2012年5月26日土曜日

ペンギンの弁明

YAHOO!NEWS「大脱走ペンギン、....」(読売新聞5/24配信)から。


《東京都立葛西臨海水族園(江戸川区)は24日、同園から3月に逃げ出したフンボルトペンギンを捕まえたと発表した。

 脱走が発覚してから82日ぶりの保護

 同日深夜、水族園は記者会見を開いた。それによると、午前11時頃、江戸川にかかる行徳橋(千葉県市川市)付近の住民から「ペンギンを見た」との情報が寄せられた。同園の職員が現場に向かい、午後5時半頃、ペンギンが岸に上がって休んでいるところを職員が素手で捕まえた。現場は、同園からは直線で約9キロの距離にある。ペンギンには外傷などは見られず、元気な様子で、栄養状態も問題ないという。

 逃げていたペンギンは昨年1月に同園で生まれた。体長は60〜70センチだが、まだ幼鳥で性別は不明。名前はなく「337番」という識別番号で呼ばれていた。右の翼に識別用の黄色いリングを付けている。》

有馬フレンズ兼宮前Queens広報担当部長が当の本人の単独インタビューに成功。独占スクープなんである。
以下「本人の弁」から。

「アタシはペンギンである。名前はまだない...なんてね。ニンゲンたちは勝手に337番なんて、味もそっけもない命名しちゃってさ。337ならせめて美々奈とかつけてくれればいいのに。773だったら奈々美とか七海なんかもいいかも。それに性別は不明って、いったいなんなの。失礼しちゃうわよまったく。ちいさな乙女心はズタボロよ。

ペンギンの脚で100歩譲ってそれはまだ許せるとしても、ニンゲン界で報道されてる「脱走」とか「逃走」とか言ってるのは全くの誤解、冤罪もいいとこ。ヨミウリもアサヒもこぞって同んなじ語句を使ってるけど、アタシはそんなつもりは全然なかったのよ。それにしてもこれ、もうちょっとカワイク写ってる写真はなかったのかしら。

3月4日にアタシが住んでいたカサイリンカイスイゾクエンのセメントで出来た1.5メートルの擬似岩をひょこひょこ登ってみたら、すぐそこに金網のフェンスがあるじゃない。アタシたちペンギン族はそこに何か障害物があると、ぴょんっと飛び越えたくなるDNAを持っているものなの。つまり本能なのね、これって。飛べない翼をぱたぱたさせたらエンの外側に着地しちゃったわけ。そのままぺたぺた歩いていたら、今まで見たこともない景色が次から次とアタシの横を通り過ぎて、楽しくなって夢中で歩いたのさ。でもそのうち体が乾いてきて水が恋しくなっちゃったの。水の匂いを求めてひょこたんひょこたん、へろへろになりながらも辿りついたのがエドガワという川。南極の水に比べると塩味がなくて、なんかクサかったけど、まあいいや、水には違いないんだから、この際贅沢は言えないし。ざんぶとひと泳ぎ。気持ちよかったなあ、あのときの水を得た魚、....じゃないペンギン。その後はちょっとクサい川魚を食べたりしてね。塩味が足りないから味の素の「アジシオ」が欲しかったけど、また陸に上がってコンビニまでのしのし歩いていくのはしんどいしさ。お金も持ってないし。それでも結構のんびりやってたのよ。ついこの間の朝は、ぷかぷかエドガワに浮いて空を見ていたら、お日さんがいつもの太陽と違って、変な輪っかみたくなっていたのにはビックリ。エンの外って不思議なことばかりなのよね。

んでもって昨日のデキゴトなのさ。
朝11時ころ泳ぎ疲れてギョートクバシ近くで岸に上がって、ふにふに、とろとろ休んでいたら、ニンゲンと目と目が合ってしまったの。アタシはニンゲンを見慣れてるから平気だったんだけど、そのニンゲンはなんかさぁ、慌てふためいてケイタイを取り出してどこかの誰かとしゃべくりまくっちゃてるわけ。そーこーしてるうちに、エンで見たことあるニンゲンがやって来て、アタシを抱きかかえてくれたんだ。ちょっと楽しかった日々ではあるけれど、やっぱ外は辛いこともあるしエンに戻るのも悪くないかなあって思っちゃったりして。
それにしてもやっぱりヨミウリもアサヒも「素手で捕獲に成功」っていったい.....。
せめて「捕獲」じゃなく「保護」したと書いてほしかったなあ。ニンゲン界では、子どもが迷子になって見つかったら「保護」って書くじゃない?

