2016年6月2日木曜日

返還と奪取

本日、前監督Satohくんから吉報が届いた。フレンズLINEにアップされた文言はこうだった。

『昨年の有馬フレンズの活躍に伴いまして、[平成27年度川崎市スポーツ協会・奨励チーム]として表彰されることになりました。

川崎市のスポーツ協会表彰規定に基づき決定致しました。』

つまりは昨年の偉業に対して表彰してもらえるとのこと。我がチームながら、改めて昨年のフレンズに感謝なんである。

更にこれは昨年から巷間(こうかん)まことしやかに囁かれたことではあるけれど、今年は数々の返還行脚(あんぎゃ)が待っているんであった。
東有馬のNakamura副事務の会社に保管されている、昨年のトロフィーや楯を愛おしく抱える、NakamuraオヤジとToyodaオヤジ。

これをいつかまたフレンズが奪取したいものだ。
もしそれが叶わぬものならば、せめて宮前勢に持ち帰ってもらいたい。
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2016年6月1日水曜日

小説「月に降る雨」4-A

龍一が中野坂上のアパートに越したのをきっかけに、まるで吸い寄せられるように希伊はここで同棲することになった。ある日曜日の午後突然引っ越し業者がやって来て、決して多くはない荷物を部屋に運び込むのを唖然と見ていると、ほどなくしてショートカットの髪を汗で額に張り付かせた希伊がにっこり笑いながら言った。
「来ちゃったよ」
龍一はびっくりしながらも、この瞬間を楽しんでいる自分を発見した。可愛い猫が背後の高い棚から突然肩に飛び降りてきたように。そっか、今日から希伊と一緒に暮らすんだ。悪くない。
「それにしてもいきなりすぎじゃんよ。前もって連絡くれればいいのに」
「ほう、前もって連絡してたらどうしてた、リュウ?公衆電話代がもったいないじゃん」下から上目遣いで見上げる希伊のいたずらっぽい目に若干うろたえながら
「前もって連絡くれてたら....んまあ、変わんないか」と言って希伊を見ると、彼女はすでに業者へ向かって勝手知ったる狭い部屋に、あれを置いてこれを運んでと指示を飛ばしていた。「聞いてねえのかよ」
そんなある五月の晴れた日曜から二人の同棲は始まったのだった。

いろんなところへ行った。場所はどうでも良かった。近くの公園だったり遊園地だったり神宮での野球観戦だったり。時には金沢へ二泊三日の遠征に出かけたりもした。また時には部屋を一歩も出ず、一日中裸で抱き合ったり。二人の心と躯の距離は以前にもまして縮まり、熱したフライパンにバターをふた切れ落としたように、熱く解け合うような濃密なな一年間が過ぎた。ときどき激しく口喧嘩をしたこともあったが、互いに心が離れることは決してなく、このままずっとこの暮らしを続けたいと思うようになった。
その間、龍一も希伊もバイトを懸命に続けた。すでに店では二人の仲を知らぬ者はいなかった。皆に愛され祝福されていた。店長に至っては、きみたち結婚するときは俺に仲人やらせろよ、と強要するくらいに。「俺が今独身でカミさんと出会ってなくて子ども四人もいなかったなら、絶対きいちゃんにプロポーズしてるんだがな」と、九十キロの体躯をわっさわさ揺らして言った。破顔一笑龍一は希伊を振り返った。
「希伊、どうする?」にこにこしながら希伊が返す。
「店長。お言葉は嬉しいんですが、絶対無理っす」
「おいおい絶対はねえだろう、絶対は」
バイト仲間同士でも池袋の店が終わったあと新宿歌舞伎町まで行き、何度か朝まで飲んだこともある。「自分もいつかリュウさんときいさんみたいなカップルになりたいっす」と、今年専門学校二年生のバイト後輩に言われたこともあった。
「ダメダメ。おまえはちゃんと学校出て、ちゃんと就職してちゃんとした社会人になってから。俺みたいなバイトの不安定な立ち位置じゃあ、結婚なんて無理だぜ」
「いやいや、結婚なんて言ってないっすよ。彼女を作るならきいさんみたいな人がいいかなあって」
そうか、俺、結婚のことまで希伊とのことを考えているのだなと、はからずも思い知らされた龍一だった。今までも考えなかったわけではない。しかし、バイトの身ではどこかの会社の社員になって安定した生活を保証されている者に比べたら、まだまだ無理だと思っていた。その時ふと龍一は思った。『まだまだ...?』まだって、じゃあいつまで?龍一の胸の奥にぽっと熱い炎が灯った。希伊との今の暮らしのことばかりしか頭になくて、今日よりも明日のことに思いが至らなかった自分を恥じた。
「神島さん、何難しい顔してんすか。希伊さん、俺、なんか怒らせちゃったかな」
希伊はビールのお代わりを店員に頼んでから
「気にしない気にしない。リュウがこういう時って、なんか別のことに頭が飛んでる証拠なのよ」
後輩と希伊のその会話すら聞こえていない龍一だった。

