2016年11月12日土曜日

秋は十人十色

今日土曜日は珍しく終日フリーで、Queensへちょっとした所用もあって第四公園ドームへ行ったのであった。リトルグリーンズとの練習試合である。しかしQは高学年姫たちはこぞって学校行事などで参戦できず、多くの主力を欠いての対戦であった。この日は宮前、いや全国的にナニかと学校イベントが多い時季なのだろう。ゲージュツの秋なんである。
リトグリとQueensHinataの投手姿を活写すると、偶然全く同じフォームの瞬間を捉えちゃった。左足が地面に着くか着かぬかの瞬間。

このところQには新入部員が何人か。筆者はYamaguchiマネージャーからの連絡網で「新しい仲間」の入部を知るのだけれど、実際本人たちを見るのにはタイムラグがあって、久しぶりに行くと「あれ?またQ姫が増えてるぞ」となるんである。嬉しいことについ先日も体験入部してくれた子がいる。なんと横浜市鶴見区からである。野球経験ありでいきなり試合にも抜擢なんであった。すごく上手いとコーチたちの評判は上々。

リトグリの活写。ちなみに宮前ではリトルグリーンズの略称というか愛称は、他チームは「リトグリ」と言うけれど、リトルグリーンズは自分たちのことを「グリーンズ」と言うのである。


マウンドはAkaneにスイッチ。Hinataと風貌が良く似てるので間違えちゃうこともある。


超満員の外野席をライトからレフト方向へ彷徨。(なんちって)
レフトのAohaは上空を横切るヘリコプターの爆音が気になって仕方ない様子だった。

Queensはすでに来期体制に入っている。30番監督は会長、代表の説得によりKoshimizuさんの続投が決定。28番長嶋茂雄...じゃなかったKurashigeさんも留任。加えて29番コーチはOBNoeri父Satohさんが就任となった。野球のユニフォームに腕を通すのは小学生の時以来とのこと。今季の29Imanishiさんは2020年東京五輪に向けてP社の仕事が忙しいらしいのだった。Imanishimさんは今季でユニフォームを脱いだ。これからは東京五輪のためにひと肌脱いでほしい。


来期を見据えるKoshimizu監督。小説「月に雨降る」にも登場する晴海の新店舗「輿」(こし)も無事オープンした。なかなかの盛況らしい。(※小説中では「輿路」である。店内の描写は筆者の全くの空想である)こちらも東京五輪の2020年には外国人観光客で超繁盛するに違いない。
外野席を埋め尽くした樹々の葉っぱたちは、秋の日差しに思い思いの色にようやく色づきはじめたのだった。

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2016年11月10日木曜日

小説「月に雨降る」30

まだ客のいないバーで三人が親密に談笑していると、店内に流れていたBGMがやっとエルトン・ジョンから、ビートルズに変わった。しばらくして流れてきたのは、アルバム「ラバーソウル」に収録されているバージョンのジョン・レノンが歌った「ノルウェイの森」だった。真壁と恭子が熱心に何かの話題に夢中になっているのを尻目に、龍一は少しずつ「ノルウェイの森」の世界に深海探索機みたいにゆっくり沈んで行った。刹那的なひと晩の蜜月のあと、翌朝女の子は部屋を出て行った、というような掴み所のないもやもやした感触の残る、けれどどういうわけか妙に脳裏に焼き付けられるシンプルなスローバラードだった。龍一は高校時代にCDが擦り切れるほど聴いたものだった。人によって解釈は違うのだろうが、龍一にとっては近くに迫った世界の終末を、遠雷を聞くような感覚で聴かせるアンニュイで不思議なメロディーと詩だった。更に昔から傾倒している村上春樹の小説「ノルウェイの森」のことにも思いが及び、夜の海に浮かぶ光るクラゲのように心はゆらゆらと泳いで行った。
手にしたグラスの角の丸くなった氷をゆっくり回していると、次第に希伊のことが頭に浮かんでは消えた。日曜の雨が降る朝に彼女は姿を消した。あの時の記憶だけはいまだに鮮明に龍一の胸に刻まれている。およそ15年も経てば記憶は風化し、そこかしこに経年劣化の錆が浮いているものだが、希伊のことはどうしても忘れられなかった。
相変わらず真壁と恭子は楽し気に何かの話に静かに盛り上がっていた。珍しく真壁が笑っている。恭子も楽しそうだった。それをいいことに龍一はまた過去の記憶の坂道をゆっくりと下って行った。希伊と過ごした記憶の坂道の途中にあったのは、一緒に暮らすようになって間もなくふたりで金沢へ旅行したことだった。記憶は二人が二十二、三歳の頃まで遡っていく。