アタシたち動物もニンゲンも、同じこのチキューに同居共生するセイブツなんだから。

※この記事はフィクションではありません、ノンフィクションです。
 件(くだん)の渦中のフンボルトペンギン337番嬢へ極秘裏に接触を試み、単独 取材に成功したものです。(文責=筆者なんである)
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2012年5月22日火曜日

金環日食3

奇跡であった。飽くまで自分的にではあるけれど。
今朝はうんと早起きし、金環日食の観望と撮影に挑戦。外は明るいものの、こんなに曇りだとは想定外。侵蝕のし始めからNikonP100を三脚に据えて、いろいろ試し撮りをするも、うまくいかない。というより、雲が邪魔して肝心の太陽が見えてないじゃないかっ。こりゃヤバイぞ。

時間も迫ってきた頃雲の切れ目から少し眩しい光がもれる。あわててシャッターを切る。
うわ〜、もうこんなに部分日食が進行してるぞい。

雲がどんどん流れて、太陽もその間隙を縫って顔を出す。
昨日急遽手作りした観察用サングラスを当てて撮影を試みるも、液晶ファインダーには何も映らないわけで。これはもう無視して、直接レンズを向けることに。本当はいけないのだけれど、偶然雲がフィルターの替わりを買って出てくれている。目には問題ない。全くの幸運である。最初はコンニャロ恨めしいと思ったけれど、雲さん、アリガトウなんである。
いよいよ月が太陽にすっぽり入り込み、金環の完成。この時の雲の流れは正に天のフィルターが幸いし、次々とゴールデンリングが現れては消え、また現われる。マンションの下の路上から小学生の子どもの声が聞こえる。
「見えた見えた!!」

肉眼で観察用サングラスを通して観た方が多いと思うけれど、全く小さすぎて拍子抜けしたかも。カメラの液晶ファインダーを通して、こんな大きな画像をライブで見ながら夢中でシャッターを切った。
全125枚からのベストショットがこれかな。

もし雲がどんより厚かったら論外だったし、快晴であっても観察用フィルターの準備不足でキッチリ撮れたかどうかは怪しい。この金環の時だけいい感じの雲になり、その後はまた曇りで太陽はまさに「雲隠れ」しちゃったのだった。そういう意味で奇跡の偶然である。観察用の黒いフィルターを使った場合は記録としてはいいけれど、記憶に残る写真なら、むしろこんな薄曇りの感じがいい。ドラマチックな印象の画が撮れた。
因にフィルターを使って撮ったのがこれ。金環を逃してから撮ったので、まるで夜空に浮かぶ三日月と大差ない。ピンボケだし。こちらは失敗。

こういう壮大な天体ショーのたびに思うのは、人間って地球人である前に宇宙に住む住人という意味で、我々は「宇宙人」の一人なんだなということである。
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2012年5月21日月曜日

金環日食2

とりあえず....ど〜よ!?
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金環日食1

かつて天文大好き少年だった筆者は、今回の金環日食の天体ショーを危うくパスしそうになった。仕事とワタクシゴトのせいである。気がつけばもう数日後に迫る21日の月曜日。カメラに納めるべくネット検索しきり。甘かった。結構いろいろ用意しなきゃの材料あり。その最たるものが「日食観測用プレート」。あちこち店を転戦するもののどこもチャチでお高い観測用サングラスしか売ってない。専門的には太陽光を10万分の1に減光する一眼レフ用のNDフィルター(1万数千円)が必要。しかしうちはコンデジ。そんなんいらん...ってか買えないし、必要ないし、装着出来ないし。それで450円の「日食観測用プレート」を、足を棒にして家電量販店をハシゴして探したけれどネットでしか手に入らないようだ。ネットで見ればもう売り切れ。仕方なく仮面ライダーのお面風の1,000円近いオモチャっぽいサングラスを購入。アトムのキャラのやつは1,480円もするんである。石ノ森章太郎よりやはり手塚治虫のほうが偉いのだ。足元見るのもいい加減にしろってわけで。

NikonP100に手製の黒い紙で作った円筒をセロテープで設置し、「仮面ライダーフォーゼ」の観測用サングラスをちょきちょき切ってセット。
果たしてこれでちゃんと撮影出来るかどうか?
早起きしなきゃマズイ。
もう寝る。成功しても失敗しても次回ブログにて掲載なんである。
失敗の確率78%ではあるけれど....。

