2012年5月16日水曜日

レンズの向こう側

「ドンドンドンドンドン〜♪」

土曜日に近くの有馬中学校で体育祭があった。筆者の家からは100メートルくらいなのである。這っても歩いても走っても車に乗っても飛行機で飛んでも、100メートルくらいの距離なんである。それぞれの時間は可変的であるが、距離は全てに共通してマンハッタンの地下の岩盤くらいに不変的であり普遍的でもある。
従って近いものだから「わあわあ、きゃあきゃあ」とても賑やかである。筆者この学校から聞こえてくる歓声が好きだ。うるさいと思うことは全くない。若い子たちが元気よく健康に弾けている様を、誰が疎ましく思うだろうか。逆に自分も楽しい気分にさせられるわけで。

仕事も一段落したのでちょっと行ってみようか?
去年もフレンズの卒業生たちを観に行ったし。でももうすぐ終盤か....。
「おしっ、行こっ!」

案の定終盤であった。有馬中名物の、その昔日体大から伝承されたという、ほとんど伝統芸能継承的演目が「エッサッサ」である。全校男子生徒が上半身裸になり、リーダーの太鼓に合わせて一糸乱れぬ動きを演じる。その昔、筆者の息子がいた頃、初めて観た時は感動ものだった。3年生の時、同窓で太鼓を叩くリーダーは高井雄平くん。鷺沼ヤングホークス出身、現ヤクルトのプロ野球選手である。全員が「エ〜サッ〜サ〜」と絞り出す、大人になりかけの中学生男子の野太いような甲高いような、あのビミョーな声がびりんびりん、大きく校庭にこだましていた。ひんしゅく買いを承知で誤解を恐れず言えば、今の子たちは昔に比べてナニカ迫力に欠けるような気がする...。みんな一生懸命やってはいるんだろうけれど。草食男子が増殖したせいだろうか。泥臭さがなくなった昨今の少年野球にも通じるような気がしてならない。
筆者が行った時はちょうど終わりかけ。ガックリ。
「エ〜ッ、サッサと終っちゃうのかよ〜」

あっちこっち移動しながらカメラを構える。全国どこでも体育祭の華と言えば最後の「リレー」である。後ろの父兄の誰かが言っていた。
「リレー選手に選ばれるのは大方、陸上部か野球部かサッカー部の連中なんだよねえ」こればかりは昔も今も変わらぬようだ。

フレンズ卒業生を探すものの、筆者目が悪いのに加えて一律みんな同じ体操着を着ていると、見分けがつかないんである。幼稚園の運動会で肉眼で我が子を探した経験のある方にはわかるはず。Kamiya母に教えられて唯一レンズに捉えられたのが、2ヶ月前まで小学生だったMuroiであった。中学野球に入り坊主になった彼はレンズの向こうでぐっと大人っぽくなっていた。寝ている時以外は常にずーっと喋っている性格は変わらぬようだが(^^)泳ぎをやめると死んでしまう回遊魚のように、喋ることをやめたら死んじゃうのかもしれないMuroiなんである。

ネット越しに写真を撮る行為は、銀行強盗よろしくストッキングを頭からかぶり景色を見るようなもの。オートフォーカスなのでどうしても手前にあるネットにピントが合ってしまうんである。それでもシャッターボタンを半押しにして何度か調整しているとネットの向こうの対象にピタリと合う。「よしっ」
⦅位置についてぇ〜..........⦆

⦅よ〜いっ.......⦆
アレッ?やばい、ピントがおかしいぞ。速攻再度オートフォーカスを作動させるものの時間がない。
⦅パーーーーーンッ!⦆
すかさずシャッターを切ってみる。
..........。
「これだよ、ったくもう〜」とひとりごちた。
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