翌日曜にコンビニへ行き履歴書を買った。消費税が3%から5%に上がっていた。その足で丸ノ内線で新宿まで出向き履歴書用の写真も撮ってきた。新宿西口は立錐(りっすい)の余地もないほど超高層ビルが林立していた。ビルの隙間から見上げる四角い空は、都会にしては珍しいほどの雲ひとつない紺碧だった。この年の十一月にサッカー日本代表がアジア最終予選で、悲願のワールドカップ・フランス大会初出場を決めることになる。
そんな1997年だった。

.....................

今日やっと分かったんである、ポチクリが少ない理由が。PCならば記事の下に「いいね」的なボタンがあるのだけれど。最近はスマホで見る人が圧倒的に多い。スマホではこのボタンが表示されないんであった。画面最下部の「ウェブバージョンに切り替える」にすれば、PCで見るのと同じ画面に変わる。そこの下にひっそりとポチクリボタンがあるのだが...。

次回は「小説4ーB」
こういう余計なあとがきは無しで掲載しちゃう。
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2016年5月31日火曜日

風を切る喜び

万年人手不足に悩む田舎の繁忙期の農家のように、少年野球チームにおいても部員不足は深刻な悩みなんである。フレンズにおいてはもう何年になるだろうか、ほぼ慢性化しちゃっている。そんな中、昨年の全国まで行った成績は、強豪マンモスチームのそれと違い大快挙と言っても過言ではない。しかし人数不足はチームによってまちまちではある。Queensは毎年少人数、ヤングホークスも徐々に減りつつあり、先日Kurosu監督のボヤキにも一段と拍車がかかっていた。また記憶に新しいのは神木マーキュリーズの人数激減による休部。今年満を持して復活したことは、本当におめでとうと、申し上げたい。片やいつも大人数を抱えるチームも存在するわけで。野球人気とサッカー人気の上下動で少年野球人口が左右されることは、よく喧伝(けんでん)されること。でもたとえ野球人気が下火の時代であっても、東京あたりは1チーム内で各学年で一個のチームを作っちゃうくらいな地域もあるんである。

さて、そんな時どのチームでもやるのが「体験会」である。今回は西有馬小で開催。Nakamura副事務局の努力には全く頭が下がる。今年2月に開催した時の反省点や改良点を見いだし、チーム全体に投げかけ討論し、チラシを配り(父母で)今回の開催までこぎつけたんであった。子どもの人数確保は日々の活動をやる上では危機感がなくて、今ひとつ本気になれないものであろう。しかし中長期的展望とリスクマネジメントを掛け合わせた時に、にわかに喫緊(きっきん)の課題であることに気がつかねばならない。昨年の春県大会優勝でお祭り騒ぎだったフレンズの中で、筆者は密かに人数が激減する来年のことに思いを馳せ、憂いていたんであった。そもそも野球人気以前に、地域の子どもの数自体のパイが小さいので、憂いにも勢いがついてしまうというものだ。

