2013年10月17日木曜日

涙の本当の理由(わけ)

「プレイッ!」
主審の右手が挙がりいよいよ試合開始だ。先攻は麻生シスターフレンズ。Hinataの切れのある速球が1,2番打者をキリキリ舞い、連続奪三振である。しかし3番打者にライトオーバーの特大スリーベースを打たれた時は一気に緊張が高まる。だが続く4番のショートゴロを名手Yumiが華麗にさばきなんとか無失点に抑えたのだった。

対する我が軍Queens、先陣を切って打席に立つのはQの大エースHinata。守備番号1、背番号1、の1番バッター、1番づくしである。フルカウントまで粘るも7球目を見逃し三振。
続く打席はAyano。ツーストライクに追い込まれながらもサードへの内野安打で見事出塁。更に2盗を決めて一死2塁の早くもQueens先制のチャンス。
3番は主将でチームの要Himariの打席。横浜ベイスターズガールズ、大宮球場を所狭しと駆ける大車輪の活躍の姿は今でも記憶に新しい。相手投手は中学生と言っても十分に通用する体格の大きな豪腕速球派投手。やはりツーストライクに追い込まれてからの4球目はあえなくPフライに。二死2塁に変わる。
4番は投手の気迫に負けないくらいのQueensのいやアジアの主砲、Akariだ。その打席の構えから発散される「打つぞっ」のオーラはハンパない。ピッチャーはここまで3打者に対し14球投げて11球ストライク、三人とも初球は全てストライクから入っている。Akariはそれを知ってか知らずかその絶好球の初球を思い切り振り切った。白球は大きな弧を描き左中間を真っ二つ。2塁からHinataは余裕のホームイン、打ったAkariは全力でダイヤモンドを駈けて見事タイムリースリーベース。奇しくも1回の表裏で互いの4番打者のバットが明暗を分けた形になった。
続く5番Ichikaにも追加点の期待がかかったが、相手投手Yuri選手の豪腕に打ち負けてショートフライに倒れた....。
こうして1点先制のさい先よいスタートを切った宮前Queensであった。

通称秋季川少連大会。正式には「かわさきジュニアシスターズ軟式野球大会」
Q広報の筆者は初戦は観戦出来ず、この2戦目からの従軍カメラマンとなった。相手は強豪「麻生シスターフレンズ」我が軍は「宮前スマイリーズ」と名を変えての対戦。Sohma会長曰く、相手はバッテリーを組んでいる4番5番の二人の選手が勝負の鍵を握るという。事実Hinataの被安打8本中7本がクリンアップ打線に打たれている。試合が始まる前は両軍ベンチ選手、8万5,000人の観衆ともに笑顔が絶えない空気があったが、いざ始まると開始早々から緊迫感漂うものとなった。
1回の裏、ウグイス嬢から守備についた選手紹介がある。実はうちはNoeriなどを欠いてベストメンバーではないのだったが、それを埋めてくれる選手層の厚さがある。ウグイス嬢の音声をそのまま活字にしてみた。
「1番ピッチャー〜Hinataさん」
「2番セカンド〜Ayanoさん」
「3番キャッチャー〜Himariさん」
「4番ファースト〜Akariさん」
「5番サード〜Ichikaさん」
「6番ショート〜Yumiさん」
「7番ライト〜Misakiさん」
「8番センター〜Yumaさん」
「9番レフト〜Fuukoさん」
なんである。せっかくなのでこれを写真で守備陣形どおりに夜を徹して作ってみちゃったのがコレ。控え選手も含めて野球以前の「笑顔と可愛らしさ」の勝負なら全国大会レベル、戦わずとも優勝間違い無しなんである。

試合会場は宮前でも馴染みの深い多摩川河川敷球場。多摩川を挟んで東京世田谷側の巨大なタワーマンションにはドデカい応援の懸垂幕が3本。おそらく連盟の苦しい台所事情から予算を捻出して、Q事務局のSasakiさんか連盟のNishimuraさんあたりが発注したに違いない。筆者の見積ではマンション住民へ配付する手ぬぐいから一晩で施工するための職人の労務費、懸垂幕制作費含めて総工費620万円(消費税別)であろうか。

