2014年12月4日木曜日

君よ涙の河を渡れ

宮前区新人戦の決勝は、有馬フレンズVS富士見台ウルフ少年野球クラブなんであった。

決勝戦では互いのチームから「ウグイス嬢」ならぬウグイス母嬢が、選手の紹介と試合途中の選手交代のアナウンスを担当。フレンズからは母マネージャーのOhmori母が。試合前から何度も練習をし、ビビリながらも結構楽しんでいたようだった。

その試合前の選手紹介では子ども一人ひとりが大声で挨拶。フレンズは判で押したように「がんばりま〜す」であったが、ウルフは「優勝目指して頑張ります」「絶対勝つように頑張ります」とか気転を利かしたオリジナルの挨拶。さすがは決勝戦慣れしている。もし筆者なら「野球を頑張って甲子園へ行って、将来は鮨職人になりたいで〜す」とでも言いたくなった。
最初これはシャッターチャンスと思い、カメラ片手にグランドへ飛び出したのだが、Fマークの帽子を被っていたことに気づき、速攻で連盟広報部の白い帽子に変えてレンズを向けたんであった。連盟の帽子は筆者にとっては水戸黄門の印籠と同義語なんである。

プレイボール!
1回表F裏W
互いに無得点。眠れる大砲Hajimeが四球を選び出塁、結果相手失策により先制点を挙げることに成功した。実はこの対戦カードはかつてオレンジボールでも決勝を戦った世代なんである。フレンズにとってはゴールデンエイジなのだった。それだけに1点とはいえギャラリーも欣喜雀躍なのだった。
マウンドはあの時と同じ主将のRui。マスクをかぶるのはYui。準決勝と同じスタメンで臨んだ。

3回表F
ラストバッターの小さな巨人Kyousukeが2-2からの5球目を引っぱりレフト前へ初ヒット。1番Ruiが犠打で送り2番Kohkiがショートグラブをかすめて抜けるタイムリーヒットで2得点目。スコアは最初はエラーにつけたが筆者のテンションも上がってご祝儀で安打に変えた。あの王者ウルフを無得点に抑えたまま更に追加点なんであった。ボルテージが上がらないわけがない。

神奈川県、川崎市、宮前区と少年野球のルールは毎年上意下達(じょういかたつ)のお達しがある。学童野球においては、1日に同じ選手が投球を行って良いとされるのは7回まで。つまりダブルヘッダーの場合、エースピッチャーは1試合目を4イニングくらいで切り上げ、次の2試合目で残りの3イニングに賭けることになる。試合内容や得点差にもよるが大事な試合になると、このあたりの計算も重要になってくる。FのRuiは準決勝ですでに3イニング投げているから、決勝では4回までだ。
またたった一球投げて交代してもその投手は1イニングをカウントされる。更に特別延長の場合は9イニングまで可能になるのだが、これには更に条件付きの複雑なルールがあってここで一朝一夕には語れないんである。連盟のNishimuraさんから取材したのだった。

4,5回W
対するウルフ。準決勝対ヤング戦での投手リレーもあってか、やはりピッチャーを変えてきた。先発Saitohくんから2回には早々とShimadaくん、更に3回にもOgasawaraくんにスイッチ。猫の目のようにくるくる投手交代。老獪かつ勝負を知り尽くした名将Ogasawara監督のフレンズを翻弄する作戦か。実にスコアラー泣かせなんである。
Wは初回から4回までゼロ行進の無得点。5回Ruiからマウンドを受け継いだ2番手Kyohから内野安打をもぎ取るも、やはりウルフ打線は沈黙を守ったままであった。

6回表F
初回に投げた先発のSaitohくんがまたマウンドに上る。Fは先頭Ruiがレフト前安打を飛ばすが後続を断ち切られる。新チーム監督のSatohとWのOgasawaraさんとの熾烈な心理戦でもある。スクイズを見事にはずされたこともあったが、互いのベンチのサインの読み合いでもある。フレンズの大砲1号2号のバットからこのゲームでは快音が聞かれることはなかった。

