建築内装業界の端くれにいる筆者、今朝のニュースには驚いた。パリのノートルダム寺院の衝撃的な火災事件であった。
内部に入るとなんとも言えない荘厳な空気感に圧倒される。上を見上げれば精緻で色彩豊かなステンドグラスから柔らかな光が差し込む。平面図は十字架の形に描かれ構成されている。静々と内部を徘徊すれば感嘆のため息も憚(はばか)れるほどの静謐、そののちいつしか敬虔な気持ちになる自分を発見する。セーヌ河畔から見上げる後ろ姿は、不謹慎との誤解を恐れず言うなれば、どこかセクシーですらあったのを想い出す。
震災による熊本城天守閣の損壊に心を痛めたのもつかの間、まさかノートルダムが火災であのような悲惨な姿を目の当たりにするとは想像もしてなかった。熊本は自然災害なのに対し、パリのそれは人災事故事件という大きな差異はあるものの、同じ地球上に人が作り上げた傑作の消失には違いない。日本は地震大国と言われるように幾多の災害や火災に見舞われてきたけれど、その度に人々が結束し再建に情熱を注いできた。その点、欧州は地震が少なくレンガや石積みの建築が気が遠くなるほどの歴史の中で健在してきた。かのノートルダムも石造りゴシック建築の最高峰なのだけれど、尖塔などの屋根組みが木造だったことはつゆ知らず、今回その報道に接して愕然としてしまった。なぜ燃えるのだろうと素朴な疑問が頭をよぎった。
日本の建築技術やインフラ構築、安全管理は元より、災害による再建復興の建築技術は世界でもトップクラスである。同じ建築を愛する人間として日本は是非、政府の金銭的援助以外にも技術支援でノートルダム再建に助力してほしいと希(ねが)う。...のは筆者の独りよがりだろうか。
ドイツメルケル首相の言葉「ノートルダムはフランスのみならずヨーロッパの至宝」に感銘を受けた。
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