2011年11月6日日曜日

コトバの魅力と魔力

ブログを書く以上は売文家的プロではないけれども、稚拙ながらもそれなりにコトバの使い方には気を遣ってるつもりだった。ほらね、「使う」ではなく「遣う」なんてネ。気を遣ってるでしょ。
今日も連盟Nishimura編集長からKasahara社長がらみの、ある文書の校正依頼のメール。僭越ながら「朱赤」をさらさらと書き入れる。筆者と編集長の何度かのメールのやりとりののち、返って来た社長の返信は「ゴメン。今泥酔中で何も考えられない」とのこと。ちゃんとメールを返せるということは決して「泥酔」状態ではないなと推察。泥酔は酩酊より重い状態。せいぜい「ほろ酔い」あたりか。筆者速攻返信「泥酔中は何も考えず、ひたすら泥酔するのが正しいニッポンの泥酔の仕方です!」

その文書校正をしながらフト思い出した。
9月頃の新聞を読んでいつかブログネタにと思い、切り抜きをとっておいたんである。漢字検定受けたことはないけれど、漢検2級は自信があった筆者の思い上がりに、いっそバンザイしたいくらいの完敗なんである。

文化庁国語課による「国語世論調査」
いっしょにどーですか(^^)
●どちらの意味でしょうか?
1「情けは人のためならず」
A:人に情けをかけると、巡り巡って自分のためになる
B:人に情けをかけると、その人のためにならない
※こんくらいは朝飯前、知っていた。Aが正解である。

2「雨模様」
A:雨が降りそうな様子
B:小雨が降ったりやんだりしている様子
※Bだと思ったら間違い。正解はAでした。情けなし。

3「すべからく」
A:当然、ぜひとも
B:全て、みな
※ヤバイ。やはりBだと理解していたけれど正解はA。「すべ」が「全て」の語感とリンクしちゃってるゆえの思い込みか。

4「姑息」(こそく)
A:一時しのぎ
B:卑怯な
※これこそ完敗である。絶対Bの「卑怯」だと思っていたんである。そうと知らずに何十年間ものうのうと生きて来た自分が恥ずかしい。正解はAだそうだ。
例「ヤツは姑息な手段を使って勝利をもぎ取った」=は「ヤツは卑怯な手を使って勝った」んではなく、「ヤツは一時しのぎの手段を用いて勝った」のだった。

まだまだあるけれどもこのへんで。
自分の赤坂見附...じゃない、浅はかさを見つけたものだ。
みなさんはドーデスカ?

さてもうひとつ。日本語のコトバの持つ魅力と魔力の話。
これも数日前の朝日の天声人語記載記事から引用。うる覚えだけれど。
あるアンケートをとったそうだ。こんな上司は良いか悪いか。コレ....。

「課長は仕事上無理難題を言ったりもするが、部下の面倒見もいい人だ」
こんな課長を良しとする人は確か約70%(?)くらい。
ところが別の人にこんな文面でアンケートをとった。
「課長は部下の面倒見もいい人だが、仕事上無理難題を言う人だ」
これを良しとする人は確か27%(?)くらいに激減なんである。全く同じ内容なのにね。これは小説などでも登場人物造形においては、大事な表現手法であろう。

日本語ってオモシロイ。
人の脳は「〜だが」と前半を否定形にして、更に「〜だ」と断定している後半の言葉がより印象に残ってしまうせいでこんな結果になるのだろうか。
そう言えば誰かに「良い知らせと悪い知らせ、どっちから先に聞きたい?」
と問われれば、つい「悪いほうから」と思ってしまうのは、気分の良くない思いをしたそのあとに「良い知らせ」を聞いて気分良く終わりたいからに違いない。

書き言葉にしろ、話し言葉にしろ、時に人を感動させ、時に人を傷つけ。
言葉の魅力と魔力。
日本語ってオモシロイ。
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