2015年9月5日土曜日

百華繚乱

「ヤマユリ」は神奈川県花なんである。家庭婦人バレーボールでも神奈川県では「やまゆり杯」てゆー大会もあるくらいだ。神奈川県下から女子野球少女をセレクションし、神奈川のベストメンバーを集めた少女野球チーム、その名も「やまゆり」。今年宮前からはサンダース・宮前QueensのAyanoが選ばれて参戦。

横浜銀行カップ神奈川県大会なんである。県内の強豪42チームがしのぎを削る。先週勝った有馬フレンズは今日、境川遊水池野球場Bグランドで上深谷ジャガーズとの対戦。その試合の前にAグランドで熱戦を繰り広げていたのが女子のやまゆり、なんであった。女子も男子チームに混じっての堂々の参戦なんである。筆者今年はフレンズが多忙でQueensに行けてない。その罪滅ぼしの意味でもカメラを携行しAグランドへ。
2:0でやまゆりリードであった。QueensのAyanoはベンチメンバー。あのAyano
でさえベンチということは、やまゆりのレベルの高さを物語るわけで。
試合中、姫たちは笑顔で応援。これは男子野球ではなかなか見られない光景である。男子ならば「おまえらナニ笑ってんだ!」と指導陣から怒号が飛ぶに違いない。

マウンドの投手の子は男子顔負け、いや男子を凌駕するほどの素晴らしい球を投げ込んでいた。男子でもそうそう打てるものではない。彼女たちもやまゆりの「一輪の花」であるが、応援母たちもショッキングピンクの応援Tに身を包んだ花であった。その背中には「百花繚乱」。その昔小田急百貨店のキャンペーンコピーの「百貨撩乱」というのを思い出した。試合は大差で華々しい活躍の花たちが男子チームに快勝なんであった。

Bグランドの有馬の野郎どもも負けてはいられない。
初回有馬フレンズの攻撃。四球で出塁のRuiは2,3盗塁を決めて、続くYuiが特大の左中間を破るタイムリースリーベースで先制、その後FCがらみで追加点を奪い2:0の幸先良い幕開け。この必勝パターンなら今日もイケルぞと思ったのは筆者だけではないはずだったが、このあと晴天の境川ドームの暗雲が垂れ込める展開になるのであった。

1裏、上深谷ジャガーズの反撃は1点、その後2回裏には、難なく2死後走者無しからまさかのDB、単打、四球からの長短打を浴びて4失点の有馬F。5:2と逆転さる。

Fの先発マウンドは舌をぺろりと出しながら投げる「ペコちゃん投法」のKyoh。
境川は白鷺の飛来する地としても有名だ。試合中も隣りの境川で1羽2羽と空を舞い優雅に野球観戦する白鷺が垣間見えた。その白鷺に呼応するかのようにKyohがマウンドで舞う姿は、折り鶴の鶴のような卍型なんであった。「ペコちゃん卍(まんじ)投法」と改めたい。

筆者、清水の舞台から飛び降りる覚悟で今、一眼レフカメラ購入を模索中なんである。昨晩は思わずAmazonでNikon D5500ダブルズームキットの購入ボタンを押すところだった。いやいや待てよ、Canonも捨て難い。あの白い望遠レンズへの憧憬(しょうけい )の念もある。スポーツや商業写真のCanon、芸術写真のNikon、どっちも魅力的な響きを以て筆者のココロを揺さぶるわけで。共同写真のカメラマンのCanonに思わず垂涎(すいぜん)なんであった。
某水泳選手の韓国での事件みたいに思わず手を伸ばしかけたくなっちゃうのであった。(筆者はあれは日本人選手は無実だと信じている一人だ)

4回表Fの攻撃は無安打ながらHajimeの犠牲フライからタッチアップで生還したRui、WPもからんでの2得点で5:4と上深谷Jに肉薄する。

筆者戦場カメラマンなんであったが、ふと遊歩道を見るとさきほどの、数人のやまゆり戦士たちがにっこにこの笑顔でこちらへ来るではないか。レンズを向けた筆者とQueensのAyanoの目が合った(気がした)。
筆者すぐに笑顔で手を振る、「おおーい、Ayano!」。すかさず女子たちが笑顔で応えて手を振りながら筆者に駆け寄ってきた。1メートルまで接近した時に互いにぴたりとフリーズ。世界中の時計が氷河期を迎えて凍り付いたように。
「アレ?」向こうも「アレ?誰このオジサン」
筆者目が悪いのですっかりAyanoだとばかり思った子は見知らぬやまゆりの女子であった。
その子はカメラを持ったオジサンが手を振ってきたので、条件反射的に思わず駆け寄っただけらしかった。
トホホのホ。一眼レフの望遠レンズを買う前にコンタクトレンズを買わなきゃなんであった。