6回裏W攻撃
線の細いFのKyohは実に良く投げた。しかしここでウルフ打線に捕まった。Ogasawaraくんの二遊間を抜ける安打、Saitohくんの内野安打、4番Shirotaniくんのタイムリーで待望の1点を返すと、更に二死後Kimuraくんの中堅前適時打で同点に追いつく。
一気に盛り上がるウルフベンチと応援父母たち。点に飢えた狼軍団が牙をむき出した。

6回裏F守備
同時にこちらの目線はフレンズ守備である。
ちょうどファウルゾーンとフェアグランドの中間に、更にYui、Kyohの投本間にフライが上がった。両者猛ダッシュする。今迄のフレンズならどちらかがお見合いをし、ポテンとなるのだったが、この日は違った。執念でボールを追った二人はファウルグランドで激突したんであった。うずくまり起き上がれぬKyoh。サッカーならアディショナルタイムを取るくらい治療に時間がかかった。
ようやくマウンドに戻った彼に第一公園ドームの観客から割れんばかりの拍手。

7回表F
2:2の同点で迎えた最終回。筆者の脳裏にはもしやあの特別ルールもあり得るのではないかとの想像が駆け巡る。
Taichi四球、Shohgoの右前安打で走者が二人塁に溜まった。
普段はおとなしい怪我をしたKyohが打席に。思い切って初球を叩いた打球は右中間を超えて外野を転々と転がる。湧きに湧くベンチと応援ギャラリー。筆者も珍しく興奮気味でベンチの後ろをほとんど振り返らなかったが、いつの間にか大変な観客が成り行きを見守っていたらしい。あとで聞いた話だが球場の8割がフレンズを応援していたそうだ。野球に集中していて全く知らなかった。
苦しい中で最終回4:2と勝ち越したフレンズ。あとは裏を守りきるだけだ。

7回裏W
筆者は一瞬これで勝ったと思ったほどだった。試合後の談笑になるがOgasawara監督もこの時「負けた」と思ったそうだ。
しかし、百戦錬磨、僅差での勝利を真骨頂とするウルフはここからがドラマのラストシーンなんであった。まるで逆転劇を演出するために2点ビハインドに甘んじたかのように。

9番の先頭打者を四球で歩かせてしまった。筆者は思った。
....まずい。
下手すると4番までまわってしまうではないか。4番Shirotani君は前打席でヒットを放っており、鋭いバットスィングが脳裏に焼き付いている。終わってみるまで勝敗は分らないのがウルフ戦なんである。このパターンで十数年何度も苦汁を飲まされてきた。
これが杞憂に終わらなかったんである。
1番Wadaくんもデッドボールで1,2塁とし、続いてダブルスチール、WPで1得点1点差にまでなった。更に2番Ogasawaraくんの起死回生のタイムリーでSaitohくんが生還し同点。

緊迫するベンチ。筆者は試合の行方を見るためにスコアブックを投げ出したくなった。
4番Shirotaniくんまで回ってしまった。監督Satohはここで豪腕Hajimeにスイッチ。

1-3から好球必打。思い切り振り切った打球はセンターへの浅めのライナー性フライ。
センターTaichiが捕球と同時に、3塁走者Ogasawaraくんはタッチアップ、3塁ベースを蹴り果敢に離塁スタート。
バックホーム送球は逸れたものの、捕球した捕手Yuiと走者が交錯し.....。

「セーフ!」

劇的なフレンズのサヨナラ負けであった。

私は12年ぶりの宮前公式戦優勝を夢見ていた。しばらく言葉を失った。
一瞬にして悲鳴と歓声がこだまする。
子どもたちの中には何人も泣く子もいた。
母たちも相当数泣いていた。
観戦していた他チームの母ももらい泣きしていたそうだ。
周りの関係者からも、素晴らしい試合を見せてもらったと肩をたたかれた。

