2014年10月20日月曜日

メイとアン(明と暗)

宮前Queens奇跡の大逆転勝利なんである。
冒頭からいきなり結果を知らせるなんて、まるでワイルドピッチのようなもの。冒頭から暴投.....なんつって。
川崎市少年野球連盟秋季大会「ジュニアシスターズ大会」の開幕だ。市内の数球場に分かれて熱戦が繰り広げられている、そのうちの女子野球大会である。規定により「宮前Queens」という単独チームとしての名称が使えないため、毎年「宮前スマイリーズ」というチーム名称で臨む大会なのだが、この少年少女野球「晴耕雨読」的には文中ではQueensを採用したい。
対戦相手は今のQueensにとっては格上とも言えるチーム、強豪「多摩ウィンドフラワーズ」いよいよプレイボール!

初回表宮前Qの攻撃ではいきなりの打棒を振るい、一気に4得点の快挙。多摩Wのナイン守備にも緊張の色がうかがえたから、4失点も無理のないところか。大いに湧き上がるQナインとベンチ、父母応援団席。打席の向こうの三塁に常に走者を控えてるアングルで撮ってみちゃったんである。こんなシーンが永遠に続けばいいと思ってしまうのは、攻める側の贅沢な夢。反して相手軍にとっては早く覚めてくれとおもう悪夢。筆者、有馬フレンズではこの悪夢のほうを何度も見続けてきた。夢見心地の経験も少なくないけれど。

また、隣りの球場では同じ宮前勢である5年連合チーム、Abe監督率いる「宮前クラブJr」も初戦に臨んでいたのであった。試合前ベンチスタッフに挨拶。Yamamotoコーチに「たまにはこっちにも来て下さいよ〜」と言われた。今日はQとこちらと両方を行ったり来たりになるんである。
おっといけねえ。球場の説明を忘れていた。ここは東京神奈川間の多摩川を挟んで川崎市側にある少年野球専用球場。川沿いにいくつもの球場があり、大人用、中学シニア用とさまざまだ。おそらく全国の都市部の主な河川敷にも同じような球場があるはず。東京世田谷区二子玉川サイドには、東急電鉄がらみによる大規模都市再開発事業の高層マンション群が林立している。
昨年の同時期のブログでは、このマンションにSohma宮前連盟会長がどっかりと腰を下ろし試合を睥睨していたのだったが、今日(10/18)は会長は宮崎第一公園ドームの本部席にいる。しかも徹夜明けなんであった。
しかしこの人がいたんである。隣りの宮前クラブJrのベンチ、応援席の面々全員が高層ビルの屋上を見上げて驚く。「アレはなんだっ!?」

Queensをこよなく愛する会長は不在であったが、代わりにこの人がビルの屋上にどっかりと試合を見据えていたんであった。
「おーい、Suna〜!しっかり投げろよ〜」とマウンドのSunaの声を掛けていたんである。連盟副会長兼Qの代表Kasaharaさんであった。

さて試合である。
初回に4点とったものの、その後2回に1点を返されて更に3回には大量6失点のQueens。7:4に逆転さる。4回にもほぼダメ押しかと思われる2失点で9:4の5点差まで点差は広がった。
奇しくも先発マウンドは両チームとも美少女対決なんである。QはエースSuna。今年になってぐんぐん成長した選手である。

筆者はバックネット周辺を中心に外野からもシャッターを切ることを心がけている。このアングルからのショットは、通常の応援席にいる父母たちにはなかなか見れない我が子の姿を見られるだろうからだ。子の打席をセンター外野から撮るのは、一眼レフとごつい望遠レンズを持っているよほどのカメラマニアの親に違いない。
外野のフェンス外側には鬱蒼とした茂みがあって、思わぬちいさい命の姿を垣間見ることがある。苦戦を強いられているQ姫やベンチスタッフを尻目に、一匹の蝶がちゅるちゅると花の蜜を吸うことに余念がなかった。

転じてクラブJrである。
こちらは初回無得点のあと相手チーム小杉オールスターズに1,2回に3点2点と畳み込まれて5:0。形勢はかなり不利な状況であった。ベンチスタッフの表情には苦悶の色が滲む。

