2019年9月2日月曜日

「俺たちに明日はある」

さてと、宮前秋季大会、6年生にとっては最後の宮前最終戦、その集大成の決勝戦なんであった。まずはジュニアの部ウルフVS花フラ。圧倒的な点差でWの猛攻が展開していたのだった。HF軍を率いるはUreshino監督。少年野球界の少子化問題もなんのその、ズラーリズラズラ、圧倒的緑の軍団。

決勝戦名物「ウグイス嬢(?)」両チームから美人母が本部席へ。6年生母には試合を楽しんでもらうため、大概は5年以下の母が席に着くのが通例のチームもある。いつも男野郎どもで溢れかえってる光景とは違い、華やかな空気感になっちゃうことは楽しいではないか。母たちもどこか嬉し恥ずかしの風情である。
途中花フラの投手交代であった。マウンドで投球練習中に、まだまだ夏を引きずる秋空にこだまする鶯のアナウンス。
「シートの変更をおしらせします......?.......?......あれっ!」

それを聞いたマウンドの投手くんもぽかんとして「あれっ?」という表情。実に楽しいではないか。

回は進みさらに容赦なく加点するW。
しかし終盤勝ち負けよりもHF軍団は一点もぎ取るごとに、ベンチも選手も応援団も大盛り上がり。勝つよりも大いに野球を楽しんでいた風に見えたのは筆者だけだろうか。

たまたまシャッターを長押ししちゃって連写しちゃった二枚。

やはりWの圧勝。とはいえ、両軍とも大奮闘の決勝戦であった。
......
さて本大会の部決勝である。Fは昨年新人戦で優勝し、一年後の秋季で優勝すればまるで近年のヤングみたいである。ジャビット宮前大会では優勝したものの、それ以外では上に行けそうで行けずの今年のF軍。秋季の決勝まで登りつめたことで満足感なり達成感を持っていては、その時点でおしまいである。どーしてもここで勝ちたい。ましてや相手は一枚も二枚も上手の王者ウルフであった。果たして今大会は。
ウグイス嬢はジャビット以来のHoshiba母。美貌と美声とウィットにとんだダジャレで周囲を明るくさせる母である。

集合! 筆者個人的にこの一瞬で飛び出す瞬間の画像を撮るのが好きである。ともすると低学年もいるのでバラバラになりがちだが綺麗に飛び出せるチームは、一体感、一枚岩になってると推察出来る。綺麗なパースペクティブ(遠近法)から一斉に駆け出す子らはカッコいいものだ。

初回Fは走者を塁に置き主砲Akiの高々と上がったフライ。凡フライと思いきや魔の三角地帯に着弾したのが幸いし、ポテンヒットの先制点にて1:0。

その裏Wの反撃。ここでなんども書いているけれど、Wは1点取られたら2点返し、2点取られれば3点奪取する、しぶといチームである。近年なんどもその苦渋を飲まされてきたF。(これはWへの褒め言葉である)
塁上に走者二人、なんとか二死まで取ったところで打席はSumiyoshiくん。レフトへの綺麗なタイムリーで2得点し、1:2と逆転す。



この後の試合展開をいったい誰が想像しただろうか。それは最後に総括したい。
両軍ともほぼ毎回走者を出すものの、最後の決め手に欠き、あるいは好守に阻まれて無得点が延々続くのであった。
ここで加点されたら勢いに載せてしまうと判断したFベンチ、ピンポイント抑えでAkiを起用しWの強打者を封じ込める。おそらく両軍ともに投球制限数を緻密に計算しながらの投手起用だったに違いない。2015高円宮賜杯県大会を突破し全国の風景を見てきた総監Satohと監督Itohの見事な采配だった。

小説「永遠のゼロ」じゃなかった、少年野球、「延々のゼロ」

Fの攻撃ではここぞの逆転、大一番の場面で「行ったか!」と思われた再三の大飛球を、W外野陣による超広範囲の守備力の好守に阻まれる。背走やランニングキャッチのオンパレード。特にAnjuの一撃は実に惜しかった。コレ。

