東京新聞旗争奪・神奈川県大会、準決勝、決勝。試合会場は保土ヶ谷サーティーフォー球場なんであった。準決第一試合の審判は宮前区母体のUchimuraさんとKosakaさん。この試合の勝者と決勝で雌雄を決することになる。
有馬フレンズの準決勝の相手は相模ブルーバッズ。春の高円宮賜杯県大会、準々決勝で一度当たっている強豪チームなんである。筆者は決勝スコアラー担当なので、この試合はカメラマンをやっちゃう。これで負ければあとはない。断腸の思いで仕事を取りやめて来たんであるからして、決勝まで行かねばその思いは水泡と帰す。「どうか決勝スコアラー出来るように」と念じつつカメラを肩に彷徨。
先発のKyohは1回Enomotoくんにシングル、3回にはUenoくんに痛烈なスリーベースを打たれるも、後続をぴしゃりと抑えて隙を作らない好投。やっぱりあとでヤツをハグしなきゃなんである。これは写真を撮った者でしか分からないことであるが、彼はいつも不二家のぺこちゃんみたいに、舌をぺろりと出しながら力投するんである。たぶん本人も無意識のうちだろう。勝手に名付けたKyohの「ぺこちゃん投法」
有馬フレンズ初回の攻撃は先頭Ruiが安打で出塁、ShohgoDBのあと三塁まで達し、4番眠れるアジアの大砲、Hajimeがタイムリー二塁打で2点先制、幸先良いスタートを切った。
3回にはまたもRuiが出塁、Shohgoが送りYuiが返すというFの黄金の得点パターンで加点すると、いつもの繋ぐ野球というより、繋がる野球で単打を3連発、結果4得点で6:0。
4回にもHajimeの今日2本目のタイムリー安打などで2点、試合を決定づけた。
結果は8:0の5回コールド。
ほっとした。見ていて危なげない試合運びで「らしい」展開でった。打線もそうだが、先発で被安打2、5回完投のKyohも良かった。やっぱりハグしてやろう。これで次はRuiをフルで行けるし万一の時でも2回まではリリーフ可能だ。次はいよいよ決勝だ。
決勝は辻堂少年野球クラブ。藤沢のチームである。筆者のトラウマではあるが、かつて息子の時代に高円宮賜杯県大会決勝で、延長9回までやって敗れた相手も藤沢だったし、その後の低迷期には関団連などでボロボロにされた相手チームも藤沢が多かった。どうも藤沢方面というと「強い」というイメージがあるんである。若い頃藤沢小田急の仕事をしたり、湘南的土地柄は穏やかで好きなところなんではあるけれど。
スコアラーゆえ写真はない。
この決勝おそらくは先攻のフレンズの攻撃が全てだったように思う。
こちらは今年いくつもの決勝などの大舞台や大きな球場にも慣れてきている。準決勝のような普段通りの野球をやれば、自信を持って臨むことが出来る。対して相手はどうなんだろうか。これは飽くまでも筆者の想像だ。春の県大会優勝や、全国ベスト16の実績や、前の試合の展開はもちろん知っているはずだ。そのへんで心の余裕がなかったのではあるまいか。(※飽くまで主観です。辻堂さん、違っていたらごめんなさい)
初回表は、出塁、送りバント、主砲の適時打で得点、更に打線は繋がり、6,7,8番打者がそれぞれ3塁打、2塁打、単打と連発し下位打線からでも次に繋げる攻撃パターン。今年はこういう展開に持ち込んで負けたという記憶があまりない。対して相手チームは前述の理由からか(?)四球や失策が絡んでしまい、結果初回でフレンズは5得点。
初回の5点は決してセーフティーリードとは言えない。初回6失点されてもひっくり返すチームだってざらにいる。例えばそれが春の県大会のフレンズだったりして。
2回裏には一塁走者を2塁でホースアウトとするも、その後Fの失策が絡んで1失点。でも今のフレンズはこんなことも「想定内」だ。...(甲子園優勝の東海大相模の記事などを読んだ読者諸兄は想定内と聞いてニヤリとしたであろうか。半分はパクリなんである)
3回フレンズはこの日2本目となるTaichiのタイムリーで1点、4回にはKohkiの安打1本のみながら、相手失策などで2点、最終回には代打Buntaが内野安打を記録し、やんややんやの喝采を浴びて出塁し、その後Ruiの安打などでまた2点追加。
