2023年11月27日月曜日

寒気を歓喜に変える熱戦

 そぼ降る晩秋の小雨は冷たく、世界中の空が灰色になったかのような朝、新人戦の熱い戦いの火蓋が切って落とされたのだった。寒気に凍えそうな会場が、寒気を吹き飛ばし歓喜に包まれることになった、そんな大接戦、劇的な幕切れとなった戦いがそこにはあったのである。

2015年フレンズが全国へ行ったその年、Fはウルフに宮前春季決勝で負け、上部大会の川崎市大会決勝でも宮前対決で敗戦、その後Wは県大会で別の山で消えたけれど、Fは激闘の末上り詰めて神奈川県で優勝し、高円宮賜杯全国へ。翌年はWの快進撃、総なめ独壇場となった2016年、2年連続で宮前から全国へ行く大快挙を成し遂げる。しかしその後Fは低迷が続くが、Wは常勝軍団の名を欲しいままに、幾度もの優勝や輝かしい戦績を残し今日に至るのである。

....なーんちゃって、文学的ブログ冒頭は少々暴投気味ではあるが、しかしあながち間違いではあるまい。新人戦準決勝のカードはウルフVSフレンズ。あれから8年、そんな記憶を共有できる仲間も減ってきたけれど、対ウルフとなればいつもそんなことを想起する筆者である。実力差はどうだろうか。しかしその下馬票を覆すだけの気概と経験値がFにはあったのだと思う。

●ウルフVSフレンズ
初回表Wは幸先良く1点先制。2死後4番の一振りで走者を返す。しかしなんとか初回を1失点だけに抑えたFも天晴(=アッパレ、でも天候は小雨)である。

小雨の様子がよく分かるワンカット。暗い色を背景に撮ると良い。先発FのマウンドはOhsuke。

その裏のF、普段の打順オーダーを大幅に変えてきたのである。期待に応え3番Kaiのタイムリーで1点、すかさず同点に追いつく。

2回W無得点で裏のFは無安打ながら2得点し逆点に成功、1:3。失策で出塁の8,9番コンビHinataとYamatoが共に生還を果たしたのだった。このコンビは次も素晴らしい活躍を見せることになる。Hinataがスライディングホームインし傍(かたわら)に転がっていたW捕手のマスクを拾い泥をユニフォームで拭き、それを次打席のSackeyがナニゲに受け取り、自然な所作で捕手へ手渡す。(多少筆者の記憶違いがあるかも)嬉しくなった。そんなシーンを筆者は見逃さない。ちゃんと見ている人はいるからね。

しかしやはり強豪の名を長年通じて守ってきたW、「2点取られたら2点取り返す」。クリーンアップの長短打の連打に更にタイムリーも覆いかぶせる、王者らしい王道の攻めでまたしても3:3の同点に追いつく展開。マウンドはF主将Ryohjirohにスイッチ。

大接戦となった理由はそれからも続く。走者がダブルスチールを決めるとFの前出8,9番コンビがまたしても共に内野安打2連打し2打点を挙げる。ここで何度も書いているが、たとえ小さい子でも下位打線でもホームランは打てなくても、自分の仕事をしきっちりこなし次に繋げることが出来るチームは強い。「2点取られたら2点取り返す」のお家芸を今度はFが披露したのである。スコアシートを見ると面白い数字に気がつくことがある。Fの2回の2得点はこの二人の得点、3回の2得点はこの二人の2打点となったのである。3:5でFのリード。

更に一体どーしたことだろう、この回。カメラの設定をいじったはずはないのに、画像がおかしい。グランドの土の色がエンジ色、つまりウルフ色に染まっている。今まで茶系だったのが異様に赤っぽくなっているではないか。気にせず激写を続けることに。やはりさすがと言わざるを得ないW、またしてもタイムリーツーベースなどでまた2得点する。土壇場に強いWまた5:5の同点だ。しかしこの試合同点までは追いつくも、その後のもう1点が取れなかったWに対し、逆説的に言えば逆転だけは許さず、なんとか同点止まりで抑え切ったF、とも言える。この切迫した試合は、両軍ともに戦況によって守備位置を変えたりベンチの采配が忙しかった。Fは筆者の想像も含めて言えば、Shohta監督と共に実質的な采配を振るう(と思われる)Satoh総監の指示に、小さい子も含めて皆ちゃんと理解し行動に移し実現しているように思える。OBの筆者、試合で感じることは簡単だが、日々の練習でここまでチームを仕上げてきたFの指導者や父たちに敬意を表したい。

雨に打たれてランコーのブカブカのパーカーを着たAoiを見ると、ホッコリしちゃうオジサン筆者である。QueensでもあるSackeyの打席や塁上での笑顔も然り。笑顔は地球を救う。心配ないからね、最後に愛は勝つ♪のである。前の回失策で責任感の強いSackeyは大号球。泣かなくていいよ、だってみんながフォローしてくれたじゃないか。それにキミのおかげで最後の劇的な結末を見れたのだから。大丈夫さ涙を拭いて。One for All、All for One。

4回表にWに同点に追いつかれたF。時間を確認すると裏の攻撃ではもう残りわずかなはず。点を取ればサヨナラ、無得点なら5:5で延長か。1死後走者が二人出た。ランナー2,3塁、ここで一打出ればサヨナラだった。満を持して打席は主将Ryohjiroh。今季は忸怩たる思いを抱えて過ごしたに違いない。それは父や母にとっても同じだろう。そんな思いや記憶を一掃し払拭するような一撃が飛び出した。鮮やかなライトオーバーの勝ち越しサヨナラタイムリー三塁打。Haruhiが生還しホームを踏んだ瞬間、激戦に終止符を打ち決勝進出が決まったのだった。

「コロンブスの卵」と言われたらそれまでだが、筆者は実力はWが一枚も二枚も上、でもFがFらしい野球ができれば、王者相手でも全然勝機はあると思っていた。その通りになった。試合後Fの幾人もの母たちの目は感極まって赤くなっていた。来週はいよいよ決勝である。

●神木マーキュリーズVSレッパ

スンマソン、頭の中のブログ執筆用電池が10%を切ったので、こちらは写真にて簡潔に。現在日曜24時(月曜0時)頃。前回ブログでも紹介したが下の写真の中でYouTubeライブカメラはどこでしょうか?

「私はどこでしょうか。ここでーす、ここ、ここ」...イモトかよ。

Sは艱難辛苦、臥薪嘗胆をいくつも乗り越え今日ここにいることは誰でも知っている。来季を見据える新人戦の準決勝に駒を進めたことは、実に嬉しいことである。少年野球人口減少に誰もが危惧を抱いている昨今、その思いはひとしおである。

初回裏からR軍は猛攻開始、11得点。

「うう、寒みーなあ」と余裕のR監督Tsukamotoさん。今日は「Tsukaマジック」発動の機会はないだろう。

それでもなんとか発奮し2表に1点を返すS。

雨は依然霧雨に近い小雨ながら、前の試合よりも雨量が増してきた時間帯もあった。そんな中Sが耐え忍ぶ時間が多く、結果Rの圧勝となる。来季も頑張れ神木マーキュリーズ。

かくして寒い環境の中熱い新人戦準決勝は終了、来週の決勝はレッパVSフレンズとなった。果たして勝敗の行方は如何に。...なんである。

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