終盤5回いよいよFの反撃なんである。下位打線から四死球犠打で走者を溜めると、主将Ruiのここぞの適時打で5:5の同点、Shohgoが四球を選び押し出し逆転などで一挙4得点で8:5のリードに転じた。大いに湧き上がるベンチ。
更に6回にはTaichiが安打で出塁、今年6年生ながら打席に立つ機会に恵まれないBuntaが代打に起用、セカンドゴロの間に1点加点、Buntaには今季二つ目の打点がついた。
9:5....。こちらにも最後にやっと華が咲いた。
下位打線が地道に上位に繋ぎ、上位打線が華々しく安打で返すフレンズ野球。しかし今日の華は下位打線の選手諸君にあった。まさに「百華繚乱」

終盤の逆転劇は胃と心臓に悪いけれど、終わってみればココロには気持ち良い風が吹き渡るものである。監督Satohには今度部費で胃薬を買ってやろうか。
ベンチスタッフを横から撮ると誰かしら陰になるものだが、今日のショットは10枚くらいシャッターを切ったら偶然全員の顔が収まった1枚があった。Nishinaka母が祈るように手を合わせた姿が印象的。
試合後スコアラー部長のAyumuオヤジが真剣にスコアブックを検証し加筆修正する。
選手はもちろんベンチスタッフも父母の応援も、我々OBコーチも一体となっての逆転勝利。
これだから少年野球はやめられないわけで。

試合後、駐車場へ向かう途中境川の川べりで白鷺の群れに出会った。
1,2羽しかいないと思っていたが川の中州には9羽の大群がいたんである。9羽?野球チームが出来ちゃうじゃんかよ。その中でも主将と思(おぼ)しきボス的白鷺くんにファインダー越しに声を掛けた。
「こんちは。宮前の鷺沼方面から来た有馬フレンズと申します。同じ鷺(サギ)のよしみで今度練習試合をどーぞ4649!」(※その昔沼地であった今の鷺沼駅前の地に、白鷺が飛来していたことに「鷺沼」の地名の由来がある)
......。
もちろん、すっかり無視されちゃったのは言うまでもない。
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2015年9月2日水曜日

模倣と独創のあいだ

「このエンブレム、いったい何?」

うーーーーむ、なんたることか、東京オリンピック2020エンブレム問題。
先日ここで偉そうに「もの申す」的なブログを書いたあと、更に連日のパクリ疑惑が噴出しちゃってから二転三転、とうとう今日取りやめの公式会見が18:00から行われた。筆者仕事で図面を描きながら、J-WAVEを消してNHKの中継に見入った。授業を中断してアポロ13号の月面着陸中継を視聴覚室で見た小学5年生のときのように。

「模倣ではない」天からの啓示を受けて全くのオリジナルなのに偶然似てしまったのか、それともドイツのタイポグラファーの展覧会を見に行き、それに感化されてヒントとしたのか、或いは部品と色と配置を変えたパクリなのか。何度も言うけれど「部品と色と配置を変えた」だけのデザインをパクリと断定するならば、世の中いっぱいあるんである。原作にリスペクトしつつそれを元にデザインすることは実に多いはずだ。今回は世界的なイベントであるオリンピックのエンブレムデザインということに加えて、あまりに「似ている」疑惑の対象となるアイテムが多すぎて、噴出しちゃったことがコトが大きくなった要因ではないだろうか。

何かを見てそれを参考にデザインすることを世間的に「パクリ」と非難されるなら、グラフィックデザイナーやファッションデザイナー、工業デザイナー、建築家、インテリアデザイナーなどはメシの食い上げである。要は程度問題なのだろうけれど、今回は意図的に似せたのか、偶然にも似てしまったのか、それは本人にしか分からない。「断じて模倣ではない」という言葉も、では模倣とは何か?参考にしたことを模倣というのか、明らかなパクリを模倣というのか。

今回は佐野氏はかなり分が悪い。デザイン業界では本人の言い分を理解し擁護する向きも多いし筆者も同じ傾向にあったけれど、やはり状況証拠からするとハッキリ黒とまでは言えないものの、かなりグレーゾーンだと思う。
これがもし、全くのオリジナルであったならば、偶然にも似てしまっていたのならばもの凄く不幸な出来事である。彼がとても気の毒に思う。だけどやはり....という感は否めない。
100年前ならともかく、今やロゴやマークなどのデザインは出尽くした感がある。クルマのデザインを例にとっても、街をゆくクルマ(特に小型車)の実に似たデザインが多いことか。マンションの設計でも似たようなデザインが多い。ここ数年は外壁のタイルの色を階層によって濃淡をつけたり、色分けして貼り分けるのが流行っている。筆者が身を置く店舗デザイン業界でも、海外の建築雑誌を参考にしたり、話題の飲食店へリサーチしに行って、そのエキスを吸収したりは日常茶飯、若い頃はそれが当たり前だった。
これらと今回のオリンピックエンブレム問題はもちろん同じ土俵で語れないのは承知の上である。