学校に行くと昨年勢いで作ったチームのノボリが翻っていた。実に懐かしいし誇らしい気分にもなる。良いアイディアだと思った。Shohtaが持っているバットは爪楊枝ではない。超小型の金属バットなんである。世の中にこんなちっちゃい金属バットが存在するとは思わなかった。

西有馬から5人来てくれたんである(来ていただいた)。これだけでもものすごくありがたし。チームメンバー、監督コーチ、代表から挨拶。更に来てくれた5名からも自己紹介。最初は親御さんもちょっと緊張ぎみだった。
(※お断り。まだフレンズの一員ではないのに、勝手に写真を掲載することをお許しくだされまし)


ランニング、準備運動、キャッチボールは低学年の子らと一緒に。
ティーバッティングは初心者には最もわくわくするイベントであろうか。みんな結構うまくミートしていた。そのたびにフレンズ母から拍手喝采なんである。

前回の反省を踏まえて、今回は監督コーチ自ら基本を伝授。本来なら練習なので練習着になっても良いのだが、そこを敢えて選手や監督にユニフォームを着てもらい実行したんである。

今度は打ったら走る。何しろ走る。走ることは全てのスポーツの原点である。大空のもと走ることの楽しさ、風の匂いを感じ取り、風が頬を打ち、風を切る喜びを感じてもらえたら体験会は83%成功したようなものだ。

最後はAチームの子らを呼び寄せて試合前のシートノックを披露。こんなに凄いプレイヤーになれちゃうんだぞ、と思ってもらいたくて。模範演技的なつもりで提案したのだったけれど、ヤツらポロポロしちゃってからに、全然模範になってなかったわいな(^-^)それでも投げるボールスピードは圧倒的に速く、見学した子らは目を丸くしていた。しめしめ、なんである。
後日談ではかなり好評を博したようである。筆者の目からみても体験会の子どもたちは目が生き生きしていたように思うんである。


写真的蛇足的景品的オマケなんである。
これはオレンジボール。
いわばミカンだ。

んでもって、これは...。
夏ミカンなんであった。

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息子からの手紙

うっかり八兵衛なんであった。
歳を重ねるごとに自分の誕生日なんか失念してしまうものなんである。昨日まで、今日5月30日が筆者の誕生日だったことを忘れていた。うっかり八兵衛にもほどがあるってもんだ。それだけ自分に対して興味がなくなったということだろうか。「自分はいったい何者で、どこから来てどこへ行くのだ」という青臭い哲学的命題に、この年齢になっても悶々とした日々を過ごしているのに、これはいったいどうしたことだろう。

自分のわずかな経験と過去と現在の交友関係を基本食材にして、あらん限りの調味料を振りかけながら、美味しい小説を供出しようと意気込むあまり、駄文の汚名を甘んじて受けることになりそうな予兆に苛(さいな)まれながら、それでもなお筆が止まらないのだった。今日400字詰め原稿用紙に換算して21ページまで書き終えた。

そんな小説を書いていた時、前回ブログのコメント欄に「J2」なる人物から書き込みがあった。
J2とは筆者の息子である。監督Itohくんと同期でフレンズ黄金期に5年生の終わりにたまたま「ボウフラのように湧いて」入部して、翌年親子ともども素晴らしい経験をさせてもらったものだった。ライパチくんではあったけれど、大師球場でホームランを打ったこともある。現在はIT企業に就職、大手町の某銀行に出向社員として働く、一男(いちなん)の父親になった31歳の野郎である。当時の子どもだったことを想起すれば全く信じがたいことだ。

彼に少年野球ブログを書いていることは昔から言ってあったけれど、かつての「愚息」がこのオヤジのブログを読んでいるとは知らなんだ。
普段ここではなるべく息子・娘の話は極力控えようと、肝に銘じている筆者なんであるが、まあ、今回くらいは良いではないかと翻意(ほんい)して、愚息からのコメントを掲載しちゃう。

