2021年4月2日金曜日

旅愁 広島行

 せっかくなので、ちょっと野球を離れて日々雑感的旅愁ブログなんである。

過日不要不急ではない、出張でも観光でもない所用で広島へ一泊どまりで行ってきた。久しぶりの広島である。行きの新幹線では緊急事態宣言明けで、念のため指定席をネット予約したのだが、それでもガラガラだろうと思いきや、まあまあ窓際の席は全部埋まり、それなりの車内風景だった。流石にコロナもあり平日とあって家族づれは皆無、サラリーマン男性が98%だったが、これでもリモートワークで出張は激減したゆえに、余裕の空席だった。筆者の友人で全国を飛び回っている出張の多い男がいるが、やはり昨年から出張が全くなくなったと言っていた。残念ながらの曇りの富士山。曇りの富士山ほど残念なものはない。iPhoneのGoogleMapで富士山に最接近するルートを確認し、窓からシャッターを切る。

広島での所用は翌日なのでいわゆる「前乗り」である。ホテルにチェックイン後すぐに桜の名所「縮景園」へ行った。縮景園は広島藩初代藩主浅野家の別邸の庭園として築成され、何度かの消失を乗り越え、浅野家から広島県へ寄贈された400年の歴史のある名園である。原爆では壊滅的な損壊だったそうだが修復と再建をし今に至る。確かに爆心地に近い地理的位置にある。

筆者、昔から寺社仏閣や日本建築が好きで、若い頃は会社の大阪出張ついでに、自腹で京都の寺巡りなどしたクチである。今年は全国で最初の桜の開花宣言がなされたのが広島だった。

日本人は日本庭園に我が身を置くと、どーしてこうも穏やかで心がフラットになるのだろうか。不思議と心の起伏や胸の中の突起が平らかに静まる。太平洋戦争に突入した大日本帝国の軍部や、原爆を指令した米国司令官や、当時の彼らがここに身を置いたならば、平和裡のうちに回避できたのでは、なーんて夢想妄想しちゃうのだった。残念ながら人類の歴史はそのまま戦争の歴史でもある。これからも当分は世界のどこかで諍いが続くのだろう。広大な池にはさすが広島カープ、大きな鯉(カープ)が大きな口をパクパクしていた。

ぐるっと回遊。穏やかで気持ちのいい好天に恵まれた。

一番高い場所にあった建造物は月を見るために建てたという「○○亭」があった。※名称は失念。昔の大名殿様は月を眺めて酒を酌み交わすためだけに一戸の家を建てちゃうのだから実に優雅である。今の県知事が高級外車を公用車に購入し、世間のバッシングを浴びて苦しい言い訳をするのとは隔世の感あり。月夜の晩に酒を飲みながらここから眺める風景はいったいどんなだったろうか。妄想するだけでも風流な気分になる。

縮景園を後にして路面電車の線路を跨ぎつつ、徒歩で平和記念公園へ。結構な距離はあるがあえて歩いて行った。記念公園も原爆ドームも過去に何度も来ているが、いつ来ても遣る瀬無い気分になる。コロナでなくとも、無駄口や大声で笑うことが自然と躊躇われるような厳粛な気持ちになる。原爆投下後この川べりには幾千もの累々たる死体が運び込まれたそうだ。当時の阿鼻叫喚を知る義母に若い頃聞いたことがある。

ドナウ川のように静かに浪々と流れる川と(ドナウ川行ったことないけど)、桜を手前に水面に映り込むドーム。平和記念公園はまるでNYのセントラルパークのワンカットのようだった。(セントラルパークの近くまで行ったことあるけど)

晩飯はホテル近くの八丁堀のお好み村でお好み焼きを。奮発して大粒の牡蠣入りの高いヤツを食す。大阪のお好み焼きよりも広島の方が数十倍美味い。焼き方が全然違うワケで。(趣味嗜好には個人差があります)因みに東京のもんじゃ焼きは筆者はあまり好きではない。(趣味嗜好には個人差がありますPart2)

翌日田舎へ行き所用を済ませて広島へ帰還。新幹線に乗るまで少し時間がある。実はこの日はマツダスタジアムの開幕戦であった。あわよくばカープ戦を絡めて来たかったのだが、ネットでチケット状況を見たらもう完売。それどころか事もあろうに数ヶ月先まで空席は皆無の状態だった。昨年の入場者数は12球団トップだったそうだ。ファンがユニフォームを着て球場に行くことを始めたのは広島(その後みんな真似するようになった)、マツダのコンピュータを駆使して王シフトを考案して実践したのも広島(その後セリーグ他球団が真似するようになった)、ラッキーセブンの風船飛ばしを始めたのも広島なんである(その後阪神ファンも真似するようになった)。新幹線が到着するたびに改札出口から来るわ来るわ遠方からの真っ赤なカープファンが。皆ゾロゾロと球場へ急いで行った。

2025年頃には駅ビルが新築なる。鷺沼駅周辺再開発と同時期だ。(鷺沼はコロナ経済低迷で延期になったとか聞いたが?)駅ビル現在は工事中。将来は名物路面電車が駅ビルの2階部分に突っ込みそこが停留所になるそうだ。