筆者は蝶のようにあっちこっちと飛び回る。再びQueens会場に舞い戻るわけで。
ビッグイニングなんであった。5点差で迎えた最終回、再びQueensに野球の女神が微笑んだのであった。一気呵成、猛攻爆裂、気がつけば5点差をプラマイゼロまで埋める5得点。
なんと最終回に同点に追いつき9:9のイーブンに持ち込んだ。
とうとういわゆる「特別延長戦」に突入である。同点5点目のホームを踏んだ瞬間はQベンチ、親たちは欣喜雀躍(きんきじゃくやく)であった。

蝶の羽がはえた筆者はまたクラブJrへヒラヒラと。
どうにも打てない点が取れない、いわゆる「ゼロ行進」であった。3回は無失点に抑えたものの、4回裏には更に3失点を喫し8:0のビハインド。子どもたちは一生懸命戦った。監督ベンチスタッフも与えられた条件の中死力を尽くしベストを尽くした。父母たちも声を限りに応援した。しかし結果は....そのまま完封負けの苦汁を飲んだのであった。
もしかすると筆者のような輩(やから)がこのような負け試合を記事にすることを、快く思わない親もいるかもしれない。毎年この連合チームに賭けているAbe監督には断腸の思いがあったろうとも推察し、筆者とて同じ気持ちなんである。
しかし子どもたちはよく頑張ったと言ってやりたい。この悔しさを来年の6年生になった時の糧にすればいい。キミたちにはまだ1年間あるではないか。
「宮前魂」を忘れるな。


特別延長戦とはやっかいなものだ。無死走者満塁からの試合開始。地域によってはワンアウトから始めることもある。権謀術数のうごめく通常の野球試合とは裏腹に、特殊な空気感の中で一気に試合が決まることもあれば、拮抗しすぎて互いにゼロ行進のまま、最後はやむなくジャンケンで勝敗を決めるという惨(むご)い選択肢を選ばざるを得ないこともある。
Queens姫は躍動した。表の攻撃で1,2点しか取れない時はその裏が非常に厳しい守備になる。反してそれ以上の得点をものにした場合は、よし、裏は守って勝つぞという気概が生まれる。Qはこれであったに違いない。特別延長表Qは6点をもぎ取ったんであった。
その裏同じく無死走者満塁の同条件でのSunaはよく頑張った。仲間の守備にも助けられて僅か1失点。結果は15:10の勝利。最終回に同点に追いついた姫たちの勢いが勝った結果と言えるだろうか。

我々オヤジどもはこんな場面やゲームは幾度も見て来た。(上から目線でごめんなさい)
Queensの母たちは感極まって何人もが号泣していた。筆者でさえ昨年の同じここ河川敷でのMisakiの涙の本塁帰還のシーンなどを想いだして、少しうるっときちゃったくらいである。今年の主将Fuukoはどんな試合でも誰よりも大きな声を出し、誰よりもいつも笑顔を忘れず、誰よりもチームを牽引してきた子だ。そのFuuko母はもう涙声で今日来れなかったOzawa父に電話で報告していた。
負けて下を向くよりも勝って感涙を流すことがどれほど素敵なことか。
勝っても負けても、明日に繋がる涙を流せることがいい。

この日は(10/18)午後からは満を持して宮前ヤンキースJrの登場であった。
更に翌日は(10/19これを書いてる日)Queensの2回戦の試合が展開したんである。
明日から仕事が忙しくなるため、このへんの記事は多少アップが遅れてしまうこと必至。
長い目でおつきあい下さいませ、なんである。「髪は長〜い友だち」と言うではないか。筆者の髪はいつの間にか友だち絶交しちゃっていなくなってしまったけれど。

※尚、どーしても観たいと思う読者諸兄には朗報。前回ブログで紹介した「OM Pictures」さんがすでにヤンキースJrの映像をすでにアップしている。この「晴耕雨読」左側のリンクをクリックで観られるんである(^-^)/
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