1回裏にQが先制点を挙げたものの、その後3回にHinataに2塁打が飛び出しただけで、相手投手の豪腕に押さえ込まれる展開に。逆に投手で4番のYuri選手はとてつもない打球のセンターオーバーのスリーベースを放ったり息の抜けないゲームとなる。
ついに5回表、相手打線に捕まる。下位打線からの攻撃だったが7番先頭打者に中前安打を許し走者を出すと、失策がからみセカンドゴロの間についに同点に追いつかれる。逆転の走者が3塁。2死からHinataの牽制球が3塁手Ichikaへカミソリのように飛ぶ。
タッチ....アウトッ。9万2,000までふくらんだ観衆から悲鳴と歓声の入り交じった大音声(だいおんじょう)が響いた。

しかし同点に追いつかれたその裏、Qの攻撃はMisakiから。連続失策で走者を溜めるも捕邪飛でワンアウト、2塁から3塁へ到達していたMisakiは2塁へ戻れず2-6Bでホースアウト。ところが打順が1番に返りHinataの単打とAyanoのタイムリーツーベースが飛び出し2点の勝ち越しに成功す。3:1になった。
一喜一憂のQueensベンチと抱き合って喜ぶ母たち、控え選手の応援も熱が入る。

ところがなんである。
興奮覚めやらぬ6回表にはクリンアップからの3連打をくらってまた2点を返されて再び3:3の同点、振り出しに戻った。4番Yuri選手には十分すぎるほど警戒し外野をバックさせたのだが、それをも凌駕(りょうが)して余りある脅威のセンターオーバー。中学男子でもなかなかあんな打球は打てまいと思われるほどだった。目の覚めるような素晴らしい打撃、敵ながらアッパレなんである。
群れから少し離れてドカンと椅子に腰をおろし観戦するSohma連盟会長。ついさきほどまでタワーマンションの屋上に座ってグランドを睥睨(へいげい)していたのだったが(^-^)人間も大きい人だがガタイもでかい。パイプ椅子が10cmほど地面にめりこんでいた。
東急田園都市線の電車には、この日だけのQueens応援広告ロゴを貼った特別電車が運行されていた。宮前区少年野球チームに関わるオトナたちははみな東急田園都市線を利用する上得意客なのだ。おそらく東急が宮前少年野球連盟の日頃のご利用に感謝しての粋な計らいだったに違いない。

ところがなんである、のPART2なんである。
更にその6回裏のQueensの攻撃は主砲Akariがレフトオーバーの大飛球ツーベースで出塁、Yumiの打席で相手遊撃手失策、暴投がらみで1点加点しまたまた勝ち越しに成功。

その後そのYumiも伏兵8番Yumaのタイムリーで本塁を踏む展開に。
7番Misakiは大鉈(おおなた)を振るうような、あるいは剣道のメンで一本を取るような打撃フォームのQ屈指のパワーヒッターである。打ちに行った手の甲に球が当たりコールドスプレーの出番。結局は四球を選び出塁、更に盗塁。その間タイムがかかりちょっとした珍場面があった。サインを確認したい彼女のもとへ伝令が走り、観衆の注目を浴びることに。衆人環視のもとまた緊張しちゃう。更には彼女の脳裏には前回の暴走に近いホースプレーアウトの場面もよぎり気持ちはいっぱいいっぱいだったはずだ。おそらく気が動転していたのかもしれない。2盗のあと先ほどのYumaのタイムリーで本塁まで一気に全力疾走。3塁ベースを蹴った瞬間彼女の胸に去来する思いはきっとこうだったはず。

「アタシ、これでいいよね?本塁まで走っていいよね?間違ってないよね!」
無我夢中の本塁へ必死のスライディングで生還。遠くのギャラリーから大歓声が聞こえてきた。
それを聞いたとたんに....一気に涙が込み上げてきた。
実際本当に手が痛かったけれど、本当の涙の理由は極度の緊張から解放されて、みんなに笑顔で迎えてもらったからだ。涙の理由を知られるのがなんだか恥ずかしくて、手の痛みのせいにしよう。チームメイトのAkariが肩を抱いてくれて母のところへ連れて行ってくれて。そしたらまた止めどなく涙が溢れてきてしまうMisakiだった。

この一連のMisakiの心情は筆者の類推と想像による記述。数日後この件に関する近親者からの極秘情報を入手したその内容は、見事にそれを証明立証するものだった。我々大人が思ってる以上に、その見掛け以上に、子どもたち、特に女の子は極度の緊張の中でプレーをしているのだった。でもこの経験は彼女らの心の成長に大きく寄与しているはずだ。反して彼女の涙を見て筆者は指導者の端くれとしてとても良い勉強になった。ありがとう。