「ねえ、リュウ。突然なのは十分分かってるけどさ、明日金沢に遊びに行かない?」
「えっ、なんだよ突然。金沢?」
「そう、金沢」
「なんでまた金沢なんだよ」
「なんか知らないけど金沢なんだよ」
「俺も一度行ってみたいと思っていた所のひとつが金沢だけどさ」
「わたしはもう一度行ってみたいところが金沢なの」
「へえ、以前に一度行ったことがあるんだ、希伊は」
「う~ん。行ったと言うか、いた、と言うべきか。わたしにもよく分からないけど、とにかく金沢に行ってみたいの」
その頃はまだ希伊の口から自身の出自のことはもちろん聞かされていなかったから、金沢と言われてもピンと来なかったのだった。
「まあ、なんかよく分からないけど、明日から土日休みだし、資金も多少ならあるし、このところ二人でどこにも遊びに行ってないからな。しかし急だなあ。明日神宮へプロ野球観に行こうくらいの軽いノリで簡単に言ってくれるよねえ。さてどうしたものかなあ」
と逡巡していると、希伊は龍一の言葉を最後まで聞かずに、もうJRの時刻表を捜しに本棚に向かっていた。人は肯定的要素がいくつも存在し、反して否定的要素が皆無の場合はそれを実行に移す生き物だ。あとは実行力があるかないかだけの差だ。こんな時は龍一よりも希伊のほうが圧倒的に行動力があった。にこにこしながら時刻表と格闘する希伊がまた可愛いと思う龍一だった。


翌朝の土曜は春爛漫のうららかな日和だった。東京駅からJRで富山を経由して石川県金沢市に着いた。まだ北陸新幹線のなかった時代だ。駅を出ると近くのレストランで昼食をとり、バスで金沢城公園へ向かった。すでに天守閣はなく中央を南北に縦断する道をゆっくり希伊と歩いた。公園を抜けて通りを渡ると兼六園だ。龍一は昔から日本庭園が好きだった。兼六園は初冬の頃の雪囲いが有名だがこの時季の陽春の散歩も格別だった。希伊と取りとめもない話をしながらのんびり庭園を散歩するのは、この上もない極上の幸せに思えた。それを希伊に伝えると彼女もまたにっこりとして、無言で強く腕を絡ませてきたのだった。
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2016年11月8日火曜日

グランド固有の印象風景

2016年新人戦開幕なんである。開会式後、第一公園をあとにする前に始球式を活写。試合は鷺沼ヤングホークスVS有馬子ども会であった。
ヤングのシートノックはIshikuraヘッドコーチ。

始球式は本大会の協賛社である東栄タクシーの真田さん。長身から繰り出す投球はまるで往年の金田を彷彿とさせるではないか。捕手は甲子園に三度も出場した南野川ブルーアローズのOB選手。

ヤングとアリコの写真を数枚。

QueensのAyakaは先発ライト。

アリコベンチ。

アリコ母たちが電線で羽を休めるスズメのように、ベンチ後ろの土留めのコンクリートベンチに連なっていた。結構な大人数である。

さて筆者は最近めっぽう体調の悪い牝馬(原動機付き自転車)を駆って、南部リーグBの試合のために鷺沼小ドームへ。高速運転がちょっと長引くとマフラーから白煙がもうもうと出ちゃうんである。オイルは替えたばかり。シリンダーのピストン運動に摩擦熱が過剰になっているのだろうか。過剰なピストン運動だなんて...もう若くはないのに....おっと、失礼しやした。誤解してはいけない。あくまでも古いバイクのエンジンの話なんであるからして。

形式上は南部リーグAの試合であったが、ヤングは新人戦のカラミがあって、実質上小さい子たちの来年のBチーム構成なんであった。実に可愛い選手ばかり。フレンズは6年以下の構成ゆえ勝敗がどうのこうのの試合ではない。お互い楽しく勉強と経験になるゲームが出来れば良いではないか。
ヤングBの監督は老練の闘将Sashikiさん。スコアラーはQueensでもお馴染み美人スコアラーのKitamatsu母。Kitamatsuオヤジもカープの若い頃の黒田似のイケメンである。

ちっちゃい子の投げる球ゆえにFは打ちまくる。ってゆーか打たせてもらった。
スーパー3年生のAkiは長打を放つ。すでに資質は昨年の兄のHajimeを凌駕している。

ヤングを活写。ライトくんは一挙手一投足がなんとも可愛らしい。

QueensのKuuことKurenaがサードから途中ピッチャーに。
あのKuuがピッチャーなんである。ついこの間までお母さんの長い脚にくねくねまとわりついていたあのKuuが。光陰矢の如し。同時に己が年を取ったことを痛感。Murata代表も同感なはずである。FのQueensOB、あのHarukaが社会人になったことに感慨深げであった。


こっちの3年フレンズ美人姫もお忘れなく。

ところでこの鷺沼ドーム。このグランドに来たアウェイチームならば誰しも印象に残る風景がある。遠征に来たチームはこの鷺小名物赤い鉄パイプトンネルの障害物を避けてグランドインするのだった。ミニ雲梯(うんてい)なんだろうか。小さい子らは、おしなべて、この中を嬉しそうにくぐり抜けるんであった。
どの小学校のグランドにも印象的な風景というものがあるんである。

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