この一週間この三苫マジック「ミトマジック」の神ゴールを各国各メディアSNSで何度観たことだろう。別アングルや解説者や監督やチームメイトのインタビュー、いろんなサッカーファンYouTubeチャンネルなどが次々にアップした動画を見たが、冗談抜きで100件以上は見たと思う。それだけ難しい驚愕のゴールシーンだった。SNS的ネットコメント的に言えば、「一生見ていられる」動画なんである。プレミア史に残る名ゴールシーンとまで言い切るサイトもあった。
数日前の海外SNSニュースでは面白い表現をしていた。実に「晴耕雨読」的ブンガク的な文章だった。記憶を辿って再現する。「GKが発射したロングフィードボールはまるで急降下するミサイルのようにKaoruMitomaの頭上へ着弾しようとした。彼はそれを生まれたての赤ん坊を優しく包むようにファーストタッチしたのである...」これは少し「晴耕雨読」的に誇張しているが、実に「晴耕雨読」的表現で気に入ったんである。
ブライトン公式が一人の選手に、あるいはワンプレーにこれだけ何種類もの動画をアップすることは滅多にない。GKフェルブルッヘンにアシストが付いたのも面白いが、動画の最後は同僚のフランス人、ジョルジニオ・リュテルが三苫にニャンニャンとまとわりつく場面も。彼はバレバと共にブライトンイチの陽キャでお祭り男なんである。監督ヒュルツェラーや兄貴分のダンクやウェルベックからも驚愕と賞賛のコメント多数。普段の練習ではこのプレーをGKフェルブルッヘンと一緒にやっていたと後で知った。練習でできても試合本番でこんな神がかったプレーは滅多に出来ないわけで。「努力はキミを裏切らない」の真骨頂かもしれない。
三苫ファンのみならず欧州サッカーファンなら知っていると思うが、つい先日サウジアラビアの金満チームからブライトン三苫へ移籍金100億円超えのオファーがあった。この巨額オファーをチームも三苫も速攻拒否すると、サウジもすぐに今度は170億円にアップ再度オファーしたのだが、これも断固拒否したのである。ネット上では「断るなんて狂気の沙汰だ」「三苫は常にレベルの高いところでのプレーを希望している」などと喧伝された。カネではない。三苫はむしろ自分を高みに持っていける厳しい環境を望んでいるわけで。三苫らしいそのニュースに接して実に溜飲が下がったのだった。世界を驚愕させたこのゴールのあと、今度は2戦連続で三苫にゴールされ負けた当の名門強豪のビッグ6のチェルシーが、140億でオファーを検討しているだとか、イタリアセリエAやドイツブンデスリーガの名門強豪もこの夏の移籍リストに三苫を筆頭にしているだとか、その手のニュースには枚挙に三苫がない...じゃない、枚挙にいとまがないここ数日の情勢なんである。(ちなみにスペイン、ラ・リーガで活躍のRソシエダ久保建英も同じ状況である)
筆者三苫ファンとしてはブライトンの気風が好きでもあり、いよいよブライトンTシャツを購入しようかと思っていた今日この頃、移籍報道に心がざわめくのであった。来週末、期間限定で原宿にブライトンジャパンショップが2日間だけ開店するらしい。ますます心がざわめくじゃないのよ。サッカー世界最高峰のプレミアリーグだけは離れないで欲しいと思うのは筆者だけではあるまい。
さてさて、少年野球ファンにはここまでサッカー話に最後までお付き合いいただき恐縮であります。明日からいよいよ宮少連春季大会の開幕である。また例年のように週末土日休日を広報ブログに費やす日々がやってくる。近年大いに加齢による老いを自覚している筆者、ローガンキョーで目を凝らさないとキーボードが見えないし、若い頃にはほとんどなかった誤字脱字や、「テニオハ」間違いも散見され翌朝修正することもしばしば。しかし引退するにはまだもう少し先の話だと自覚し、自分のためにも己を鼓舞しちゃうのである。ならば明日の春季開幕を控えて今日は早めに就寝...なわけにはいかないのである。なぜならこれから土曜深夜0時キックオフでブライトンVSサウサンプトン戦なのだ。就寝は日曜AM2時過ぎの予定。明日の開会式には遅れずに行かなきゃなんであった。

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