6:3のダブルスコアで迎えた最終回。
7回表の麻生の攻撃を抑えれば後攻のQは勝ちだ。Misakiに代わり守備を入れ替えセカンドにはSunaoが入る。緊迫の空気感に包まれながらプレーのコール。6:3と言えば多少勝ちが見えたような安堵感があるものだがこの試合は点差以上の緊迫感があった。いつまた同点にされるとも限らないわけで。2度も同点に追いつかれているのだ。ワンアウト後2番打者が四球で出塁。このままではまた麻生の脅威の超重量打線クリンアップに回ってしまう。予断を許さない緊張感に包まれるQueensベンチと応援団。この頃筆者の手元に回ってきた情報によると観衆は10万人越えを記録していた。

ここからは主将でキャッチャーのHimari目線である。
四球の走者を1-3-6T.Oの挟殺プレーでツーアウト。あと一人だ。
しかしこの日打棒爆発の3番の選手に右前安打を打たれて走者を出してしまった。次は3の2、今日3塁打と2塁打を打っている例の4番Yuri選手だった。Hinataの投球もすでに83球を超えている。体力と握力も限界に近づいているかもしれない。
「アタシは今日は良いところがなかった。チャンスで全然打てなかったし、自分のセカンド悪送球が遠因で失点してもいる。でも主将の自分が不調でもみんなのおかげでここまで来たんだ。絶対勝つぞ!」

4番打者はチラチラこっちを見ている。Hinataにサインを出すのはギリギリまで待とう。走者のリードも大きい。これは初球から絶対ランナーが走ってくると直感した。今度は絶対刺してやると思った。今までのミスを返してやるんだ。同時にチームメイトのみんなへの恩返しだ。Hinataがセットポジションに入る。打者もマウンドを向いた。
今だ!Himariはすかさず外角高めのボール球を要求するサインを送った。瞬時にHinataも理解した。やはり予想どおり1塁走者は2塁へスタートを切った。
ドンピシャの絶好の球、ミットのボールを右手に持ち直す動作ももどかしく思い切り腕を振り抜いて投げた矢のような送球は、交代で入ったばかりのセカンドSunaoがカバーに走り、ショートYumiが2塁へへダッシュする。白球はYumiのグラブへ吸い込まれた。ランナーが猛然とスライディングしてきた.............。Kitamatsuスコアラーの記述は(2-6T.O)。
一瞬グランドが静寂につつまれる。

アウトッ!

この結末はすでに昨日のブログで書いた。Himariの上記プレーも、筆者が実は後日近親者からの極秘情報を入手したものに基づいて心情を加味した記述である。ほぼ事実に基づいている。驚いた。こんなに女子野球のレベルが高いとは。いや同時に、Queensのレベルが高いのだ。こんな素晴らしい野球を見せてくれた可愛い女子たちに心から感謝したい。MisakiやHimariの号泣には理由(わけ)があったのだった。
下の写真中央。普段ポーカーフェイスで投げるHinataの表情が力を振り絞るように苦しそうにゆがんでいた。捕手Himariのサインに応えるため渾身の速球で外角高めに投げた最後の一球である。後ろのショートYumiも盗塁を察知してすかさずセカンドに走っているのが分るだろうか。大声で「走ったっ!」と叫んでいるようだ。Qの応援団では何人かが人差し指と小指を立ててツーアウトをコールしている。これは撮れるべくして撮れたゲームセット直前のこれらの場面を活写したものだった。

「集合!」
主審のコールでゲームセット。歓喜と落胆で明暗の分かれる両軍ギャラリー。少年少女野球では全国どこにでもある光景だが、これはQueens史上に残る印象深い試合のひとつであった。女子たちは抱き合って泣き、母たちも抱き合って泣いた。男たちも感動を分かち合っていた。

試合後麻生シスターフレンズのKatsukawa監督が、Kasahara代表に握手を求めてきた。
「Kさん、決勝で負けたら承知しませんよ。我々のぶんも頑張ってきっと勝って下さい」
粋なオトナのエールというものだった。
そのあと野郎どもは予定外の大宴会に突入したのは言うまでもない。
筆者の今週末の予定は、Queensの優勝で昼も夜もスケジュールがすでに埋まっているのだった(^-^)/


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2013年10月16日水曜日

ブログは鮮度が命(?)

