2013年1月12日土曜日

17年前のグローブ

長く住んでいると不要品が知らぬまに山積し、いつか捨ててやろうと思いつつ、また時が過ぎて忘れ去られるモノたちがある。以外にも一戸建てよりもマンション住まいのほうがそれが多いような気がする。戸建てなら大きなモノもすぐ路上へ引っ張り出して行けるけれど、マンションそれもエレベーターのない住居は、大きなモノを階段で下まで運ぶことを考えただけで気持ちが萎えてしまうものだ。

小さな不要品、または通常の粗大ゴミなら安く自治体に持っていってもらえる。
うちには大きな不要品があった。2人掛けのソファー2台。元々のソファーはすでに古くなり昔に処分済み。今あるのは恵比寿に設計事務所を持っていた頃使っていたものだ。以前飼っていたピアノという猫が爪研ぎ用にお気に入りで、角の部分などは無惨にもズタボロになり下地の木組みが露出していた。更に今飼っている犬のりん。子犬の頃から家人が帰宅すると狂喜乱舞して、3LDKの部屋の端から端まで全力で走りまくり、ソファーやベッドに思い切りジャンプし飛び乗り、飛び降り、また駆け巡るのである。尻尾をちぎれんばかりに振りまわして。

昨年のある日何もしてないのに抱っこしただけで突然「キャイ〜ン」と言うようになったんである。獣医に連れて行ったところ、小型犬、特にミニチュアダックスのような胴長短足には持病とも言える腰のヘルニアであった。獣医に言わすとソファーにジャンプしたりなどはもってのほかなのだそうだ。それ以来ボロのソファーは、飛び乗ることが出来ないようにひっくり返してあるんである。当然人間も座れないわけで。リビングにひっくり返したソファーが2台ある光景は中々に奇妙である。おかげで「りん」は今はすでに全快しひたすら部屋を走るだけ。尻尾をこんなに振り回してちぎれちゃったらどうしようと心配するだけで済んでいる。

一念発起。長年の不要品をこのソファーも含めて一気に捨てることにした。ネットで検索して数社選び藤沢の回収業者に決めた。ソファーの他にもこれまた恵比寿で使っていた業務用コピー複合機。カタログ定価は130万円ほどのキャノン製。もちろんリースなので月々2,3万で契約していたものだ。当初自宅でも使っていたがこれもドラムが寿命でお釈迦様になって久しい。今では単なるモノを置く「台」に成り下がってしまっていた。仕事ではもはやパソコンメールが99%なのでFAXもほとんど使わないし、配偶者が私用でFAXを使う時は家庭用の電話/FAX機で十分である。他にも歴代使ってきたプリンター、A4サイズ1台とA3サイズが2台とか。接触不良のBOSEのスピーカーだとか、割れた御影石の板だとか、意味不明の木材木片だとか、学生の頃の卒業制作展の作品と言うのも恥ずかしいくらいの作品だとか....。

さてここでやっとタイトルの「17年前の...」になる。「晴耕雨読」のヘビーユーザーなら、前置きが長いのは「晴耕雨読」の悪癖と周知のはず。

あれもこれもと、不要品を選んでいたら結構な量にふくらんだ。
そうだ!いっそあそこの「開かずの間」のガラクタもいっちゃうか。
ベランダに猫の額ほどの物置がある。70cm四方で高さ2メーター強くらいか。開けてみた。ほとんど配偶者がつっこんでそのままになっているモノたちばかりだ。ごっそり手づかみにしてベランダに投げ出してみる。ガラガラドッシャンッ!

「ぬお〜!」なんじゃこりゃ。17,8年前に子どもたちが使っていたグローブがごろごろ出てきた。最初に息子が使ったおもちゃのような青いグローブはすっかりグレーに変色、娘が使っていたMizunoはガチゴチに固まっていた。他にもプラスチックのカラーバットをヘッドのところでカットし砂を詰めてガムテで塞いだ息子手作りの「素振り特訓」用バット。入部してすぐにフレンズからお下がりでもらった金属バット.....。ちなみに娘が最後に使っていた金属バットは、賊が侵入してきた時の護身用に今でも下駄箱に傘と一緒に紛れている。幸いヤツの出番は未だかつて一度もない。

17年前の筆者は、17年後にベランダでこんな古いグローブを発見することになるとは想像もできなかった。
それにしても普段、野球道具を大切にしろとチームの子らに説いているコーチの立場から言えば、俺はコーチの風上にも置けぬ大バカ野郎なんであった。こんなに長年グローブを放っておいたのだから。フレンズに寄付すべきだったと今にして後悔なんである。
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