2018年8月14日火曜日

悩める大砲、起死回生

前日土曜の県大会敗退から、傷心の旅路を終えて郷里に帰ったフレンズナインであったが、その午後も猛練習に明け暮れて翌日の宮前秋季大会に燃えていたのだった。

さてその翌日の日曜なんである。秋季大会ブロックリーグ最終戦、VS南野川ブルーアローズ。ここまで互いに3勝0敗同士、1位抜けを目指しての対戦なんである。ブルアロ率いるは闘将Yoshida監督。土日以外でも平日毎朝のランニングなどの過酷な練習は他の追随を許さない強豪なんであった。

ライトRikoの元気溢れるプレーで大喜びのAdachiオヤジなんであった。なぜか両手でパチンコ台のハンドルを回すようなジェスチャーをしていたんである。
ネット裏では運営のOhmoriオヤジが居眠りぶっこいて...いやいや本人の名誉のために、偶然瞬きとシャッターを切った瞬間が重なった...に違いない。と、そう思う...たぶん...おそらく...かもしれない...パハップス、メイビー。

試合は2回表裏に互いに1得点す。フレンズはこの日先発マウンドのIchiyaの見事なツーベースを足がかりに、なんとか同点としたのだった。

丘の上の特別観覧席では天覧試合となった...違うか。3年前全国に行った代の今は中3となったレジェンドOB、RuiとHajimeであった。今は同じ全国屈指のボーイズに所属している。二人とも現フレンズのShohとAkiの兄貴でもある。Ruiはすっかり男らしくキリリとしたイケメンに、Hajimeは相変わらずの愛すべき童顔のままなんであった。



これも偶然である。ブルアロの控え選手のひたむきで真摯な姿と、それと対照的にノンビリポーズを見せる三塁コーチャーNaoya。ファインダーを覗きながら思わず笑ってしまった。Reina母、彼を叱ってはいけないぜ。単なる偶然なんであるから。こーゆー「単なる偶然」を見逃さずしっかり静止画に記録するのが、少年野球戦場カメラマンの真骨頂である。


回は4回裏Fの攻撃。ここまで実力伯仲と言うべきか、拮抗した展開で互いに1:1、安打数も仲良く1本ずつしかない。Ichiyaの力投が続く。しかしこの回はFにとってビッグイニングとなったんである。その口火を切ったのが悩める大砲、すっかり大人びて中学生かと見紛(みまが)うほどの体格になった主砲4番のHaruto。センター前へ幸先良い安打を放ち出塁、彼はこのあと大暴れすることになるのだった。

続くIchiyaが内野安打、敵失でRikoも出塁、するとManatoが持ち前の選球眼で..ではない今度は痛烈なタイムリーツーベースで2得点し逆転に成功。更にトップへ戻ると主将Shohのこれまたあわやホームラン、レフト後方の斜面を直撃する特大のタイムリーツーベースでManatoも帰還し追加点、この時点で1:5と点差を広げたのだった。

気がつけば二死満塁であった。打者一巡し打席に立つのはこの回反撃の口火を切ったHaruto。筆者は肉眼で観る普通の人と違い、その場面は小さなファインダー越しにしか見えてこない。大局が見えない分、逆にレンズを通して人には見えない詳細を知ることもあるわけで。Harutoの表情は何かが吹っ切れたような、冷静な姿がそこにはあったように思ったのだった。まるで孤高の野武士のような。「孤高の野武士」うーむ、我ながらうまいことを言う。

初球だった。筆者はいつも打撃動作に入る瞬間にシャッターを切るのだった。そうすると時差があってちょうど打った瞬間が画像に収まるんである。カメラをやってる人ならばご理解いただけるだろう。Harutoは初球にも関わらず迷わずバットを振り抜く。手応えがあった。すぐにカメラを放棄し肉眼で打球の行方を追う。夏空に天高く舞い上がった白球はぎゅんぎゅん飛距離を伸ばし、中堅手も途中で追うのをやめた。本塁とセンターを直線で結び、その線分を延長した先に緑の大海原があった。生い茂る樹々の葉を蹴散らすように、そこへ白球が吸い込まれたのだった。第一公園での満塁ホームランは数年に一度の快挙ではないだろうか。
短い夏を謳歌して盛大な合唱を繰り返していた蝉どもが、突然のミサイル着弾に一瞬鳴き止み静寂が場内を支配する。すぐに爆裂音が聞こえてきたのは決して緑の海からではなく、フレンズの大観覧席からであった。ベンチ、父母ともども拍手喝采、狂喜乱舞なんであった。母はもちろんのこと、普段Harutoには厳しい態度で向き合っているオヤジ、B監督のMaedaさんもきっと頬を緩めていたんび違いない。

Harutoの本塁打は今年初ではない。遠征先の小学校などで打っている。しかしこの第一公園球場で放つホームランは他のチーム選手にとっても特別だろうと思う。地方大会ではなく甲子園でのホームランを打った高校球児のように。
AkiもそうだがHarutoも真面目でシャイな奴だ。手荒い祝福にも粛々と照れながら甘受していたのだった。前日の悔しい負けを払拭して余りある、実に溜飲の下がる思いだった。
試合は1:9でFの勝利だった。チーム事情もあったであろうブルアロナインも頑張った。本来の実力を発揮していれば違った結果もありえたかもしれない。試合後談笑する両監督。FのItoh監督も前日の敗戦は相当ショックな様子だったが、今日は晴れて笑顔になったのだった。