この3連休は有馬フレンズ練習試合VS品川区ヒッポーズ、今年最後の宮前少年野球連盟秋季大会懇親会、宮前Queens「川崎ジュニアシスターズ軟式野球大会」、それに宮前から出場している連合チーム、単独チームの秋季川崎少年野球大会のエピソードなどなど。書くことは盛りだくさんあれど、頭と躯のスピードがそれに追いつかず。
昨日はQueens史上ベスト5に入るであろう感動的な試合であったゆえに(筆者の類推であるが)、時系列的掲載順を無視してQueensを優先して書いてしまう筆者なんであった。わずか1,2日の差であっても鮮度が命なんである。それでフレンズの話がいくつも没になった例は、星の数ほどはないけれど、丸いケースの中の爪楊枝の数ほどはあるんである。

今日はQueensの写真を編集だけでいっぱいいっぱい。いつかもやったけれどそれらの写真を納めたデスクトップのフォルダ内をMacの「グラブ」で撮った。試合経過に準じて全12枚。加工に使用した写真は52枚。実際撮った写真はその数倍か。
今日は一気呵成に文章まで怒濤の展開を試みたものの、志半ばの例のパターンである。
なのでそのサワリだけの写真を掲載して寝よう。
明日朝は何やら恐ろしげな最大級の台風が関東上陸とのこと。ベランダに置いてあるいくつかの鉢植えたちを早々に室内へ避難させた。連中も今晩はゆっくり雨宿りが出来るはず。
ではではQブログ本編は次回へ....。
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2013年10月15日火曜日

胸からこみ上げる熱きもの

「走った!」

マスク越しにHimariの視界に1塁ランナーが俊足を飛ばしているのが見えた。
すかさずボールを握りセカンドへの送球....。
一瞬のうちに脳裏をよぎる光景。
自分の悪送球で相手チームのチャンスを広げてしまったこと。
逆に走者を置いての大チャンスに凡打を繰り返し主将として打てなかった自分。
ここは絶対にミスは許されない...。
今日の自分の不甲斐ない邪念を振り払い、無心で思い切ってセカンドへ腕を振った。
伸びやかな放物線を描いた白球はショートYumiのグラブにぴたり吸い込まれた。
試合会場が一瞬の静寂に包まれる。
塁審のコール.....「アウトッ!」

集合!
主審の右手が挙がる。
一瞬ののち1塁側からの大歓声。抱き合って喜ぶ子どもたち。誰彼となく握手する男たち。泣いて抱き合って喜ぶ母たち。「男前なイイ女」Kitamatsu母スコアラーの目に映るスコアブックの文字が滲んでいた。怪我で途中退場し号泣しているMisakiの何倍もの涙を流しているMisaki母。泰然自若のSohma会長のサングラスの奥にも光るものがあり、普段強がりを言っているKasahara代表も「鬼の目にも涙」筆者に至っては涙のプールに溺れそうになった....。

「両チームキャプテン握手!」
「ありがとうございました」
相手チームへ挨拶「礼っ!」すかさず振り返りQueensベンチ方面へ向き直った主将Himariは一気にこみ上げる感涙。
「おぅうぇえん*☀♫♯◉してくらさった◒♣★☂ありやとぉござい♤♪☁〠⏎...うぇい!」
筆者すぐにiPhoneのGoogle翻訳ではなくSiriで翻訳してみた。
「速攻、今の言葉を翻訳してくれいっ」
Siri「ワカリマシタ」
Siri.....(考え中)......Himariサンはこう言イマシタ。
「応援して下さったみなさん、ありがとうございましたっ。礼っ!」.....デス。

まだ優勝したわけでもないのに宮前平のQueensオトナの部室「藍屋」へなだれ込むオヤジども。ほどなくしてK代表へなんとそのHimariからメールが届く。Kasaharaさん、
「静かにしてくれ。今からHimariのメールを読み上げるからみんな聞いてくれ」