この涙は悲しいからではない。
悔し涙を通り越し、感動の涙であったろうと思う。
一生懸命にプレーした子らの姿に理由もなくこみ上げてくる熱い思いがあったのだろう。

時間が経つにつれ、涙はいつしか静かな歓喜に変わる。
決勝まで行った経験と実績は君たちを大きく成長させるだろう。
絶対王者相手に破れたとはいえ、準優勝という快挙を成し遂げたのだから。

冷たい涙の河を渡れ。
そこにそびえる厳しい冬山を越えろ。
その向こうには春の陽光に満ちたフィールドが君たちを待っている。


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2014年12月3日水曜日

名門VS名門

本日筆者の脳内バッテリーが僅か7%にまで激減したにもかかわらず、前回ブログに続き一気呵成に二つ目のブログを書いちゃうんである。

もうひとつの準決勝なんである。ここでの勝者とフレンズが決勝で対戦することになる。
因縁の好カード。強豪対強豪、名門対名門。しかもセレブVSセレブなチームの対戦なんである。

鷺沼ヤングホークスVS富士見台ウルフ少年野球クラブなんである。潮見台ウルフではない(^-^)
好敵手とはこのことか。近年あまりにウルフが強すぎてその陰に甘んじて来たヤングではあったが、我がフレンズも含めてその昔は互いにシノギを削った仲であった。

対するウルフ。今年の連盟主催試合の全てはおろか、その他の大会でも優勝旗を根こそぎかっさらった、グランドスラム達成のチームなんである。そこのけそこのけウルフが通る。ウルフが通ったあとにはペンペン草も生えないのだった。同時にあまりに強すぎて孤高の軍団でもある。

終盤ヤングホークスがジワリぎゅんぎゅんと猛追を開始するも僅かの点差で、ウルフには追いつかなかった。逃げ切って僅差での勝利はウルフの真骨頂なんである。
若鷹軍団はまたしても孤高の狼軍団に苦汁を飲まされたのであった。

このあと午後は劇的な幕切れとなる決勝戦。
フレンズ対ウルフの新人戦劇場が開演となるのである。
そのへんのブログはまた後日なんであった。

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2014年12月2日火曜日

「優勝」の二文字

「宮前区新人戦」予告編で周知の通り、準決勝VS馬絹メイツ戦なんである。
先攻有馬フレンズは来季のエースRui。今年すでにAチームで数十試合投げているわけで。対するメイツのエースはHazamaくんである。

1表Fの攻撃。3番Yuiのタイムリーで先制点を挙げると、続く2回にはまたしてもYuiがタイムリー3ベースヒットなどで3点を加点。

エースRuiとこれまたAで揉まれた捕手を務めるのはYui。RuiYuiコンビは来年もバッテリーを組むことになりそうだ。

新人戦はまだ本当のチームではない。さなぎが羽化したばかりのメンバーなんである。この冬をどう練習しどう成長するかで、来年のポジションだって変わって来ることもあり得る。現時点でのレギュラーはこんなオーダーであった。

対するメイツはエースHazamaくん、主将で捕手のFukahoriくんのバッテリー。
まさにプラス(+)とマイナス(-)ががっちりくっつきあって初めてバッテリーと呼べるわけである。ちなみに筆者のおんぼろバイクは先日バッテリーが上がってしまったんであった。

4表には4番にどっかり座り込んだHajimeの2点タイムリーツーベース、続くフレンズ歴はベテランShohgoのタイムリーなどで3得点。7:0の完封ペースであった。
Hajimeの未完成なバッティングを敢えて名付けるならば秘打「仁王立ち腰無回転打法」なんであった。腰がぐっと入って回転を利かすことが出来るようになれば、末恐ろしいホームランバッターになるに違いないんである。

メイツナイン奮闘するも未だ得点ならず。

今日は勝つ気満々で臨んだ新人戦。5年生が多いゆえに当然の帰結ながら、父母応援軍団も鈴なりの一塁側スタンドなんであった。

結果はそのまま7:0での完封勝利。
筆者の天の邪鬼な目線で評価したいのはこの大量得点よりも、被安打1、四死球1、無失策の成績なんであった。この時季の例年のフレンズ5年生ならば信じられない内容であった。少年野球の最低限のセオリーを堅守出来たことが嬉しい。

