2017年10月26日木曜日

小説「月に雨降る」あとがき(前編)

今回ブログは小説「月に降る雨」のネタばらしが多分に含まれます。
興ざめすること必至。閲覧注意なので読まないで飛ばしてもらっても一向に構いません。

小説の「あとがき」は、作者が振り返って作品に対する簡単な思いを語る場である。誰か文芸評論家のような第三者に書いてもらうのは「解説」となる。ここでは「あとがき」を「晴耕雨読」的な体裁で書いてみちゃうんである。

●発端と展開について
何度か書いたけれど、これは全く小説にするつもりはなく、遊び半分で小説風に書いたブログなんである。筆者はごくまれに近所のファミレスに昼食を食べに行くことがある。いつものように、メニューを開くと迷ってしまい、なかなか決められないんである。チーズインハンバーグにしようか、いやたまにはパスタランチもいいな。さんざん迷って今日はパスタにしようと決めて、呼び鈴(無線ブザー、アレですね)をコチッと押す。しばらくするとウェイトレスのパートのおばさんが来て、筆者は告げる。
「え〜と...チーズインハンバーグお願いします」
最後の最後でどんでん返し。自分でも呆れてしまうんであった。
それをブログに書こうと思ったのだが、ふと、ただそのまま書いては面白くないと思い、架空の人物を登場させて、小説風にしてやれと考えたんである。それで最後にタネ明かしをして終わるはずだった。
ところが、書き終わってもそのあとのストーリーがぽこっと頭に浮かび、二回目から筆が止まらなくなったんである。今後の展開も何も全く考えずに適当にストーリーを進めて行ったんであった。自分の学生時代のバイト経験や当時の生活などが走馬灯のように浮かんでは消え、消えては浮かび、それを基本にかなりの演出を加えて話を膨らませていくと面白くなっちゃったんであった。
もともと「一度、小説を書いてみたい」という欲求が根底にあったため、焼けぼっくいに火がついてしまい、気がついたらぼーぼーに燃え盛ってしまうことになった。
売れっ子作家は連載締め切りでケツに火がつくが、素人の筆者は頭の中に棲むチャッカマンが脳のあちこちに火をつけて回っていたんである。

●ストーリーについて
起承転結は全く考えないで、筆が進むままに書いていった。ある朝希伊が家を出て行ったあと、「さてこのあとどーするか?」と初めて今後の展開を考えるようになった。今にして思うとホントにいい加減であった。徐々にいきなりパソコンに向かうのではなく、ノートにちょっと先までのストーリーの要点だけメモってからキーボードを叩くようになった。それでもまだ中盤以降のことは考えていない状態であった。

この小説は手法としてはよくあることだけれど、現在(2015年くらいから2017年)と過去(2000年前後)のタイムラグの中を、往復する形で書いた。龍一が40歳前後と18から20代前半の頃である。これがのちに筆者を苦しめることになる。舞台が現在から過去に飛んだときに、読者に「いったいこれは現在の話の続きなのか、或いはまた過去に戻った話なのか、いったいどっちなんだ、てめえ!」と、混乱させてしまうことになったはず。自分でも両方の時系列の整合性を正すのに大いに苦労したんであった。サッカー日本代表W杯出場や、桑田の「TSUNAMI」大ヒットなどの話を挿入し、時代の空気感を埋め込んでいった。簡単なのは、時系列に従って単純に過去の話を全部書いてから、後半現在の話に移行するのが普通である。しかしそれだと、後半の現在部分には「希伊」の存在が皆無になり、ラストシーンで再会しても「ああ、前半でそんな女性がいたな」と、印象が希薄になってしまう。だからほぼ全編に希伊の存在を漂わせるために、希伊がいた過去と現在を混沌とさせて、常に忘れさせないようにした。中盤真壁のBarで龍一が昔金沢に遊びに行ったことを回想させたあたりは、その典型である。龍一の希伊への想いが募るシーンなんであった。

ラストシーン、オチはどうするか?正直いろんなパターンが頭に浮かんだ。長年の思い叶わず傷心のまま帰京するか?それでは書いてる筆者自身が救われないではないか。どんよりしたまま悲恋の小説で終わらせることも出来たが、それでは筆者が嫌だった。もうご存知のように龍一はほぼ半分は筆者の分身みたいなものであるから。ハッピーエンドを念頭に置き書き進めた。ラストの店名のクダリは実はかなり前から決めてあったけれど、最終回のラストに書くことに決めたのはほとんど最後に決めたことであった。最初の構想では、龍一が夜になってシェンロンを再訪してすぐに希伊から明かすつもりだったんである。最後に持って来ることで、龍一だけでなく、希伊も昔からずっと龍一への想いを秘めて過ごしていたのだということを示唆したかったわけで。