破棄し撤回....じゃなかった、白紙撤回。
これからまた公募するらしい。
雨後のタケノコのようにネット上に新エンブレムのデザインが氾濫しているらしい。筆者はその時見たことないがTVニュースで知った。ならばとネットを検索してみる...。

誰が作ったのか知らないが、少年野球「晴耕雨読」BLOGという何やら少年野球をテーマにしたブログらしいが、偉そうな「なんである」調の文体に加えて、時々私的なバカ話も書いたりしている、実に怪しいサイトなんである。そこにこんなデザインが載っていたんである。
このサイトの説明によれば制作者のデザインコンセプトは以下のようだ。
「バックの赤は日の丸ニッポンと情熱と太陽を表し、青のTOKYOのTの字は上に突き抜ける青空を、左の黒は地球の大地、右の黄色はその大地に射す明るい光、そして緑の丸はこれからの地球環境を大切にするエコの象徴を表現しました。
更にこの5つの色は五輪マークの基本である世界の5大陸を表す5色をそのまま用いております。
全体構成の説明をいたしますと、全体の四角を100×100mmとし、それを5分割するとひとつの単位は20mmになります。これら5色の図形は全て20mmの倍数で構成しました。Tの中央の縦棒の幅は全体の1/5の20mm、赤い円は直径80mm、緑は同じく20mmで四角の上辺から下へ40mmの位置に配してあります。黒や黄色は40×40mmの1/4円となります」

と、書いてあるではないか....。

ワカリマスカ?
騙されましたか?
そーなんである。このデザインは少年野球「晴耕雨読」のブロガー、筆者「T」が即興で35分で作ったもの。

エンブレムはまた公募するとニュースで知って、頭の中でいろいろ自分なりに試行錯誤。ならばいっそ皮肉を込めて今回の佐野氏デザインをリスペクトしながら「模倣と独創」のギリギリのデザインを考えてみた。佐野さんのTの文字をヒントにしたのは否めないが、これならばどうだろうか?たぶんベルギー博物館に訴えられるほど酷似してないし、ドイツの展覧会のデザインにはほど遠いし、佐野さんのエンブレムとも一線を画しているはずだと思う。
閃いてからすぐにスケッチブックに7案ほどを鉛筆でラフスケッチ、これに要した時間たったの5分。それから一気に興が乗り、ワールドカップVSセルビア女子バレーの熱戦を右目で応援しつつ、左目でグラフィックソフトを立ち上げてガシガシ、クリクリ、これの制作は30分。Wikiで五輪マークを引っ張ってきて、セリフ体(明朝体)の適当な2020TOKYOのフォントを配置した。但し後半の「1/5分割」の全体構成は真剣に考えて作ったものである。

もちろん遊びで作ったものだから精度もコンセプトもいい加減である。先に書いたデザインコンセプトなんかは、実は作ってからこの絵を見つつブログを書きながら後付けで考えたものである。てんでチンドン屋風でまるで国際コンペには向かないことは自明の理。ただしもっと色数を減らし、シンプルにすればもしかして....。なんて夢想してみる今日この頃なんであった。

もし公募が終わり、選考に残ったものがこれに類似していたら面白いではないか。
しかしたぶん、ネット上などですでに公開しているデザインは応募対象から外れるはずだ。だからこれを出すわけにはいかない。当選作がもしこれに類似していても筆者は訴訟は起こさないからね。
いや、待てよ。
そもそも即興で作ったこのデザイン、もしかしたら世界のどこかの、場末のレストランのマークなんかと似てたりして(^-^)
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2015年8月31日月曜日

リベンジの雨中戦

今日のブログタイトルは「雨中戦フレンズ号」か「宇宙船フレンズ号」にするか迷っていたのだった。ところがこれも過去の記憶が蘇り、ブログ内を検索してみると同じタイトルで書いた記事があったんである。「宇宙船フレンズ号」

ホームランや長打が飛び交う乱打戦を「空中戦」と呼ぶ。今日の秋の県大会である横浜銀行カップは、県下の正に強豪がしのぎを削る大きな大会。これがそぼ降る雨の中での「雨中戦」となったんであった。
会場は境川遊水池公園ドーム。....「おいおいおい、ドームならば雨は関係ないじゃんか」というツッコミは今のところ受け付けない。クレームがあれば弊社少年野球「晴耕雨読」BLOG秘書室か、お客様ご相談窓口へどうぞ、なんである。
盟友鷺沼ヤングホークスの野球狂のIshikura夫人が今日も応援に来ていただいた。更におしどり夫婦のごとく、ヤングIshikuraコーチも。頭が下がる思いである。Ishikuraさんのアイロニーの効いたIshikura節は今も健在だ。