球場を徘徊する戦場カメラマンの筆者の琴線に触れた子がいた。
ひたむきに、ちょこちょことボールガールを務めてくれた紅一点のKurumi。
手前味噌ながら健気で愛くるしいKurumiなんであった。来年はQueensの女子友だち(フレンズ)がキミを待ってるぜっ(^-^)

いよいよ決勝へ駒を進めた。12年ぶりの「優勝」の二文字が見えてきたのだった。


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Goodby Yellow Brick Road

日曜の朝、集合場所の有馬小校門へ行った。宵っ張りの筆者にはかなりの早起きであったが、子どものいる家庭やコーチたちはもっと暗いうちからの起床だったに違いない。

皆が来るまで学校の外で待っていた。クルマが来るまで(^-^)
しんと静まり返る朝のグランド。銀杏の葉が昨晩の雨に打たれて、土色の地面を朝陽の光が黄金(こがね)色にしっとりと染めつくしていた。

この時点ではこのあとの新人戦があんな劇的な試合になるとは思ってもみなかった。良い意味でも悪い意味でも。
この日の話をブログにするには途方もないエネルギーが必要なんである。
1.準決勝フレンズVSメイツ戦。(写真100枚)
2.準決勝ヤングホークスVSウルフ戦。(写真18枚)
3.決勝フレンズVSウルフ戦。(写真95枚)
4.閉会式。(写真71枚)
5.宮前クラブ祝勝会。(写真188枚)
6.フレンズオヤジ祝勝会(写真41枚)
各フォルダの写真を合計すると513枚。
これをそれぞれの写真からベストなものを選択する作業。
更にそれを写真編集ソフトを使い合成編集する作業。
ここまで1ブログにつき通常1〜2時間。
このあと写真を見ながら記憶もたどりつつの執筆に入る。これも1〜2時間。
時々深夜「いい歳ぶっこいて俺、何やってんだろ?」と思うこともたましばあるわけで。

でもってこの日一日は濃密ないろんなことがありすぎて、いとも簡単にブログアップなんか出来ないのである。今日は「1.準決勝フレンズVSメイツ戦」も写真チョイスだけで終わってしまった。

また、今週中にはフレンズの年間成績表冊子10数ページのネット印刷に向けて、編集仕上の仕事も待っている。
幸い設計の仕事が一段落しているのと、スコア集計の実務をフレンズスコアラー部の可愛い部下たちが、ひたむきに懸命にやり遂げてくれたおかげで、どうにかパニクらずにすんでいる。
なんとか新人戦本編、クラブ祝勝会などのブログアップは近日中に。

結局、今日は読者諸賢への毎度の「言い訳」ブログになっちゃったんである。m(_ _)m

※お知らせ。
下のリンク画像なんかほとんどどーでもよくクリックしないで読み捨てる読者がほとんどだろうと思う。ブログ村ランキングサイトは日々の少年野球ブログの順位が皆さんのワンクリックで順位変動する。全国700サイト中常に1〜10位をキープしているのは皆さんのこのクリックのおかげでもある。
もうひとつは別サイトの12月限定の「エッセイブログ大賞」にも参加している。
これについてはチャンスがあればいずれ書いてみたい。みなさんが下のアルファポリス「エッセイブログ大賞」をクリックしちゃって当「晴耕雨読」に投票すると順位がアップする仕組みらしく、年末に1位になると少年野球「晴耕雨読」が一冊の本になり全国出版される可能性が発生するんである。

まあ、世の中には面白いブログいっぱいあるからね。1位大賞は絶対ないだろうけれど、奇跡的に出版されて印税がガッポリ入った暁には、宮前第一公園ドーム下に地下駐車場建設と、センターバックスクリーンに最新LEDの電工掲示板を設置しちゃうのを公約とする筆者なんである。
実現不可能なマニフェストをブチ上げて、今晩は寝ちゃうのだった。
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2014年11月28日金曜日

