先日町田方面へ行った。川べりのフェンスに取付けられた、ニッポン全国どこでも見かける「犬のフン・後処理啓蒙告知ぺカペカベコベコ板」である。
右下の犬のイラストをじっと見てるうちに、気がつくと尻のポケットから携帯を抜きカメラモードにしていた。どうにもこうにも愛すべきキャラに思えて仕方がないんである。
犬のイラストにありがちな、キラ〜ンとした晴れがましくニコヤカな表情とはほど遠く、上目遣いで斜(はす)に構えちょっとすねたような眼元の雰囲気。少年野球の集合写真を撮ると一人くらいこんな表情の子がいるものだ。
Tシャツに短パン、左手にはビニール袋。
初夏の土曜の朝、カミさんに「休みの日くらいはクリーニング屋にアンタ行ってきてよっ」と言われたサラリーマンおやじが、シブシブ着替えて街を歩いてる姿に見えてしょうがない。日本のサラリーマンは普通スーツを着ているけれど、本当にカッコイイ男は、スーツという制服を脱いで日常の普段着を着た時に、どれだけサマになってるかで決まる...という筆者の偏見的基準がある。平日スーツというバリアを身にまとっていても、素に戻った時の普段着が全くダサイ男が多いような気がする。ましてやこのイラストでは、お腹のあたりがメタボリック的兆候を予感させる一本のシワが入ってるし。
オヤジっぽいと思ったら、果たしてこの足もとの雰囲気はどうだろう。
脚のO(オー)脚的な曲線とミニーマウス的ハイヒールっぽい靴。豹模様のジャケットを着て都会の百貨店のバーゲンセールにいそいそと出かけて行く、関西系の田舎のオバチャンの脚に見えて仕方がないのは私だけだろうか。
誰が描いたのだろう?描き人知らず。全体のバランスが絶妙で見れば見るほど味わい深く、デジタル全盛の今、なかなかお目にかかれない手描きの良さ満開のイラストである。
ところでこのオヤジオバサン犬。この絵を見る限り、自分で排泄したウ○コを自ら拾って袋に入れているのかもしれないな。エライッ!
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