対戦はあの栗木ジャイアンツ。
(※このブログでは文体のリアル感を損なわないために、相手チームに「さん付け」での表記はしておりません。呼び捨て風になってしまいますが、各チーム関係諸氏、どうぞお赦し下さい)
あの、と書いたのにはワケがある。今季川崎市子ども会の市大会決勝で、あと一歩のところで涙を飲んだ相手だからなんである。まさか県大会初戦でまた相まみえるとは思いもよらなんだ、なんである。当然フレンズはリベンジを誓って試合に臨む。かえって良かったのかもしれない。勝ってあの呪縛から解き放たれれば、フレンズナインの士気も高まろうというもの。(FマネージャーTagamiオヤジ談を引用)
薪(たきぎ)を枕に寝て、熊の胆(きも)を嘗(な)めてこの日を迎えたのだった。勉学に励む中学生は「がしんしょうたん」でネット検索されたし。

初回栗木Jの攻撃。先頭打者がいきなりの3塁打で出塁すれば、Fの二つのエラー、送りバント、四球、適時打などが絡み、あっという間に有馬Fの3失点。選手たちの間に浮き足立った空気感を察知したのは筆者だけではあるまい。

2回裏有馬Fの攻撃。先頭Hajimeが四球を選び、WP、kyohの安打で3塁へ進塁、のち、一死満塁から押し出し四球でなんとか1点もぎ取る。

今日のマウンドのRuiは今ひとつ調子が全開ではなかったようだ。Ruiにしては珍しく死四球が多かった。ボール球は投げても滅多なことではデッドボールは投じない彼なんである。しかもJに対して毎回安打を許している。が、後続を断ち得点を与えないところは、ヤツの真骨頂なんである。調子が悪いなりにも徐々に調整していける能力とガッツがある。

3:1の閉塞感を抱えたまま回はすでに5回裏。
Yuiシフトを敷かれた外野の向こうへ打球を飛ばすことは出来ず、今日は無安打のYui。しかし選球眼もひとつの武器なんである。四球を選択すれば単打を放ったと同様、盗塁、その後、アジアの大砲4番Hajimeに長打が出て1得点。更にKohkiの打席で相手失策で1点加点し同点。そしてKyohがこの日2本目となる安打がツーベースとなり、タイムリーヒットでついに逆転に成功、4:3。

ぽつりぽつりの雨が試合終盤にはさらさら降るようになり、やがてびゃんびゃん降るようになった。まだ中断するほどではない。
筆者戦場カメラマンはいつもカメラをオートで撮っているんであるが、光量が足りず選手の動きがブレるようになった。そこでシャッタースピード優先モードに切り替えて撮ると、今まで雨の降り様が線だったのが、点になって写ることに。高速になればなるほど雨粒が宙に浮いて見える。躍動感には欠けるがリアルな場面が撮れるんである。

最終回Ruiは三者凡退に抑えてゲームセット。
改めてスコアブックを検証してみると、面白いことが分った。
栗木Jの安打数は7本に対し有馬Fのそれはたったの3本。これはまるで先日宮前秋季大会初戦で負けたVSモンスターズ戦とほぼ同じ数字なんである。モンタは3本、フレンズは7本の安打を放ちながら少数安打のチームが勝利している。(ただし、この比較2試合の勝利理由は大きく違うけれど)
安打数が多いチームが勝つとは限らない。少ない勝機を逃さず、繋げる野球で勝つことも大いにあることを学習したい。今年は幾度かそんな場面を切り抜けてきての今がある。更に言えば強いチームの絶対条件は打たれないことではなく、四死球を出さないことと、エラーをしないこと。上部大会になればそんなチームはゴロゴロいる。そこで初めて差がつくのは打力と投手力なんであろう。いくら守備が良くても打てなきゃ点は入らない。
野球って面白い(^-^)
但し何事も、言うは易し、行うは難しだけれどね。
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2015年8月30日日曜日

東京オリンピックのデザインについての私見

ひと言申し上げたいんである。デザイン・設計業界の端くれとして。
この話は、筆者を取り巻く状況がフレンズの大きな大会が目白押しでずっと書けなかったんである。

今何かと話題になっている2020年東京オリンピックの新国立競技場問題。工事見積が膨大に膨れ上がりザハ・ハディドデザインを白紙撤回したことは記憶に新しい。記憶に新しいというにはまだまだホットな最近の話である。2,500億超の根拠にも疑問があるが、これまでにザハ事務所側に支払った数十億単位のデザイン料は国民の血税から拠出されており、それは全て水泡と帰した。これだけでも我々は怒りを露にしなければいけないのだけれど、時間がないのでその次の策をどうするかでやっきになっており、もはやそれどころではない。

