昨日Minamiが入院5ヶ月で
何度めかの一泊の外泊許可をもらって、娘の家に帰って来た。会いに行った。またいずれ書ける機会があれば書いてみたい。
さてQueensのマグネットボードなんである。
春のゆるみと共に、仕事も少し緩んできた。フリーランサーとしては嬉しいやら恐怖やら複雑だ。けれどおかげで懸案だったQueensのマグネットボードの更新作業がやっと完成。ベースのボードはそのままで、子どもたちの個々のマグネットプレートを刷新した。
まずはMacでMochidaさんから送ってもらった写真を編集。卒業生を脇に移動させ、新入生をスライドし、写真を加工コピペ。PhotoshopからIllustratorへ。
う〜ん、今年もみんな美女ぞろいだぞ。
攻撃スタメンの個々プレートを制作。ここまでくれば80%完成。その後守備のマグネット制作。サークルカッターで丹念に切り抜く。道具さえ揃えれば誰にでも出来る作業だが、精度を極めるには熟練の錬金術を要する(...ということにしておこう)
やっと完成。明日は奇しくも村山杯の前に午前リトルグリーンズと練習試合がある。Qの監督Koshimizuさんが今年は28番コーチを兼任するチームだ(後日談。28番は春季限定とのこと)。QマネージャーのYamaguchiさんはどうだろうか。来てもらえれば速攻手渡そう。20日にはQueensは今年初の大会が控えているから。
でも明日は午前は程よいものの、午後の村山杯は風雨の予報だ。
筆者、日曜は新潟へ行くので不在。はてさて波乱含みの週末ではある。
2013年4月6日土曜日
Queensマグネットボード2013
2013年4月2日火曜日
一日遅れの4月1日
中南米の森林に棲息し蟻を主食とする動物「アリクイ」というのをご存知だろうか。もちろん小学生を含め多くの方が知っておられるに違いない。そうこれである。
このなんとも愛嬌のあるアリクイをWikiってみたら以外にもシンプルな記述しかなかった。以下、Netのルールに従い出典を明記し引用。
少し長いがサックリ読んでみてほしい。
Wikipedia「アリクイ」より=アリクイ
「アリクイクイ」の項目を更に検索し以下にWikipediaを引用したい。
但し、非常に希少動物ゆえ写真は掲載されてなかった。残念である。
更に少し長いが今度はじっくり読んでみてほしい。
このなんとも愛嬌のあるアリクイをWikiってみたら以外にもシンプルな記述しかなかった。以下、Netのルールに従い出典を明記し引用。
少し長いがサックリ読んでみてほしい。
Wikipedia「アリクイ」より=アリクイ
アリクイ
分布 [編集]
特徴 [編集]
群は作らず、単独か母子で行動する。
野生のアリクイは1日に約3万匹のアリを捕食している。
短く柔らかい毛に覆われる。ただしオオアリクイは長く硬い毛に覆われる。
威嚇するときに仁王立ちのようなポーズをとる。
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可愛くのんびりしており、愛嬌というかどこかひょうきんな印象さえ受けてしまう動物である。
さてこの文中「前足の強大な爪は、時に捕食者に対する武器として使う」とある。このアリクイを襲う捕食動物がいるのだ。
その名も「アリクイクイ」...アリクイを食ってしまうから「アリクイクイ」である。嘘のようなホントの話。アリクイに天敵が存在していることは現代の動物学者たちの間でも以外と知られていない。但し、非常に希少動物ゆえ写真は掲載されてなかった。残念である。
更に少し長いが今度はじっくり読んでみてほしい。
アリクイクイ
アリクイクイ(蟻食・食蟻獣・肉食獣)は、哺乳綱有毛目アリクイクイ亜目(Vermilingua-kui)の総称である。アリやシロアリを食べるアリクイを主に好んで捕食し、英語でもアントイーターイーティスト(anteater-eatist)と呼ぶ。分類群の学名 (Vermilingua-kui)は「蠕虫状の舌を持つ動物を食べる」を意味し、まれに「虫舌亜目亜種」とも訳されるが、もっぱら「アリクイクイ亜目」と意訳される。ただし、分類体系によっては下目にもなるし、相手が雌だったりした場合は寡黙になる雄もいる。分布 [編集]