「新人戦劇場」予告編

宮前公式戦のベスト4に残るというだけでも、近年のフレンズにとっては恐ろしいくらいの快挙なんであった。それが来年を占う5年以下の新人戦とあっては、チーム関係者も色めき立つのは無理もない。現フレンズ親たちにとってはここ数年の念願だと思うけれど、代表や顧問や筆者のような過去の暗黒時代、低迷期を長く経験しているOBコーチにとっては、比べものにならないくらいの積年の想いがあるんである。

新人戦は所詮、新人戦である。
本番は来春からの出来不出来にかかる。

しかし、新人戦は所詮、新人戦であるが、されど新人戦でもあるわけで。
気負わずに冷静に戦えばおのずと結果はついてくるはずだ。
勝負事は驕(おご)ってはいけないのだ。
おごっても良いのは、上司が部下に、彼氏が彼女に、酒を奢(おご)るくらいのものだ。

先日この新人戦を前にiPhoneのアプリ(?)かなんかで、こんな「凄え〜」動画を作った人がいる。ヤングホークスコーチ兼QueensコーチのYamamotoさんだ。LINEのタイムラインにアップされたもの。更にYouTubeにもアップしている。本人の了承を得てフレンズLINEに載せたら大反響。即興で作ったものと思うけれど、映画の予告編になぞらえて制作したらしく、いかにも映画予告編にありがちな文言が並ぶ、オモシロ真面目動画なんである。
YouTubeからDL保存したものをここで紹介したい。
(※スマホでは見れない場合があります。PCではちゃんと見れます)
コレ(^-^)/
※YouTubeへのリンクはこちら
宮前区新人戦PV

日曜の新人戦前にここでアップ出来てよかった。
.......。
ブログ書いてたら筆者も触発されてリスペクトしちゃったんである。日曜の準決・決勝を簡単に画像にしちゃうとこうなるわけだ。
こんなんでどーでしょう。
日曜ロードショー。
日曜劇場。
日曜はいよいよ筋書きのないドラマ、「宮前新人戦劇場」の開演なんである。
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2014年11月26日水曜日

2014日本学童野球最高レベル

クライアントの要求をなんとかクリアしてほっと一息の筆者は、その勢いを借りて自分へのご褒美にiTunesへアクセス、最近J-WAVEで毎日耳タコ状態になっているテイラー・スィフトの「Shake it Off」を即買いしちゃったんであった。興味ない人でもサビ部分の「しぇきら〜♫しぇきら〜♫うおほっほ〜♫」というフレーズは少なからず耳にしているはずである。

iTunesと言えば先のiPhone6に伴ってiOSのバージョンアップが配付されて、これをアップデートすると同時にU2の最新アルバムがまるごと無料でダウンロード出来るという、前代未聞の大盤振る舞いがあったことは記憶に新しい。世界5億人にタダで最新アルバムをばらまいたようなものだ。¥2,500×5億倍のお金がタダなんである。天文学的数字すぎてピンと来ない。これにはU2に興味ないユーザーから非難が集中し不評に終わったようだが、筆者は以前からAppleとコンビを組んでいたU2が好きだったこともあり、アルバムをゲットしますます好きになってしまい、他の過去のU2のアルバムをBOOK OFFで2枚も購入してしまったんである。今や仕事中に聴くのはラジオのJ-WAVEかこのU2がヘビロテになっちゃった。

そんなことはどーでも良いことだった。
少年野球のことである。それも日本での小学生野球のおそらく最高レベルの話であった。
毎年プロ12球団が結成するジュニアチームが年末に全国大会を開催する。日本野球機構主催の小学生にとっては垂涎の的の大会であり、どのチームに所属してもそれはとても名誉で誇らしいことに違いない。野球人口の底辺を広げようとジュニア大会に協賛したり主催したりと努力を惜しまないプロ球団各社は、我々のような少年野球指導者の立場には頼もしい限りだ。その延長線上にあるのが女子学童野球「宮前Queens」の存在でもある。