『今日は応援ありがとうございました♪
色々とハラハラさせてしまってすいませんでした…(笑)
だけど私にとって今日の試合が一番思いでになった試合でした♪最後の盗塁をさしたのもとっても嬉しかったしいい経験でした♪
私が打てなくても他のメンバーがカバーしてくれたり、勝ったときに皆で嬉し泣きができたこと、この試合で初めて本当のチームワークを覚えた気がします♪
家に帰ってお母さんが笠原さんや相馬会長が泣いてたよと言っていたのを聞いてちょっと嬉しかったです♪笠原さんや相馬会長、そしていつもインターネットを通してお祝いの言葉をくれる豊島さん、このような応援してくれる人がいることで私達Queensが頑張れると思います♪決勝でも皆の満足する試合をしたいと思います♪
監督コーチ、お父さんお母さんがた、もちろん笠原さんや相馬会長、豊島さんが祝勝会で美味しいお酒が飲めるよう、ディズニーランドに行くためにもチーム一丸となって優勝したいと思います!!!!決勝戦でも応援よろしくお願いします♪ ....Himari』
(※原文まま。本人未承諾にて掲載、ゴメンネ。文責筆者)
更に泣いてしまった男たち。これ以上、もう多くは語るまい。

ハートが熱いうちに今晩これだけは書いておきたかった。試合詳報はまた次回に譲りたい。
ところで余談である。
ハートもガタイも大きい連盟会長、Queensを誰よりもこよなく愛するSohmaさん。先日のブログではミニバンの倍の大きさと控えめに書いたけれど、筆者の誤りであった。ここで訂正したい。どんだけ大きいかは会長高見の見物のこの写真が証明してくれるはず(^-^)/

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2013年10月13日日曜日

秋の釣瓶落し

日々くだらないダジャレが浮かんでは消え、消えてはまた浮かび、これをブログで開陳しちゃうおうかと目論みつつも、先週来からの仕事上の大トラブルが未だ解決の日の目をみない状況下では、ペンを執る気力も意欲も物欲も食欲も○欲も湧き起こらず、淡々とした毎日を過ごしていた筆者であった。

とは言うもののそんな人間のちっぽけな由無し事には目もくれず、地球は回り太陽は東から昇って西に沈む自然の摂理を頑に守り続けているわけで、あっという間に野球の3連休はやってきた。今日は南部リーグ大会のBチーム戦、VS松風スラッガーズであった。会場は多摩川河川敷丸子橋グランド。スコアラーは立派に一本立ちしてくれたOhmori父に全て委任。外野の芝ならぬ草むらからフレンズ予備軍のHajime弟がバッタをつかまえてきた。怪獣のように巨大なバッタである。どんだけ大きいかといえば前脚は外野フェンスにかかり、後ろ脚はセカンドベースにまで伸びるほど。ほれほれ、どーよ?(^-^)

バックネット裏で連盟審判の古参でもある前松風監督のUrabeさんとしばし談笑。
お互いのチーム事情を吐露しつつ、Higoさんのポークビッツのことや、スコアラーだったTawaraさんのことなどの近況を聞いたりして。松風はB2チームである。4年生中心で初めて試合に出る子も多いと聞く。投手は捕手からの返球さえグラブに納めるのがおぼつかないほど。シートノックを見て実力差は歴然と感じた筆者は、試合前にフレンズに言った。
「どんなに点差が開いても、決してニヤついたりふざけたりすんなよ。野球は真剣にやれ」と。相手に対して失礼だからだ。以前何度も逆の立場でボロ負けを喫し煮え湯を飲まされた経験があるからだった。「人の振り見て我が振り直せ」である。野球を楽しんでやることと、ふざけて遊び半分でやることとは大いに違う。小さい子どもにはまだ難しいことかもしれないが。

予想通りというか予想以上というか、結果は31:0のコールド勝ち。しかしうちの安打数はたったの3本。YuiとKyouのツーベース2本とhajimeの単打1本のみ。打ちたくてもストライクが入らないから打ちにいけない。四死球、失策、暴投、補逸の連続での失点である。うちも去年あたりよくあったパターンである。
そんな中でもチームは大差で負けていても、松風のライト君はよく声を出し続けて一生懸命頑張っていたぞ。これはスコアラーのOhmori父がスコアをつけながら賞賛していた。「あの子偉いなあ。ずっと声を出してるよ。頑張れ〜ライト!」と。そういう目線を持つことがオトナとして大事なことなんだろうと思う。

Nishikawa父から紹介された。「Tさん、うちの両親です。いつも「晴耕雨読」を見てて」
つまりはYuutaのおじいちゃん、おばあちゃんである。試合で孫を観にいらっしゃる祖父祖母はグランドではよくある光景だ。しかしこちらは大阪から連休を利用してのスカイツリー観光を兼ねての孫の野球観戦であった。とても品の良いご夫婦としばしの談笑。大阪のおばちゃん全てがヒョウ柄シャツを着ているわけではないんである。このブログが地方に住む祖父祖母にとってお孫さんの近況を知る格好のネットツールというのは最近よく聞くお話。野球のこのバカブログを通じて家族のコミュニケーションの一助となっているのならば、筆者も嬉しいことこの上なしなんである(^-^)読んで下さって逆にアリガトウ。

