すっかり通い慣れた境川球場ドームで胃の痛くなる県大会4回戦を闘い、有馬スタジアムに帰還後はオレンジボールの練習、雨がぱらついてきたので先に帰宅し、コンビニで買った「秋味」をぐびりとやりながらカメラからパソコンにオレンジの写真を転送、どれにしよっかなと写真の海の中をたゆたえば、いつしか瞼の前に帳(とばり)が降りてボロ雑巾のように眠りに落ち、気がつけばあらまあ高校野球の世界大会決勝と、女子バレーVS中国戦が始まっちゃってるではないかと、目をこすりながらシャワーを浴びてのち、またビールのプルトップをぷしゅりと開けて蘇生し、今日のうちにブログを書こうと意気込めば、TVではTOKYO1964オリンピックエンブレムの亀倉雄策氏の名作誕生秘話etcに、キーボードを打つ手が止まってしまっている筆者なんであった。
バサロ泳法のごとく息継ぎなしで長い前文を書けば「おいおい試合はどーした!?」との批判を浴びかねないので、そろそろ少年野球「晴耕雨読」に突入なんである。
(※筆者スコアラーゆえに写真は皆無。文章が苦手な読者諸氏にはポップコーン片手に気長に読んでいただきたい)
横浜銀行カップ4回戦、うちだけではない、ここまで来ればどこも百戦錬磨の強者(つわもの)どもが夢のあと...じゃなかった強者ぞろいなんであった。対するは湘南台クローバーズ。強烈な打球を惜しげもなくぽんぽん外野へ飛ばす強豪なんである。
1回表有馬フレンズの攻撃。
先頭Ruiが相手失策にて出塁、2塁まで脚を伸ばすと、更にShohgoも出塁し盗塁で無死2,3塁の好機に打席は3番Yui。今まではなんとか打ってやろうとする気負いが裏目に出て凡飛球に終始することが多かったが、今日のYuiは違った。明らかに肩の力が抜けてミートだけを心がけたのだろうか、綺麗なセンター返しで鮮やかな先制2点タイムリー。またひとつ成長したと思った瞬間だった。このあとの打席でも4打数3安打、いづれも強打ではあったがどこか吹っ切れたような伸びやかなスイングであった。
更に有馬Fは相手FCやWPなどの連鎖で1点加点し3:0のスタート。
これは想像なので筆者の独り言と思っていただきたい。湘南台クローバーズはやはり初回から堅くなっていたのではないだろうか。本来こんなにエラーを連発するチームではないはず。スコアラーをやった筆者の記録では、3失点はいずれも投手の自責点にはなっていない。これは裏を返せば有馬Fとて紙一重なんであろう。しかし、今年は大舞台での砲火をあびながらも戦場を駆け抜けて来た経験があるFは、目には見えないけれど集中力を欠かさない精神力も身につけているのだった。
3回表Fの攻撃。またしてもYuiがセンター前ツーベースと盗塁、4番大砲のHajimeに送りバントのサインで3塁到達、5番Kohkiが見事にスクイズを決めて4:0。クリーンアップトリオが長打と犠打ふたつで稼いだ1点だった。僅差の勝負になるだろうとの監督Satohの判断なのであろうか、手堅く1点をもぎ取った。この1点がのちに大きくものを言うことになるんであった。
3回裏湘南台Cの攻撃。9番打者がふらりと上げた飛球がポテンヒットとなり2塁まで出塁、1番が手堅く送り1死3塁、2番Sawakiくんが三遊間を見事に破る適時打で1点を返す。4:1。その後のFは長短打が出るも、線に繋がらず無得点。
4回裏Cの攻撃。4番主砲のSekineくんが見事なセンターオーバー2塁打、5番の進塁打ののち、内野ゴロの間に1点追加し、4:2。
終盤6回更にCの攻撃。安打で出た走者を7番Nishimuraくんが起死回生のタイムリー2塁打で本塁を踏ませて4:3と猛追肉薄するが.....。
結果終わってみれば4:3の勝利で勝ち抜いた。
先日は追って追って終盤の逆転劇の勝利。今日は追われて追われて逃げ切った勝利。どちらの経験も選手らをまた大きく成長させたに違いない。
以下のエピソードシリーズは、事実を元に筆者の独創的目線からの考察なんである。
エピソード1
4番Hajimeがバットを振り抜いた白球は高々と宙を舞い、レフト線のポールを左に旋回する特大のファウルボールだった。あと97ミリ右へ通過していれば文句なくフェンス越えのホームラン。惜しい。
エピソード2
2回Fの守備。走者は2塁。打者が打った打球はライト前安打。ベンチも観衆も皆ライト方向に目線が行く。浅い打球ゆえ少年野球ならではのライト前ゴロにすべく、セオリーからすれば、打者走者を1塁でアウトにするために当然1塁へ送球しアウトカウントを稼がねばならぬ。十分アウトに出来るはずだった。
しかし右翼手Kyohsukeはナニを血迷ったのか迷わず本塁へバックホーム送球。
ライト方向しか見ていなかった我々は、「はあ!?」「なんで?」
イチロービームとはほど遠い山なりのボールだったが、目を本塁へ転じれば2塁走者がホームへ突っ込んでいく瞬間だった。捕手Yuiが走者と交錯せんばかりに間一髪のタッチに行く。
日本中の鳥が地中にもぐってしまった朝のように、球場が一瞬静寂に包まれた。
「アーーーーウッ!」
審判の右手が挙がった瞬間、
世界中の鳥がグランド上空に押し寄せてきたかのように、球場中に歓声と悲鳴が響き渡った。彼は彼の視野にしか見えない走者の陰を捉えていたのだった。Kyohsukeのとっさの気転と判断に称賛を。それに果敢に本塁へ突進した相手走者にもエールを送りたい。Yanagisawa代表は「あれはアウトになったが暴走ではなく、あの子の勇気を褒めるべきだろう」。同感である。
エピソード3
8本の長短打を浴びながらも我慢の投球で先発マウンドを守りきった主将Rui。
カミソリのような強烈な打球が右横を抜けるかと思った瞬間、ナイフのような切れ味の反応を見せて飛びつき捕球し起き上がり1塁送球、打者走者をアウトにするプレーは圧巻だった。
しかし、このところ打撃では戦況や走者の位置、アウトカウントなどを考え過ぎて凡飛凡打に倒れていた(のように見える=筆者の洞察)のだった。本来のヤツはこんなものではない。野球は考えることは必要だ。だが、考え過ぎるな。野球を楽しめ!
最終回先頭打者のRui。まっさらな空間での打席。俺がここで打たなきゃというプレッシャーはあったかもしれないが、筆者の目にはそのスィングはどこか吹っ切れたように見えた。梅雨が明けた早朝に青空のもと朝顔が咲いた姿のように凛として。
キンーーーー。バットが火を噴いた。
その白球は三塁手の左頭上73ミリ上空を一瞬のうちに切り裂くと、きついカーブを描きながら白線ギリギリの左翼手横の芝を蹴散らし、鋭く回転しながらファウルグランドへ。息を呑むような圧巻のツーベースヒット。本来のRuiのバットが帰ってきたと思える打撃だった。
今週末土曜はいよいよ準決勝と決勝が待っている。
6年には最後の公認試合となるのだった。
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