筆者の公園めぐりや散歩は生命維持装置みたいだと思う。自宅で座りっぱなしの自営業にとっては誠に真実なんである。
以前から好きな公園のひとつに、横浜の牛久保公園がある。横浜といっても川崎の筆者の家から歩いてすぐが横浜市。市境が近いせいである。赤カブで走ってかの地でひたすら歩くわけで。フレンズ代表Yanagisawaさん宅に隣接する牛久保公園である。
おっと、「なんだよ、バイクで公園へ行って散歩って、本末転倒じゃね?」とお思いの貴兄、あの有名なCMをお忘れか。「そーだ、京都へ行こう」のJRのCM。新幹線で京都へ行き、嵐山の竹林を散策し龍安寺の枯山水や大徳寺孤篷庵(こほうあん)忘筌(ぼうせん)に佇み心穏やかになる...それとなんら差異はないのである。少なくとも筆者には。
さて現実に戻ってブログであった。
コロナ禍で公園の「密」が喧伝されているのは周知の通り。しかし公園への外出自体は規制されているわけではない。むしろコロナ疲れ解消のためにも子どもや高齢者には推奨もしている。その「質」や「あり様(よう)」に問題が潜んでいるわけで。なので堂々と牛久保公園へ。カブと言う名の新幹線に乗り、公園という名の京都へ。ここ数週間は週末となればここへきている。コロナ報道に見事に呼応するかのように、公園利用者数が増えたり減ったりするのが面白いように目に見えて分かるんである。
この公園は遊具などはなく広大な自然公園と言ったオトナの風情が実に良い。更にここと両隣の山崎公園、徳生公園とが小川の流れる遊歩道で結ばれているのが実に素晴らしい。こういう公園は川崎にはほぼない、残念ながら。この3公園は2mのソーシャルディスタンスどころか数キロ離れているので「密」ではないが、密接に親密に連携しているんである。
※GoogleMapから
牛久保から徳生公園へ。数週間前には小川で仲睦まじい番(つがい)の鴨がいて、速攻山形39LINEに写真を投稿。徳生公園には大きな池がある。鴨や鯉、亀などが悠然と泳いでいる姿にニンゲンどもは癒されちゃうのであった。亀ちゃんなんぞはロープに必死で掴まって甲羅干しをしている姿は実に滑稽で可愛らしい。
一世を風靡した山形の「人面魚」は今はどーしているのだろうか。
池の周囲の小高い丘に登り、木陰で寝転ぶ。木漏れ日の空を見上げて思う。コロナに苛まれた日々はもう少しの辛抱で雲散霧消、晴れて暗いトンネルから脱出するのはすぐそこにあるのか。しかし今を辛抱出来ずに緩みすぎちゃうと、第二波のヒタヒタとした足音も聞こえてくるわけで。
さて鴨ちゃんなんである。
数週間前に見かけた鴨のカップルなのかどうか分からないけれど、今日行ってみたら、なな、なんと、いつの間に子鴨を生んでいたのであった。スヤスヤ居眠りしていたが人が寄ってスマホカメラを向けても一向に動じない。ところが近くで天敵カラスの鋭い鳴き声がすると母子一斉に目を覚まし、鳴き声のする方向へ怯えた目を向けて緊張する姿が痛々しかった。筆者は昔有馬小学校のプールでカラスに襲われた鴨の骨を発見したことがある。日曜にプールに舞い降りた鴨を可愛いなと目を細めて眺めていたが、翌週土曜にプールへ行ってみると羽毛が散乱し無残な姿となって鴨と思われる骨だけが数本あった。しばらく声も出なかった記憶がある。同じくもっと昔は鳩もある。生物界の自然の摂理ゆえカラスに罪はないけれど、やはりやり切れない思いがあった。ニンゲンだって牛や豚や鶏を殺して食べたりするし、ましてや食べることを目的としない「狩猟」することと、カラスの蛮行とそう大差はないわけで。
どうかこのまますくすくと育ってほしい。子鴨を数えたら11羽いた。おお、サッカーチームが作れるじゃんか。いや待てよ。その前に少年野球チーム9羽でスタメンを組みプラス2羽を加えれば11羽で、ギリギリ大会登録可能ではないか。いったいこの後どーなるであろう子鴨をもじってチーム名は「横浜どーなるどダックス」に勝手に決めた。筆者は監督(ディレクター)には興味はない、チームの制作者(プロデューサー)になるのである。
iPhoneカメラを構える筆者の周りにも黒山の人だかり。「密です!」と叫んで東京都知事がすっ飛んできそうだが、ここは神奈川県であった。この場合の「密」は3密の「密」ではなく、「親密」の「密」なんであった。周囲の人たちはコロナのせいもあるが、鴨母子たちを驚かせないようにと、押し黙って静かにスマホを構えていた。
動画も撮ったけれどうまくアップできるかどうか分からないカモ。
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