2023年3月16日木曜日

春は心も温かくする

 「あのお、すみません」

道端で突然小学生に声をかけられたのだった。

.....

私はほぼルーティンとなった午後の公園への散歩を終えて帰路に着く途中だった。公園では今の仕事をどう、効率良く仕上げていけるかを頭で検分することでいっぱいで、時には何もリフレッシュにならないこともある。それでも新鮮な空気を胸に30分ほど公園のベンチに佇むのは悪くない。ちょうど西有馬小の下校時間帯で、あちこちの路上で子どもたちが賑やかに帰宅していたのだった。いつもの光景だ。有馬神明社から自宅へ向かう路上で、向こうに楽しげな親子が目に留まった。2,3歳頃の女の子と若い母親だった。内容は何か分からないけれど、立ち止まってとても楽しげに会話している。そこと私との間を歩いていた、小学生低学年らしきの男の子二人がやってきた。真っ直ぐ私に向かって声をかけてきたのだった。

「あのお、すみません」

「ん、どーしたの?」

ちょっと驚いた。多分今何時ですか?的な問いかけかと思った。過去にも何度かそんな体験をしているからだった。しかしこの世の中、物騒なご時世で子どもが他人の大人に声をかけるのは躊躇われることかと思う。善良な大人ばかりではないもの。ところが真面目な顔をした二人のうちの一人の男子が、おもむろにビニール袋から何やら一枚の紙と折り紙を取り出しながら言った。

「あの、僕たち、この街を笑顔でいっぱいにしたくて、これを差し上げますんで、良かったら挨拶してもらえませんか?」

...ん?最初は何を言ってるのか理解できなかった。

「え、どーゆーことかな」

見ると表情が固いではないか。知らないおじさんに声をかけるだけでも小さい子には大冒険なはずだ。ましてや筆者はキャップを目深に被りマスクをし、サングラスを帽子の上に乗せていたわけで、たじろぐかもしれないじゃないか。そう思った私は咄嗟に帽子の鍔(つば)をあげて笑顔を見せてみた。素顔を見せて警戒心を解こうとマスクも取ろうと思ったけれど、無精髭がボーボーだったのでこれでは却って不信感を抱かせるかと思いそれはやめた。

すると少年たちはちょっと表情が緩んで、同じことを繰り返し話しかけてきたのだった。鉛筆で何やら言葉を書いた色画用紙と見事な折り紙を差し出してきた。私の目の端では先の若い母親が、こちらをチラチラみているのを感じた。なんとなく合点がいって腑に落ちた。おそらく学校の課外授業か何か、地域の人たちとコミュニケーションをとるタスクみたいなことがあって、彼らが考案したかどうかは分からないけれど、そんな感じだろうかと理解した。その子はもう一度同じことを訴えた。

「この街を笑顔でいっぱいにしたくて、これを差し上げますんで、良かったら挨拶してもらえませんか?」

「うん、わかった。ボクたちに挨拶すればいいのかな?それともボクたち以外の他の街の人たちにも挨拶すれば良いかね」

少し逡巡したのちその子が言った。

「あ、はい、そんな感じです」

「分かった。こんにちは、ありがとう。これもらって良いのかい?」

「あ、はい、どーぞ」

これを受け取って、立ち去ろうとした子たちがどーにも愛おしくて言った。

「偉いねえ君たち。頑張ってな。そうそう、おじさんの子どもは二人いて、もう40歳近くなるけど、君たちと同じ西有馬小出身だよ」

二人とも同時に言った。

「おお、すげ〜」

思わず三人で笑ったのだった。何が「すげ〜」のか分からないが、可笑しくなって笑った。彼が手にしたビニール袋は空っぽになり、おそらく下校途中で出会った何人かの大人に、同じ手紙と折り紙を渡していたのだろうと想像した。

もう一度「ありがとうね」と言って彼らと別れた。10メートルほど先にいた若い母娘は相変わらず笑顔で何か話していたけれど、お母さんの視線が相変わらず私にチラチラ向けられてきているのを感じていた。個人的想像だけれど、彼女もまた私よりも先に、あの男子から同じ提案を受けて折り紙をもらい笑顔になっていたのではないか。私は彼女と目線を合わすことはできなかったが、何か頬が緩み、今私もあなたと同じ、ほっこりした気分ですよと伝えたくて、笑顔で通り過ぎたのだった。通り過ぎた後で自分にツッコミを入れた。「なんでそこでお母さんに声に出してコンニチハと挨拶しなかったんだよ」と。

嬉しいやら自責の念やら、でもほっこりした春の穏やかな午後だった。世の中捨てたものではないと、こんな子どもたちに私は逆に感謝したい気持ちでいっぱいだった。

にほんブログ村 野球ブログ 少年野球へ
にほんブログ村
少年野球ランキング

2023年3月12日日曜日

春季大会は春の兆しの陽光で

 久々の連日ブログアップなんである。昨晩は三苫の活躍をAM2:00まで観戦し興奮しちゃった訳で。二試合連続ゴールとはいかなかったが、十分チームの勝利に貢献した。更にはWBCのTV中継も見逃せない。大谷もダルビッシュも村上も良いけれど、ヌートバーがもっと良い。あのペッパーミルの「ガリガリ」または「グリグリ」ポーズが日本中を席巻しているようだ。ましてやイケメンだし。チェコのメンバーは普段は他に職業を持っていることに衝撃を受けた。そのチームが優勝候補の侍JAPANから点を取ったことは、とても素晴らしいことだ。応援したくなっちゃうわけで。とても楽しみなWBC今大会である。