特徴 [編集]
その学名のとおりアリクイを噛み砕くための鋭い牙を持ち、強烈な悪臭を放つ唾液を吹付け、アリクイを気絶させてのちにひと噛みし捕食する。
肉食獣であると同時に蟻食獣でもあるのはこのためである。
群は作らず、単独か母子で行動する。その間父親はどうしているかは今も謎であり、夜になると隣りの森へ出かけて徘徊し、雌アリクイクイと艶っぽい一夜を過ごすという報告もある中、各大学のアリクイクイ専門学者の間では諸説紛々(ふんぷん)、未だに論争が絶えない。
野生のアリクイクイは2日に約1匹のアリクイを捕食している。
短く柔らかい毛に覆われる。ただしオオアリクイクイは長く白い硬い毛に覆われる。1723年に発見した英国のヒラリー卿によると、「まるでヒマラヤの雪男のようで、発見当時は心底胆をつぶしたものだ」とのちに彼の自伝の中で語っている。
威嚇するときに仁王立ちのようなポーズをとる。しかし雄、雌に限らずすぐさま股間に手をやる仕草は有名である。威嚇したはいいが、露(あらわ)になった局部に羞恥心を覚えるためである。我が国の総務庁統計局による「最もヒトに近い感情を持った動物」のアンケートでは、霊長類のサルと並んで、毎年ベスト5にランクインするのは、この理由のために他ならない。
研究の学徒諸君、全世界の動物学者たちの今後の更なる研究の成果に期待したい。
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ぐふふ、やっちゃいました。一日遅れのエイプリルフール。
てゆーか、序盤からすぐにネタバレ必至、途中から単なるWikiのパロディーに没頭してしまったんである。
こんなんで良ければ、Wikiを少しイジくればいくらでも書けそうな気がしてしまう今日この頃なんであった(^-^)/
2013年4月1日月曜日
「髪隠し」
先日21日のブログで春季大会での試合前、試合後の写真でクイズを出したら、解答を寄せてもらったのは二人。フレンズのOhmori父と連盟のKasaharaさんであった。どっちが試合前で、どっちが試合後か。日時計的影の方向で判断してもらうのが狙いだった。科学的な理由からである。
ところがKさんの解答が良かった。全くもって野球的理由である。
以下、筆者のiPhoneへ来たメールを転載。
「①主審です。上の写真は試合終了後に主審がボールを渡すか回収している姿です。試合前の姿勢は下の写真のようになります(^_^)
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ところがKさんの解答が良かった。全くもって野球的理由である。
以下、筆者のiPhoneへ来たメールを転載。
「①主審です。上の写真は試合終了後に主審がボールを渡すか回収している姿です。試合前の姿勢は下の写真のようになります(^_^)
②キッズさんのスタッフです。下の写真は試合前の挨拶ですからスタッフ3人ともちゃんと正面を向いてます。当たり前のことですが…
③グランド状態です。上の正面の方が若干荒れてます。決定的なのは白線ラインの状態です。上の正面は白線が薄くなってます。下の写真は白線がハッキリしています。」
ほっほう、なるほど・ザ・ワールドなんであった。「白線」は確かに決定的ではある。刑事の尋問にぐうの音も出ない犯人のような気分であった。目のつけどころがシャープでしょ。
土日とも日中は仕事で野球には行けなんだ。昨日は仕事の間隙を縫って、そのKさんからもらったQueensの帽子を取りに有馬スタジアムへバイクでゴー。Qの広報担当としてはQの帽子を持っていなくては話にならないわけで。戦場カメラマンがカメラ、ベスト、ベレー帽の三種の神器を身につけるようなものだ。予想以上にクオリティーの高いキャップだ。頭頂部が昭和枯れすすき状態の男にとって、帽子は「ハゲ防止」にはならないけれど、「影法師」のようにいつもついてくる、「神隠し」ならぬ、「髪隠し」するには神のような存在、必須アイテムなんである。
