いよいよ決勝である。その前に僅かな時間で軽くノックタイム。今年の侍フレンズを牽引してきたのは監督Satoh、29Inoue、28Ohshiro両コーチ。ことに監督Satohくんは筆者の息子の2年先輩である若さにもかかわらず、数年前監督をやっていた頃とは打って変わって、その采配は緻密にして時に大胆、Yanagisawa代表も認めるほどのオトナな指導が出来るようになった。...なんて書くと本人は良い気分はしないだろうが、野球の専門家ではない筆者でもそのあたりの機微には敏感だ。以前と変わってないのは、子どもたちからの信頼の厚さである。昔は「おっかないけれど楽しいお兄ちゃん的監督」から、今年は立派な大人の監督として子どもたちの人望を集めている。この分析は筆者は別に子らに訊いたわけではない。子らが監督を見るその瞳の輝きを観察すればおのずと分かろうというものだ。筆者とて伊達に十数年ベンチでスコアラーをやっているわけではない。
Satoh監督はこの翌日から宮前6年連合ヤンキース監督に就任する。Inoueコーチも然り。しばらくフレンズを離れることになるわけだ。ヤンキース選手、父母のみなさん、どうぞよろしくお願い致しまするm(_ _)m
このあとのフレンズについてはまた日を改めて記述することになろうかと思う。
おっといけない決勝戦なんであった。
対するは横浜市のニューヴィクトリー。電光掲示板の表記はNV。そもそもこの大会が「真の神奈川王者を決める」と言われる所以は、各地区で県や市で優勝・準優勝などの激戦を勝ち抜いて来たチームが参集する大会だからなんである。まさに雌雄を決する大一番なんであった。ついでに言えば有馬フレンズは区の秋季初戦敗退であるからして、6年生にとってはこの仲間で一緒に野球が出来る最後の公認試合となる。
Fの先発マウンドは今やRuiと並んでダブルエースの称号を授与しても良いくらいに成長したKyoh。Ruiに負けないくらいの細い腕でいくつもの窮地を凌いできたんである。
2回表NVの攻撃は先頭打者ツーベースヒットで出た走者を、手堅くスクイズバントで先制点。大柄な選手が多いNV重量打線は打席に立つとその圧はハンパないが、NVは確実な得点セオリーを選んだのだった(かも)。
その裏Fも「黄金のリレー」で1点をもぎ取る。8番四球出塁、9番送りバントで1番Ruiが驚異のタイムリー3塁打なんであった。勝利の方程式なんである。一気呵成に盛り上がるFスタンド。
更に3回のF。四死球などで塁を埋めた走者を7番伏兵Kyouhが逆転のタイムリー中前安打で2得点。このヒットがのちに監督SatohをしてKyohを最優秀殊勲選手たらしめることになる。(ちょっとずれた主客転倒の慣用句ではある。試験ではたぶん×なので真似しちゃいかんよ)
この回はこの僅か1安打のみで四死球などが重なり7得点のビッグイニングとなった。打者一巡したものの、1安打で7得点というのは少年野球ではありがちな展開である。少年野球に携わるコーチならばおのずと理解出来るであろうか。相手チームを慮(おもんぱか)って詳細は省く。
その後NVもFも無得点のまま、6回からはFは締めに満を持してRuiを投入。決して完璧とは言えないけれど苦しみながらも無失点に抑える渾身の力投だった。
とうとう神奈川の圧倒的頂点に立った。
筆者は石橋を叩いてもまだ疑心暗鬼で熟慮黙考し、結局渡らないで終わることも少なくないくらいの良く言えば、危険管理能力を備えた思慮深いタイプ(そりゃ良く言い過ぎだ)、悪く言えば優柔不断なんである。好きな女の子を前にして告白出来ずに悶々とし、ましてや壁ドンなんてもってのほかなんである。但し一旦やると決めた時は清水舞台飛び降り的に、壁ドンを通り越していきなり床ドンに持ち込んじゃう...(?)
しかし、この大会はハードルが今までの何倍もの高さがあったにもかかわらず、なぜか理由もなく大会前から勝つ自信があったのだった。こんなことを言えば結果論的コロンブスの卵だし、負ければ笑い者であるが、ココロの底辺に熱く漲(みなぎ)るマグマがうねっていたのだった。もちろんあっけなく初戦敗退の憂慮が無かったわけではないけれど、絶対優勝出来るという小さな確信があったのだった。
春の高円宮賜杯県大会・夏の東京新聞旗・秋の横浜銀行カップと、出場した神奈川県大会全てに優勝したのである。これを快挙、いや偉業達成と呼ばずしてなんと呼ぼうか、なんである。
小さな確信は大きな結果となった。子どもたちに感謝したい。
全身からほとばしるエネルギーを放出するように、恒例の帽子投げ。いつ見ても見飽きない最高の瞬間であった。
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閉会式。主催者からズシリと重い優勝旗・優勝カップなどを受け取るフレンズナイン。
前述したようにMVPは投打に八面六臂の活躍だったKyoh。
最後は行進なんである。神奈川の頂点を極めたチームにしては、相変わらず行進はちょっぴりヘタッピだ。これでもまだ、先人のコーチらによって良くなったほうだが。しかし、先日の某国の軍事パレードのような奇妙な整然さと異なり、いかにも有馬フレンズらしい「ふぞろいなリンゴ」たち。よほど好感が持てると思うのは筆者だけだろうか。但し彼らの名誉のために言えば、神宮での全国大会の開会式の行進は驚くほど素晴らしかったことを伝えておきたい。
宮前連盟事務局HP担当の筆者の盟友、文学の友、Nishimuraさんが(2480オヤジではない、2460である)HPにアップした文言は「おめでとう!」そして「ありがとう!」。宮前の誇りであると。宮前連盟前人未到の快挙であると。実に嬉しい言葉である。また過日、川崎市内のある他チームのMさんからもお祝いのお言葉をメールで頂いた。「同じ川崎として誇りに思います」と。2460さんやMさんやチーム以外のこんな方たちにも支えられているのだと思うと、文面を読んでいるうちに思わず知らず目頭が熱くなった。
tvkテレビ神奈川の女性カメラマンのリクエストに嬉々として応える子どもら。周囲の大人も思わず笑みがこぼれるわけで。こんな場面を一昨年Queensで経験してる筆者の見立てに狂いがなければ、このカメラに向かってわーーーーあっと、歩み寄るシーンは番組最後のカットに使われるはずだ。
球場を出れば陽は東から西に傾いていた。
2015年初頭、宮前で朝陽が昇り、全国大会で正中を迎え、秋の今大会で沈み行く太陽を目の当たりにしたようだった。西に沈むその光のチカラは決して衰えず、いつまでも僕らを照らしていてくれた。
ありがとう。
少年野球を愛するすべての人に感謝...。
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