Fはたまにこーゆう一本だけの安打しかない試合をやっちゃうけれど、王者Wも1:2の僅差のまま、しかも同じく一本だけの安打でその後ノーヒットで過ぎてゆく試合は珍しいのではないか。行き詰まる投手戦。Fベンチからは歯ぎしりの音が聞こえてきそうだ。

ついに終盤、満塁からまたしてもSumiyoshiくん。押し出し四球を選びついに均衡が崩れて1:3。虎の子の3点全ての打点を記録する。対して何度も打者の膝元を削るようなAkiの唸りをあげる豪速球。間近で見ている筆者、「よし三振だ」と心で叫んでも球審の手は一向に上がらず、無言の四球連発。低めにはかなり厳しかった...。この「....」が何をかいわんや。しかし球審のクセを甘受しつつそれに対応するのが指導陣とバッテリーでなければいけない。昔から言われている野球格言「野球は審判と天候には勝てない」のだから。

この後7回までの死闘を制したのはW。Fはまたしても涙を飲んだ。

総括である。
両軍ともに決勝戦にふさわしい行き詰まる投手戦。
両軍ともに失策が一個だけの締まった試合。特筆すべきはFにしては珍しく失策ゼロだった。
両軍ともに野手たちの好守が随所に見られ盛り上がる展開。
両軍ともに安打は初回表裏の一本のみ。
近年なかなか見られない様相を呈した、決勝戦であった。

それにしても勝ちたかったなあ。
我が青春の憧れのショーケン「前略おふくろ様」的に、筆者目線はベンチ目線とは一線を画すワケで。Fの選手たちは「無失策」をはじめ、よく頑張ったと讃えてあげたい。しかも投手陣はあの猛攻W打線を1安打に抑えたのだから。
筆者的には今年のFが王者に対して、これだけの試合が出来るほどに成長したことが何よりも嬉しかった。負けたのは悔しいけれど。反していつも絶対王者だったWは、今年は「絶対」の冠が取れて「王者」。年初に今年の宮前は群雄割拠だと予想した。混沌とした今年の宮前を象徴するワケで。
それにしても勝ちたかったなあ。

ノーサイド。
宮前のみんな、連合も含めてまた最後の秋季川崎大会で会おうぜっ。
....
粛々と閉会式は写真中心にて。
F軍は準優勝の喜びよりも、決勝惜敗の方が心を占めて、終始笑顔がなく硬い表情のままだったのが印象的だった。
優勝ウルフ。

準優勝フレンズ。

ジュニアの部、優勝ウルフ。準優勝花フラ。

「一同、グランドに礼!」

恒例集合写真。宮前諸君、最後の大会よく頑張ってくれた。

フレンズ諸君、負けても胸を張れ、最後の大会よく頑張ってくれた。

映画ではボニーとクライド「俺たちに明日はない」けれど、
宮前にはまだ「俺たちに明日はある」。
「明日に向かって撃て」なんである。
川崎少年野球連盟学童部30th記念大会でまた会おう。
....
ちなみに上記大会開会式は等々力や大師の川崎の聖地ではなく、諏訪瀬田の河川敷グランドへ各区8チーム+連合の前代未聞の大集合となる。クルマの出し入れはいったいどーなるのだろうか。近隣区は電車通勤が懸命かもしれない。
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2019年8月27日火曜日

「あくまでも個人の見解です」

北部大会なんであった。普段ブロガーとして迷彩服にベレー帽を被り、硝煙立ち昇る少年野球界の戦場を彷徨するので、試合の記録係スコアラーは滅多にやらなくなってしまった。しかしブロガーとは「試合の記録」よりも「戦場の記憶」を後世に伝えるために存すると自負する今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか、的な「晴耕雨読」の出だしでよろしいでしょうか。