帰りの新幹線の窓外はもう真っ暗。帰宅したのは22時近かった。最後に新幹線の窓からiPhoneで撮った動画をアップ。「映画も撮れちゃう」的なCMを流しているので試しにやって見たんである。窓ガラスにiPhoneのレンズをピタリと固定し手ブレしないように数十秒。

年長者の親類縁者がどんどん少なくなっていく。これからもう広島へ行くことも少なくなるのだろう。缶ビールを傾けピスタチオを齧りながら、窓外を流れる夜景を眺めながらそんなことを思ったのだった。


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2021年3月28日日曜日

初戦、桜散る

 宮前春季フレンズVSサンダース戦は雨模様の中、空の曇天が波乱含みの様相を暗示していた。

...なんちゃってなんである。サンダースIida監督、フレンズShohta監督のシートノック。いよいよ公式戦が出来る喜びに胸が高鳴るわけで。

話はそれるが昨日写真を撮っていたら70代くらいの一般客が筆者のところへ来て「あそこの空いてるベンチ(一塁側)に座って観戦はダメなのかい?」と尋ねてきた。連盟で立ち入り禁止としているベンチである。頭ごなしの強制力はないけれど、にこやかにどーぞどーぞとも言えない。迷った末に言った「すみません、あそこはコロナ感染防止対策で密にならないように、応援団父母も入れないように規制してるんです」と。男性はコロナと聞いて、ナルホドああそーかと素直に得心したようだった。「観戦は良いが感染もあるよ」と。連盟は行政から公園使用に関して運営管理を委託されているわけで、ある程度一般住民にも強制力はないけれど、要請する必要があるわけなんである。

閑話休題。第一公園名物「砂嵐」。砂塵渦巻くライト方面では小さい子などは地表からフワリと5cmくらい浮いていたに違いない。しかしこの砂塵をのちに黙らせる天の強敵が現ることは想定内ではあった。

試合はSが優勢で5点先取。

SにはQueensのRana、三塁コーチャーズBOXでちょっと寒そうないつもの独特の雰囲気で立っていた。砂塵が舞うわ舞うわ。フレンズは10名ギリギリの登録ゆえ、28番Maedaコーチがボールボーイ、いやボールオールドボーイを兼任す。

Fのマウンドは主将Haruにスイッチ。主将成りたての頃はチームを牽引するような声は小さかったように思うが、今日は副将Shuntoと共によく声を出していた。Fの主軸のあとは世界に誇る低学年チビッコ最強打線である。昨日今日野球を始めたばかりの子も含まれる。誤解を恐れず極端に言えばAチームとオレンジが合体したような現状である。それでも頑張れチビッコ最強打線なんである。右も左も分からずも、彼らは彼らなりに一生懸命なのだった。

暗雲垂れ込めるムードの中、Fは走者二人を塁に置き、打者はHaruto。バットを一閃すれば二塁打にて2点を返す。一矢報いる展開となった。スコアボードは7:2。

時系列は前後するけれど5:0の2回裏Sの攻撃中、雨がパラパラ状態から一気に降って来た。土砂降りとまではいかぬまでも一旦試合は中断す。試合のみならず猛々しい砂塵を黙らせるには十分な威力、天の強敵現るなんである。予想よりだいぶ早い降雨のお出ましとなった。今回は雨が降ろうと槍が降ろうと、この試合だけは完遂せねば今後の予定が致命的に狂っちゃうので、じっくりと待つことになった。関係各者何度もスマホで雨雲予想を検証し、ここぞのタイミングまで待つ。雨脚の強弱を眺めながら予想通り待つこと40〜50分。

試合再開後前述の展開となり、一時はF応援団も盛り上がったものの、実力差にてSの勝利。

撤収後筆者は赤カブで帰宅。しかしちょっと桜が気になり圧巻の桜で有名な小台公園へ向かった。今日あたりは満開なはず。好天ならばブルーシートと人混みで桜に負けないくらいの人が満開なのであるが、今日は好天ではなく荒天。天気は好転するはずもなく人はまばらに違いないと踏んだのだった。

行ってみれば正解だった。曇天ながらしっとりとした空気感の中、桜は満開、人はほとんどいない。iPhone12で数カット撮ってみる。フレンズの春季は初戦で散ってしまったが、こちらの桜はまだ多少散りかけの見事な満開だった。晴天だったならピンクとブルーのコントラストのもっと美しい写真が撮れたはずだが、これもまた趣があると思うことにする。

「晴耕雨読」毎年恒例パノラマモードで。340°くらいのパノラマ写真。

iPhoneに限らずスマホ写真で手軽に出来るプロっぽいゲージツ的写真は、ローアングルでの撮影。桜のピンクがもし白だったら、雪原のように見えるはず。これをやる人はほとんどいない。ただし駅の階段でやったら速攻捕まること間違いない。

最後に動画を撮ってみた。ハラハラと舞い散る花びらと、コロコロと転がる花びらのコンビネーション。


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