中でも巨人軍の傘下にあるジャイアンツアカデミーは小学生を対象にした常設の最強野球教室みたいなもの。ここに所属している子に加えて、東京川崎の各連盟から推薦された選手100人以上の応募を元に2回のセレクション通過したのが、精鋭18名の「ジャイアンツJr」チームなんである。
このチームが福岡へ行く前に行われた連合宮前クラブとの壮行試合(練習試合)が、今回のお話なんであった。

ジャイアンツJr監督は2012,2013年2連覇を達成している元巨人軍の往年の名ショート、河埜(こうの)さんである。巨人の一時代を築いた選手であった。試合前はにこやかにいろんな人と談笑、偉ぶるところがなく連盟関係者たちと明るく振舞っていた。
毎年この壮行試合を陰になり日向になり仕組んで演出し仕切っているのは、連盟副会長のご存知Kasaharaさんである。総合プロデューサーとでも言えばいいだろうか(^-^)氏は読売巨人軍との付き合いも長く、東京ドームでのジャビットカップの仕切なんぞもやっちゃったりするんであった。

G.Jrには宮前から3名がセレクトに残った。Kippei、Nonta、Soraである。これは大快挙なんであった。今日は気遣っていただいたのか、この3名が野球の重要ないわゆる「センターライン」...捕手・投手・中堅手に抜擢されて先発出場。

対するMクラブナインはこの主力3人を除いてのスタメン組み。本田や香川岡崎などの日本人選手擁するイタリア、スペイン、イギリス、ドイツのスタープレイヤー欧州連合チームとアギーレJAPANが対戦するようなものである。
マツイJAPANを率いるは連合監督の経験豊富な名将Matsuiさん。フレンズからはHiroがここぞの一発を期待され(?)4番に座った。数々の大事な場面でちゃんと4番の仕事を残して来たのだったが。
が....、従順な飼い犬のようにHiroのバットは最後までうんともすんとも言わずワンともキャンとも吠えずに打席を降りることになる。

1回表はG.Jrは2三振含む凡退。MのマウンドはTakaya。
裏の宮前の攻撃では普段チームメートのGの投手Kippeiの豪速球が唸る、唸る。同じ唸り声でもラブラドールレトリーバーのそれではなく、シェパードのような唸りである。球の走りにキレがある。
2回G.Kanaiくんに綺麗なセンター前安打を許し3盗後タッチアップから1失点、しかし後続を断ち1:0。写真G投手は2番手のKasaくん。こちらも素晴らしいピッチングでMをキリキリ舞いに。

2回裏Kippeiの投球が冴えてくる。2アウト後に打者を三振に切ってとると、ここからが圧巻の奪三振ショーの開幕だった。3回裏の先頭打者をまた三振にとると、6回までなんと11連続三振、たった二つの内野凡打を挟んで、7回終了時まで三振の数は計14個。主力を欠いたとはいえ川崎No.1の栄冠を手にした名門宮前クラブ相手にである。

逆にGナイン打線は1番から9番まで全員がホームランバッターのような打球を放つ。基本のセンター返しはもとより、打球が小学生とは思えないようなスピードで弾道を描いていく。MatsuiさんがG.Jrとやるのは「中学生チームとやるようなもの」と言っていたが、筆者には小さな高校球児に思えてきた。中堅どころの中学部活チームとならば勝算十分と言えるかもしれない。2,5,6回に1点ずつ、7回には一挙4得点のGジュニアなんであった。
7:0のGの完封。1失策による出塁によって完全試合こそならなかったが、圧倒的な実力なんであった。
審判は主審は部長のKosakaさん、セカンド塁審は神奈川県連のUchimuraさんなど、審判も豪華メンバー。
さてこんな新兵器が登場したんである。手元のスイッチでSBOのボールカウントを電光掲示するLEDマシンである。構想10年、巨額の材料費を投じて東奔西走、製作期間はたったの3日で作り上げたものだ。篤志家製作による素晴らしいマシンなんである。
試合には連盟HPの宣伝もあってか多くのチームから観戦客が詰めかけた。
連動して丘の上の記者席にはマスコミ各社のビデオカメラの放列。ワカリマスネ(^-^)

