2010年3月27日土曜日

ぴあの

※長文です。動物嫌いの方にはお勧めしません。

夕方用事があり郵便局へ。出かける直前に雨が降ってきやがった。ついでに近所の「梅公園」へ行ってみようか。週末はフレンズで花見の企画があるし、梅の季節は過ぎたけれど、確か公園内に一本の桜の木があったような...。
越乃寒梅ならぬ有馬寒梅。野球は完敗、オヤジは乾杯、桜はどんな塩梅(あんばい)か?折しも降ってきた季節外れの冷たい雨に打たれながらも、灰色の寒空を背景にくすんだピンクの桜たちが健気(けなげ)にコンニチハをしていた。携帯でパチリ。



この公園にくるたびに想い出すことがある。
4,5年前の2月1日。朝起きてしばらくすると何か違和感を感じ始めた。なんだろう?何かしっくり来ないような、何か不足してるような、ジグソーパズルのピースがひとつ見当たらないような気分。ん...ぴあのはどこだ?
ぴあのとは家でかっている雌の黒猫の名前。我が家にもらわれてやって来た時に、家族で命名会議を開き当時まだ子どもだった息子がピアノのように黒いから「ぴあの」にしたもの。表記はカタカナではなく、ひらかなで「ぴあの」でなきゃだめと家内が主張。そのぴあのの気配がない。家中全員で探したがいない。冷蔵庫の中から掛け時計の裏まで探したけど。うちはマンションの5階である。昨晩は玄関ドアを開けてないし、開いていても絶対ひとりで出て行かない子である。家内がボソリと思い当たることを言った。昨晩ベランダに出て洗濯物を干した時にぴあのも出て、それに気づかずサッシを閉めてしまったかもと。冬でもベランダに出て外を眺めるのが好きだったので大いにあり得ることだ。5階から飛び降りた?或るいは手摺に登ろうとして足を踏み外し落ちてしまった?
この日から絶望の日々を過ごすことになる。ココロにぽっかり空いた空白を埋めるために、1階の郵便受けに懐中電灯とキャットフードを入れておき、仕事から帰った私は、家に帰らずそのまま片手にカバン、片手に懐中電灯の夜の大捜査線。近所中を名前を控えめに連呼しながら探しまわる。雨の日も風の日も毎晩...。もう見つからないとわかっていても、これをやめたら本当の別れを自分で認めることになることが嫌で意地でも続けた。
捜索コースの終点はかの「梅公園」。ここは野良猫たちがたくさん集まるところ。捜索初日の晩公園内でウロウロしていると、車のヘッドライトの光が梅の木を照らし出す。停車した。とたんに雨後のタケノコのごとく、どこからともなくノラたちが大勢集まって来た。その数十数匹はいるだろうか。車から降りてきたのは中年の女性。こちらを微妙に警戒しながら猫たちのもとへ...いや猫たちが彼女のもとへ吸い寄せられていく。ボランティアで大量の餌と水を毎晩与えて来ているのだった。2,3日目の晩に声をかけてこちらの事情を話したところ、猫が5階から落ちてもギリギリ助かる可能性がある高さだと言う。それ以上だと大怪我するかまたは、...。この公園でそれらしき猫を見かけたらすぐ連絡差し上げますと言って下さり、互いの携帯番号を交換。彼女は毎晩餌を与えるだけじゃなく、翌朝は通勤途中に公園に寄り食べ散らかした餌と水を清掃、回収しているのだそうだ。
頭が下がる思い。
その後何日目かにこの公園で黒猫の影を発見することになるが......
「晴耕雨読」史上初の長文のため、この続きの顛末は次回に譲ります。
※世の中にはこのような野良猫の被害を被る方の憤りや、餌を与える人に対して白眼視する向きがいらっしゃることは重々承知です。ごめんなさい。
この文面を読了後、不愉快と感じられる方は直ちに服用を中止し、最寄りの医師または薬剤師にご相談下さい。このブログは定められた用法・用量を厳守する必要はありません。
にほんブログ村 野球ブログ 少年野球へ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