2013年1月29日火曜日

極私的映画評

「こんばんは、荻ぃ〜....、昌弘です」

斜(はす)に構えた氏が「荻」と「昌弘」の間に若干のひと呼吸があってのちに始まる、このひとのTV映画解説を聞くと、ココロの底がわくわくしたのを覚えている。確か筆者小学生の頃であったか。その後小森のおばちゃま、水野晴朗、高島忠夫、.....今ではリリコなどTVの映画評論者は数え上げればキリが....あるってもんだ。但し、上記T・Tさんは映画評論者ではなくTVタレントが映画評論者の真似をしていただけだったけれど。ほとんどカンペを読んでいたのは火を見るよりも明らかだった。

昨年11月からこの1月までTSUTAYAディスカスで借りた映画の「極私的映画評」なんである。全く持って「極私的」なわけだから、全くもって参考にしないでいただきたい。仕事や少年野球のノルマを終えたのち、夜中の12時あたりから2時くらいまで鑑賞したのがほとんど。大抵その日はこのブログは書いてないわけで。忙しくとも映画を観ない手はない。なぜなら、人生短いのだから今のうち観ておかないと、あとで後悔したくないんである。しかし自分がサラリーマンだったらこうはいかないだろう。会社勤めの悲哀も理解してるつもりである。翌朝のことが脳裏をよぎると夜更かしは出来ないもんね。

ほぼ時系列的に列挙しちゃう。飽くまで「極私的映画評」寸評である。
画像はTSUTAYAディスカスのHPから掲載。


「はやぶさ」遥かなる帰還

近年よく言われるニッポンの世界に誇れる技術力。下町工場の職人の技が世界を唸らせる。これに加えて筆者の天文好きが高じて思わず借りたもの。探査機ボイジャーもそうだったけれど、無機質な機械を有機的にアナログに人間と同等に解釈して表現すれば、これは感動で泣ける映画であった。

「まほろ駅前多田便利軒」

役者として大好きな瑛太と松田龍平のW主演。好きな原作を読んだあと映画化されたら観るしかないではないか。テレ東で毎週金曜TVドラマシリーズもスタート。まだTVは観てないが。往年の名作筆者大好き「傷だらけの天使」に通ずる空気感が良い。舞台が近隣の「町田」なのもいいぞ。都会と郊外の狭間の半端な位置関係のシチュエーションも良い。

「告白」

主演松たか子には全く興味がないが、ストーリーに魅かれて観た。同じ子を持つ親としても。更に普段子どもと接する機会の多い身として。....「正解」が見つからないお話であろうか。観る者それぞれの「解」があるやもしれず。しかし松たか子、演技はうまし。

「ノルウェイの森」

最大に愛する作家村上春樹である。しかもあの「ノルウェイの森」でもあるわけで、観ないわけがない。更に主演は好きな俳優松山ケンイチだ。だががっかりなことに、助演女優は菊地凛子。キャスティング違うだろって。全体的に映像はキレイだが、原作にはほど遠い出来。がっかり×2。「ノルウェイの森」を映像化しようという試みそのものが間違いだったかも。残念。

「MIB3」

言わずと知れたあの大ヒット作の続編。トミー・リー・ジョーンズの渋さが好きだ。若い頃彼主演の戦争映画を観てからのファン。最近は缶コーヒーを片手に妙な宇宙人になってしまったが、それもまた良し。ウィル・スミスも相変わらず明るく破天荒でいいヤツだ。

「インセプション」

ディカプリオと渡辺謙の共演。近未来SF大好きだけれど、ちょっと細部のストーリー展開が早すぎてついていけない部分あり。映画としては決して悪くはない。ディカプリオはしばらく俳優業を休止し、地球環境保護活動に専念するんだそうな。筆者も何百億円の金持ちならば真似してみたいものだ。

「ダークナイトライジング」

これまた大ヒット作「バットマン」シリーズ。「バットマン」は硬派な作りがいい。筆者、小さい頃「バットマン」や「スパイダーマン」「スーパーマン」などのアメコミを雑誌で同時代的に読んだことがある。何十年後にCGを使ったこんなリアルな映画になるとは誰が想像しただろう。男の子ならば誰でも憧れる「スーパーヒーロー」への変身願望。筆者はガキの頃、「パーマン1号」になりたくて紙でヘルメを作り、風呂敷でマントを羽織ったものだ。以来、「ウルトラマン」「仮面ライダー」、今時の男子だって「なんとかレンジャー」なんて似たようなものにはまっているではないか。オトコが嫌いなはずはないんである、この手の映画。それを凌駕して余りある深みのある映画作りがいい。