今日は午前花の台フラワーズと練習試合。師匠Kanedaコーチにスコアは依頼。午後は予定外の鷺沼ヤングホークスとまたも練習試合。ヤングはベストメンバーではなさそうだけれど、なんと特別ルールに突入しての惜敗....と、Ohmori父サブスコアラーからメール。
げげっ!あのヤングに特別延長!?去年20数点を取られて惨敗を喫したあの強豪名門チーム相手に。しかもウチはWヘッダーだったからピッチャーのやり繰りには苦労してるはずだ。
なんだか負けても嬉しくなっちゃってしまった筆者。来週スコアブックを見るのが楽しみだ。
花フラにもヤングにも行きたかったなあ。つくづく、そう思う。
KさんのQueens繋がりで人との輪が広がったわけで。
今日もヤングの「ひーちゃん」が投げたのだろうか。寒かったから風邪をひかねばいいが...。
なんて思いながら日曜の夜が更けてゆくのであった。
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2013年3月29日金曜日
私信
このブログでは何度か、野球スコアを集計する「EXCEL」のフォーマットソフトのことを書いている。過去のその記事を見てメールを下さり、集計ソフトを多くの方に差し上げた。今年もすでに3,4人の方へ送っているわけで。そのメールのやりとりの文章も、ご本人の了解の上何度か公開させてもらった。
愛知県のMさん。
昨年、マグネットのスコアボードのjpgデータを差し上げて、素人ながら手作りの力作を作られた。もちろん集計ソフトも大いに活用しているそうだ。
これはフレンズのマグネットボード2013年度版。
そんなMさんから今年2月に久々にメールをいただいた。
チームの卒団式の写真を送っていただいたんである。凄く嬉しいことだ。こうして何かしらささやかながら全国の少年野球のお手伝いが出来、役に立っていることを実感できるのだから、これは制作者冥利に尽きるというもの。白い枠内がMさんの力作ボード。
数回のメールのやりとりのうちの、ひとつの往復書簡をMさんの承諾を得たので公開したい。こんな母や父が全国にもたくさんいらっしゃるのではないかと思うと、とても嬉しい気分になってしまう筆者なんである。
以下、メール文をコピペ。ちょっと長文。
Mさんから(2013年2月10日)
T様
今後ともブログは拝見させていただきますので今後ともよろしく
お願いします。また、何か困ったことが出てきたらお助け下さい。
(^^)/
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愛知県のMさん。
昨年、マグネットのスコアボードのjpgデータを差し上げて、素人ながら手作りの力作を作られた。もちろん集計ソフトも大いに活用しているそうだ。
これはフレンズのマグネットボード2013年度版。
そんなMさんから今年2月に久々にメールをいただいた。
チームの卒団式の写真を送っていただいたんである。凄く嬉しいことだ。こうして何かしらささやかながら全国の少年野球のお手伝いが出来、役に立っていることを実感できるのだから、これは制作者冥利に尽きるというもの。白い枠内がMさんの力作ボード。
数回のメールのやりとりのうちの、ひとつの往復書簡をMさんの承諾を得たので公開したい。こんな母や父が全国にもたくさんいらっしゃるのではないかと思うと、とても嬉しい気分になってしまう筆者なんである。
以下、メール文をコピペ。ちょっと長文。
Mさんから(2013年2月10日)
T様
この度は幾度とお手数かけました。
縮小して何度か送ってみたんですけどすごく小さい写真の
サイズにしか送れなかったのはとても残念でした。
小さくなってしまいましたが確認していただいた写真は
卒団式のもので弱小チームと言われながらも頑張った
証を写した写真でした。うまく送れたら子供たちの写真も
見ていただきたかったので残念です。
それと・・・Tさんに頂いたスコアボードのデータを基に自分なり
に頑張って作成したものも小さなサイズになってしまった写真に
に頑張って作成したものも小さなサイズになってしまった写真に
写っていたので見ていただきたかったです。