なぜこんなにも迷走したのか。それはある報道によると、デザイン事務所のデザインとそれを具現化するための設計とこれを見積もる建設業者の3者が勝手に一人歩きし、統括されていなかったという要因があるのだそうだ。統括するのは国である。だから3者には責任はないとは言えないけれど、責任者不在のまま今度は「デザインビルド」方式で新たなスタートを切るという。2020年までに完工させるには設計と施工を分けないで一括で請け負うこの方式でないと間に合わないらしい。「デザインビルド」とはいわゆるデザイン設計も施工も1社に任せるやりかたである。業界では「設計施工」とか「責任施工」という。日本の建設会社は世界的にも非常に優秀なので、それも一計かとは思う反面、設計事務所と施工会社が分離されず、1社独占による利権や既得権益的な懸念が払拭できないおそれもある。おそらく1社とはいえ、結果的には国家的事業なので、JV(ジョイントベンチャー)を組んで数社での施工になると思うけれど、とても面白くない。デザインや設計だけに特化し生業(なりわい)としている企業は出る幕がないことになるからだ。
筆者は建築業界の中の、店舗設計業界の中の、更に個人設計事務所なので、サハラ砂漠の砂粒ひとつに過ぎないけれど、今回の迷走ぶりには忸怩たる思いを抱えて、連日の報道を横目に仕事と野球に没頭していたんであった。
池井戸潤著作「鉄の骨」では日本の建設業界の談合体質をテーマに描いたものだったが、それを脱却した(?)今、世界に誇れる日本の設計施工のデザイン力と技術力に期待したい。
金をかければ良いデザインを実現出来るとは限らず、逆に金がなくても良いデザインを具現化出来ることもある。但し理想と現実は相反し、悲しいかなほとんどの場合、金がモノを言うけれど。

ここで終わらないんである。もうひとつ。
世間を騒がせている東京オリンピックのもうひとつの話と言えば、佐野氏のロゴマークデザイン。昨日やっとデザインコンペの際の最初の原型と経緯が公表された。こちらも前出建築同様、共通項は「デザイン」なので筆者には他人事とは思えず、ずっと興味を持って報道に接していた。

初めて見たあと、ベルギーの劇場ロゴマークデザインサイドからクレームがついて、二つのエンブレムを見比べた時の筆者の経験値から第一印象を言っちゃう。
「似ているけれど盗作ではない」
佐野氏が本当にベルギーのデザインを見たことがなく、全く独創的に作ったのかどうかは、もちろん知る由もない。(※サントリーのトートバッグは正真正銘の正々堂々たるパクリである。言い訳は出来ないくらいに)....ただ言えることはこの程度で盗作と言われたら、世の中盗作だらけになっちゃう。日本語に比べて英字は圧倒的にシンプルなため、TOKYOの「T」に特化して何かをデザインしようと思ったら、1万個のデザインの中で数十個くらいは類似するものが出て来るのは自明の理。ましてや佐野氏の当初のデザインは全くベルギーとは似ていないものだった。
筆者も含めて何かをデザインする場合、頭の中で独自に創造し突然天から降りて来る場合もあれば、参考にいろんなデザインに接してインスピレーションを得て、その原型にリスペクトしつつも自分なりにアレンジしてオリジナリティーを加え、より良いと思えるものに仕上げることも多々ある。そんな場合に「似ている」と言われることもあろうか。もちろん「偶然の一致」というケースもあるだろうけれど。
強烈なコンセプトの元、シンプルになればなるほどデザインの方向性は絞られてくるので、撹拌・咀嚼・濾過されてビーカーに落ちて来たものは似ている傾向になるのは否めない。

オリンピックにまつわる建築とグラフィックの問題2題であった。
筆者商業建築(店舗)もグラフィックも両方やっているので、敏感に反応しちゃったんである。表参道を歩いていたらモデル級の美女とすれ違った時みたいに。
どちらかと言うと己の立場からして、デザイナー側を擁護する形となったことは否めないけれど、ちょっと似てるくらいですぐ「盗作」とか言わないでもらいたいものだ、ということ。店舗デザイン業界なんかは、流行りの居酒屋チェーンなんかどれもこれも「パクリ」になってしまう。実際大手2社で店舗の類似デザインで法廷闘争もあった。本当のパクリもあれば、時流に乗ったデザインという言い方も出来るわけで。

最後に蛇足なんである。
下は昔の日本工業規格の旧「JIS」マーク。懐かしいなあ。小学生の時分、鉛筆なんかに刻印されていたのを想起するわけで。
「JIS」とはJapanese Industrial Standardsの略。

この昔のマークを一新するため11年前に新しいデザインを公募、デザインコンペをしたんである。筆者がまだ恵比寿に事務所を持っていた頃だった。興味を持った筆者も応募したんであった。何十枚も描いたラフデッサンから数点を選び、更にふるいにかけて1点に絞り制作。当時すでにパソコンで自在に描ける時代だったけれど、筆者はまだパソコン黎明期(れいめいき)、手描きのペンで作った記憶がある。

コンペに当選し現行広く国内に流布されているデザインが下の左。右が筆者の応募作。
誰がどう見ても左を選ぶだろう。右は稚拙で完成度が低くバランスも悪い。自分で言うのもなんだけれど、筆者が選者ならやはり左を選ぶに違いない。

