2021年7月24日土曜日

ブルーインパルス、五輪と夢と希望を乗せて

 本日晴天なれど、波は高くない。若干雲が浮かんでいるも、そう悪くない。ブルーインパルスが大好きなんである。昨年の医療従事者へのエールを送る演技飛行は仕事で見れなかった。今回は絶対見てやろうとずいぶん前から決心していたのだった。好き、だけではなく、もう一つ別の目的もあって...。

いやはや外苑前からスタジアムへの通りは大混雑であった。かつてこの通りに2店舗ほど仕事で設計をしたことがあったが、今は別の店舗に代わっている。炎天下、ほどなくしてオリンピックスタジアムが見えてきた。

3密どころか10000密であった。緊急事態宣言下の東京はどこへやら、皆、考えることは同じなんだなと改めて思う。予想はしていたけれど想像以上の混雑だった。取りも直さず筆者もその共犯ではあるが。時々ここを通った外国人記者が「ワーオ!」と笑いながらスマホで写真を撮っていた。まるでドアを開けたら無数のカラスが佇んでいる、ヒッチコックの「鳥」みたいだった。

飛行ルートは航空自衛隊のツイッターで折り込み済み。筆者ツイッターはやってないけれど、ネットで調べた。都内各所の飛行時間は密を避けるために寸前に発表されて、12:40から12:55のわずか15分間で都内各所を飛行とのことだった。そりゃそーだ、ジェット機である、ゆっくりのんびり飛ぶわけにはいかない。回遊魚のマグロが一生泳いでないといけないみたいに。

このブログでは筆者の写真はほとんど載せてない。その必要性を感じないからだ。ましてや自撮りもまずやらないのが常。でも今回は五輪開催を祝して(?)自撮り写真をアップ。我ながらジジイになったわい。目元と首筋に無数の年輪が現れる。

スタートの12:40分になった。入間基地から新宿都庁に入った頃だ。ここから渋谷へ南下して行くはずだ。間もなくこっちにも来る。誰かが叫んだ「キター!」皆、ん?どこどこ?と空を見上げる。スタジアムの近くをカラースモークを噴出しながらあっという間に通過して行ったのだった。これから東京タワーやスカイツリー方面へ出撃なはず。「国立」オリンピックスタジアムでの五輪マーク飛行の予定は12:49である。ワクドキしながらiPhoneを構える。ヒッチコックのカラスたちは全員立ち上がってスマホを構える展開。

遠雷のような微かなジェット音がした。いきなり先頭機がすっと通過したかと思うと、後ろの5機が同時に円を描き始めた。急いでiPhoneの赤い動画ボタンを押した.....つもりだった。確かに押したはずなのに、実際はいつの間にか動画撮影されていたところを、そうとも知らずに、ストップボタンを押していたらしい。ストップされたまま、五輪を描くブルーインパルスの感動的な飛行を肉眼でこの目に焼きつけた。一生の不覚だった。円を描き切った後はすぐに5色のカラースモークはぽすぽすと雲散霧消しちゃった。

ここで動画をアップしたかったけれど、実に無念。スポーツ戦場カメラマンとしては失格どころか、プロならば即刻クビだったに違いない。帰りがけに国立と(ちなみにサッカーファンにとってはオリンピックスタジアムのことを、サッカーの聖地「コクリツ」と呼称するのが慣わしなんである)、五輪モニュメントを活写。順番に記念撮影するカップルや家族連れの姿が微笑ましい。

外苑前への帰路、ここを忘れちゃいけねえ。神宮球場だった。6年前フレンズが全国大会へ行ったあの日の開会式の記憶が、まるで昨日のことのように思い起こされる。ベスト16で終わったあの夏の日、この神宮で集合写真を撮りたかったが、敗戦後皆下を向き暗鬱とした空気感の中で、集合写真を撮ろうと声を掛ける勇気がなかった。今にして思う。あの時撮っておけばよかったと。これもシャッターチャンスを逸した一生の不覚として、筆者の心に傷が残っている。

ブルーインパルスが搭載しているのはカラースモークだけではない。夢と希望も乗せている。昨年の医療従事者への敬意を表する飛行も感動だったが、私にはもう一人届けたいひとがいる。医療従事者と対極にいる、病室で困難な病と闘っているひとだ。病状によっては逆に気が滅入ることになりかねないけれど、少しでも元気になってほしいと思い、ここへ赴いたのだった。「夢と希望」を届けたい。それが本当の目的だった。

※出典:読売新聞WEB版

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