先日さりげなく書店で買った。村上春樹著「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
村上春樹的には「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」以来の長いタイトルではあるまいか。外見はさりげなく装ったものの、内心は目がハートになって乙女のような気分で本屋をあとにしたわけで。
しかし、読書時間は昔の一兆分の1に減ったのに伴い、読書量も一京分の1にまで激減した。更にOhmoriさんからもらった奥田英朗3冊がある。うち「サウスバウンド」上巻の1冊はもうすぐ読了だけれど、次の下巻が餌を求めるひな鳥のごとく、筆者の手に取られるのを待っているんである。更にあろうことか、昨日衝動的に奥田英朗の「最悪」を購入してしまった。最悪である。いや、最悪ではなく、読みたいのに読めない本が溜まっていくのを眺めるだけで、ウィスキーのロックをWで3杯はいけるのだ。帝国ホテルのバーならばこれで6,000円は取られるだろう。ドライヴェルモットの瓶を眺めながらジンロックを舐める、究極のドライマティーニ「チャーチルズ・マティーニ」みたいに、至福の時を過ごせるのだ。
う〜む。続きを読むか、村上春樹に浮気するか、迷ってしまう。普段なら何をさておいても即村上春樹に走るのだけれど、「サウスバウンド」下巻の主人公の少年が俺を手招きしてもいるのだった。
文芸評論家の北上次郎こと、本の雑誌社長、目黒考二は、一週間に10冊の本を購入する。読むスピードが追いつかず、溜まりに溜まる本の山。この本たちを収蔵するためのみに、家を購入しちゃうほどだ。まさに「活字中毒者の味噌蔵」(椎名誠著)なんである。そんな本たちに囲まれて、「晴耕雨読」になれたらどんなに素敵だろうなと夢想するも、筆者の現実は甘くない。雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ、晴れても降っても田畑に出てゆかねばならぬ。顔の皺がウミガメの首のようになるまで。退職金を拝領できるサラリーマン諸氏。若い頃ならいざ知らず、努々(ゆめゆめ)勝算なしに起業することはしないほうが良い。
このブログのタイトル、少年野球「晴耕雨読」はそうなりたいと思い、つけたものである。
晴れた日は額に汗し畑を耕し、雨の日は心を平らかに読書に勤しむ。「晴耕雨読」
素敵だと思いませんか。
煩悩のまだ抜けきらない筆者には、きっといくら年をとっても無理なんだろうな。
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