Excelのスコア計算のデータは何とか無事に集計でき我が
チームも勝ち星を多く試合結果を残すことができました。
チームも勝ち星を多く試合結果を残すことができました。
本当に助かりました(^^)/
スコアボードは・・・これこそ役立ち、10人しかいないチーム
だったので誰がランナーコーチに行くか、とかすぐに確認できる
ようにしたので試合には欠かせず子供たちも自然に攻撃の時はまず
ボードを確認するくらい必須アイテムとなりました。
だったので誰がランナーコーチに行くか、とかすぐに確認できる
ようにしたので試合には欠かせず子供たちも自然に攻撃の時はまず
ボードを確認するくらい必須アイテムとなりました。
卒団式の時には「欲しい!」と言う子もいましたが、
「私の宝物だからダメ」と大人げなく言っちゃいました。
「私の宝物だからダメ」と大人げなく言っちゃいました。
本当にいろいろとTさんにはお世話になったのでお礼が言いた
かったので画像と併せてメールをしたかったのですが、
本当にすみません(><)
かったので画像と併せてメールをしたかったのですが、
本当にすみません(><)
改めて・・・ありがとうございました。
今後はしばらくは休憩ですね。少しさみしくなりますが・・・。
子供は中学の野球部に進むようです。
主人は1~3年のちびっ子チームに降りて再度コーチをする事と
なりました。その学年も人数が少ないので私の力作が再度活躍
するかもです。
なりました。その学年も人数が少ないので私の力作が再度活躍
するかもです。
今後ともブログは拝見させていただきますので今後ともよろしく
お願いします。また、何か困ったことが出てきたらお助け下さい。
(^^)/
お孫さんの体調はいかがですか?
遠方からですがよくなることを願っています。
Tさんも笑顔を絶やさず前向きに接してあげてください。
大丈夫です!みんなが応援してくれてますよ。
後半はかなり偉そうなことを書きましたがお気を悪くされて
しまったらごめんなさい。
しまったらごめんなさい。
今後とも変わらぬお付き合いの程よろしくお願いします
ありがとうございました!
愛知県:S.M
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筆者から(2013年2月11日)
S.Mさま
昨日は失礼しました。
人数の少ないチームでも頑張れば報われることの証拠ですね。
優勝おめでとうございます。
うちのを参考に手作りされたスコアボード、是非写真が見たかったですねえ。
確かに次のランナーコーチャーは誰が行くのか、メンバー交代になったら自分の打順は誰の次なのかなど、子どもにとっても使い道は結構あるもんですね。こちらのQueensという宮前の女子チームに作ったボードもそんな風に同じように使っているようです。
ただ、炎天下置きっぱなしにしてるとすぐ褪色しちゃって、困りものですが。
Excelも十分に活用されてるようで、嬉しい限りです!
ご主人もコーチとして残るとのこと。
私もそのクチでしたので、これからは親コーチと違って別の楽しみがあることでしょう。自分の子どもがいないと、手かせ足かせがなくて、違った視点で指導出来ますよ(^^)卒業後もMさんもたまにはグランドへ行ってみたらどうでしょうか。
Minamiのことまで気にかけていただき恐縮です。
周囲の仲間からも励ましの言葉をたくさんもらい、気持ちは吹っ切れてます。前向きに考えないとどうしようもないことですからね。
おかげさまで治療は順調のようです。見舞いに行けない(親以外はダメ)のが残念ですが。
偉そうにだなんてとんでもないです。こうして気遣っていただけるだけでも幸せです。
逆に本当にありがとうございます。
こうして丁寧に感謝のメールをいただけると、私も嬉しくなっちゃいます。
いかがでしょう、出来れば「晴耕雨読」で今回のメールを紹介したいのですが。
もちろんNGでも構いません。
息子さんは卒業で淋しくなることでしょう。でも少年野球シーズンはもうすぐ開幕です。
息子さん、中学行っても野球がんばって欲しいですね。
Mさん、この度はありがとうございました(^-^)/!
