11月に入りこの一ヶ月くらいで、スコアブックの記録集計をやっつけなきゃいけない。野球ほど多彩でかつ多岐にわたる記録をつけるスポーツは他に類を見ないだろう。規則が複雑なのもおそらく世界一に違いない。現場で手書きでつけたスコアシートを持ち帰り、自宅で深夜更に細かい計算を書き足す。やっかいなのは選手交代があった時の対処。例えば失策は誰が何回やったかなどの検証作業。5回にショートエラーの記号...(6E-3)...などがある場合、選手交代で5回にショートを守っていたのはどの選手だったかの確認をしなきゃいけない。子どもの年間最終成績に記録されるので手を抜けない。
一口に記録集計といってもみなさんはナニを想像するでしょうか?
単純にスコアブックに書き入れる集計の升目の数を数えてみた。打席数・打数・得点・単打・二塁打......三振・残塁・失策、更に投手成績の勝ち負け・投球回数・打者数・打数・被安打.....失点・自責点など、現場でつける試合経過の欄は別として全222項目。これが1試合2チーム分あるから倍の444項目。代打や投手交代があればその分も更に増える。実際はゼロの空欄も多いのだけど、これをほぼ自宅に持ち帰り集計している。
「一週間頑張った自分へのご褒美に、金曜の夜はワインを奮発して買って帰りま〜す」なんて言うOLがいるけど、小生がそれをやったらワイン中毒になっちゃいそうだ。もっとも買って帰るのはワイン1本だけじゃ済まないけどね。
この手書き集計のあとに、いよいよこの全データをExcelに入力していく。また春先の1枚目のシートからコツコツ。このExcelで打率などが自動計算されるのだけど、昨年の集計で気になったことがあり、スコアラーのバイブルと崇めているサイトへ飛び研究。以前も何度も書いたけれど、すごいサイトがあるんである。
氏曰く「草野球や少年野球がスコアをつけるのが一番難しく、また面白い」
たぶん試合やプレーがセオリーどおりにいかないからという意味だろう。
草野球のためのスコアブックのつけ方
184万アクセス、一日700アクセスなんてザラ。ここでたくさん学習させてもらった。昨年の集計で調べたのはブログタイトルの「長打率と守備率」。
「長打率」一般には長距離ヒッターとか、スラッガー(強打者)の証とか思われがちだけど、ここでクイズ。
イチローが打った安打は全て内野安打で100打数で100本打ちました。
松井が打った安打は全て3塁打で100打数で30本打ちました。
さて公式記録ではどちらが長打力のある選手でしょう?
答えはイチロー。この矛盾を無くす為に昨年はこの長打率を計算するのに、シングルヒットは除外するようにExcelを設定した。
※草野球のためのスコアブックのつけ方(記録集計項目より)
もう一つは守備率。下の写真にもあるように、「守備率の高い選手は守備がうまい」のではないんですね。「守備率の高い選手はエラーの少ない選手」というのが正解。もっとも、「エラーの少ない選手は守備がうまい選手」という変形三段論法が成り立たないわけではないけれど。
※草野球のためのスコアブックのつけ方(記録集計項目より)
ナニを言いたいか。ショートやサードの子どもがエラーの絶対数が多いのは、決して守備が下手なのではなく、他の選手に比べて守備機会が圧倒的に多いからで、ポロリの数も必然的に多くなり、また、守備範囲が広く球際にどん欲な選手ほど、エラーにしてしまう機会も増えるということだ。
穿った見方をすれば、場合によってはエラー数の多い子どもをむしろ褒めてやることも出来る。
我々少年野球の指導者は記録の数字やイメージだけで子どもを評価してはいけないと思う。時にはこういう逆評価をしてやり、それを他の選手にも解らしめた時に、エラーをした際、他の野手から心から本当の「気にすんなよ!ドンマイ!」の声がかかるのではないだろうか。
それにしても....
高校野球やプロ野球では「今のはどう考えてもエラーだろっ」というプレーが、TVの公式記録では結構ヒットに記録されることが多いと感じているのは私だけだろうか?守りの選手に泥を塗るより、打った選手に花束を送ったほうがいいのは少年野球なら解るけどね。
にほんブログ村
0 件のコメント:
コメントを投稿