とは言ってもたまに時間があれば少しはフレンズのスコアラーもやんなきゃだわと、この日は迷彩服を脱ぎ重い一眼レフを仕舞って、久々北部大会のスコアラーに臨んだのであった。相手は宮崎モンスターズ。毎年宮前勢力図の強豪の一角に敢然と存在し、文字通り素晴らしいモンスター級のスラッガーを輩出する、圧倒的打力のチームという印象が強い。「あくまでも個人の見解」であるけれど。今TVなどで流行りの「あくまでも個人の見解」ですのテロップを踏襲した。アレは一種のマスコミのリスクマネジメントである。

しかしながら場は北部大会である。少しユルイ空気感と野球を学習して楽しもう、というコンセプトだろうか(「あくまでも個人の見解」です)、普段試合に出られない選手に試合経験を積んでもらうというコンセプトの元(「あくまでも個人の見解」です)、和気藹々的に試合開始。
※「あくまでも個人の見解です」...と言わずに済むように、今度機会があったら北部大会の大会要項や目的、規約などあれば見せてもらおうと思う今日この頃ではある。

スコアラーの責務を担う傍ら、試合中一瞬机を離れてドラゴンボール的瞬間移動を駆使し、ベンチ外で写真を撮った。ましてや相手チームにはMoritaさんのサングラスの奥から眼光鋭い視線を感じるからなおさらである(笑)。これはカメラを持っているとほとんど職業病なんである。なので写真枚数は少ないからほぼ全部掲載しちゃう。

衆人環視のもとで健気に投手を務める女子選手。学年の割にとても筋がいい。ぜひQueensへおいで下さいまし。

Fのマウンドは午前の秋季準決で、まさかの殊勲の代打二塁打を放ったHaru。バットのおかげ、なんてオトナジョークが飛び交ったが、あれは実に素晴らしいバッティングだった。偉大なアニキにどんどん似てきたのが気になる。腹のあたりとか顎の下とか。父母どっちに似たのだろう。先日そのことを言うと本人もニカニカ苦笑いしていた。将来はきっとTVKで中継され、8年後には甲子園出場しNHKで放映されるに違いないから、頑張れHaru。

最近めっぽう成長したKohnoshin。少年の姿から一気に男の風貌に変わったと思うのは筆者だけだろうか。成長したのは身体だけではない。ココロもぐんと大きくなったようだ。その一瞬を捉えたと思ったのがこの柔和な笑みを浮かべる一枚。母もEmiちゃんだけに、良い笑みを見せていた。いつの間にこんな素敵な笑みを自然と出せるようになったのだろう。久々に親戚の甥っ子に会った叔父さんのような気分。
頑なに自分の殻に閉じこもっていたセミの幼虫が、夏を迎えて殻を脱皮し大空へ飛び立たんとする瞬間みたいに。

遅くに入部したRiku。運動能力とセンスは悪くないのに伸び悩む時期か。一皮むければ良い選手になるに違いない。(「あくまでも個人の見解」です)
今季試合出場機会が少なく、写真枚数も少ないのでシャカリキにシャッターをシャカシャカ押しまくる。

Ryuunosukeと言う名前はフレンズでは二人目である。芥川は龍之介、筆者の息子はJunnosuke。関係ないか(^-^)
頑張れRyuunosuke。期待してるぞ。

試合後MVP表彰式。試合終盤ベンチでItoh監督がMVPを二塁打二本を放ったHaruyaにするか、見事なピッチングで相手打線を封じ込んだShuntoにするか、試合最後まで悩んでいた。最終回のピッチングで三振を取ったらShuntoにする、と意を決した監督。その思いが届いたかどーかはつゆ知らず、その通りに最後に相手主砲を空振り三振に切って取ったのであった。筆者急ぎ集計すると打者14に対し8奪三振であった。あっぱれである。変則フォームから繰り出す鋭い弧を描く投球軌道。将来実に楽しみである。

