幼い頃初めて聞いたコトバに、大きくなるまでずっと誤った解釈をしていた、という経験をお持ちの読者諸氏は多いのではないだろうか。例えば、童謡の
「うさぎ、追いし、かの山〜♪」を「うさぎ、美味しい」と、ウサギとは食べたらそんなにうまいものなのかと思ってみたり。
「思い込んだら試練の道を〜♪」は名曲アニメ巨人の星の歌い出し。これを「重いコンダラ」と、飛雄馬が腰にくくり付けたあの重そうなタイヤのことを「コンダラ」と考えてみたり。
「汚職事件」を「お食事券」と思っていて中学生になってやっと真実に気づいたり。
「台風一過」を「台風一家」と、もの凄いパワフルな家族だと思ってみたり。
今日の台風は久々に自然の驚異を感じた。全国で深刻な被害が出たり、死傷者もでているので軽はずみなことは書けないけれど、宇宙の中の地球という生きた惑星に、自分は今いるのだということを如実に感じさせてくれるわけで、筆者は悪天候を見るのが大好きだ。戦争という名の人殺しは大嫌いだけれど、ジェット戦闘機の飛行を見るのは大好きみたいなものか。
朝、iPhoneにメールが届く。予想どうりフレンズからだった。
「本日は荒天につき練習試合および練習は中止とします」
漢字を目で追っていると「荒天」は「こうてん」であって何ら問題はないのだけれど、頭の中でつい、音(おん)で「こうてん」と言えば普通は「好天」を連想しちゃうんであった。
同じ「こうてん」でも「荒天」と「好天」で全く相反する意味になっちゃうのだから、日本語は面白い。外国人にとっては「ニホンゴ、ムズカシイ、デスネ」となるのも頷ける。
夕方仕事の見切りが付き始めた頃、ふと窓の外の東に目を向けるとこんな妙な色合いの空が目に入った。
いかにも台風一過の妙な雲模様と暗いピンクの滲んだ色味。これはNikonP100で撮ったものだけれど、ほぼ同時刻に今度は反対側のベランダから西の空を撮ってみた。こちらはiPhoneで撮ったのだけれど、濃い碧(あお)から夕日を反射してピンク色に照り返る雲、更に金色に輝く日没直後の地平線。このコントラストは絶妙であった。
「荒天」がいつのまに「好転」して「好天」に変わった瞬間を見た気がした(^-^)
明日は台風一過、晴天なのだそうだ。
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