フレンズ選手の弟妹たち=フレンズ予備軍。彼らは野球などそっちのけで草むらで遊びほうける。これが彼らの本業だから大いに結構なことだ。昔Kenta、Kohta、Harukaがいた頃書いたブログに、ミーアキャットをもじった子どもらの守備を揶揄したものがあった。今日この写真を撮って久々にこれを想起した。Hajime弟とharuが同じ方向をポケッと見ているワンショット。草原の犬、プレーリードッグを連想させてくれた。...ねっ?(^-^)
ミーアキャット現象(「晴耕雨読」的文体まだ定まらぬ時期、拙い文章にてお恥ずかし)

試合後、短時間でもう1試合練習試合。5年中心のBチームだろうか。明らかにレベルが違う。うちは1,2年生も先発に使いのメンバー構成。それでも結構健闘しちゃっていた。
そうこうしているうち日没。紅く染まる多摩川の夕焼け雲をアップで撮れば、映画「バックドラフト」の爆裂の瞬間のような絵が撮れた。
秋のつるべ落とし。手を離した瞬間するすると井戸に落ちてゆく水桶を模して言う秋の日没。あっと言う間に日が暮れてしまう土曜の中秋の一日であった。
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2013年10月7日月曜日

心の成長は

久々のフレンズ野球ブログ。昨日行われた練習試合、町田市のつくし野フェニックスさんとの対戦である。町田は東京都なんである。ついでに言えば三浦しをんの「まほろ駅前番外地」の舞台であり、瑛太、松田龍平主演ドラマでもロケ地になったところだ。若い頃はよく仕事で行ったところでもある。町田も少年野球の盛んなところで、1学年で1チームのマンモスチームがひしめく。そのフェニックスさんの5年チームとの対戦であった。我が軍は6年1人5年2人、あとは4年以下。連合や怪我などで上級生がいない。もっともいたとしても人数的にはさほど変わりないのが実情ではあるけれど。

今日はいつもと違い、文章は簡潔に写真中心で行きたい。
プレイボール!
4年生の大エースRuiが先発。フレンズが世界に誇る小さな巨人だ。この時季の練習試合ではどこも選手をとっかえひっかえ、試験的にメンバー交代が激しいのが常。相手もうちも投手はめまぐるしく変わる。4年のYui、3年のYuutaと続く。

フレンズ猛攻、しかも失策エラーは2個のみだった。
時間制約なしの7回終了優先でやった。結果は...11:3の快勝。

そのRuiの弟がこの日チームに初参加。彼は今まで同年代の小さい子たちと砂場遊びがメインの業務だったけれど、砂場のフリーダムから制約の多いグランドで選手たちと半日行動をともにした。まだまだ屈託のない笑顔での参戦である。

写真的に良いものをチョイス編集。スライディングの土煙も粉っぽいものではなく、前日の雨のせいで砂粒が重そうだ。

5年連合にせっかく選ばれたのに、そのとたん機を前後して全く別の理由で足を骨折したHiro。全治3か月。不運としか言いようがない。来年のチームの中心選手である。連合に行っても全く野球は出来ないけれど、しかし本人もOhmori母も結構楽しんで参加しているらしい。良いことだ。野球は出来なくても「井の中の蛙」にならずに広く連合チームという大海の空気感だけでも感じてもらえれば、彼の中で何か成長するものがきっとあるはず。6年連合に参加している主将Takuto、Mamoruはもっと心が成長して帰ってくるはずだ。
反して選に漏れた野球大好き小憎のBenが不憫でならない。仕方のないことではあるけれど。
最後の1枚は応援の母たちの後ろ姿...。
決して東京ガールズコレクションの出番待ちのモデルの写真ではないので、読者諸賢の皆様、ゆめゆめお間違えなきよう(^-^)/

...............................................
今日、仕事上のかなりショッキングな事が判明して、相当落ち込んでいる私です。個人事業主にとっては死活問題。本当は少年野球に行ったりブログなど書いている場合ではありません。しかし昨日これらの写真編集だけは終わっていたので、一念発起、早くこれらだけはアップしたかった。それにジタバタしても始まらないし、野球やブログとは関係ないことだし。落ち込んだ上にブログも書かなくなっては益々ナーバスになっちゃうから。自分を奮い立たせる意味でも重いペンを執った次第。
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2013年10月5日土曜日