さて、こちらは宮前春季大会なんであった。3試合分350枚、写真枚数多すぎてかなり割愛せざるを得ないことをお許しくだされまし。本当はもっと少なくしたいけれど、外せない写真を厳選なんである。

●フレンズVSモンタ(ジュニアの部@第四公園)

フレンズなわけで、OBとしてF寄りのブログになる。ジュニアの部は5年生以下であるけれど、Fは元々今季6年生が不在で本大会にも出場は可能だが、ジュニアのみの参加となった。他チームは近年思うに、ジュニアは4年生以下が中心になっているチームも多いようだ。人数的に5年生がAチームに引っ張られる傾向があるからだ。地方によっては1学年1チームなんてあるけれど、宮前では人口は増えているのに少年野球人口は伸び悩んでいる。或いは一極集中の傾向にある。多少の格差はあれジュニア大会は伸び伸び楽しく頑張ってほしい。

FではSakkyが投打に大車輪の活躍だった。投げては無失点、打ってはクリーンヒットの連打、可愛いガッツポーズ。

Aoiもラストバッターで登場。人間の手のひらは5本の指で構成されているのだと言うことを、ハッキリと改めて認識させてくれるようなクッキリと可愛い左手だった。

幼いながらもちゃんと野球になっており強いぞフレンズ。投打が噛み合い大量点奪取の展開となった。条件や内容は置いておいて過日バーズに勝っただけのことはある。結果は10:0でFの完勝。筆者的には打撃よりも投手陣や守備が無失点に抑えたことが素晴らしいと思うのだった。先日のバーズ戦も3失点のみに抑えているわけで。新生スコアボードは若干使い勝手が...、四苦八苦していたようであった。

●第二試合メイツVSアリコ戦。赤カブを駆って第一公園へ。こちらは本大会の部。序盤は一進一退の好ゲーム。しかしこの後の乱打戦をいったい誰が想像したろうか。2回終了時1:1の5分。

ところが3回以降は互いに打線が爆発、アリコの打線の繋がりはお見事だった。互いに長短打を連発しちゃう。

メイツ打線も投手の力投に応えんと奮戦。長打が飛び出て全く先が見えない展開に。互いに投手は決して悪くないのに、打線が爆発しちゃったのである。

超乱打戦を制したのはメイツ軍であった。16:10の2時間17分、近年稀に見る試合となった。

ちょっと筆を休めて休憩タイム。呑んべいのFujisawaさんが、とうとう宮前平駅前の居酒屋メニュー黒板をグランドへ持ってきたようだ。どれどれ、今日のお勧めは?「春の新鮮とれたて刺身盛り合わせ¥2,500、サクサク肉厚アジフライ当店特製タルタルソース¥450」「7時までご来店のお客様特典、中生ビール1杯300円(ただしおひとり様2杯まで)」と書いてあった。....もちろん筆者の目の錯覚である。正しくは備忘録的な来週の予定だった。いずれは事務局メールなどで共有されるはず。

三塁側外の道路沿いの藪にこんな綺麗なピンクの花がさりげなく咲いていた。アップで近寄って見るとなんだかプラスチックで作った精巧な造花のような出来栄え。実に可憐で美しい。

第一公園に存在する強風砂塵の元凶となる、雪のない大倉山シャンテ、ラージヒル。

今回からやっと一塁側応援席が従来の半分だけ解放解禁となった。春の陽気に誘われてここでの観戦はさぞかし素敵だろうと思う。

●ウルフVSフォルコンズ戦

こちらはまた一方的なゲーム展開となった。ただし最後の瞬間は違ったのである。

フォルコンズにはQのKumamoto三姉妹がいる。その二人CoconaとMiyunaはファースト、セカンドのコンビ。初回からWは3点先制す。

好き放題に打ちまくるW打線。さすがはウルフである。毎年ながらしっかり作り上げてきた感が半端ないわけで。今季宮前群雄割拠の一角をなすことは間違いないだろう。大型新人が目白押しの打線、早速2番くんが大きな本塁打を放つ。

マウンドCoconaになって背後で不穏なつむじ風、竜巻が舞い起こった。それはあれよあれよと言う間に大きく成長し、まるで天から龍が地上に舞い降りたかのような光景だった。

W2番くんはなんと二打席連続ホームラン。芯を捉える技術と遠くへ運ぶパワーは特筆だ。レフト後方樹木の葉の中へ直撃弾。

下の写真のどこかにボールがある。はてどこでしょう?ヒントはフェンス右下のおじさんが球を避けなふがらの視線の先に注目。打球をガン見しているじゃないか。

正解は赤雲マークのここ。25:0。このままでは終われぬFが最後に奇跡を起こしたのだった。主将くんが起死回生、溜飲を下げる長打を放つ。W守備にエラーはない。主将くんダイヤモンドを疾走し勢い余って前の走者を追い越さんばかりの激走。結果ランニングホームランと連盟が認定した。負けはしたが大いに盛り上がるF軍団と応援席。会場中が大いに湧いた瞬間だった。

最後にこんな楽しいウルフスタッフのバッグ。ウルフは野球も上手だが、バッグもジョーズだったわけで。(^-^)

やっと書き終わった「晴耕雨読」。今日は安い赤ワインをお供に日曜夜に精魂尽き果てるのであった。明日からの蓄積疲労が怖い。

にほんブログ村 野球ブログ 少年野球へ
にほんブログ村
少年野球ランキング