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2012年5月20日日曜日

一枚のクルマ

私事で恐縮なんである。ワタクシゴトはあまりここでは書かないんだけれど、......と思ったんだけれど、よくよく考えてみればブログという性格上、書いてきた事は全てワタクシゴトに違いないんであった。「風邪をひいた」と書けば、翌日グランドで「風邪、大丈夫ですか」と言われ、「徹夜で仕事した」と書けば、翌日グランドで「無理、しないようにね」と労われ、「なんで知ってるの?」...。考えてみればブログってこれほど恥ずかしいものはない。私生活やその人の考え方などが白日のもとに晒されているわけで。ひょっとしてブロガーとは自己顕示欲が強く、自己満足にひたっているおバカな人なのかもしれない、と思ったりして。自分では小さい頃から文章を書くのが好きなだけで書いてるのだけれども、いかがなものか.....。

.....と言ってる端からワタクシゴトをカクシゴトせずに書いてしまう今日このごろの筆者なんであった。
再び、私事で恐縮なんである。
娘は一昨年いわゆる「オメデタ婚」で婚姻し、一人の女児をもうけて今に至る。若い夫婦のかねてよりの希望で、今年遅ればせながら式を挙げることになった。「子持ち昆布」ではなく「子持ち婚」。6月2日。筆者もとうとうその日を間近に向かえることになり、なにやら落ち着かない日々。毎日バランスボールの上に乗って仕事をしてるような。でもってモーニングなる燕尾服を着ねばならなくなった。例のアレである。筆者のセンスからすれば、おおよそ着たくないファッションであるけれど、形式を軽んじてもいけないわけで。

というわけで、娘夫の父と一緒に横浜のレンタルブティック屋さんへ。気さくで頑固で楽しい、職人気質の年上の父である。筆者、モーニングのあのYシャツの襟が三角に折れたのが嫌いで、ましてやタイの首周りが露出してるのがどうにもいただけない。「ボク、これが嫌なんですよ。いっそ普通の白いシャツに統一しませんか」と持ちかけたら「俺はなんだっていいよ」と職人のお父さん。これだからOさんたまらなく好きだ。店内にはズラリふわふわのウェディングドレスが、綿アメの品評会よろしく陳列、花嫁に選択してもらうのをじっと待っていた。

ところで筆者は現地へ向かう前に必ずGoogleMapで場所を確認してから行く。パソコン当たり前の今、そんな人は多いはず。これからの時代はスマホで道中向かいながら確認するのが普通になるだろうけれど。
これは実際のレンタルブティック現地前で携帯で撮った画像。

GoogleMapにレンタルブティックの住所を打ち込み、経路や時間を検索しついでにアレも見てみる。
アレとは、「ストビュー」=ストリートビューである。これも多くの人が経験してるはず。見ているとたまに面白い画像に出くわすんである。そもそもこの画像はGoogleが、電気自動車の上に8〜10台くらいのカメラをプラネタリウム投影機状に組み込んだものを載せて、全世界の都市を走破して撮影し、コンピュータで繋ぎ合わせたものなんである。その繋ぎ目の妙で、時折ヘンな画像になることがある。人の頭がエレファントマンみたくなっていたり、角を曲がったら突然晴れから雪景色になっていたり....。米国では空き巣を働いたドロボウが塀をよじ登るところを偶然GoogleMapが撮影し、それが元で後日逮捕に至ったりとかとか。枚挙にいとまがない。

これが最初にMacに現れた画像。少し向こうに福山通運のクルマが見える。

ふむふむ。もう少し先に行ってみるか。先の矢印をクリック。
ずずずんっ、びよ〜ん。

はあ!?...なんじゃこりゃ、なんである。
福山通運のクルマが思いっきりペランペランの鉄板一枚で出来たクルマになっていた。もし、こんなクルマが実用化されたら、我が国の交通事情も一変し、渋滞も一気に緩和されるに違いない。一車線に10台くらいのクルマが同時に走れるわけで。
ただし、これの実現にはひとつ問題があった。
乗り込むドライバーもバスト3cm、ウェスト2cm、ヒップ4cmくらいにシェイプアップしなきゃなんである(^^)
渋滞事情緩和に寄与するのは、やはりちょっと難しいかもしれない。



