昔からタイミングが悪い男なんである。
飲み会でもそうだ。特に女性のマシンガントークの会話に加わる時なんぞは。
ある話題で盛り上がっているとする。Aの話題で次々といろんな女性が話始める。筆者は興味津々聞き役に徹する。ふとAに関するとっておきの話を思いだす。そうだ、これを話したらもっと盛り上がるに違いない。彼女らの話の僅かな切れ目の隙を突いて話そう。よし今だ「あのさ〜...」.....気がつけば彼女らはすでにAから全然違うBの話題に移っていたんであった。私の発した「あのさ〜...」の言葉はとたんに色褪せて宙を彷徨い、女どもの喧(かまびす)しい喧噪の渦に飲み込まれ音もなく雲散霧消するんであった。
昔からタイミングが悪い男なんである。
男なら誰しも経験あるはず。
以前から気になって仕方がない女の子ととあるバーで飲むわけで。男なら当然その次の展開を想定し、期待に胸と股間を膨らませてワクドキしながら言うのである。「あのさ〜、このあとは....」
しかしなんであった。言おうとするのと同時のタイミングで彼女は「お手洗い行って来るね〜」なんてこっちよりも先に言うのである。「次の展開」を期待した言葉はブラックホールに吸い込まれバニシングポイントに向かって消滅するのである。
昔からタイミングが悪い男なんである。
このところフレンズに行けてない。土日は仕事で埋まり行けなかったり、さあ明日の日曜は久々フレンズ行くぞと意気込んでいたら雨で中止だったり、なんである。村山杯や防犯大会、川少連大会など大事な大会が目白押しなのに。
明日土曜は本来なら野球に行けるはずだったが、息子夫婦が新居に引っ越すに当たり、リフォーム業者を紹介するために南町田のマンションまで出向く。鷺沼ヤングホークスとの「名門対名門」「強豪対古豪」の伝統の一戦なのだが残念至極である。
昔からタイミングが悪い男なんである。
がしかし、シャッターチャンスには滅法強いのかもしれない。100枚撮って自画自賛の画は2,3枚かもしれないが、漫然と1000枚撮って1枚もいい画が撮れないよりは良い。ことに少年野球のような動くターゲットを狙う場合、無駄にシャッターを切りたくないので直感に任せてここぞという時に撮るわけだが、不思議といい画が撮れちゃうことが多い。
桜満開の過日のことではある。毎年近所に咲く見事な枝垂(しだ)れ桜を楽しみにしている。今年も仕事の一服がてらiPhoneで撮ってみた。
太陽を背にして正攻法で撮った姿と、反対方向から逆光でシャッターを切ったもの。
光と陰、表裏一体、光の加減で表情が一変する。
表と裏の顔が違うのは、何も桜に限らず人間も同じなんであることに思い至った。
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