しかし、負け惜しみではないけれど、自分で最後の3案に絞った中にこの現行JISマークと全く同じデザインがあったのだった。左の当選作を見た時は我が目を疑ったほどだ。応募するにあたり、それを自分で落したことが悔やまれるけれど、所詮それも含めて当時の筆者の幼さが成せる技なんだと、今にして思う。
それにしても左のJのハネから時計回りに円弧を描いていくデザインは全く同じなんである。おそらく全国から何点もの似たようなデザインの応募があったろうと思う。
シンプルになればなるほど似てしまうものなんである。
(※このJISマークがらみの話は、以前「晴耕雨読」でも書いた記憶があり、検索してみたら5年前にも同じようなことを書いていた。やっぱし)
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2015年8月26日水曜日

憂愁と憂秋

秋季大会決勝トーナメント、VS嵐...いやVS宮崎モンスターズなんであった。

しかしここで例によってブログの言い訳を一発かましておきたいんである。
この日はこのフレンズVSモンスターズ戦と、次のウルフVSフラワーズ戦の途中までを写真に収めて、更にモンスターズ戦はブログ執筆のためにスコアブックもカメラにしっかり収めていたんであった。ついでに言えばこの中には花フラSaitoh部長に請われて、「花の台フラワーズ40周年記念誌」のための、連盟会長Sohmaさん、と部長Saitohさんの顔写真も数枚撮っていたんである。カメラのSDカードには合計100数十枚はあったと思う。帰宅後この顔写真を花フラNemotoさんへ送る段取りなんであった。(花フラNemotoさんは連盟20周年記念誌制作プロジェクト時のいわば盟友である)

夕方いったん帰宅し、18:00からの全国大会・東京新聞旗のお疲れさん会飲み会へ行く僅かな時間に送ろうと思った。カメラをMacに繋ぎその100数十枚を転送する....。きゅんきゅんぎゅるぎゅる、写真が音も無くMacへ吸い込まれて行く。転送した写真は同時にカメラのSDカードから削除される設定。
超高速で転送しているNikonアプリの画面を見ていたら.....突然、Macがブラックアウト。最近はとんとこの症状はなくなったが、以前は頻繁にあったトラブルなんである。画面が一瞬で真っ黒になり、アレをこうしても、ソレをああしても、何をどうしても、うんともすんとも、ワンともニャンとも言わず絶対ダメなんである。仕方なくパワーボタンを長押しして強制終了。1分ほど待って再起動。
ジャーーーーン♪

再び残りを転送したら100数十枚のうち、数十枚が消失していた。一部試合の写真、顔写真、スコアブックを写したもの....。ガッカリなんである。夜Saitohさんに詫びの電話を入れたのは言うまでもない。記念誌スケジュールの大勢に影響がなければいいのだが。ただでさえイイ男のSohma会長を、より一層色男に撮った渾身の一枚があったのに。(ハイ、言い過ぎですね)

ゆえにスコアがないので詳細は書けない。モンタ戦終盤とウルフVS花の台フラワーズ戦は一部抜け落ちていたので、久々に印象と記憶だけで書いちゃうから、正確性に欠けるかもしれない。

宮崎モンスターズ。おそらく今季の宮前では1,2番を争うトップグループの筆頭であろうと思う。ウルフの安定した強さは相変わらずだけれど、今年その昨年王者を初めて撃破したのがその宮崎モンスターズなんであった。フレンズも昨年の新人戦ではその脅威をしっかり脳裏に刻まれている。
...全国まで登り詰めたフレンズに驕(おご)りはないか?

先発マウンドは言わずと知れた豪腕投手Morishitaくん。受ける捕手はなんとまだ4年生のTeramotoくんだ。彼の豪速球を受ける子が4年生なんである。これだけでも凄いことである。2年後モンタの主軸を担うのは間違いないであろう。

本来ここから試合概略の記述に入るはずだったが、スコアブックがないのいでいい加減なことは書けない。
確か記憶が間違いなければYuiが三塁打を放ち後続の安打でフレンズが先制、そのあとも1点加点し2:0になったはずだ。勢いづいたフレンズこのまま波に乗っていけるか....。


しかしなんである。
あのMorishitaくんが走者を二人塁に置き、起死回生の強烈な逆転スリーランホームラン。3:2でフレンズ劣勢に。
まだフォームが荒削りながらも(偉そうにスミマセン)これは彼の資質を褒めるべきだろう。
湧き上がるモンタベンチ。しかし筆者、今のフレンズは1点差などいつでもひっくり返せると思う反面、次元を超えた速球派投手に対しては、F打線で打ち返せる打者はそう多くはない。打順と残り回数を計算し、チャンスは少ないだろうと見た。

Fのバッテリーは泣く子も黙るRui+Yuiコンビ。バックも盛り上げる。
Satoh監督は大技小技を駆使しなんとか3塁まで走者を進めるも、逆転するには本塁までの距離は太陽と冥王星の間くらいに遠かった。


