小説を読み、映画も観た。私の好きな小説の一冊であり、好きな映画の一本でもある。主演は渡辺謙と樋口可南子。若年性アルツハイマーの話ではあったのだけれど、ハッピーエンドには至らない、苦悩の恐怖小説だと思った。そんじょそこらのB級ホラー映画を凌駕して余あるものだった。もし私がうんと若い頃に読んだならば、また別の感想を持ったかもしれないけれど、当時の読後感や観賞後は戦慄が走ったものだった。夕日に赤く染まった渡辺謙と樋口可南子のラストシーンは今でも瞼に焼き付いている。若い頃ならば自分とは無関係の単なる感動的な名画として記憶に残るだけだったかもしれない。しかし当時働き盛りの年齢だった私には、いつ自分にも襲いかかるかもしれない恐怖として捉えたものであった。
それが、まさか自分ではなく身近な人間がそうなった場合のことは当時は考えもしなかったけれど、仮にそうなった場合....また別の違った意味での恐怖が胸の底からじわりと迫って来るものである。
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そんなこんなでここひと月ばかりは、少年野球にまつわるブログを書いていても、或いは小説をアップしていても実は心はどこかうわの空だった。満月の夜に空を見上げる狼男のような、またはパリからの帰国便で観た、ジェーンフォンダが親子で共演した映画「黄昏」(たそがれ)のような気分である。地に足がついてなく気分だけは張りつめていても、時間は地球の自転軸に従ってゆっくりと、しかし確実に過ぎてゆく。地球の回転を逆戻りさせることはたぶん私には出来ないと思う。
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重たい話はここまでにしよう。いつもの少年野球「晴耕雨読」的ブログに戻りたい。三連休明けの出勤途中の電車でこんな話を読ませてしまうことは筆者の本意ではないし。
さてフレンズはオレンジボールを想定外の快進撃で予選リーグを突破し、巴戦を回避しついに決勝トーナメント進出を果たしたんである。巴戦を回避して一番喜んだのは連盟事務局なのかもしれないけど。フレンズLINEにNakamura事務局から報告があった。久々に盛り上がったLINEに乗じて監督Itohくんからも宮前連合チームも勝ったとのコメントあり。その後11回の死闘の末勝利したベイスターズファンのNatsuki母のコメントを皮切りに、良い意味で不毛のオバカなLINEのやりとりが怒濤のごとくピコピコ鳴った。フレンズらしい会話の応酬で読んでいて微笑ましかったんである。
更に淋しい知らせと明るい希望。
Q監督Koshimizuさんから一斉メールがあった。宮前Queensは6年最後の公式戦を闘い無念にも惜敗。しかしそのあと苦悩の末の決断であったろうと想像に難くないKoshimizuさんの文章には、来年も監督を「続投」するとの文字が並んでいたのだった。シーズン半ばから来期は監督を辞退すると公言していた監督だったが、「苦渋の英断」だったのではなかろうか。いずれにしてもQueensにとっては朗報、いや吉報であった。先日の連盟主催秋季懇親会で会長SohmaさんがMurata代表と筆者に言っていたことがいまだに耳に残っているんであった。
「Koshimizuさんが監督じゃないQueensはQueensじゃないよ」
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前回までの小説は果たしてどこまで記憶に残っているんであろうか。
ここらで一筆「ここまでのあらすじ」的な要約を書いたほうが良いかもしれないとは思いつつ、ちょっと気分的に食指が動かずやはりそのまま掲載したい。希伊を探し求めた龍一が自由が丘の実家に行き、育ての母親奈津子と対峙した場面までであった。
このブログのあと「月に雨降る」を久々に載せるんである。
※読者諸賢のみなさまには、ブログ順番的には上の小説を読んでから、下のこの記事を読むことになるけれど致し方ないわけで。地球の自転や時計の針を逆戻しすることはやはり不可能なんである。
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