「全日本野球競技記録者連絡協議会」

銀行上層部を欺(あざむ)き、金融庁調査官の目を盗んで、極秘文書をもとに有馬フレンズスコアラー部が人目を忍んで極秘裏に会合を持って無事終了、その打合は3時間にも及んだんであった(^-^)

楽しくも真面目に、時にエロトークも交えつつもしかし真剣で有意義な「一級スコアラー士養成講座」がおわった。久々の一日2回のブログ更新なんである。エラそうに宣(のたま)うスコアラー部長の筆者は、少年野球といえども他のチームのスコアラーに比べたらおそらく3級にも満たないであろう。
野球一筋に人生を送ってきた人でも以外と知らないのが、この「一級スコアラー士」のことだ。「俺の野球知識は相当なもんだぜ!」と自認豪語する、そこのアナタ、これを読んだら愕然とするに違いない。

毎年3月と11月の2回、第二土曜日に開催される「全日本野球スコアラー士検定試験」がある。開催地は全国の野球県連の持ち回り制で、去年は茨城県鹿島田、今年の3月は奈良県北葛城郡明神での開催であった。主催は日本野球機構傘下にある「全日本野球競技記録者連絡協議会」=Baseball Scorer Conference Organization of Japan、略称BSCOと言う。我々関係者のあいだでは「ベスコ」と呼称している。全国からインターネットを通じて申し込みを受付け、毎回2,000名を越える受験者でなかなかの盛況である。私立高校のグランドと体育館を一日借り切って開催されるのが通例だ。受験料は3,500円もするので少々お高いのだが、この試験に合格し、一級の資格を取得した者には、BSCOから名前を刻印されたプラチナカードの認定証が授与されて、これを所持していれば全国どの試合に行っても賞賛の眼差しを一身に集められるのである。級は五級から一級まであり、それぞれに「野球記録記述実地試験」と「野球記録集計技能試験」がある。更に時代の趨勢(すうせい)に押されて7年目前の2006年12月に増設された「Excel集計結果入力技能試験」もある。因みにプロ野球のスコアラーは全員一級の資格保持者であるのは当然だが、プロのスコアラーになるには、一級資格を取ったのち実戦経験年数5年または240試合のスコアラー実績を必要とする。その上で更に各球団のプロスコアラー試験に挑み、一般常識問題と一般教養問題が追加されて、これらを全てクリアした者だけがプロになれるのだ。合格ラインは300満点中270点というから(合格ラインは公開されていない。推測である)相当な難関であるのはお分かりいただけるだろう。しかもこの合格者が全てプロとして食っていけるわけではない。日本のプロ球団は12球団しかなく、プロに雇ってもらうためには個別に門戸を叩き面接試験を含めたプロテストに合格しなければいけないし、必ずしも毎年募集しているとは限らないからだ。これ以上詳しいことは筆者にも分らないが、噂によるとあるプロ球団の面接試験では、試験官が突然話の途中でボールを投げつけて、それをスコアラー受験者がとっさによける反射神経を試すという某在京球団G軍もあれば、また別の、広島に本拠を置く某C軍の筆記試験では「日本において最初に「野球」という言葉を考案したのは正岡子規である。○か×か?」とか「最初に王シフトを考案したのはどこの球団か?」とか、更には「マツダの最新スポーツセダンの名称と一般小売り価格を答えよ」というものまであると聞き及んだ。真偽のほどはいまだに謎に包まれている....。

ハイ(^-^)もうお分かりですね。上記全て真っ赤な嘘、筆者の創作である。
しかし、今日フレンズの集計勉強会とそのあと実地で1,2試合分の集計を腕試しにやったのは本当なんである。
Ohmori父、Sone母に加えて、ソナチネ、じゃない、たらちねの母、じゃない、ソネチチ=Sone父も参加してくれた。草野球をやっているSone父からは筆者も答えに窮するような鋭い質問があったり、Sone母は几帳面に定規を使って選手名を書き分けたり、爆笑したかと思えば黙々と計算していて話しかけても気づかないほど夢中になっているOhmori父だったり。和気藹々であっと言うまにガストのドリンクバーだけで3時間が過ぎた。
これで筆者の財布が軽くなったけれど、肩の荷はもっと軽くなったわけで。ムフフ(^-^)

