2020年8月15日土曜日

渋谷宮下公園にて

宮下公園は渋谷であるが、渋谷は宮下公園であるとは限らない。

筆者随分と若いころの昔話。ある女性(決して怪しい関係ではないが、必ずしもそうとも言えないビミョーな関係性の)と食事をした後、帰りがけに宮下公園を通って行ったことがある。山手線に並行しスクランブル交差点に隣接した、駐車場の上に設置された木々の生い茂るいかにも都会的な公園だった。周りは渋谷に集まった大勢の人たちが喧騒に包まれている。以前昼間に来たことはあったものの、夜に来るのは初めてだった。超細長い特異なスペースで、中央に樹木が点在し、両サイドにはベンチが設置されていたように記憶する。結構明るいと言うべきかやや薄暗いと言うべきか、微妙な空気感であった。ベンチにはほぼ誰かしらが座っていたのだが、サラリーマンが缶ビール片手に話し込んでいたり、若いカップルが肩寄せ合っていたり、オッサンが一人でボーとすわっていたり。しかしながら高校生の制服を着た男女カップルが実に多いのである。まあまあ、若者よ青春を謳歌していて良いではないか。

※ここからは健全なる少年少女と、品行方正・清廉潔白を座右の銘にしてるような親御さんは、以下読まないで飛ばしていただくことを推奨したい。
....
しかしなんである。十数メートルも進むとイチャイチャを通り越してチュッチュまでしているカップルが現れた。これも、まあまあ、若者よ青春を謳歌していて良いではないか。
しかしなんである。彼女が足早にズンズン進んでいくのを後ろから歩いていたのだが、ふと横のベンチを見ると、薄暗がりで白シャツの男子高生がベンチに座り、セーラー服の女子高生は隣に座るではなく、こちらに背を向けて男子の膝もとに立ち膝して、首がなにやらある一定の規則正しい運動を.....。
これ以上の情景描写は、或いはこれ以上の詳細な文章は書けない。推して知るべし。
ビックリして思わず「えっ!」と言ってしまったんである。すると向こうもビックリこいたらしく男子は顔を上げて筆者を見て、女子は振り返って目と目が合ってしまったわけで。実に気まずい思いをしたのだった。しかしここだけではなかったんである。見ればあちこちで似たような情景が展開されていたのだった。
ああ、驚いた。そんな若い頃の思い出である。それが大昔の宮下公園であった。

さてその公園が渋谷大規模再開発の一環でリニュアル再建され、「MIYASHITA PARK」となったことはあまり知られていないかもしれない。本格的公園マニアと言うほどではないが、少しは公園マニアなので、過日行ってきたんである。コロナで入場規制があったがそれも解禁されて自由に入れるようになった。自由といってももちろんこのご時世、入り口での検温と消毒とマスク着用は必須であったが。
1Fから3Fまでの飲食店と各種ブランドショップの集積体は、どの商業施設でも当たり前となった構成。特筆は1Fの屋台村風、全国ご当地料理が楽しめる「渋谷横丁」。北海道東北から九州沖縄までの名物料理が一堂に会する構成。これは一見の価値ありかも。東北ゾーンで中に入ろうかと思ったが、東北6県のうち、どうやら山形料理だけなかった(?)のでやめた。コロナでなかったらもっと凄い賑わいだったはずだ。

本来の目的地である4Fの屋上公園へ。大都会のど真ん中で裸足になって真夏の太陽を浴び、天然芝に大の字に寝転べる場所はそう多くないかも。熱中症を気に掛けながらも至福の時である。楕円形のパイプにはこれから数年かけて蔦の絡まる緑の天井が形成されるはずだ。

ここでは自由に寝転べる芝生スペースの他、ビーチバレーやボルダリング、スケボーもできるスペースもある。ビーチバレーゾーンでは夏休みの小学生男女10人ほどが裸足で元気に遊んでいた。実に楽しげな光景だった。

近くのビルの広告看板に目が吸い込まれた。
「まいったな2020 SOPH.」
直感的に解釈したのはコロナ禍でオリンピックが延期になり、経済が停滞落ち込み、人々の生活様式が一変したことを、シンプルに嘆いたコピーライトか。帰宅後調べたらSOPH.はアパレルメーカーらしい。一発一行で今年の日本人の、或いは世界中の人々の気持ちを代弁している秀逸な広告(ビルボードサイン)だと思った。もし糸井重里賞と言うものがあるなら糸井重里氏に成り代わって糸井重里賞をあげたいくらいだ。
実にまいったな。背面は渋谷スクランブルスクエア。

屋上公園の中央付近にはスタバ。その隣にはあのハチ公が天空を見上げていたのだった。
方位磁石を模した円形の造形の中心にハチ公を設置したアート作品らしい。詳しい説明板は読んでないけれど。

ハチの目線の先、位置関係からしてたぶん彼は北極星を見上げているはずだ。
少なくとも決してリチャード・ギアを待っている風ではなかった。
ほぼ正中(せいちゅう)した太陽を背に、ハチの小さな影は逆方向、つまり北へ短く伸びていたのだから。

ハチ本人に尋ねようと思い、近寄って上から真偽のほどを問いただしてみた。

「そーだよ」

と、答えてくれた。....ような気がする。

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