この場を借りて「ありがとう」

以下、コメント欄から引用。

テッシーさま
お誕生日おめでとうございます。

Kurosu監督が現役なことにも驚くけど、20年程前のフレンズにボウフラのように涌いたライパチ少年の、当時まともにグローブも填めなかった父親がコーチを続けていることに改めて吃驚仰天です。

新連載の小説はどっかで一度、完成したものを出版社に送ってみては?
かつて貴殿のご令息がそうであったように...。

フレンズに、連載に、陰ながらご健闘を祈ったり端折ったりいたします。
また指を切り落としたりしないよう(こう書くと誤解を生むけど)どうかご自愛くださいませ。
J2 


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2016年5月30日月曜日

頑張れ、お互いに

今日はQueensのエリエール大会VS横浜オールウェスト戦。会場は境川遊水池球場。昨年フレンズも県大会で何度か行ったところ。しかし断腸の思いで今日はスコアラーなんであった。よって試合中の写真はほとんど無い。
北部大会なんである。名門鷺沼ヤングホークス戦。試合前Ishikuraさんの激が飛び、Kurosu監督が頭を抱える。

試合は序盤にフレンズが5得点。と言っても相手から頂いた点のようなもの。決して打ちまくったものではなかった。ただ打ったヒットは素晴らしい当たりが多かったフレンズなんである。
受験でやむなく野球を離れる子のいるチームがある。ヤングも昔からご多分に漏れないわけで。春にヤングと対戦した時は僅差ながらフレンズの負け。Fノーヒットに対してヤングは長短打7本だった。ところが今回は様相が逆転、終盤になりFが打撃に花が咲き8得点。終わってみれば13:0の完封勝ちなんである。でも下位打線でもしっかりバットが振れていたのは間違いなくヤングだった。ヤングはフレンズには負けないと思っていたかもしれないが、ヤング以上に驚いたのは筆者だった。あの名門ヤングホークスが。Fが勝って嬉しいのにヤングのことを思うとちょっと残念に思った俺が異常なんだろうか。ここは今日のFナインをほめるべきだろう。
三塁塁審を昨年のOB、Hajimeがやってくれた。相変わらずヤツの笑顔を見ると憎めないものだ。しかしその体型は中学野球部活をやっている者とは思えない、恰幅の良さ。大人だったらぴっっちぴちのシングルのスーツよりは、だっぷりしたダブルのスーツが似合うだろう。頭、胸、腹の三段クビレはあたかも正月の鏡餅か。または動物に例えれば子豚を飲み込んだ大蛇アナコンダみたいだった。

こんなことを書けば「なにこれ!このブログ、セクハラよっ!」と言われるかもしれない。
試合を見つめる鉄棒にずらり並んだのはFの母たち。これを動物に例えるならば、ふたコブラクダの群れ。サハラ砂漠を行商するキャラバン隊がオアシスで休憩した時に並んだ「ふたコブ」ラクダみたいに。オトコならワカリマスネ?Ishikuraさんなら今頃ニンマリしているに違いない。

.............
このあと低学年大会の為に4年以下の練習試合をムリクリ敢行す。こちらは少し写真を掲載。普段フライなんか取れない子がおっかなびっくりながら取れたりすると、そのたびに両軍父母ベンチから歓声が上がる。こんなときはYもFも関係ない。おそらく当の子どもらは緊張でいっぱいいっぱいだったのだろうと思うのだが。

回はばんばん進む。このあと西有馬ドームへ行って今季二度目の体験会をやらねばだったからだ。


このところ野球ブログネタが少ないのをいいことに「小説」なんぞを織り交ぜて書いており、その反応評価がイマイチ伝わらない。もうやめるべきなのだろうか?小説ではなく駄文の垂れ流しで社会を汚染しちゃってるんではないだろうか。多摩川の清流を汚物で浸食しているのではと、疑心暗鬼なんであった。...けれど、すでに「小説4」は既にストックしてあるけれど。

このあとの体験会はまた次回。
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