スコアの集計業務とExcel入力を経験した人ならわかるはず。スコアラーはグランドでスコアブックに付けておしまいではない。ベンチ入りしてスコアを付けるのは大変でかつ楽しいものだけれど、実際大変なのは自宅に持ち帰ってから人知れず集計することのほうだ。しかも締め切りというものがある。おそらく少年野球ではスコアブックは付けっぱなしで集計などはしないチームが圧倒的に多いのではないかと想像しちゃうんである。自分の苦労を形に残すという意味でも、もちろん子らの成績を彼らの想い出として記録するという意味でも、つらいけれどスコア集計はやるに越したことはないはずだ。益してや有馬フレンズでは筆者の息子が入部する前の20年以上前から連錦として続いている伝統芸能なので、おいそれと簡単にやめるわけにもいかない。
全国のスコアラーのみなさん、子どもたちのために、なおかつ自分のためにも頑張りましょう(^-^)/

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一級スコアラー士「スコア集計技能編」

少年野球(他のスポーツ団体も)において、土日の予定を組むのは各チームの監督またはコーチ、理事、事務局、マネージャーなどの仕事であり、毎週これほど煩雑で苦労する行為もなかなかないものだ。本当にご苦労様と言いたい。雨になった場合は簡単に中止の連絡網を発信するだけで済む場合と、かえって複雑に展開していく場合とがある。

我がフレンズは今週末この土日に練習試合が二つ、6年連合、5年連合、これに加えて土曜(今日)は近隣の幼稚園の運動会が絡み、もし雨ならば運動会は日曜に順延、するとグランドの有無が変わってくるわけで、臨機応変の対応策が必要になってくる。更には小学校での自転車の駐輪禁止まで派生して遠征に行くにも集合場所まで模索しなきゃなんである。
有馬フレンズスコアラーの筆者には、この土日にどうしてもやっておきたいプチイベントがあった。
それは「一級スコアラー士資格取得講座」の「スコア集計技能編」の開講である。

今年筆者は初夏から秋にかけて仕事が土日にまたぐことが多々あり、スコアラーをKanedaコーチ、Ohmori父、Sone母に振って急場凌ぎが次第にそれが常態化し、とんとお任せ状態になっていた。去年は替わりにスコアラーをやれる人がKanedaさんOBのMitsuyo女史だけだったけれど、筆者が8割りくらいは出来たから良かったものの、もし今年も人材がいない状態であったならばと思うとぞっとするんであった。しかし今年はスコアラー人材育成に力を入れて、前述二人の父母が立派に一本立ちしてくれたおかげで、筆者はものすごく助かったのである。

スコアラーには現場でスコアを付けるという最重要任務があるけれど、それ以外にも自宅へ持ち帰り人が呑んだくれている時に「スコアの集計」を夜なべしてやったり、更にその集計結果を人が寝ている時に「Excel入力」したりの3段階があるのだ。ここ数年間これらを一人でやってきたけれど、仕事の関係で今年はエネルギーが湧いてこず、サブスコアラーとの分業制に踏み切ることにした。目標は皆で手分けして完成させることだが、真の目的はこれによって、父母たちがスコアをつけれるようになればチームへ貢献出来る達成感を持てることと、来年再来年とずっと自然な形でスコアラーを継承してもらえることだ。筆者はこれまでメインでやってきたが、来年からは有馬フレンズスコアラー部・名誉顧問部長として、皆で回しながら業務を遂行していきたいと思うのであった。筆者のような一党独裁制で老兵がふんぞりかえっていたんでは、後継が育たなくなると危惧したんである。(ここだけの話だが、本当の本当は....俺、もっと楽になりたかったから、に他ならない(^-^)....。

さて今日は予報どおり雨。フォルコンズさんとの練習試合は中止であろう。
今日の午後はファミレスガストを借り切って「一級スコアラー士資格取得講座」の「スコア集計技能編」の講座を開講する予定である。借り切るとはいっても3人だからテーブルを一個占有するだけであるが。
この日のために人が呑んだくれたあとぐっすり寝た時間に夜なべして、資料を手書きで作成しちゃったんである。スコアの集計の仕方を順番を追って「晴耕雨読」風に書きなぐったものだ。おそらく全国のスコアラーの方が見れば、「俺は全く違うやり方をするぞ」という方もいらっしゃるだろうけれど。
銀行上層部を欺き金融庁検査の目を逃れて筆者作成の内部極秘文書を公開しちゃうのだ。



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