2009年11月7日土曜日

素振り(すぶり)をした素振り(そぶり)

素振りだった。バッティングの基本の基本はやっぱり素振りなんである。60数年間野球一筋の柳澤代表がいつも子どもたちの耳にタコが出来る...どころかタコが住みついて耳の中で暮らし始める...くらい口を酸っぱくして言っていることだ。梅干し100個分くらい酸っぱく。
なぜ今更素振りなのか。先日MVPをとったゴジラ松井を語るエピソードが、マスコミでいろいろ語られていたようだが、そのひとつが「バッティングの極意は素振りにあり」とかいうものだった。大リーグのトッププロでさえそうなのだから、小学生に至っては何をかいわんや。ところが子らを見ていると素振りを甘く見ているフシが垣間見える。ひと振りひと振り真剣にやらなければ意味が無い。意味の無い素振りはただの棒振り運動であり疲れて腹が減るだけ。ピッチャーが投げ込んで来た球を頭の中で軌道を想像しながら一球一球打ち込むつもりで、イマジネーション豊かにやると良い。今の子たちは大方これがないと思う。タイトルどおり素振り(すぶり)をした素振り(そぶり)」で終わろうとする。それならばバットを捨てて坂道ダッシュをやったほうが100倍自分のためになる。疲れも腹の減り具合も100倍。メシを100杯おかわりしていつもより100倍熟睡出来るぞ。
「素振り」にまつわる話はいくつかあって...きょうのバッティングマシン相手に空振りばかりだった筆者のカッコ悪い話や(マシン相手に素振りの練習かっ!)、素振りによる人身事故の話や(ウチのチームじゃないよ)...その他モロモロ。それでひとつ昔話。
また娘の時代のこと。当時は練習終盤暗くなったらボールは扱えないので、解散前に全員で素振りを暗くなる迄、じゃない暗くなってから延々やったものだ。当時の柳澤監督・現代表は土日以外の平日も、家で素振りをやらせて欲しいと親に頼んでいた。素直なオヤジコーチの筆者は早速娘に指示。マンションなので庭がない。仕方なく敷地内の緑地で晩ご飯のあと素振りの特訓。ところが娘は選手である前に女の子だった。「女子が夜に表でバットを振り回す」ことが、人にジロジロ見られてことのほか恥ずかしかったらしい。それからは部屋の中で金属バットをブンブンやるはめに。
リビングの、TVとピアノの間にあるテーブルをどかして素振り100本。振り下ろす瞬間、バットヘッドとTVの距離は5センチ。そのあとのフォロースルーの際はバットとピアノの距離も5センチ。全力で振るので唸りをあげてかすめて行く。おまけに私はといえば新聞紙を丸めた先を標的にして娘に打たせていたので、新聞紙を持つ私の手との距離30センチ。わずかな財産と命をかけた一大イベントであった。100本終わった頃にはオヤジのほうが内心ホッとしたものである。
もともと気乗りがしない娘と、いつかはヤバイことになると思案していたオヤジ双方の利害が心で一致し、わずか4,5日でこの一大事業が幕を閉じたのは言うまでもない。しかし、素振り400〜500本やって一度でも5センチの狂いがあれば、ピアノが壊れ、明日から連ドラが観れなくなっていたはず。それがなかったということは、バッティングフォームにブレがないということ。...つまりそれだけ娘も真剣に素振りをしていたのだろう。(親の右手を潰したくないし、好きなアニメも観たいだろうし)
こんな無謀な親子をまねしてほしくはないが、素振りのような単純な作業ほど、集中して真剣にやらないと何も身に付かないということだ。
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