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今日川少連30th記念誌制作委員Suetomiさんから非常に丁寧なお詫びのメールがあった。宮前少年野球マップのオリジナルデザインは、全体バランスから掲載を断念とのこと。むしろこちらこそ恐縮であった。相手の気持ちを慮(おもんぱか)り、真摯にこうべを垂れる文面に感銘を受けた。そんな川少連記念誌が楽しみである。

転じてフレンズ40th記念誌は来月から記念誌チームの本格始動。筆者が全てのページを制作せねばならず、若干腰が引けている。今日も本来ならページデータの作成を己に課しながらも、夜は酒が入りついブログネタを書いてしまう今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
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2019年8月26日月曜日

勝つことの目標と目的

先週土曜はQueens北部大会VSサンダースであった。筆者は詳しくないが今年から北部大会は大幅にリニュアルされ、きちっとしたコンセプトを確立させて言わば「教育リーグ」的な色合いの大会に生まれ変わったのである。その一環でQも参戦することになった。試合数が増えることは良いことである。

赤カブで駆けつけるとすでに終盤戦の第四公園。

試合ごとにMVPを表彰するのも新生北部の特徴である。サンダース監督Iidaさんが授与。小さな将来の有権者に笑顔で。

Qのホームラン賞は二人もでた。ゴキゲンな星光じゃなかった、Ayane。

久々に総監Koshimuzuさんも練習ノックに。Akane以来の松風から新加入の子も来たので、松風Abeちゃんもやって来た。監督、コーチ、連合艦隊司令官、更にムードメーカーからトン汁オヤジまで幅広く活躍するAbeちゃんなんである。

宮前スマイリーズ(秋季連合チーム名)に参加表明してくれたのは松風、ワイルダース、アリコ、etc。これからもっと増えるに違いない。Qの新人Kana、Emi姉妹たちも含めて活写。

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この日は世界大会Rawlings宮前クラブの祝勝会解散式にもお呼ばれしたんであるが、夜所用が出来てそちらは断念。代わりに昼からはKoshimizu総監来宮記念にて、久々のQ懇親会。いっそ総監が来るたびに飲み会やっても良いのではないか。昔に比べたら昭和語録「飲みニケーション」が減少しちゃった昨今ではある。
場所はウルフ、花フラの夜の部室、「鉄四」。Q美人妻たちも数人参戦。

夜所用があることももはや忘却の彼方、ギャンギャン二次会へ。何度かQで来ている近くのカラオケ店であった。
新加入の広島出身Kidaniオヤジ。実にイジリ甲斐のあるお茶目なキャラなんであった。暴走を阻止するごとに周囲が爆笑。阻止するは総司令官Abeちゃんであった。下の2枚目の写真は2枚目の男たちの実に良い笑顔である。

お開き間際に代表MurataさんがAbeさんをとっ捕まえて言った。
「Abeちゃん、Queensの特別コーチに任命しちゃう」
Murataさんは覚えているか否か怪しいけれど、Akane以来再度松風から入部者が達成しそうで、Abe特別コーチ、兼宴会部長、それもまた現実味を帯びて、大賛成なんである。

....
余談ではある。昼間の第四公園にて。
ミンミンゼミと大型のカメムシ(?かどうかは定かではないが)が木にへばりついて盛大に性の営み、...(いやいやヤバイ、漢字を間違った、子どもも見ている「晴耕雨読」であった)....生の営みを呈していた。去りゆく夏を惜しむように。
ミンミンゼミは「ミンミン」と聴こえるが、少し頭を切り替えると、
「ウィ〜ン、ウィン、ウィン、ウィン〜」と聴こえなくもないワケで。
これを無理やり英文にすれば、
「Win〜、Win、Win、Win〜」となる。
これを無理やり和訳すれば、
「勝つ〜、勝つ、勝つ、勝つ〜」

筆者思う。野球に限らず子どものスポーツの根幹は、

勝つことは目の前の「最終目標」ではあるが、
勝つことだけが人生の「最終目的」ではない。


勝つために努力することによって、
勝つことの最終目的が見えて来る。

なにやら禅問答のようであるが、ご理解いただけるだろうか。