筆者の杞憂に終わることを願ったけれど、最終回、審判のコールでゲームセット。Fの安打は7本、Mは確か3,4本だったかと。そのうちの1本のホームランが全てだった。
全く負けるつもりはなかったけれど、結果は秋季決勝トーナメント初戦敗退なんである。
今季王者ウルフを宮前で初めて撃破し、そして全国ベスト16のFを負かしたのだから、モンタのその喜びようは尋常ではなかった。まるで優勝したかのような。Fが逆の立場だったなら同じ気持ちになっただろう。
素直にモンスターズにエールを送りたい。

昨年まで雲の上を追う立場から、今年は宮前全勢力から追われる立場になったフレンズ。追われること自体、ひとつの勲章である。
いつも書いていることだけれど、負けることでしか学習できないことってある。ともすれば勝って学ぶことよりもそれは多くの含蓄があるのかもしれない。
今週末からはいよいよ6年生最後の公認大会、横浜銀行杯(神奈川県大会)が始まる。
この悔しさをバネに更に上を目指そうではないか。
宮前の秋季を制することが出来なかった筆者の気持ちを、このブログタイトルに託してみた。このニュアンスが理解出来たあなたはエライ!(憂秋とは筆者の造語。試験に出て来てこれを書いたら×をもらうので、良い子のみんなは真似しちゃいけないんである)
+++++++++++++++++
冒頭に書いたようにウルフVSフラワーズ戦も、そこそこ写真を撮ったのだけれど、だいぶ消失しちゃった。連盟広報としても少しでも紹介したかったのだが、無念。
数葉を合成したのが下の写真。序盤の接戦を観戦し途中から移動しちゃったのだが、結果はウルフが勝ったらしい。
宮前の秋はいよいよ佳境に入る。
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2015年8月22日土曜日

大人には見えない風景

東京新聞旗争奪・神奈川県大会、準決勝、決勝。試合会場は保土ヶ谷サーティーフォー球場なんであった。準決第一試合の審判は宮前区母体のUchimuraさんとKosakaさん。この試合の勝者と決勝で雌雄を決することになる。

有馬フレンズの準決勝の相手は相模ブルーバッズ。春の高円宮賜杯県大会、準々決勝で一度当たっている強豪チームなんである。筆者は決勝スコアラー担当なので、この試合はカメラマンをやっちゃう。これで負ければあとはない。断腸の思いで仕事を取りやめて来たんであるからして、決勝まで行かねばその思いは水泡と帰す。「どうか決勝スコアラー出来るように」と念じつつカメラを肩に彷徨。


先発のKyohは1回Enomotoくんにシングル、3回にはUenoくんに痛烈なスリーベースを打たれるも、後続をぴしゃりと抑えて隙を作らない好投。やっぱりあとでヤツをハグしなきゃなんである。これは写真を撮った者でしか分からないことであるが、彼はいつも不二家のぺこちゃんみたいに、舌をぺろりと出しながら力投するんである。たぶん本人も無意識のうちだろう。勝手に名付けたKyohの「ぺこちゃん投法」
有馬フレンズ初回の攻撃は先頭Ruiが安打で出塁、ShohgoDBのあと三塁まで達し、4番眠れるアジアの大砲、Hajimeがタイムリー二塁打で2点先制、幸先良いスタートを切った。

3回にはまたもRuiが出塁、Shohgoが送りYuiが返すというFの黄金の得点パターンで加点すると、いつもの繋ぐ野球というより、繋がる野球で単打を3連発、結果4得点で6:0。


4回にもHajimeの今日2本目のタイムリー安打などで2点、試合を決定づけた。
結果は8:0の5回コールド。
ほっとした。見ていて危なげない試合運びで「らしい」展開でった。打線もそうだが、先発で被安打2、5回完投のKyohも良かった。やっぱりハグしてやろう。これで次はRuiをフルで行けるし万一の時でも2回まではリリーフ可能だ。次はいよいよ決勝だ。

決勝は辻堂少年野球クラブ。藤沢のチームである。筆者のトラウマではあるが、かつて息子の時代に高円宮賜杯県大会決勝で、延長9回までやって敗れた相手も藤沢だったし、その後の低迷期には関団連などでボロボロにされた相手チームも藤沢が多かった。どうも藤沢方面というと「強い」というイメージがあるんである。若い頃藤沢小田急の仕事をしたり、湘南的土地柄は穏やかで好きなところなんではあるけれど。

スコアラーゆえ写真はない。
この決勝おそらくは先攻のフレンズの攻撃が全てだったように思う。
こちらは今年いくつもの決勝などの大舞台や大きな球場にも慣れてきている。準決勝のような普段通りの野球をやれば、自信を持って臨むことが出来る。対して相手はどうなんだろうか。これは飽くまでも筆者の想像だ。春の県大会優勝や、全国ベスト16の実績や、前の試合の展開はもちろん知っているはずだ。そのへんで心の余裕がなかったのではあるまいか。(※飽くまで主観です。辻堂さん、違っていたらごめんなさい)
初回表は、出塁、送りバント、主砲の適時打で得点、更に打線は繋がり、6,7,8番打者がそれぞれ3塁打、2塁打、単打と連発し下位打線からでも次に繋げる攻撃パターン。今年はこういう展開に持ち込んで負けたという記憶があまりない。対して相手チームは前述の理由からか(?)四球や失策が絡んでしまい、結果初回でフレンズは5得点。