宮前ベンチでは圧倒的な差に、勝ち負けよりもすでに野球を楽しもうとする空気感があった。ひとつ言い訳をすれば、宮前連合6年はすでに活動を終えてちょっと気が抜けた状態にあったかもしれない。対してGの選手たちはこれからが本番、しかも熾烈なレギュラー争いだってあるからここでアピールしたいところだろう。そんな差もあったかもしれないけれど。

楽しいお昼なんである。弁当を頬張りながら両軍談笑のひと時。毎年フレンズ卒部式の色紙に貼るためのコーチ写真。フレンズコーチの中で筆者のだけがない。そりゃそーだ。いつも人を撮ってばかりで自分の写真はない。急ぎOhmori母に頼み、Sohma会長とのツーショットと相成ったわけで。

2試合目も素晴らしい野球を魅せてくれたジャイアンツjrナイン。
宮前の先発マウンドはさっきまでGで奪三振ショーを見せたKippeiがこちらに戻り、また速球が走る。このあとMクラブは3人の投手リレー。

Gはやはり圧巻であった。途中から東京から遅れて参加した選手も加わり、更に選手層が厚くなり打ちに打ちまくった。Nontaはショート、Soraはまた先発でマスクをかぶる。
3回には6連打で5点、5回には途中からマスクをかぶったIshikuraくんのツーランホームラン。この子が普段ランドセルを背負ってるなんて世の中どーかしてるぜっ。しかも超イケメン小学生である。そこいらのジャニーズタレントなんかぶっ飛ぶようなイイ男であった。午後の2試合目は12:0のまた完封勝ちのG。宮前は3塁まで走者を進めるも得点ならず、Yuusukeの内野安打1本のみの完敗。
終始Gの河埜監督はにこやかに采配を振るっていた。



夕刻からはGスタッフ+親と連盟関係者との懇親会。Kasahara副会長がジョーダン半分で筆者を連盟広報部長と任命したため、筆者も取材することになった。(連盟にもフレンズにも広報部長という正式な役職はない。シニアになると多くあるようだが)

宮前から選出の3選手の父が挨拶。みな良い顔をしている。
どんなメシを食わせればあんな素晴らしい子たちに育つのだろうと思ってしまう。朝・昼・晩と、フォアグラ・キャビア・トリュフでも食べているんであろうか(^-^)

G.Jrの若いスタッフからも挨拶があった。皆昔ながらの朴訥なスポーツマンとは裏腹に、話術がうまく物怖じしない明るい青年たちであった。名門高校野球で名を馳せた青年もいた。

さてこの会場はQueens夜の部室でもある。別室では2015年指導体制へ向けたQueensコーチ会議が開催されていたんである。終わったらこっち来ようっと。
その中へ河埜監督が乱入し野球指導談義に花が咲く。熱く語る河埜さん、しんと聞き入るQの面々。河埜さん退室のあとはまた真剣に会議を再開するQueensの男どもなんであった。

いやはや何しろ良いものを見せてもらった壮行試合であった。
G.Jr代表兼巨人軍振興部長の鈴木さんや河埜さんにも酔った勢いで、福岡ドームへ広報従軍記者として同行してねとお誘いを受けたが、先立つモノと時間のない筆者には福岡の中州は遠い夢の彼方なんであった。

是非年末の「NPB12球団ジュニアトーナメント」での健闘を祈りたい(^-^)/
そこでは名実共に日本の学童野球の最高レベルの試合が展開されるはずだ。

2014エネオスカップ(NPB公式HP)
ジャイアンツジュニア公式HP
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