余談。龍一が昼間シェンロンを訪れたとき、何気なくバイトの女子高生を登場させた。書いた時は単なるバイトだったが、何かラストにサプライズはないものかと思案していて、閃いたことがある。「女子高生=17、18歳」....おお!この子を若い頃同棲していた龍一の娘にしてはどうか?つまり17年前希伊は妊娠していることも知らずに金沢へ来て、龍一の子を産み、育てる。17年ぶりに龍一と再会した希伊は「この子はあなたの娘よ」と。龍一にしてみれば希伊に邂逅しただけでも奇跡なのに、まさか自分にもう一人の子どもがいたなんて。
...随分迷ったけれどこのアイディアは没にした。リアルガチではなくなっちゃうからだ。身寄りのない希伊が金沢に来ていきなり子どもを産み、その後の苦労を考えた時に、現代ではあまりに荒唐無稽なストーリーであり、マンガチックな安っぽい小説に成り下がってしまう気がしたからだった。まるで一時期流行った韓流ドラマみたいに、これでもかと詰め込んで安っぽくなるような気がしたからである。もしそうなったならば、なぜ希伊は子を連れて龍一に会いに行かなかったのかが問題になる。それをこじつけで後出しジャンケンで話を考えることも出来たが、現実的な小説としては破綻しちゃうような危惧があったから、その展開はバッサリ諦めたんであった。
ひとつ間違えば昔の女のことが忘れられない女々しい男のストーカー物語。
そうならないように、スレスレで「大人の純愛物語」にしたいと思った。男でも女でも独身既婚問わず、若い頃あなたの中にも初恋の人、或いは失恋した相手を想う気持ちが心のどこかにあるはず。
あの時のあの人は今どうしているのだろう?
これがこの小説の根底に流れている。

●登場人物について
龍一は半分以上は筆者の実体験に基づいている。あとの半分は全くの創作。どこが実体験でどこからがフィクションかはつまびらかに出来ない。神島龍一という名前が最後にシェンロンの店名に繋がることは筆者も全く想定していなかった。途中から閃いたアイディアだった。筆者は高知出身ではなく山形で、野球ではなくサッカーをやっていた。高知には行ったこともない。学生時代バイトしていたのは池袋ではなく新宿で、住んでいたアパートは初台と中野坂上。江古田には行ったこともない。龍一の人格や性格は半分筆者で、あとの半分は理想的創作の姿なんである。

希伊と恭子。
これは全く架空の人物設定であり現実的なモデルとなる女性はいない(たぶん)。こんな女がいたらいいなという願望が含まれている。この二人には結構共通する人格があって、その差別化に苦労した。希伊は美人ではないけれど可愛いタイプで男を惹き付ける魅力を持った女、恭子はロン毛でスラリとした若い超美人系。書いていて筆者自身が二人に恋をしてしまったくらいである。後半龍一が恭子に理不尽な別れを告げるシーンでは、本当にもったいないと筆者は思ってしまった。書く気はないけれど、続編があるならばその後恭子はBarMakiのマスター真壁と結婚するアナザーストーリーも頭の片隅にあった。スピンオフ企画で恭子を主人公にした小説を書いたら良いかもしれないが、精神的かつ体力的に無理ってもんだ。

村井、輿路、相馬健、大乗寺義満(大城寺)、冨沢健司郎。
言わずと知れた筆者の身近な少年野球関係者がモデルである。Queensとフレンズである。名前の一部を拝借して人物名を考えた。ちょっと遊んでみたのだった。遊んだとはいえ、小説執筆に楽しさを加えてくれたバイプレイヤーであった。もちろん作中の輿路(Koshimizu監督)が監督する「宮里キューティーズ」は「宮前Queens」をもじっている。

T&Dの月地と梅川と鈴木孝雄部長。
月地は実際今でも筆者と仕事をしているクライアントである。本名はTsukioka。20歳も年下だが、実に愛すべき仕事が出来るナイスガイ。昔勤めていた会社の設計部で一緒だった。鹿児島への出張や、大丸東京の仕事では何度も会社で徹夜して、200時間残業したり死ぬ思いをしたが、彼とは楽しかった思い出も多いいわば戦友である。昨年社内の超美人セレブとやっと結婚した。梅川の本名はUmezawa。リフォーム会社の社長で筆者とは大昔の会社の同僚。彼とも今では一年に何回かは仕事したり酒を飲んだりする仲である。鈴木孝雄は実は筆者が半分入っている。龍一と孝雄は表裏一体的なところがある。

その他、登場人物。
昔の知り合いをモデルにしたり、全くの架空人物だったりする。因に鹿児島の社長高須麿(たかすま)は実在の人物で、本当に宮崎と鹿児島で多角経営をするTakasuさんがモデルである。実に人間的に魅力ある人であった。先日TBSの番組「SASUKE」を観ていたら驚いた。このTakasuさんの息子さんが出場していたんである。その師匠が「SASUKE」レジェンドの長野さん。金比羅丸船長の長野さんとは、鹿児島出張の時に一度会ったことがあった。彼の武勇伝はいっぱいTakasu社長から聞いていたけれど、ここではとても書けない。
............
さて、まだ●舞台設定や、●タネ明かし的記述は続くんであるが、よもやこんな時間にまで及ぶとは想定外。0:30。
なので続きはまた次回に持ち越しなんである。
ゴメンナサイ、なんであった。
寝るぞ!
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