2012年5月17日木曜日

IWGP

朝、相手に一時間半待たされ池袋の現場へ。更に要領を得ない打ち合わせが続き、昼メシにありついたのは午後2時。

池袋西口公園。石田衣良の小説《IWGP》池袋ウェストゲートパークの舞台となったところである。今でも新刊文庫が出ると買って読んでいる。マコトの語り口とスピーディーなストーリー展開が小気味よい。

池袋は河口付近で海水と淡水が入り混じるような、都会と田舎が混沌としてるような、独特の空気感を醸し出しているところ。

さて仕事に戻らなきゃだ。また忙しくなる。

2012年5月16日水曜日

レンズの向こう側

「ドンドンドンドンドン〜♪」

土曜日に近くの有馬中学校で体育祭があった。筆者の家からは100メートルくらいなのである。這っても歩いても走っても車に乗っても飛行機で飛んでも、100メートルくらいの距離なんである。それぞれの時間は可変的であるが、距離は全てに共通してマンハッタンの地下の岩盤くらいに不変的であり普遍的でもある。
従って近いものだから「わあわあ、きゃあきゃあ」とても賑やかである。筆者この学校から聞こえてくる歓声が好きだ。うるさいと思うことは全くない。若い子たちが元気よく健康に弾けている様を、誰が疎ましく思うだろうか。逆に自分も楽しい気分にさせられるわけで。

仕事も一段落したのでちょっと行ってみようか?
去年もフレンズの卒業生たちを観に行ったし。でももうすぐ終盤か....。
「おしっ、行こっ!」

案の定終盤であった。有馬中名物の、その昔日体大から伝承されたという、ほとんど伝統芸能継承的演目が「エッサッサ」である。全校男子生徒が上半身裸になり、リーダーの太鼓に合わせて一糸乱れぬ動きを演じる。その昔、筆者の息子がいた頃、初めて観た時は感動ものだった。3年生の時、同窓で太鼓を叩くリーダーは高井雄平くん。鷺沼ヤングホークス出身、現ヤクルトのプロ野球選手である。全員が「エ〜サッ〜サ〜」と絞り出す、大人になりかけの中学生男子の野太いような甲高いような、あのビミョーな声がびりんびりん、大きく校庭にこだましていた。ひんしゅく買いを承知で誤解を恐れず言えば、今の子たちは昔に比べてナニカ迫力に欠けるような気がする...。みんな一生懸命やってはいるんだろうけれど。草食男子が増殖したせいだろうか。泥臭さがなくなった昨今の少年野球にも通じるような気がしてならない。
筆者が行った時はちょうど終わりかけ。ガックリ。
「エ〜ッ、サッサと終っちゃうのかよ〜」

あっちこっち移動しながらカメラを構える。全国どこでも体育祭の華と言えば最後の「リレー」である。後ろの父兄の誰かが言っていた。
「リレー選手に選ばれるのは大方、陸上部か野球部かサッカー部の連中なんだよねえ」こればかりは昔も今も変わらぬようだ。

フレンズ卒業生を探すものの、筆者目が悪いのに加えて一律みんな同じ体操着を着ていると、見分けがつかないんである。幼稚園の運動会で肉眼で我が子を探した経験のある方にはわかるはず。Kamiya母に教えられて唯一レンズに捉えられたのが、2ヶ月前まで小学生だったMuroiであった。中学野球に入り坊主になった彼はレンズの向こうでぐっと大人っぽくなっていた。寝ている時以外は常にずーっと喋っている性格は変わらぬようだが(^^)泳ぎをやめると死んでしまう回遊魚のように、喋ることをやめたら死んじゃうのかもしれないMuroiなんである。

ネット越しに写真を撮る行為は、銀行強盗よろしくストッキングを頭からかぶり景色を見るようなもの。オートフォーカスなのでどうしても手前にあるネットにピントが合ってしまうんである。それでもシャッターボタンを半押しにして何度か調整しているとネットの向こうの対象にピタリと合う。「よしっ」
⦅位置についてぇ〜..........⦆

⦅よ〜いっ.......⦆
アレッ?やばい、ピントがおかしいぞ。速攻再度オートフォーカスを作動させるものの時間がない。
⦅パーーーーーンッ!⦆
すかさずシャッターを切ってみる。
..........。
「これだよ、ったくもう〜」とひとりごちた。
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