土曜は極寒の寒む空のもとの練習試合であった。毎年冬になれば万全の寒さ対策を講じグランドに臨むのであるが、人類文明の画期的発明UNIQLOのヒートテックを着込んでもなお、チョモランマの頂上のような自然の冷徹な寒さの前には成す術もないのである。にもかかわらず、子どもたちの中には半袖で平気な顔をしてプレーする子もいるではないか。もし地球上に再び氷河期が訪れたならば、我々オトナはマンモスのように死に絶え、彼ら子どもたちはミトコンドリアとともに生きながらえることであろう。
しかし身も凍るこんな寒い日であっても、夕方からの飲み会になれば乾杯の最初の一杯はいきなりの熱燗ではなく、やはり冷たいビールが飲みたくなるのである。オトナの七不思議なんであった。
3年生以下のメンバーで2試合。以前も対戦したことのある横浜の茅ヶ崎エンデバーズ。相手はスペースシャトル級の赤いちびっこ軍団。しかしフレンズもオレンジボールの覇者として負けるわけにはいかぬ。たとえ友達の寄り集まり級軍団だとしても。
1試合目。6:2で勝利。
投手Ruiが見事な好投を見せた。5回打者20人に対し被安打1、四死球1、失点2のうち自責点は1、奪三振7である。オレンジのみならず3年生でありながらAチームのサードでの堅守も光る野球小僧。他チームの母たちにも注目の的らしい。試合後最近よく筆者に言い寄ってくる美人妻が増えた。以前、試合後車へ戻る途中こんなことがあった。
「Tさ〜ん!」
むふふ、俺もまだ捨てたもんじゃない。サインでも欲しいってか?
「あのお〜...」
筆者、おもむろにadidasバッグから色紙とサインペンを取り出しながら、うんと甘い笑顔で振り返り立ち止まる。多少緊張ぎみに.....。
「あのサードの子って何年生なんですか?凄いですよねえ〜」
即、何事もなかったかのように色紙とサインペンを後ろ手に隠し持ったのは言うまでもない。
打撃では帰宅後の写真判定でプチ驚いたのが、勝手につけた愛称トミーことAyuto。アイツいつの間にこんなに絵になるバッティングフォームになったんだろうかと。星一徹的熱血とーちゃんの教育的指導とフレンズでの切磋琢磨の相乗効果で少しずつ成長しているようだ。
打撃面ではもう一人Yuuta。2打席連続空振り三振ではある。この子の良いところはほとんど見逃し三振ではなくフルスイングでの三振なのだ。時にヘルメが吹っ飛ぶくらいに。ここで筆者、印象だけで断定してはいけないと思い、試しに過去7個の三振を手元のスコアブックで振り返ってみる。案の定の印象どおり。7個のうち6個がフルスィングの空振り三振。三振は決して褒められたものではないが、小さい子はそれくらいでちょうど良いではないか。四球を選ぶことも多いので選球眼も中々のもの。普段の野球に向き合う姿勢も良い。今日はセンター前へのクリーンヒットで打点1を挙げた。
ベストプレイヤーは上記3人。
※余談ではある。「印象」という字を逆から読むと「象印」のマホービンなんである。
2試合目は逆に7:5の惜敗。ベストプレイヤーはチーム4安打の中でも5番に座った「豆タンク」「弾丸小憎」の勝手な愛称をココロの中で筆者がつけちゃったShougo。2打数2安打3打点、盗塁2の正に「弾丸小憎」の面目躍如なんである。
大人の論理の埒外(らちがい)で元気にプレーする純真な子らを見るのは楽しい。これからが楽しみなんであった。
帰宅後、鼻からぶら下がったツララを振り払い、冷たいビールのあと人肌恋しく熱燗に切り替えたのは言うまでもない。....ホッ。
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