初回の5点は決してセーフティーリードとは言えない。初回6失点されてもひっくり返すチームだってざらにいる。例えばそれが春の県大会のフレンズだったりして。
2回裏には一塁走者を2塁でホースアウトとするも、その後Fの失策が絡んで1失点。でも今のフレンズはこんなことも「想定内」だ。...(甲子園優勝の東海大相模の記事などを読んだ読者諸兄は想定内と聞いてニヤリとしたであろうか。半分はパクリなんである)

3回フレンズはこの日2本目となるTaichiのタイムリーで1点、4回にはKohkiの安打1本のみながら、相手失策などで2点、最終回には代打Buntaが内野安打を記録し、やんややんやの喝采を浴びて出塁し、その後Ruiの安打などでまた2点追加。
終わってみれば10:1で春夏連覇達成なんである。

春の神奈川を勝ち抜き、全国でベスト16になり、それでもなお自分的には「本当か?夢じゃないのか?」という一抹の不安があったんである。幸運やクジ運や偶然や...。しかしこの神奈川県下強豪54チームが競う大会で、1/54の一番上に来れた事実はもはや揺るぎない自信となったのは筆者だけではあるまい。胸を張って優勝旗を持って帰ろう。
試合後すぐにF帽子を脱ぎ捨て、カメラ片手に宮前連盟帽子をかぶりグランドへ飛び出す。
エールを送ったあとの恒例帽子投げ。空模様がハッキリしない写真で帽子もまばらに写り一瞬「失敗しちゃったか?」と思ったけれど、Macで大きく見てみると、ほぼ全員がその瞬間地を蹴って宙に浮いている絵になっていた。躍動感があって面白い。写真の下部分、皆浮いちゃっている(^-^)中央主将Ruiのジャンプはハンパない。

試合後東京新聞横浜支局長さんらから取材を受ける監督Satoh。これもすでにお馴染みとなった光景だ。監督の舌も滑らかなのは言うまでもない。

閉会式。真紅の優勝旗やカップを胸に。大会最優秀選手賞はもちろん主将のRui。これも小さな体でよくぞここまでチームをまとめて引っ張ってきてくれた。走攻守、全てにおいて抜きん出たセンスを発揮し、いくつもの場面で会場を湧かすようなプレーを披露。彼なくして今のフレンズは語れない。

どうしてもメダルをもらうとまじまじと見てしまうナインたち。もし筆者が子どもなら嬉し恥ずかし、全く同じことをしていただろうて。

集合写真。ふと気がついた。せっかくの全国大会では集合写真を撮っていなかったことを。あの時はそんなことはすっかり忘れていた。負けてもせめて記録に残してあげていれば、それを見て大人になってからの苦くも良い想い出になったのに違いないのだ。ビターの効いたほろ苦いチョコレートのように。
最初は選手監督コーチだけで。並入る報道陣の要求に応えて腕を挙げて。
次は筆者のカメラでブログ用に親たち含めて撮ろう。この場合、当たり前だがカメラマンなのでいつも筆者は写らない。机を用意しタイマーで撮るつもりだった。神聖な(とされる)グランドに机を持ち込むのには不謹慎のような一抹の不安と、ライオンに立ち向かう鼠のような勇気を必要とした。ところがプロである東京新聞の記者さんが自ら買って出て筆者のカメラで撮ってくれたんである。嬉しいことである。
連盟キャップを被っていたんであるが、この時だけ帽子をフレンズに変えれば良かった。

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球場の外に出て皆、大人も子どももてんやわんやの帰り支度。大人は道具や野球用具を車に積み込み、子どもはユニフォームを着替えアップシューズに履き替えて。

ふとKyohが目に留まった。先日の思いを果たそうと、つかつか歩み寄り握手し、きゅんきゅん抱きしめたんである。彼が入部した頃はまさかこんな活躍をするとは想像もしなかった。
「Kyohおまえ、今まで本当に良く頑張ってくれたな。ありがとうな!」
ヤツをハグしながら思った。なんと薄くてちいさな胸なんだろうかと。

今年は彼のみならずフレンズの子らは、心臓が押しつぶされそうになりながらも、このちいさな体で幾多の大舞台の激戦をくぐり抜けて来たのか。我々大人には分からない風景が現場の子どもには見えていたに違いない。土の上に立っているのは監督でもコーチでも親でもない。彼ら子どもたちにしか見えない風景を見つめて、土まみれになってここまで来たのだろう。
Kyohを抱きしめながら心の中でチーム全員に「ありがとう」と言ったら、なんだか瞼の奥が熱くなってしまった。

そのあとヤツの頭をぺしぺしパシパシ叩いたのだが、筆者の思いとは裏腹に当の本人はキョトンとしていたのは言うまでもない。

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