「プロメテウス」

ヤバイっすよ、これは。「ブレードランナー」は筆者にとっての映画大好き筆頭作品なわけで、これを楽しみにしていた。同じリドリー・スコット監督だもの。「エイリアン」のエピソードワン的な作品みたいだけれど、十分面白かった。機会があればもう一度じっくり観てみたい。ただし「ブレードランナー」には遠く及ばずなんである。

「ヘルタースケルター」

いやはや何とも、すっとこどっこいの、前評判倒れの典型のような映画。
マスコミでずいぶん騒がれたので借りたわけで...。なんちゃって本当は沢尻エリカの「ハ○カ」はいかがなものかというオトコ本意の興味からであった。たぶん世のほとんどのオトコの動機はこれかと。半面期待していたのは彼女のその役作りや映画のストーリーそのものだった。がしかし、この映画は商業的興行的に仕組まれたニオイが鼻をつき、映画としての内容は面白くなかった。彼女はクランクアップのあと、放心状態・心身症的状態に陥りしばらくマスコミを避けていたようだが、どーだかなあ。この程度の映画で心身症になるならば、古今の名作の役者たちは皆死んじゃっているはずだ。例えば「ダンサー・インザ・ダーク」のビョークはどうしたらいいのだ。S○Xシーンもリアリティーに欠けるぞ。しかし、ただひたすら沢尻エリカの「ハ○カ」が見たいとご所望の貴兄にはいいかもしんない。確かにめちゃくちゃキレイではある。そのシーン以外はDVDを早送りしちゃうかも。

「アベンジャーズ」

もの凄いCGも見飽きた感は否めない今日この頃。そんじょそこらのCGでは驚かなくなった。それでもこれは娯楽大作のワン・オブ・ゼムとして面白かった。映像もストーリーも単に面白い。
昔、フレンズの母との会話。
「俺、洋画は絶対字幕でないとダメなんだ。吹き替えで日本語だと、絶対違和感があってさ。役者は外人なのに喋ってる言葉が流暢な日本語っておかしいじゃんか。だからTVの映画放映はつまらなくて観ない。CMが入るのも嫌だし」
「え〜!?だって吹き替えのほうが映像が楽に観れるじゃん!」
最近やっと分った。
字幕に集中していると確かに映像を観るのがおろそかになるんである。速いテンポの展開になると、字幕ばかり追いかけて映像が頭に入ってこない。年齢のせいかな。昔はしっかり字幕と映像同時にインプットされてたのになあ。
この映画に出演している女優のスカーレット・ヨハンソン。う〜む、彼女が出ている別の映画を探して観たくなっちゃうほどのイイ女である。QueensのSさんに激似ではないか?(←他意はありませんのであしからず)

「苦役列車」

きっかけは作家の西村賢太に興味があったこと。面白い人である。芥川賞受賞の原作を読んでみようと思っているうちに映画化されちまった。いかにも芥川賞らしい小説のタイトルではある。主演は森山未來。荻原浩原作「ぼくらの戦争」を観て以来の好きな俳優だ。世の全女性から反発を喰らうに違いないほどの、もの凄く最低な悪くつまらん男を演じている。おそらくは西村賢太の実体験であろうから、主人公は彼である。にもかかわらず、西村賢太はTVなどでは飄々としているところが面白い。その最低男を演じきった森山未來。彼にとっては新境地を開いた役どころだったかも。少し昔の日本の底辺で働く若者の閉塞感を演出、映像もわざと粗く撮っていい感じに仕上がっている。悪くない映画であった。

以上、ごんごん、まとめて列挙。
しつこいようだけれど、「極私的映画批評」なので参考にされないことを望むんである。
明日TSUTAYAに行って、これを参考にされても困っちゃうのだ。
映画や小説は人それぞれの好みがあって、自分の趣向を強要すべきではない。
感性が同じ方なら共感得られるかもだが(^-^)/
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2 件のコメント:

  1. tessey 様
    ブログ!スゴイデスネ!
    以前、うかがって、久々に読ませていただいております。
    「テッシー、少年野球」で、一発でヒットしました!
    また、コメントさせていただきます。
    中野坂上
    Uncle NEWS

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  2. Uncle NEWSさん、コメントありがとうございます。

    久々のイラストの仕事、楽しみにしてたんですが残念でした。またよろしくお願いします。

    早速小ブログを見ていただいたようで、ありがとうございました!(^-^)!

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