このあと余った時間でOBのRui、Hajimeも加わり少し練習したんである。合同練習で第一公園を使えることはあっても、フレンズ単独でこの「宮前の甲子園」を存分に使えることは夢のようである。普段から第一や第四を恒常的に使用できるいくつかのチームにとっては想像できないくらい贅沢で嬉しいことなのだ。ましてや今のフレンズは有馬小では体育館工事のために、来年春までフルスィングの打撃練習が困難な状態なんである。その鬱憤を晴らすかのように長打を連発、伸び伸び欣喜雀躍の子ども達であった。
せっかくなのでRui、Hajime兄弟のツーショットを中心に写真を撮ってみたわけで。


日本国中今は寄生虫なんであった。日本国内にサナダムシが蠢(うごめ)いて....んなわけない。寄生虫ではなく帰省中。そんな方も多かろうと想像す。筆者は盆休みがないのだけれど、偶然この週は暇なんであった。クライアントに図面を送っても返信がないわけで。「便りがないのは無事な証拠」今週は突然の仕事が舞い込まない限り、のんびりできそうである。
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2018年8月12日日曜日

負けはキミを強くする

いよいよ東京新聞旗県大会なんであった。会場は大昔Nishiharaオヤジの息子Shingoの代に、フレンズが県大会で戦ったグランドなんである。筆者もOBコーチなりたての頃で、オボロな記憶が蘇る。相模原の原宿グランドである。「真っ赤なポルシェ」、フレンズジーサンズNishihara号で行ったのだが、がっつり遠かった。

対戦相手は南林間ファイターズ(以後MF)。初回は有馬フレンズ(以後AF)の主砲Akiに超特大のツーベースが飛び出したものの、両軍ともに無得点のまま2回表のMFの攻撃。1失点したが今のフレンズにはどうということはない。落ち着いてチャンスを待てば良い。相手には失礼だったがそれほどの力の差を感じないのだった。

ちなみに写真はほとんどがグリーンのネット越しに撮ったもので緑っぽくなっちゃってるので悪しからず。3回MFは簡単に二死まで追い込まれながらも、走者を溜めて2本の長短打で4得点し5:0とする。確かにこれはキツイぞ。結構焦った。でもまだ回は浅いので全然希望は捨てなかった。

4回にもMFは1点を追加し、ついにAFは6:0とされてしまった。なんとしてでも点が欲しい。さすがに6失点でこちらは無得点となれば焦っちゃうのである。



その裏先頭Akiが二打席連続の強烈な長打をレフト上空へ発射。長距離ミサイルは左翼手後方へ着弾しフェアグランドに突き出たネットフェンスへ。Akiがギュンギュン走り三塁打となる。次にIchiyaの内野ゴロの間に本塁生還しなんとか1点を返したのだった。写真をドドンと一挙掲載。これだけ連続して打撃写真を掲載すると凄い連打を放ったみたいに見えちゃうから不思議。

6:1から5回裏のAFの反撃が始まった。1死後走者なしから敵失が数個絡み、これに加えてKenzohとShohの見事な外野への連打などで4得点し、6:0から終盤で6:5と一点差まで肉迫したのだった。これにはAF軍応援団も大いに湧いたのだった。
「イケルぞ、絶対イケル」と。

最終回MFの攻撃は無得点。その顛末は一死後走者一塁で、打者が放った強烈なファーストライナーをKenzohが見事キャッチ、すかさず一塁を踏みライナーゲッツー完成、一瞬にしてチェンジとなった。しかしこれがこの試合の結末を暗示するとはこの時誰が想像しただろうか。
もう時間はない。AFはこの回で終わり。じっくり攻めるしかない。1点差なんであった。絶対勝つと信じて臨んだのだった。下位打線とはいえ先頭打者Manatoが絶妙な選球眼で出塁し盗塁も決めて一死二塁。この走者が帰れば同点、ラストバッターKenzohが上位打線に繋げたら一気呵成に逆転サヨナラのシナリオをAFの誰しもが思い描いたのだった。Kenzohは前の打席で綺麗なセンター前安打を放っている。
4球目を思い切り振り抜いた打球はヒット性のレフトライナーだった。行った!と思った瞬間レフトが捕球しすぐにセカンドへ送球、先ほどのお返しと言わんばかりの不運なライナーゲッツー....。この瞬間試合終了となったのだった。

この日のために猛暑の中選手はもちろん、指導者、父母らが一丸となって時を過ごしてきた。今週は台風の隙をついて毎日平日練習もやってきた。金曜の横スタでの開会式では他チームでは熱中症でダウンする選手が多くいる中、普段から毎週走り込んでいるフレンズは元気一杯で臨み、その後も有馬に帰り練習だった。
それだけにこの負けは選手にとってはショックだったに違いない。試合後は学年の高低に限らず嗚咽を漏らす子が多くいたのだった。それを見て母たちも目を赤くしていたのだった。
単純な負けではなかった。悔しくて辛い負けだった。もう少しで手が届いたのに。しかし、普通の負けではない。フレンズの底力と諦めない気持ち、チーム全体の和が試合後に残したものは大きいはずだ。この経験はきっとこれからのチームのチカラをより強固にしたのではないだろうか。
※この次の日の日曜、秋季ブロックリーグ最終戦は次回ブログなんである。この敗戦を吹き飛ばすような快進撃の試合であった。

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