終わってみれば10:1で春夏連覇達成なんである。
春の神奈川を勝ち抜き、全国でベスト16になり、それでもなお自分的には「本当か?夢じゃないのか?」という一抹の不安があったんである。幸運やクジ運や偶然や...。しかしこの神奈川県下強豪54チームが競う大会で、1/54の一番上に来れた事実はもはや揺るぎない自信となったのは筆者だけではあるまい。胸を張って優勝旗を持って帰ろう。
試合後すぐにF帽子を脱ぎ捨て、カメラ片手に宮前連盟帽子をかぶりグランドへ飛び出す。
エールを送ったあとの恒例帽子投げ。空模様がハッキリしない写真で帽子もまばらに写り一瞬「失敗しちゃったか?」と思ったけれど、Macで大きく見てみると、ほぼ全員がその瞬間地を蹴って宙に浮いている絵になっていた。躍動感があって面白い。写真の下部分、皆浮いちゃっている(^-^)中央主将Ruiのジャンプはハンパない。
試合後東京新聞横浜支局長さんらから取材を受ける監督Satoh。これもすでにお馴染みとなった光景だ。監督の舌も滑らかなのは言うまでもない。
閉会式。真紅の優勝旗やカップを胸に。大会最優秀選手賞はもちろん主将のRui。これも小さな体でよくぞここまでチームをまとめて引っ張ってきてくれた。走攻守、全てにおいて抜きん出たセンスを発揮し、いくつもの場面で会場を湧かすようなプレーを披露。彼なくして今のフレンズは語れない。
どうしてもメダルをもらうとまじまじと見てしまうナインたち。もし筆者が子どもなら嬉し恥ずかし、全く同じことをしていただろうて。
集合写真。ふと気がついた。せっかくの全国大会では集合写真を撮っていなかったことを。あの時はそんなことはすっかり忘れていた。負けてもせめて記録に残してあげていれば、それを見て大人になってからの苦くも良い想い出になったのに違いないのだ。ビターの効いたほろ苦いチョコレートのように。
最初は選手監督コーチだけで。並入る報道陣の要求に応えて腕を挙げて。
次は筆者のカメラでブログ用に親たち含めて撮ろう。この場合、当たり前だがカメラマンなのでいつも筆者は写らない。机を用意しタイマーで撮るつもりだった。神聖な(とされる)グランドに机を持ち込むのには不謹慎のような一抹の不安と、ライオンに立ち向かう鼠のような勇気を必要とした。ところがプロである東京新聞の記者さんが自ら買って出て筆者のカメラで撮ってくれたんである。嬉しいことである。
連盟キャップを被っていたんであるが、この時だけ帽子をフレンズに変えれば良かった。
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球場の外に出て皆、大人も子どももてんやわんやの帰り支度。大人は道具や野球用具を車に積み込み、子どもはユニフォームを着替えアップシューズに履き替えて。
ふとKyohが目に留まった。先日の思いを果たそうと、つかつか歩み寄り握手し、きゅんきゅん抱きしめたんである。彼が入部した頃はまさかこんな活躍をするとは想像もしなかった。
「Kyohおまえ、今まで本当に良く頑張ってくれたな。ありがとうな!」
ヤツをハグしながら思った。なんと薄くてちいさな胸なんだろうかと。
今年は彼のみならずフレンズの子らは、心臓が押しつぶされそうになりながらも、このちいさな体で幾多の大舞台の激戦をくぐり抜けて来たのか。我々大人には分からない風景が現場の子どもには見えていたに違いない。土の上に立っているのは監督でもコーチでも親でもない。彼ら子どもたちにしか見えない風景を見つめて、土まみれになってここまで来たのだろう。
Kyohを抱きしめながら心の中でチーム全員に「ありがとう」と言ったら、なんだか瞼の奥が熱くなってしまった。
そのあとヤツの頭をぺしぺしパシパシ叩いたのだが、筆者の思いとは裏腹に当の本人はキョトンとしていたのは言うまでもない。
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