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2013年3月28日木曜日
成長の1ページに立ち会うこと
昨日はお台場で打合、今日は夕方から大宮で現場打合。
電車に揺られることが少なくなった今、遠くへ仕事で遠征するのは....嫌いではない。
ナゼか?
本が読めるからに他ならない。サラリーマン時代や恵比寿に事務所を持っていた頃に比べて、今は読書量が極端に減ってしまった。昔の一兆分の1くらいに。今日も大宮へ行ったのだけれど、駅のホームでiPhoneに入っているMr.Childrenのベスト盤1992-1995を再生し、大宮に着いた時がちょうどアルバム一枚聴き終わる頃であった。電車移動のその間、ずんぶり、ずぶずぶと本の世界に浸り込んだのは言うまでもない。
これからこの作家にハマりそうな確かな予感。以前も書いたような気がするけれど、奥田英朗の直木賞受賞作「空中ブランコ」。果てしなく面白い。最後の一滴まで面白い。正に遠い将来「晴耕雨読」を実践出来る日が来たのなら、雨の日以外でも毎日読んでみたいと思う作家である。
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首都圏にある「伊良部総合病院」の薄暗い地下にある精神科には様々な患者が訪れる。ここの担当医師は院長の跡取り息子である伊良部一郎。緑のポルシェに乗りカバ並みのデブで短足、髪の毛はボサボサ、自分の欲望を叶えるには金に糸目をつけず、犯罪まがいのことでも平気でやっちゃうし、話し言葉と思考能力は5歳児と同じレベルのとんでもない男なんである。半面子どもと同じく純真無垢で、患者は最初は彼に反駁するも知らず知らずのうちに、彼のペースに巻込まれいつのまにか精神の病が癒されてゆく展開。診察室にはケバイ化粧の胸元ぱっくり、ミニスカートのナース服を着た美人看護婦がいて、無口で無愛想いつもベンチに寝そべって雑誌を読んでいる女がいる。ほとんど注射をすることしか仕事のない女である....。
こんなシチュエーションだけでも読書魂に火がついちゃうのであるが、今日書きたかったのは、少年野球「晴耕雨読」であるからして、野球にまつわる短編なんである。
余談ではあるが、願わくば一度でいいからこの伊良部一郎なる人物と酒を飲んでみたいと思う筆者なんである。
余談ではあるが、願わくば一度でいいからこの伊良部一郎なる人物と酒を飲んでみたいと思う筆者なんである。
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「ホットコーナー」
奥田英朗著 文藝春秋社刊 2004年「空中ブランコ」収蔵
奥田英朗著 文藝春秋社刊 2004年「空中ブランコ」収蔵
ドラフト指名で名門東京カーディガンズに入団以来、プロ入り10年目のベテラン坂東真一はチームをしょって立つ三塁手のスター選手だ。ゴールデングラブ賞も何度も獲っていて名選手の呼び声も高い。しかしチームメイトを仲間と思ったことはない。チームメイトではなくレギュラー争いをするライバルである。その坂東があることがきっかけで、突然三塁から一塁への送球が全く出来なくなる。投げるボールは全て暴投、焦れば焦るほどコントロールが利かなくなってしまう。周囲から精神科を勧められしぶしぶ「伊良部総合病院」の伊良部一郎のもとへ。
ドアをノックすると
「いらっしゃ〜い!」と伊良部一郎の間の抜けた声。
「へえ〜、プロ野球選手なの、凄いね。じゃあ今度イチローのサインもらって来てよ」
「馬鹿言わないで下さい。そんなもんもらえるわけないじゃないですか」
「そーなの?んじゃあ、貴乃花のサインでもいいよ。注射10本分サービスするからさあ。ねね、いいでしょ」
頭で考えていることが体に正常に伝わらなくなる「イップス症候群」
