2013年4月9日火曜日

天は二物を...

仕事のクライアントでもあり20数年来の友人でもある、同い年のUmeから電話があった。
「ナニやってんのォ?元気ィ?」
「おぉ、誰が電気だってえ?」と筆者。
「ひゃひゃひゃひゃっ」としゃりしゃり笑うUme。更に、
「いやあ、今日脳ドックに行ってきてさあ、俺の頭がMRIに入るかどうか心配だったけど、なんとか無事あのトンネルに入ったんでほっとしたよォ〜」
「あはは、もしかして看護婦3人がかりでムリクリ頭をつっこまれたんじゃあねえの?」
「そうそう、なんで知ってんの。でもそのあと顎がひっかかってMRIから出れなくなっちゃってさぁ〜、参ったよ」
なんてバカを言い合ってしまうバカオヤジ二人であった。

彼は大田区のリフォーム会社「住まいる」を経営する社長である。ホームページを更新したいとのことで、グラフィックデザインの仕事依頼であった。昨日月曜日、大田区の鵜の木というところへ行ってきたんである。鵜の木はフレンズ代表が行っている会社があるところでもある。

夕方打合が終わり近くの居酒屋へいそいそと向かう、俺たちオヤジ。
住宅街の中にすこんと納まってる建物があった。外壁に埋め込まれているのは波を模した巨大なアワビ群。暖簾もなければメニューもない。読者諸兄は初めての店の入口を入るとき、期待感に胸がふくらむ店ってないだろうか?

一見取っつきにくそうな寡黙なマスターSuzukiさん。これがすごいヒトであった。
ステンレス製造会社などのサラリーマンを経験ののち、一念発起脱サラしてこの店を持った。持ったと行っても工事会社に造らせた店舗ではない。土地を借り受け更地の状態から基礎の形成に始まり建築、内装、家具に至るまでほとんど手作りなんである。自分で材料を調達し、道具を購入または借りたりして加工、組み立て、たった3ヶ月で一軒家をつくっちゃったんである。玄人はだしどころではない、ある意味プロを凌駕しちゃっている。
驚いた。この男ただ者ではないと直感す。

更に、客の話を黙って聴き入る物腰は、あたかも一流ホテルのバーテンダーを彷彿とさせる。そのあとおもむろに口を開けば、深い洞察と広い蘊蓄の海を見せてくれる。「骨太の男」との印象を強くした。これでモテないわけがない。あとから来店した常連とおぼしき可愛い若い女性の一人客。彼女のマスターと話している時の目がハートマークになっていたのを筆者は見逃さなかったわけで。翻訳会社に勤める彼女。筆者のiPhoneに届く海外からのブログコメントを翻訳してもらった。英文のスパムメールである。スラスラスイッと日本語に変換。こちらも才女なんであった。若いのに「晴耕雨読」の単語も知っていた。しばし英語の話題に花が咲く。

しかも肴が...めちゃくちゃ旨いんである。食材は築地で買い求めるか、または神奈川近海で自ら釣に行って調達するのが基本。お通しで出て来た小イワシでさえ、すでに絶品、タッパーに入れて持って帰ろうかというほど。

最後に出て来た和風ペペロンチーノには正直、頭をガツンと殴られた気分。ニンニク醤油と鷹の爪とオリーブオイルが、じゅるじゅると筆者の脳みそを心地よく浸食してゆく。
今まで食べてきたペペロンチーノは一体なんだったんだろうかと思えるほど衝撃的に旨かったんである。これだけを食べに行っても損はないはずだ。

もしアナタの財布にほんの少し余裕があって、旨いメシと酒とほどよい空気感を欲しているならば、是非お勧めしたい。
「天は二物を与えず」というが、多才な才能を天から授かった人というのもあるものである。
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