ゴルフのパッティング・イップスというのが有名だが元々はピアニストの指が動かなくなるのを指して言ったそうで、どんな職業にも潜在する精神病なのだった。形態は違うが筆者も仕事で軽くこれに似た状態に陥った経験があるし、昔バッティングピッチャーをやっていて、気持ちが焦るほどストライクが入らないことや、ノックの時もこの子には絶対正面のゴロを打たなきゃと思えば思うほど、あさっての方向へ打ってしまうことがあった。
坂東の症状は一向に治る気配もなく、スローイングは右へ左へ上に下に暴投を繰り返すのみ。そんな折り伊良部は病院仲間の草野球に参加することに。伊勢丹外商部に届けさせた5万もするプロ仕様のグラブ持参で。誘われるまま現役プロの坂東も参加する。
うららかな日曜のグランド。厳しいプロの世界とは正反対の、腹の出た中年オヤジや女子も混じっての楽しい野球だ。空では天高くヒバリも鳴いている。坂東がふと近くを見回すと幼児が独りで壁当てをしていた。
「ぼく、おじさんとキャッチボールしようか」
「.....うん」
幼児なので当たり前だが5メートルの距離でもとんでもないノーコン。
伊良部の言葉を思い出す。「コントロールってなんなのだろう?」
一球どんぴしゃのストライクが来た。
「おっ凄いぞ」とたんに子どもの目が輝いた。
1メートル下がらせてもう一球。今度もストライク。
「いいぞ、今の感じを忘れないで投げてごらん」
このブログで書きたかった一文にやっとたどり着けた。
このシーンのあと作者奥田英朗氏の文章をそっくり抜き出してみたい。
続けてストライクが来た。1メートルほどうしろに下がる。それでもストライクが来た。
乳児が立ち上がる瞬間を見た気がした。この子の成長の1ページに、自分は立ち会ったのだ。
これなんである。
これこれ、これである。少年野球コーチの醍醐味と言ってはおこがましいけれど、この時のほんわりとした感覚が忘れられず、未だに飽きもせずコーチをやっているのだ。乳児から幼児へ、幼児から少年少女へ、それぞれの子どもの成長の1ページに立ち会うことが出来ることほど素敵なことはない。
坂東はその子に返球する時は取り易いようにワンバウンドで投げていた。優しくぴったり胸元へ行くように。伊良部が言った。
「ちゃんとキャッチボールしてるじゃん。治ったんじゃないのぉ〜」
「子ども相手に、ワンバウンドで返球してるだけですよ」
「そっちのほうが難しいじゃん。相手が捕れるように、同じ場所に同じ角度でワンバウンドさせなきゃいけないんだから」
見る見る間に心の闇が晴れていく坂東.....。空のヒバリにも追いつくほどに心が舞い上がる。
うちのYanagisawaフレンズ代表がキャッチボールの時によく言う言葉。
「キャッチボールは相手への思いやりだ。ノーバンでもワンバンでも、相手がいかに取り易いボールを投げるのが送球の基本」
最後は身長よりも高いクソボール球に、飛びつくように食らいついた伊良部のバットが快音を放ち、天高くボールが舞い上がるのであった。
+++++++++++++++++++++++++++++++++
奥田英朗さんの原文を作者及び文藝春秋社になんの断りもなく引用させていただいた。
また、部分的に原文を多少アレンジしてしまっていることは、作者に対する冒涜であろうと自省するも、勢い余って書いてしまった。個人ブログとは言えひたすらごめんなさい。
この小説に興味を持たれた活字中毒者及び野球大好きブログユーザーは是非、出版不況を救うささやかな一助となるべく、書店でこの一冊を手にして、レジへ迷うことなく直行してみるべし、....なんである。
因に筆者、BOOKOFFで105円でこの感動を手に入れた。
出版不況救出になんも寄与してないか....。
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